まず訂正。
「すちゃらか映画レビュー!(その8)」で話した「デンジャラス・ビューティー」の原題「Miss Congeniality」の件ですが。「ミス・高感度」なんて大ウソ!(しかも「ミス・好感度」のつもりだったし…)「Congeniality」は「一致」「適合性」といった意味です、はい。…どっちにしろ、原題は狙い過ぎ!…ダサベタでも邦題のほうがいいよニャ〜♪

というわけで、「すちゃらか映画レビュー!」どす。
今日のお題は「ロボットとヒューマニズム」。
映画・マンガ・小説…媒体構わず、昔からロボットのお話には弱い私。だって究極のヒューマン・ドラマなんだもん…。


「A.I.」ARTIFICIAL INTELLIGENCE:AI(2001・米)
監督:スティーブン・スピルバーグ
脚本:スティーブン・スピルバーグ
出演:ハーレイ・ジョエル・オスメント、ジュード・ロウ、フランシス・オコナー、他

ストーリー:
近未来の地球。人のために働くロボットが溢れる中、初めて「愛」という感情を人工知能に持つロボットが発明された。その第一号であるデイビッド(H・J・オスメント)が、不治の病で冷凍睡眠状態の息子を持つ夫婦に与えられ、彼はモニカ(F・オコナー)に母としての愛情を求める。だが奇跡的に息子の命が助かったため、夫婦はデイビッドが邪魔になり、とうとう彼を森に捨ててしまう。「人間になればママは僕を愛してくれるはず」と、デイビッドは願いを叶えるため、旅に出る――。

そんなに面白くないですか??
つまらなくて長すぎて…退屈ですか?
映画ってのは常にお涙頂戴、もしくはハラハラドキドキしなければならないものですか?
「あなたはどう思う?」と直接訊かれなきゃ、ダメなんですか?

実は私、この映画がそんなに嫌いではないんだよニャ…。長さもあれで妥当でしょう。
公開されたとき、散々云われてたけど…みんなもしかして「スピルバーグの娯楽作」「お涙頂戴作品」だと期待して、映画館に行ったとか〜??…だったらガックリくるよね、確かに。
ちなみに私の場合、「近未来ロボットもの」「テーマは愛とヒューマニズム」「スタンリー・キューブリック最後の企画」といったキーワードが、すでに頭の中にあったので、ストーリー展開は予想通りだった。

ロボットの創造者でありつつも、いつの日か、彼らが自分たちを脅かす存在になっていくのではないかと怯える人間――まあ、ありがちとはいえ、この映画でもやはり見受けられた展開。
人権のないロボット、用がなくなれば廃棄処分されるロボット――そういった映像を見せられるたびに、自分の持つヒューマニズムを試されているような感じがする。う〜む…。

そして機能停止するまで「愛」を求め続けるデイビッドの姿が…ロボットの悲哀を感じさせるよニャ〜…。そう、デイビッドは人間じゃない…ロボットなんだよ…。どこまで人間に近いのか――観ていてぐるぐるしちゃったよ…。

で。映画のテーマである「愛」だけど、デイビッドの「愛」って、いわば「インストールされた愛」。作り物に過ぎない。でも「愛」を認識したいのに「愛」が与えられないロボットは…どうなるのか。「愛」を求めるために、どのような行動に出るのか?…その行動も計算・インプットされたものなのか??それとも人工知能(A.I.)が新たな感情を生み出すのか??…そもそもそれ以前に人間はロボットの感じる「愛」を――「愛」だと認めてるのか??…などなど、そこらへんがこの映画の見所かな〜と思うんですが…いかがでしょう??…ちなみにスクリーンで「こうだ!」とストレートに回答が語られていないので、観てる側の受け取り方は千差万別・十人十色でしょう。

でもニャ〜…正直云うと、私、デイビッドより…あの顔に似合わず渋い声のクマちゃんのほうが…欲しいんだけどニャ〜…。

あとジュード・ロウ!!…やっぱいい役者だね!…顔自体はそんな好みではないんだけど、いや〜、ああいう系統のハンサムは、今の映画界にとって貴重です!!絶対保護しましょう!!(でも髪が…)

そして意外に声優陣が豪華!!…ロビン・ウイリアムズにメリル・ストリープ。ふむふむ!実に「らしい」配役ですけど、あれ?ナレーションって――ベン・キングズレーだったんですか〜??ビックリ!

しかし…キューブリックに「ロボットもの」か〜…。仕方ないとはいえ、どうしても背後に「鉄腕アトム」が見え隠れするよね…。

♯こんな人にオススメ
「映画を観て考えるのが好きな人」「ロボットものに弱いんです〜」←そりゃ私!


「アンドリューRDN114」THE BICENTENNIAL MAN(1999・米)
監督:クリス・コロンバス
脚本:ニコラス・カザン
出演:ロビン・ウィリアムズ、エンベス・デイベッツ、サム・ニール、他

ストーリー:
そう遠くない近未来。家事などを手伝う家庭用ロボットが発明され、ごく普通の家庭であるマーティン家にも1台の人間型ロボットがやって来た。ところがアンドリュー(R・ウィリアムズ)と名づけられた彼は、人の心を持つ突然変異のロボット。そのことに気付いた主人のリチャード(S・ニール)は、アンドリューの能力を伸ばそうと教育を始める。そして次第にアンドリューは人間になりたいと思い始めるが――。

原題は「200年目の男」…アンドリューとマーティン家との200年に渡る交流が描かれている。永遠の時間があるロボットと、寿命のある人間…別れは必ずやってくるもの…。う〜ん、ヒューマニズムだニャ〜…。
そして、「A.I.」もそうなんだけど、この作品のアンドリューも「人間になりたいロボット」。でもアンドリューのほうがより自己学習能力が強くて、不屈の精神があり、また実践力もある…って、一概に比較はできないか!

なんて云うか、この映画観ていて、映画というよりは小説を読んでるような感じだった。星新一のショートショートに、エピソードをいっぱい付けたようなストーリーとでも云うか。とくに後半にその雰囲気が倍増。なんでかニャ〜??と思ってるうちに、本編が終わったので、そのままエンド・ロールをぼけーっと見てたら…なんと!アイザック・アシモフの名前を発見!!――そっか〜この映画、アイザック・アシモフが原作だったのか〜〜〜!…な〜んだ、そりゃあショートショートや星新一を思い出すはずだよ〜〜〜!!だってアシモフなんだもん〜〜!!

あとはそうだニャ、「A.I.」に出てくるロボットたちより、アンドリューのほうが親近感があるかな?(って、比較することもないんだけど)…それはR・ウィリアムズだからってのもあるかも。こりゃ彼のアドリブだニャと思われるセリフ、実に多し。クスっとさせられます♪…いや〜、秋林家にもアンドリューが欲しいよニャ〜♪ははは♪

で、この映画は「愛」もテーマのひとつでもあるけど、「ロボットに人権を認めるか」――これが最大のテーマ。…どんどんヒューマニズムを持ち始め、人間として認められたいアンドリュー。彼の闘う姿をどう思うかで、この映画に対する評価は分かれるだろうニャ〜…。

しかし…なんで今ごろアシモフなのか…。

♯こんな人にオススメ
「あなたはロボットに人権を認めますか?」


で、もしこの2作品をDVDで買うなら…
難しいニャ〜…。う〜ん…。まあ、ロボットに弱い私なので、ともに1500円くらいなら買うかも。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

日記内を検索