すちゃらか映画レビュー!(その30)
2003年1月4日まずは思い出話から。
初めて映画を観たのは小学4年生のころ。1番最初に観たのは「メリー・ポピンズ」「キャリー」「O嬢の物語」のどれかだったと思います(どれを1番先に観たっけ〜?覚えてない…)。
ただ、最初に映画館で字幕で観たのは「メリー・ポピンズ」でした。
小学校の催しにより、映画館貸切り状態で観たのですが…小学4年生に字幕はつらかったせいか、だんだん映画に集中できない子が増えていき、映画館はかなりうるさい状態に。それでも私はひとり、スクリーンに集中していました。友達とのおしゃべりより、映画の方がずっと面白かったからです。…もう夢中で字幕を追っかけました。
アニメと合成された回転木馬のシーン。ジュリー・アンドリュースが傘で降りてくるシーン。屋根の上での「チムチム・チェリー」。映像とストーリーにすっかり魅せられ、私はジュリー・アンドリュースとともに、笑い、楽しみ…そして悲しみました。
……あのときの感動は、一生忘れないでしょう。
そして。
かなり昔の作品であるのにも関わらず、映画館のスクリーンで観せてくれた小学校に…感謝しています。
というわけで、「すちゃらか映画レビュー!」どす!
今日のお題は「陪審員による法廷劇」。
南風さんからリクエストされた映画を取り上げてみました。
…不朽の名作なのニャ!!
「十二人の怒れる男」12 Angry Men(1957・米)
IMDb→http://us.imdb.com/Title?0050083
監督:シドニー・ルメット
脚本:レジナルド・ローズ
出演:ヘンリー・ファンダ、リー・J・コッブ、エド・ベグリー、E・G・マーシャル、他
ストーリー:
ある暑い夏の日、17歳の黒人少年による実父殺しの裁判が行われ、あとは陪審員による評決を残すのみとなった。12人の陪審員たちは討議室に集まったが、状況証拠、証言などがすべて揃っているため、数分で有罪評決するかと思われた。しかし、あるひとりの陪審員(H・ファンダ)が無罪を主張。そして、有罪か無罪かを巡って次第に論議が白熱していく。
観終わったあとの余韻が素晴らしかった映画。名作。感動したもん。こんなに古い映画なのに、IMDbでも24位。…だってこの映画、いろんなことを教えてくれるもんニャ〜。
狭い討議室で、12人の陪審員が有罪か無罪かを話合っている映画…といえば、たしかにそうなんだけど…彼らが討論している内容は、実はそれだけじゃない。
固定観念と偏見。
信念を持ちながらも人の意見にも耳を傾ける…つまり、討論するという本来の意味。
罪を決定する――その重さ。
理想の陪審員制度とは。
12人の陪審員たちが白熱して討論する姿に、観ている側も真剣になってしまう。とてもスリリング。演じている俳優たちが素晴らしいしね。誰かひとり(たとえばH・ファンダとか)が突出して素晴らしいのではなく、12人すべてが素晴らしい。まさに「12人の素晴らしき名優」だよニャ〜。
そして、裁判が終わって12人の陪審員たちが討議室から出てくるシーン。あの清々しい開放感が素晴らしいし、俳優たちの名前が出てくるラストシーンも、これまた「ああ、いい映画観た〜!」という気持ちに拍車がかかっちゃう。…つまりそれだけ演出も最後まで見事だったってことでしょう。
で、結局12人の陪審員がどんな評決をしたかは――映画でご確認下さい。
尚、陪審員に黒人や女性がいないのは、やはり1950年代だったからだと思われます。
ちなみに、この作品は「12人の怒れる男 評決の行方」(1997)というタイトルで、リメイクされています(ジャック・レモン出演)。
♯こんな人にオススメ
「米国陪審員制度の理想って?」「そんなに話し合うことって大切かな〜?」「『朝まで生テレビ』をよく見ていました」
「12人の優しい日本人」(1991・日)
監督:中原俊
脚本:三谷幸喜と東京サンシャインボーイズ
出演:塩見三省、相島一之、上田耕一、中村まり子、豊川悦司、他
ストーリー:
もしも日本の裁判が陪審員制度だったら――という架空の設定のもと、繰り広げられる法廷コメディ。ごくごく普通の日本人12人が、ある殺人事件の陪審員に任命され、討議室で評決することとなった。被告の女性に同情する陪審員が多く、無罪で一致するかと思われたが、あるひとりの陪審員が有罪であると主張。そして有罪か無罪かを巡って、話が脱線しつつも、次第に論議が白熱していく。
ぎゃはははははははははは!
「十二人の怒れる男」をよくここまで「日本風」にパロディ化したもんだ!
ぎゃはははははははははは!
いやもう、本当、細かいところまで上手くパロディ化してるよニャ〜!…三谷幸喜は「怒れる〜」を何十回観たんだろうニャ〜。セリフひとつひとつ、陪審員ひとりひとり…エンディングまで――もう「怒れる〜」観たことある人は皆「ニヤリ!」!
「怒れる〜」を念頭に置かず、ごく普通にこの映画を観た場合――やっぱ、上手く日本人の特徴を出してる脚本だニャ〜と思う。コメディセンスのある役者が演じるからこれだけ面白いんだろうし。ただ、「映画で舞台演技してる」役者ばかりだな〜と思えちゃう。それがいいのか悪いのかはわかんニャいけど。でもまあ、三谷作品っていつもそういう傾向あるから仕方ないか。
個人的に印象深かったのは…相島一之かニャ?…けっこうドラマとかでヤな奴を演じてることが多いけど、こういう役も上手いよニャ〜。でもさすが12年前の作品なだけに若いわ〜!ははははは♪
尚、もしこの映画を観るのなら、「十二人の怒れる男」を最初に観ることをオススメします。それだけで、面白さが10倍になります。
しかし…トヨエツ…今となってはスゴイ衣装着てるよニャ〜…。
♯こんな人にオススメ
「三谷幸喜のファンなんです」「『怒れる男』に感動したんですけど…」「DCブランド着てるトヨエツが見たいわ〜♪」
この2作品、もしDVDで買うならどちらを選ぶか――
どっちも欲しいニャ〜…けど、「十二人の怒れる男」。やっぱヘンリー・ファンダの名作だし。
初めて映画を観たのは小学4年生のころ。1番最初に観たのは「メリー・ポピンズ」「キャリー」「O嬢の物語」のどれかだったと思います(どれを1番先に観たっけ〜?覚えてない…)。
ただ、最初に映画館で字幕で観たのは「メリー・ポピンズ」でした。
小学校の催しにより、映画館貸切り状態で観たのですが…小学4年生に字幕はつらかったせいか、だんだん映画に集中できない子が増えていき、映画館はかなりうるさい状態に。それでも私はひとり、スクリーンに集中していました。友達とのおしゃべりより、映画の方がずっと面白かったからです。…もう夢中で字幕を追っかけました。
アニメと合成された回転木馬のシーン。ジュリー・アンドリュースが傘で降りてくるシーン。屋根の上での「チムチム・チェリー」。映像とストーリーにすっかり魅せられ、私はジュリー・アンドリュースとともに、笑い、楽しみ…そして悲しみました。
……あのときの感動は、一生忘れないでしょう。
そして。
かなり昔の作品であるのにも関わらず、映画館のスクリーンで観せてくれた小学校に…感謝しています。
というわけで、「すちゃらか映画レビュー!」どす!
今日のお題は「陪審員による法廷劇」。
南風さんからリクエストされた映画を取り上げてみました。
…不朽の名作なのニャ!!
「十二人の怒れる男」12 Angry Men(1957・米)
IMDb→http://us.imdb.com/Title?0050083
監督:シドニー・ルメット
脚本:レジナルド・ローズ
出演:ヘンリー・ファンダ、リー・J・コッブ、エド・ベグリー、E・G・マーシャル、他
ストーリー:
ある暑い夏の日、17歳の黒人少年による実父殺しの裁判が行われ、あとは陪審員による評決を残すのみとなった。12人の陪審員たちは討議室に集まったが、状況証拠、証言などがすべて揃っているため、数分で有罪評決するかと思われた。しかし、あるひとりの陪審員(H・ファンダ)が無罪を主張。そして、有罪か無罪かを巡って次第に論議が白熱していく。
観終わったあとの余韻が素晴らしかった映画。名作。感動したもん。こんなに古い映画なのに、IMDbでも24位。…だってこの映画、いろんなことを教えてくれるもんニャ〜。
狭い討議室で、12人の陪審員が有罪か無罪かを話合っている映画…といえば、たしかにそうなんだけど…彼らが討論している内容は、実はそれだけじゃない。
固定観念と偏見。
信念を持ちながらも人の意見にも耳を傾ける…つまり、討論するという本来の意味。
罪を決定する――その重さ。
理想の陪審員制度とは。
12人の陪審員たちが白熱して討論する姿に、観ている側も真剣になってしまう。とてもスリリング。演じている俳優たちが素晴らしいしね。誰かひとり(たとえばH・ファンダとか)が突出して素晴らしいのではなく、12人すべてが素晴らしい。まさに「12人の素晴らしき名優」だよニャ〜。
そして、裁判が終わって12人の陪審員たちが討議室から出てくるシーン。あの清々しい開放感が素晴らしいし、俳優たちの名前が出てくるラストシーンも、これまた「ああ、いい映画観た〜!」という気持ちに拍車がかかっちゃう。…つまりそれだけ演出も最後まで見事だったってことでしょう。
で、結局12人の陪審員がどんな評決をしたかは――映画でご確認下さい。
尚、陪審員に黒人や女性がいないのは、やはり1950年代だったからだと思われます。
ちなみに、この作品は「12人の怒れる男 評決の行方」(1997)というタイトルで、リメイクされています(ジャック・レモン出演)。
♯こんな人にオススメ
「米国陪審員制度の理想って?」「そんなに話し合うことって大切かな〜?」「『朝まで生テレビ』をよく見ていました」
「12人の優しい日本人」(1991・日)
監督:中原俊
脚本:三谷幸喜と東京サンシャインボーイズ
出演:塩見三省、相島一之、上田耕一、中村まり子、豊川悦司、他
ストーリー:
もしも日本の裁判が陪審員制度だったら――という架空の設定のもと、繰り広げられる法廷コメディ。ごくごく普通の日本人12人が、ある殺人事件の陪審員に任命され、討議室で評決することとなった。被告の女性に同情する陪審員が多く、無罪で一致するかと思われたが、あるひとりの陪審員が有罪であると主張。そして有罪か無罪かを巡って、話が脱線しつつも、次第に論議が白熱していく。
ぎゃはははははははははは!
「十二人の怒れる男」をよくここまで「日本風」にパロディ化したもんだ!
ぎゃはははははははははは!
いやもう、本当、細かいところまで上手くパロディ化してるよニャ〜!…三谷幸喜は「怒れる〜」を何十回観たんだろうニャ〜。セリフひとつひとつ、陪審員ひとりひとり…エンディングまで――もう「怒れる〜」観たことある人は皆「ニヤリ!」!
「怒れる〜」を念頭に置かず、ごく普通にこの映画を観た場合――やっぱ、上手く日本人の特徴を出してる脚本だニャ〜と思う。コメディセンスのある役者が演じるからこれだけ面白いんだろうし。ただ、「映画で舞台演技してる」役者ばかりだな〜と思えちゃう。それがいいのか悪いのかはわかんニャいけど。でもまあ、三谷作品っていつもそういう傾向あるから仕方ないか。
個人的に印象深かったのは…相島一之かニャ?…けっこうドラマとかでヤな奴を演じてることが多いけど、こういう役も上手いよニャ〜。でもさすが12年前の作品なだけに若いわ〜!ははははは♪
尚、もしこの映画を観るのなら、「十二人の怒れる男」を最初に観ることをオススメします。それだけで、面白さが10倍になります。
しかし…トヨエツ…今となってはスゴイ衣装着てるよニャ〜…。
♯こんな人にオススメ
「三谷幸喜のファンなんです」「『怒れる男』に感動したんですけど…」「DCブランド着てるトヨエツが見たいわ〜♪」
この2作品、もしDVDで買うならどちらを選ぶか――
どっちも欲しいニャ〜…けど、「十二人の怒れる男」。やっぱヘンリー・ファンダの名作だし。
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