今日はオープニング・トークなしで〜す♪
(昨日、語りすぎたから〜)


というわけで、「すちゃらか映画レビュー!」どす!
今日のお題も「本当の自分を取り戻せ!<SFアクション映画>」。
5/27の日記で語った映画を取り上げてみました。

――まりゅうさん、大正解です♪


!注意!
え〜…以下の作品をご覧になられる予定の方は、ネタバレしてますのでお読みにならないほうがよいです。いつもはこの「注意」を、現在公開中の作品をレビューする際に(配慮として)書いてるのですが、今日の作品は公開がすでに終わっているため、本来であれば「注意」対象外作品となります。ですが、遅れて公開している地方がけっこうあると小耳にはさんだので、とりあえず「注意」配慮することにしました。


「リベリオン」Equilibrium(2002・米)
IMDb→http://us.imdb.com/Title?0238380
監督:カート・ウィマー
脚本:カート・ウィマー
出演:クリスチャン・ベール、エミリー・ワトソン、ショーン・ビーン、テイ・ディグス、他

ストーリー:
21世紀初頭、第三次世界大戦が勃発。戦争は終結したが、生き残った指導者たちは二度と戦争が起こらぬようにと、争いの原因となる人間の欲望・残虐性・怒りなどの感情を抑える「プロジウム」という薬を開発、人類にその投与を毎日義務付けた。文化的なものはすべて焼却処分され、感情規制違反者やレジスタンスはクラリックと呼ばれる取締官に処罰された。そんな中、第一級クラリックで「ガン−ガタ」マスターであるプレストン(C・ベール)は、ある日、自分用の「プロジウム」をうっかり割ってしまう。そしてそのまま勤務をつくが、やがて彼の心に少しずつ感情が戻り始める――。


――傑作。
誰がなんと云おうと、また海の向こうの批評家たちがどんなにボロクソにけなしてようと――傑作。
私は普段、レビューでは「傑作」という言葉をあまり使わないけど(多用するのがもったいないから)、この映画だけは別。

とても面白かった。
この「リベリオン」……2003年度上半期の私的(暫定)1位作品になっちゃった。

大きなスクリーンで観れてよかったニャ〜…。
こんな田舎(←私が住んでるところ)なのに、上映してくれて――本当にありがとう〜…うるるるる…>**シネマさん


舞台はそう遠くない未来。そして人類はなんらかによって抑圧や規制(あるいは弾圧)を受けている…というのは、SF映画の中でもよくある設定。その「なんらか」がこの作品の場合、感情を抑制する薬「プロジウム」。それによって人類は感情…つまり人間性をなくす。その代わり戦争などは起こらず、とりあえず平和である…が、はたしてそれで人間として幸せなのか――。

感情を促す音楽や本、絵画…そして華美な装飾品までもが禁止され、所持しているだけで処罰。反抗するとその場で銃殺。そんな中で生きることになったら…どうなるんだろう??

この作品の最大の見所は、プレストンが人間性を取り戻していくまでの葛藤およびその過程だ。

「プロジウム」によってすべての感情が抑制されたプレストン。彼の使命は違反者やレジスタンスを見つけ、殺すこと。たとえ相手が同僚だったとしても容赦しない。まさに殺人兵器だ。そんな彼が「プロジウム」を打ち忘れたことにより――さまざまな感情…怒りや悲しみ、恐れ、愛…などを取り戻していく。


廃墟で見つけたレコードに針を落としてみる。流れてきた曲の美しさに――思わず涙を流す。

撃ち殺されていく仔犬たち。その無残な仕打ちと鳴き声に…彼は耐えられない。

悪夢にうなされ、目を覚ます。外を眺めようとするが、窓には景色を遮るシートが貼られている。夜明けの街が見られない。……なぜそんなものが貼られているのか?

違反者として処刑されるメアリー。そんな彼女に心惹かれるが「あなたの生きる目的はなに?」と逆に訊かれ、衝撃を受ける。…「生きる目的」とはなんだろう?


急にあふれ出てくる感情は、なかなか止まらない。それでも彼は必死に隠そうとする。だが、あるきっかけで、ついに彼の感情は爆発する。そして彼は人類開放のために、「プロジウム」と指導者・ファーザーに立ち向っていく――。

…うううう…。
こんなに深いとは思ってなかったし、「どーせ『マトリックス』をB級にしたSFアクション作品だろうニャ〜…」なんて思いっきり見くびっていた。それが…まさかまさかこんなに面白いとは!!本当にごめんなさい!

設定にかなり矛盾点があるというのは(もちろん)わかってる。でもなんだか許せてしまうんだよニャ〜…。

感情抑制されているのに、なんで奥さんがいたの?子供もいるじゃん?(どーやって作ったの?)――とか。「ガン-カタ」って、ハタから見るとちょっと滑稽だよニャ〜――とか。でもここまで面白かったら(こればっか!)…まいっか〜って気になっちゃう。

まあ、たしかにプレストンとレジスタンスの関係はいきなり過ぎるし、ラストもかなり強引だと思う。プレストンがリーダーとしてレジスタンスを引っ張っていく姿を見たいと思う人もいるかもしれない。でも…私はあの展開でいいと思う。

たしかに「人類解放」が最終目的だけど、「殺人兵器で感情のなかったひとりの男が、感情を取り戻し、自らを解放していく」――これを最大の見せ場にしたのは大正解だよニャ〜。だってそれが――プレストンの「人間としての生きる目的」を凝縮させているもの。

タイトに107分でまとめてきたところも素晴らしい。長くもないし短くもない。まさにベストな長さ。

それにしても…クリスチャン・ベール。いつの間にかB級路線になっちゃったけど、この作品では頑張ったね〜!…「彼しかいない」ってウィマー監督が云ったのもわかるわ〜。感情が見え隠れする姿を繊細に演じてるし、ヘタすれば滑稽になってしまう「ガン-カタ」を、ストイックなアクションにまとめてる。あの「ガン-カタ」って…かなり運動神経が必要なんだろうニャ〜。

メアリー役のエミリー・ワトソンも上手い配役。個性的な女優さんなので、普通だと使い方が難しそうな感じがするんだけど、今作ではピッタリ!
全体的にストイックな映画なので、色気過剰な女優さんだと画面的・展開的に締まらない。必要なのは、ハっとさせる印象、内に秘める情熱を垣間見せることができ、目力のある演技派女優――となると…う〜む…彼女は適役だよニャ〜…。

で。この映画最大の特徴である「ガン-ガタ」というオリジナル・アクション。空手の型がモデルらしいんだけど、二丁拳銃で空手の型やって――(しかも長ラン姿で)バババババン!!…なんかよくわかんニャいけど、おもしろ〜い♪うっひょ〜〜〜い♪

↓うまく説明できないので、詳細はこちら(「リベリオン」日本公式サイト)
http://www.amuse-pictures.com/rebellion/


で。この作品……批評家たちには無視されたけど、海外では熱狂的なファンが多く、掲示板も実に賑やか。あのIMDbの評価平均は――なんと7.8!…でもみんなこの映画の存在を知らない。私としては「マトリックス」以来のSFアクション系映画の名作だと思うんだけど…。むむむ…。


しかし…ショーン・ビーン…ま〜た**じゃう役でしたニャ〜…。


♯こんな人にオススメ
「ストイックなSFアクション映画が好き」


DVDで買うならどちらを選ぶか――
「リベリオン」。最近のSFアクション系では最高作だし、私好みだから。1作でスッキリまとめてきてるのも嬉しい♪

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