明日も副業なので、オープニング・トークなし!の「すちゃらか映画レビュー!」どす!

今日のお題は「あの監督がこんな映画を?」。
「え?あの監督がこんな映画を撮ってたんですか?」という意外作を取り上げてみました。時間がないので今回は1本限りのレビューですが、いつかまたこのお題に該当する作品を取り上げたいと思います。…でもなんだかマニアックな内容になりそう…。…むむむむ…。


「ポランスキーのパイレーツ」Pirates(1986・仏/チュニジア)
IMDb→http://us.imdb.com/Title?0091757
監督:ロマン・ポランスキー
脚本:ロマン・ポランスキー、ジェラール・ブラッシュ
出演:ウォルター・マッソー、クリス・カンピオン、ダミアン・トーマス、他

ストーリー:
筏で海上を漂流していた海賊・レッド船長(W・マッソー)とその手下・カエル(C・カンピオン)は、豪華なスペイン船を発見、命を助けてもらう。その船にはスペイン王に献上する黄金の玉座があり、レッド船長は船内に反乱を起こし、その玉座を手に入れようとする。しかし同船しているスペイン貴族のドン・アルフォンソ(D・トーマス)がそれを阻もうとする――。


その昔「ローズマリーの赤ちゃん」「反撥」などで、心理的に追い詰められる女性の恐怖を絡みつくような演出で描き、最近では「戦場のピアニスト」で、ホロコースト下のユダヤ人・ポーランド人・ドイツ人、そして必死に生き抜いたひとりのピアニストの苦しみと希望を、淡々としながらも圧倒的な描写力で描ききって、カンヌ・パルムドールとオスカー監督賞を受賞したロマン・ポランスキー。その彼が監督した……海洋(海賊)アドベンチャー映画。………。ウソでも幻でもなく――本!当!に!――あのポランスキーが監督した(しかも脚本まで書いてる)映画なんですってば!!………。80年代にこんな映画を作ってたんですね〜……>監督

この映画はもう本当にベタな海賊もの。
W・マッソー演じるレッド船長は、片足が義足でわが身一番の乱暴な海賊、そばにいる手下のカエルは、小回りが利くちょっとカワイイ少年…という実にベタな設定。オープニングもリズミカルなマーチとともにレトロな字体のクレジットが流れる…というベタさ。しかも「海賊とスペイン貴族による騙し合い、どんちゃんすちゃらかチャンバラ、美女とお宝を巡る攻防」という、もうどうしようもないくらいのベタなストーリーなので、よくまあこんな映画を作ったもんだよニャ〜と思わず感心しちゃった。

実は、ここしばらくポランスキー作品をいろいろ観てた私。その中でもこの「パイレーツ」は日本未公開でビデオリリースのみの作品だったため、ずっとそのビデオを探していたんだけど、あるビデオ屋さんでどうにかやっと発見。見つけたときは思わず叫びそうになっちゃった。

しかし…さすがの私もこの作品の事情と背景に関するネタは…知らないんだよニャ〜…。ただ、この時代(80年代)のポランスキーって、(私の記憶が正しければ)ホサれ気味だったはず。いろんな事情があって、監督を引き受けたんだろうニャ〜…。むむむむ…。ちなみにビデオのパッケージ裏には「私はディズニーが好きだ。そんな私が海賊映画を作ったらどうなるかと思い…うんぬん」といったポランスキーのコメントが紹介されていて(うろ覚えなので、今度ちゃんと見に行って来ます)、またもやビックリ。「ディズニーとポランスキー」…ですか??…そ…想像デッドゾーン…かも…。………。

映画は大コケしたけど、海洋アドベンチャー映画らしく、作りは実に豪華。大掛かりなセットに豪華な衣装(なにげに86年度アカデミー衣装デザイン賞にノミネート)。こりゃお金かかってるな〜という感じ。ただ脚本・演出的に、ポランスキー節が感じられず(ネズミのエピソードはちょっと「らしい」ものがあるけど)、「往年の海賊映画に対するオマージュ」という雰囲気が全編に漂っている(私に云わせれば)不思議な作品。う〜ん…なんで80年代にこんな映画作ったんだろう〜??…それが一番のナゾ。W・マッソーはこういう役をやらせると本当に素晴らしい俳優だと再確認はできたけどね…。


しかし…ポランスキー映画で必ずお目見えする「Roman Polanski’s FILM」というクレジット。それをこういう海賊映画で見ると……なんか不思議な気持ちになっちゃうよニャ〜…。


♯こんな人にオススメ
「ベタでもいい!海賊映画、万歳!!」「とりあえずポランスキー作品は押さえておこう」

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