すちゃらか映画レビュー!(その21・前編)
2002年10月26日…ったく!!
近くのレンタルビデオ屋へ行くと、だいたい1時間くらい店内をうろちょろするんだけど、最近どうにも観たい映画が置いてない!
こら!!レンタル****!!!
なんで名作「12人の怒れる男」を置いてないのニャ!?
あの名作を置いてないとは――なんたること!!
――「チャタレイ夫人の恋人」は、新旧合わせて7本も置いてるくせに!!
と云うわけで、「すちゃらか映画レビュー!」どす!
今回のお題は「家族の絆」。
なんて云いますか、ここ最近の「すちゃらか!」で取り上げる映画って、名作なんだけど意外と知られてないとか、時間が経ったことで埋もれてしまったとか、そういう作品が続いておりますニャ〜…。しかも自分の思い出と共に語ってるもんだから、すっかり自己満足の域。まあ、今秋のマイブーム&コンセプトは「思い出走馬灯」ってことで、どうか(今回も)お許しを。でも来週あたりに、最新の映画を取り上げてみようかニャ〜…。
「黄昏」On Golden Pond(1981・米)
IMDb→http://us.imdb.com/Title?0082846
監督:マーク・ライデル
脚本:アーネスト・トンプソン
出演:キャサリン・ヘップバーン、ヘンリー・フォンダ、ジェーン・フォンダ、他
ストーリー:
アメリカ・ニューイングランド地方。ある湖のほとりの別荘に、引退した大学教授ノーマン(H・フォンダ)とその妻・エセル(K・ヘップバーン)がバカンスにやって来た。エセルは元気いっぱいだが、ノーマンは憎まれ口を叩く元気はあるものの、老いに対する恐れで卑屈になっていた。そんなある日、娘のチェルシー(J・フォンダ)がふたりを訪ねて来た。だがチェルシーは、父・ノーマンを恐れるあまり、彼に対し素直に愛情が表現できない。そして――
この映画、けっこう好きで――このレビューのために、10年ぶり(それ以上かも)に再見した。ホントに懐かしい。私、H・フォンダとK・ヘップバーンが大好きなんだよニャ〜…。
ストーリーとしては――誰もがいつかは経験するだろう老いに対する恐れ、老夫婦の愛の絆、そして…不器用な父と娘の心の交流――などが描かれている。
まず老いに対する恐れ。
ノーマンはいつも憎まれ口を叩くんだけど、それが実にユーモアがあって、観ている側からはつい思わずプっと笑いがもれてしまう。かわいいよニャ〜♪…その憎まれ口なのも不器用なだけ。でも年齢を重ねるごとにもの忘れがひどくなり、ショックを受けている様を観ていると、「ああ、この人はやはり老人なんだ〜…」と思えてきてしまう。私が思うくらいなんだから、ノーマンはもっとショックだろう。もちろん「老い」=「悲しいこと」ではない。ただ彼はそこまで思う余裕がないんだよニャ〜…。大学教授を引退したことで、社会から遠ざかったという気持ちもあるんだろう。そんな姿をH・フォンダが素晴らしい演技で見せてくれる。
老夫婦の愛の絆。
ノーマンが卑屈っぽくなっているのに対し、エセルは元気いっぱい。ものすごく魅力的。夫を愛し、また人生も楽しんでいる感じ。こんなおばあちゃんだったら、自慢できるだろうニャ〜♪…もうK・ヘップバーンの演技が素晴らしすぎて…言葉が出ない。この映画を観れば、なぜ彼女が名女優と云われるかがわかるだろう。不器用な夫に対する深い愛情が、スクリーンいっぱいに表現されている。「どうやったらノーマンは人生を楽しむようになるの?」…そういった彼女の思いが伝わってくる。そしてノーマンもまた、そんなエセルを深く愛しているんだろう…。ああ…こんな夫婦に憧れるニャ〜…。
ところで。これ初めて観たのが…たしか中学生くらいの頃で、情報が溢れている今と違い、「ロードショー」や「スクリーン」といった雑誌を毎月読んでは情報収集してた私。とにかくこの「黄昏」も、製作バックグランド情報入手は、そういった雑誌からだった。
なんでこんなことを書くのかと云うと…この映画、主演のH・フォンダ、そして娘役(って云うか、彼の実の娘なんだけど)のJ・フォンダの間にも――さまざまな葛藤があったという裏事情があるんだよニャ〜…。
私の記憶がたしかなら…ジェーンは幼い頃、父・ヘンリーの浮気がもとで母を亡くし、そのせいで彼のことが許せず、またヘンリーがアメリカを代表する名俳優だったから、その父の影響を受けないフランスにまで渡ったらしい。それくらい、父親を遠ざけたみたい。
でも、すでに大女優になっていたジェーン(だってオスカー2回受賞)は、どういった経緯があったのかは知らないけど、ヘンリーとこの映画で共演したんだよニャ〜…。本当に仲直りしたかはわかんニャいけど(復縁したと当時の雑誌などでは書かれてるけどね)、そういう裏事情があるから、この映画のノーマンとチェルシーの親子関係も「実際と同じ感じだったのかニャ〜?」なんて思って観てしまう。それが映画を観る上で邪魔な感情だという人もいるだろうし、製作サイドの狙い(宣伝という意味でね)だと思う人もいるだろう。ただ私は――そこまで、ぎゃいのぎゃいのと云いたくない。たとえそれが本当だとしても…この映画が素晴らしい作品であることは変わらないから。
話を元に戻さなきゃ!え〜っと、次は「父と娘の心の交流」。
本当のことを云うと、この映画、そこらへんちょっと苦しい感じがする。もっともっとノーマンとチェルシーが理解し合っていく姿が観たかったニャ〜…。でもそんな急になんてムリか。一歩ずつ、少しずつ…だろうニャ、やっぱ。だってチェルシーは小さい頃から父が怖かったんだもん。いきなりは難しいよね。…時間ってのは、なかなか埋まらないものであり、また早くには進まないものだしね…。
あと、少年がひとり出てくるんだけど…ノーマンとのコンビが実に絶妙で、これも見所のひとつ…かニャ??(この少年がキーパーソンだったりするし)
そして美しい湖(黄金の湖ね)とアビ(鳥)が印象的…って、この映画もニューイングランド地方が舞台か(私もつくづく弱いよニャ〜…)。こりゃ〜1回行って来いってことかも。ははははははははは♪
で。この映画…1981年度アカデミー主演男優賞、主演女優賞、脚色賞をゲット。K・ヘップバーンはなんと4度目の受賞(取って当たり前の演技だったよニャ!)。H・フォンダは初めての受賞だったんだけど(いままで受賞しなかったのが不思議なくらいの名優なのにね)…受賞後、亡くなってしまったんだよニャ〜…。それ聞いた当時、ちょっとせつなくなってしまったっけ…。
人生の黄昏時に――自分はどこで、誰と、どのように過ごしているんだろう…そんなことを思ってしまう映画。
♯こんな人にオススメ
「数年来、父親とうまくいってない…」「おじいちゃん映画大好き!」「キャサリン・ヘップバーン?…ヘップバーンって、オードリー以外にもいるの?」
では、また明日♪
追加〜。
↓「12人の怒れる男」ってこんな映画です〜。
http://us.imdb.com/Title?0050083
…裁判もので、この作品以上の映画って観たことない。それくらい名作。どんぐり先生にオススメしたい映画だけど、すでにご存知だろうニャ〜…。
近くのレンタルビデオ屋へ行くと、だいたい1時間くらい店内をうろちょろするんだけど、最近どうにも観たい映画が置いてない!
こら!!レンタル****!!!
なんで名作「12人の怒れる男」を置いてないのニャ!?
あの名作を置いてないとは――なんたること!!
――「チャタレイ夫人の恋人」は、新旧合わせて7本も置いてるくせに!!
と云うわけで、「すちゃらか映画レビュー!」どす!
今回のお題は「家族の絆」。
なんて云いますか、ここ最近の「すちゃらか!」で取り上げる映画って、名作なんだけど意外と知られてないとか、時間が経ったことで埋もれてしまったとか、そういう作品が続いておりますニャ〜…。しかも自分の思い出と共に語ってるもんだから、すっかり自己満足の域。まあ、今秋のマイブーム&コンセプトは「思い出走馬灯」ってことで、どうか(今回も)お許しを。でも来週あたりに、最新の映画を取り上げてみようかニャ〜…。
「黄昏」On Golden Pond(1981・米)
IMDb→http://us.imdb.com/Title?0082846
監督:マーク・ライデル
脚本:アーネスト・トンプソン
出演:キャサリン・ヘップバーン、ヘンリー・フォンダ、ジェーン・フォンダ、他
ストーリー:
アメリカ・ニューイングランド地方。ある湖のほとりの別荘に、引退した大学教授ノーマン(H・フォンダ)とその妻・エセル(K・ヘップバーン)がバカンスにやって来た。エセルは元気いっぱいだが、ノーマンは憎まれ口を叩く元気はあるものの、老いに対する恐れで卑屈になっていた。そんなある日、娘のチェルシー(J・フォンダ)がふたりを訪ねて来た。だがチェルシーは、父・ノーマンを恐れるあまり、彼に対し素直に愛情が表現できない。そして――
この映画、けっこう好きで――このレビューのために、10年ぶり(それ以上かも)に再見した。ホントに懐かしい。私、H・フォンダとK・ヘップバーンが大好きなんだよニャ〜…。
ストーリーとしては――誰もがいつかは経験するだろう老いに対する恐れ、老夫婦の愛の絆、そして…不器用な父と娘の心の交流――などが描かれている。
まず老いに対する恐れ。
ノーマンはいつも憎まれ口を叩くんだけど、それが実にユーモアがあって、観ている側からはつい思わずプっと笑いがもれてしまう。かわいいよニャ〜♪…その憎まれ口なのも不器用なだけ。でも年齢を重ねるごとにもの忘れがひどくなり、ショックを受けている様を観ていると、「ああ、この人はやはり老人なんだ〜…」と思えてきてしまう。私が思うくらいなんだから、ノーマンはもっとショックだろう。もちろん「老い」=「悲しいこと」ではない。ただ彼はそこまで思う余裕がないんだよニャ〜…。大学教授を引退したことで、社会から遠ざかったという気持ちもあるんだろう。そんな姿をH・フォンダが素晴らしい演技で見せてくれる。
老夫婦の愛の絆。
ノーマンが卑屈っぽくなっているのに対し、エセルは元気いっぱい。ものすごく魅力的。夫を愛し、また人生も楽しんでいる感じ。こんなおばあちゃんだったら、自慢できるだろうニャ〜♪…もうK・ヘップバーンの演技が素晴らしすぎて…言葉が出ない。この映画を観れば、なぜ彼女が名女優と云われるかがわかるだろう。不器用な夫に対する深い愛情が、スクリーンいっぱいに表現されている。「どうやったらノーマンは人生を楽しむようになるの?」…そういった彼女の思いが伝わってくる。そしてノーマンもまた、そんなエセルを深く愛しているんだろう…。ああ…こんな夫婦に憧れるニャ〜…。
ところで。これ初めて観たのが…たしか中学生くらいの頃で、情報が溢れている今と違い、「ロードショー」や「スクリーン」といった雑誌を毎月読んでは情報収集してた私。とにかくこの「黄昏」も、製作バックグランド情報入手は、そういった雑誌からだった。
なんでこんなことを書くのかと云うと…この映画、主演のH・フォンダ、そして娘役(って云うか、彼の実の娘なんだけど)のJ・フォンダの間にも――さまざまな葛藤があったという裏事情があるんだよニャ〜…。
私の記憶がたしかなら…ジェーンは幼い頃、父・ヘンリーの浮気がもとで母を亡くし、そのせいで彼のことが許せず、またヘンリーがアメリカを代表する名俳優だったから、その父の影響を受けないフランスにまで渡ったらしい。それくらい、父親を遠ざけたみたい。
でも、すでに大女優になっていたジェーン(だってオスカー2回受賞)は、どういった経緯があったのかは知らないけど、ヘンリーとこの映画で共演したんだよニャ〜…。本当に仲直りしたかはわかんニャいけど(復縁したと当時の雑誌などでは書かれてるけどね)、そういう裏事情があるから、この映画のノーマンとチェルシーの親子関係も「実際と同じ感じだったのかニャ〜?」なんて思って観てしまう。それが映画を観る上で邪魔な感情だという人もいるだろうし、製作サイドの狙い(宣伝という意味でね)だと思う人もいるだろう。ただ私は――そこまで、ぎゃいのぎゃいのと云いたくない。たとえそれが本当だとしても…この映画が素晴らしい作品であることは変わらないから。
話を元に戻さなきゃ!え〜っと、次は「父と娘の心の交流」。
本当のことを云うと、この映画、そこらへんちょっと苦しい感じがする。もっともっとノーマンとチェルシーが理解し合っていく姿が観たかったニャ〜…。でもそんな急になんてムリか。一歩ずつ、少しずつ…だろうニャ、やっぱ。だってチェルシーは小さい頃から父が怖かったんだもん。いきなりは難しいよね。…時間ってのは、なかなか埋まらないものであり、また早くには進まないものだしね…。
あと、少年がひとり出てくるんだけど…ノーマンとのコンビが実に絶妙で、これも見所のひとつ…かニャ??(この少年がキーパーソンだったりするし)
そして美しい湖(黄金の湖ね)とアビ(鳥)が印象的…って、この映画もニューイングランド地方が舞台か(私もつくづく弱いよニャ〜…)。こりゃ〜1回行って来いってことかも。ははははははははは♪
で。この映画…1981年度アカデミー主演男優賞、主演女優賞、脚色賞をゲット。K・ヘップバーンはなんと4度目の受賞(取って当たり前の演技だったよニャ!)。H・フォンダは初めての受賞だったんだけど(いままで受賞しなかったのが不思議なくらいの名優なのにね)…受賞後、亡くなってしまったんだよニャ〜…。それ聞いた当時、ちょっとせつなくなってしまったっけ…。
人生の黄昏時に――自分はどこで、誰と、どのように過ごしているんだろう…そんなことを思ってしまう映画。
♯こんな人にオススメ
「数年来、父親とうまくいってない…」「おじいちゃん映画大好き!」「キャサリン・ヘップバーン?…ヘップバーンって、オードリー以外にもいるの?」
では、また明日♪
追加〜。
↓「12人の怒れる男」ってこんな映画です〜。
http://us.imdb.com/Title?0050083
…裁判もので、この作品以上の映画って観たことない。それくらい名作。どんぐり先生にオススメしたい映画だけど、すでにご存知だろうニャ〜…。
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