すちゃらか映画レビュー!(その47)
2003年6月22日時間がないので、オープニングトークなしの「すちゃらか映画レビュー!」どす!
お題は「音楽とカリスマ」。
…ってことで、どの映画について語るのかす〜ぐわかってしまうんですけど、とりあえず↓の映画を観に行ってきました。だって私にとって得意ジャンルな作品だったんだもん♪
!注意!
現在公開中の以下の作品をご鑑賞の予定の方で、「私はちょっとしたネタバレでも許せんのだよ!」という方は、たぶんネタバレしていないとは思うのですが、念のため以下の文章はお読みにならないほうがよいと思います。
「8 Mile」8 Mile(2002・米)
IMDb→http://us.imdb.com/Title?0298203
監督:カーティス・ハンソン
脚本:スコット・シルヴァー
出演:エミネム、キム・ベイシンガー、ブリタニー・マーフィ、メキー・ファイファー、他
ストーリー:
1995年アメリカ、デトロイト。8マイルと呼ばれる通りで分けられた貧困層が多い地区に、ジミー(エミネム)は自立できないまま、母親ステファニー(K・ベイシンガー)と、幼い妹リリーとともにトレイラー暮らしをしていた。若い男を連れ込む母、貧しい暮らし――最悪な状況の中、ジミーはラップで成功しようとチャンスをうかがう。だがどんなに才能に溢れていても、クラブのラップバトルではいつも実力を発揮できないままだった。そして――
――エミネムねぇ〜…。
ジョージ・マイケルのファンをやってる私には、避けて通れない人なんだよニャ〜…(理由は訊かないで〜)。なので存在はと〜ぜん知ってたし、曲だって聞いたことあるし、ビデオだって見たこともある。でもラッパーと云えば、RUN DMCとMCハマー、白人ラッパーになると、ヴァニラ・アイスで知識が止まってる私には、正直…なかなかしんどかったナリよ…。
で。そんなエミネムが、「ロッキー」のようなサクセスストーリーの半自伝的な映画にご出演、しかも監督がC・ハンソンとな??…これはスゴイ!!あのエミネムが生卵を飲み込むのニャ?(←間違った「ロッキー」認識)…そしてなんと云ってもハンソン監督の演出を受けるエミネム――う〜む、これは必見ナリよ!…というわけで、いそいそと観に行って参りました……が。
あの…この「8 Mile」――「ロッキー」と云うよりも――
(「パープル・レイン」+「ベスト・キッド」)×「グッド・ウィル・ハンティング」
…という感じだったんだけど――そう思ったのは私だけでしょうか〜〜?
「パープル・レイン」(プリンス主演)や「ベスト・キッド」(ラルフ・マッチオ主演)なんて知らない世代もいらっしゃると思うので、もっとわかりやすく云うと…「ロッキー」のような「エイドリア〜〜〜ン!!」的サクセスストーリーではなく、「ようやっと自分を生き方を見つけたばかりで、本当のサクセスはもうちょいあとなんだよ人生ストーリー 序章」といった感じ。
正直云って、新しさはない。最低な母親、幼く無邪気な妹、ビッチな恋人、応援する友人たち、未来のないホワイトトラッシュ、どん底から這い上がりチャンスをつかもうとする主人公、その主人公があるきっかけによって自らを開放(解放)していく――…う〜む。わかりますよ、わかりますけど――やっぱ実にありきたりな設定とストーリーなんだよニャ〜…。
そしてでっかい難関。
…フリースタイル・ラップ。
うっわ〜…これは日本人にはキツイ。
「ただの悪口じゃん、しょーもない。どこがいいのさ?」というご意見がある中(これは日本人に限った意見ではない)、私は「いいじゃん、別に」派なのですが…どーにも英語の高〜〜い壁がね…。むむむむむ…。
米国6年間住んで、英語がペラペラな友人ですら「エミネムの云ってることの半分もわかりゃしない」。最近、英国で起きたラップの歌詞に関する裁判でも「ラップは外国語である」。まあ英国人はともかく…やっぱ母国語が英語だったら、もっと理解できるんだろうニャ〜…。大して英語に理解力がない私ですら、あの字幕はツライなりよ…。誤解のないように云っておくと、字幕が悪いとケチをつけているのではなく、純粋に言語間のK2南壁(険しく手強いってこと)を感じてるんですわ〜…。はあ…。
がしかし。
すべてがありきたりで始まり、言語間にもでっかい壁を感じるこの「8 Mile」なのですが。観終わったあと、なにゆえこれほどまでに…私は感動しちゃってたんでしょうね〜…。むむむむ…。
いろいろ考えてみたけど、やっぱエミネムに上手く騙されてしまったってことかニャ〜…。演技力があるかって訊かれると、正直云ってなんだかよくわからない。ただ、エミネムの演技にはいわゆる「ミュージシャン映画」にありがちなナルシズムというものが感じられなかった(私にはね)。「パープル・レイン」や「グリッター」(M・キャリー主演)は、ナル系だと思ったのに。
そして…なんだか妙にリアルだった。
半自伝的とは云え、エミネム=ジミーではないはずなのに「エミネムって、デビュー前はこんな生活してたんだ」「こんなラップ・バトルをやっていたんだ」「こんな彼女と付き合ってたんだ」…などなど…思わずジミーとエミネムを重ねてしまった。けっして同じはずではないのに!…うっわ〜!やられてしまった!!
エミネムなんて別にどーでもいい私だけど、この映画観て、「そっか〜、エミネムってやっぱ才能あるんだ〜」と妙に納得してしまった。韻踏んで即興悪口なんて、私にゃできませ〜ん!
どっちにしろ、エミネムが嫌いな人はナナメ観しちゃう作品でしょうね。好みは人それぞれだから、人がどう思おうと勝手。ただ、この作品はちゃんと映画になってる。それはやはり…しっかりとした脚本と(ベタだけど)、キャスティングの勝利(エミネムだけでなく、K・ベイシンガーやB・マーフィもね)、そしてハンソン監督の演出力によるものでしょう。青春ものとして観たら…私は「グッド・ウィル・ハンティング」より好きかも(ま、もともと音楽系作品にも弱いしね)。
しかし…エミネムの芸風って…いつまで続くんだろうニャ〜…。
♯こんな人にオススメ
「どん底生活這い上がり系サクセス映画が好き」「やっぱ青春ものに弱いのよ〜」「その昔『パープル・レイン』を観ながら、つい『パープル・レイン』をプリンスと一緒に歌ってしまいました」(←こりゃ私か!)
お題は「音楽とカリスマ」。
…ってことで、どの映画について語るのかす〜ぐわかってしまうんですけど、とりあえず↓の映画を観に行ってきました。だって私にとって得意ジャンルな作品だったんだもん♪
!注意!
現在公開中の以下の作品をご鑑賞の予定の方で、「私はちょっとしたネタバレでも許せんのだよ!」という方は、たぶんネタバレしていないとは思うのですが、念のため以下の文章はお読みにならないほうがよいと思います。
「8 Mile」8 Mile(2002・米)
IMDb→http://us.imdb.com/Title?0298203
監督:カーティス・ハンソン
脚本:スコット・シルヴァー
出演:エミネム、キム・ベイシンガー、ブリタニー・マーフィ、メキー・ファイファー、他
ストーリー:
1995年アメリカ、デトロイト。8マイルと呼ばれる通りで分けられた貧困層が多い地区に、ジミー(エミネム)は自立できないまま、母親ステファニー(K・ベイシンガー)と、幼い妹リリーとともにトレイラー暮らしをしていた。若い男を連れ込む母、貧しい暮らし――最悪な状況の中、ジミーはラップで成功しようとチャンスをうかがう。だがどんなに才能に溢れていても、クラブのラップバトルではいつも実力を発揮できないままだった。そして――
――エミネムねぇ〜…。
ジョージ・マイケルのファンをやってる私には、避けて通れない人なんだよニャ〜…(理由は訊かないで〜)。なので存在はと〜ぜん知ってたし、曲だって聞いたことあるし、ビデオだって見たこともある。でもラッパーと云えば、RUN DMCとMCハマー、白人ラッパーになると、ヴァニラ・アイスで知識が止まってる私には、正直…なかなかしんどかったナリよ…。
で。そんなエミネムが、「ロッキー」のようなサクセスストーリーの半自伝的な映画にご出演、しかも監督がC・ハンソンとな??…これはスゴイ!!あのエミネムが生卵を飲み込むのニャ?(←間違った「ロッキー」認識)…そしてなんと云ってもハンソン監督の演出を受けるエミネム――う〜む、これは必見ナリよ!…というわけで、いそいそと観に行って参りました……が。
あの…この「8 Mile」――「ロッキー」と云うよりも――
(「パープル・レイン」+「ベスト・キッド」)×「グッド・ウィル・ハンティング」
…という感じだったんだけど――そう思ったのは私だけでしょうか〜〜?
「パープル・レイン」(プリンス主演)や「ベスト・キッド」(ラルフ・マッチオ主演)なんて知らない世代もいらっしゃると思うので、もっとわかりやすく云うと…「ロッキー」のような「エイドリア〜〜〜ン!!」的サクセスストーリーではなく、「ようやっと自分を生き方を見つけたばかりで、本当のサクセスはもうちょいあとなんだよ人生ストーリー 序章」といった感じ。
正直云って、新しさはない。最低な母親、幼く無邪気な妹、ビッチな恋人、応援する友人たち、未来のないホワイトトラッシュ、どん底から這い上がりチャンスをつかもうとする主人公、その主人公があるきっかけによって自らを開放(解放)していく――…う〜む。わかりますよ、わかりますけど――やっぱ実にありきたりな設定とストーリーなんだよニャ〜…。
そしてでっかい難関。
…フリースタイル・ラップ。
うっわ〜…これは日本人にはキツイ。
「ただの悪口じゃん、しょーもない。どこがいいのさ?」というご意見がある中(これは日本人に限った意見ではない)、私は「いいじゃん、別に」派なのですが…どーにも英語の高〜〜い壁がね…。むむむむむ…。
米国6年間住んで、英語がペラペラな友人ですら「エミネムの云ってることの半分もわかりゃしない」。最近、英国で起きたラップの歌詞に関する裁判でも「ラップは外国語である」。まあ英国人はともかく…やっぱ母国語が英語だったら、もっと理解できるんだろうニャ〜…。大して英語に理解力がない私ですら、あの字幕はツライなりよ…。誤解のないように云っておくと、字幕が悪いとケチをつけているのではなく、純粋に言語間のK2南壁(険しく手強いってこと)を感じてるんですわ〜…。はあ…。
がしかし。
すべてがありきたりで始まり、言語間にもでっかい壁を感じるこの「8 Mile」なのですが。観終わったあと、なにゆえこれほどまでに…私は感動しちゃってたんでしょうね〜…。むむむむ…。
いろいろ考えてみたけど、やっぱエミネムに上手く騙されてしまったってことかニャ〜…。演技力があるかって訊かれると、正直云ってなんだかよくわからない。ただ、エミネムの演技にはいわゆる「ミュージシャン映画」にありがちなナルシズムというものが感じられなかった(私にはね)。「パープル・レイン」や「グリッター」(M・キャリー主演)は、ナル系だと思ったのに。
そして…なんだか妙にリアルだった。
半自伝的とは云え、エミネム=ジミーではないはずなのに「エミネムって、デビュー前はこんな生活してたんだ」「こんなラップ・バトルをやっていたんだ」「こんな彼女と付き合ってたんだ」…などなど…思わずジミーとエミネムを重ねてしまった。けっして同じはずではないのに!…うっわ〜!やられてしまった!!
エミネムなんて別にどーでもいい私だけど、この映画観て、「そっか〜、エミネムってやっぱ才能あるんだ〜」と妙に納得してしまった。韻踏んで即興悪口なんて、私にゃできませ〜ん!
どっちにしろ、エミネムが嫌いな人はナナメ観しちゃう作品でしょうね。好みは人それぞれだから、人がどう思おうと勝手。ただ、この作品はちゃんと映画になってる。それはやはり…しっかりとした脚本と(ベタだけど)、キャスティングの勝利(エミネムだけでなく、K・ベイシンガーやB・マーフィもね)、そしてハンソン監督の演出力によるものでしょう。青春ものとして観たら…私は「グッド・ウィル・ハンティング」より好きかも(ま、もともと音楽系作品にも弱いしね)。
しかし…エミネムの芸風って…いつまで続くんだろうニャ〜…。
♯こんな人にオススメ
「どん底生活這い上がり系サクセス映画が好き」「やっぱ青春ものに弱いのよ〜」「その昔『パープル・レイン』を観ながら、つい『パープル・レイン』をプリンスと一緒に歌ってしまいました」(←こりゃ私か!)
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