すちゃらか映画レビュー!(その50-4)
2003年10月12日前置きはありませ〜ん!の「すちゃらか映画レビュー!」どす!
お題は「2003年秋公開の映画」。
今日は…以前トレイラー紹介した作品を取り上げてみました。
!注意!
以下の文章は、(できるだけ配慮したつもりですが)ネタバレしている可能性があります。そのため、これからこの作品をご鑑賞予定の方は、お読みにならないほうがいいかもしれません。
「マッチスティック・メン」Matchstick Men(2003・米)
IMDb→http://us.imdb.com/title/tt0325805/
日本公式サイト→http://www.matchstick-men.jp/
監督:リドリー・スコット
脚本:ニコラス・グリフィン、テッド・グリフィン
出演:ニコラス・ケイジ、サム・ロックウェル、アリソン・ローマン、他
ストーリー:
極度の潔癖症であるロイ(N・ケイジ)は、相棒フランク(S・ロックウェル)とともに、浄水器の詐欺をしては生活を営んでいた。そんなある日、昔別れた妻との間にできた今年14歳になる娘・アンジェラ(A・ローマン)が現れた。アンジェラの出現により、生活をすっかり狂わされたロイだったが、そのアンジェラから「詐欺のやり方を教えて」とせがまれ――
…と云うわけで、観に行って参りました!押忍!!
(8/8付日記参照→http://diary.note.ne.jp/25683/20030808)
感想うんぬんを語る前にですね…ちょっと配給元のワーナー・ブラザーズ・ピクチャーズ・ジャパンにモノ申したいのですが(なんか最近モノ申してばっかりなのは、やっぱ私が「インスペクター」だから〜?)。
CMでの――
「最後の思わぬどんでん返しに…うんぬん」(←思いっきりうろ覚え)
および宣伝コピー(惹句、アオリ)の――
「2003年秋絶対キレイに、だまされる」
――ええええ〜〜〜〜〜いい!
そんなこと聞かされて映画観たら…だまされるどころか、ストーリー追っかけてるうちに、ラストがどんな展開になるかなんて、だいたい想像ついちゃうじゃないのさ〜〜!!…鮮やかにキレイにだまされるって…あのさ…「スティング」って知ってる?
………。
…すみません…これは私の逆ギレだってことくらいわかってるのです。でもやっぱり…な〜んにも情報持たずして観に行ったほうがよかったナリよ……があああああああん…。
ま、先が読めたことを自慢したいわけじゃないし(自慢にもならないって)、私は読めたなら読めたなりの楽しさをその映画の中で見つければいいと思うタイプなので、「んじゃま〜、映画としてどんな仕上がりかな〜」と思いつつ観てたのですが。
それなりにけっこう面白かったです。
よく出来てます。
初めてのコメディ作品を手がけたR・スコット監督ですが、(色調を抑えつつも)相変わらず画面がシャープだし、時折「俺節カット割り」(やたら鋭角的で細かく、そして妙に凝っている)が出てくるものの、あのいつものプンプンするゴツさがない。かといって、スピルバーグほどのウェットなユーモアやそれと相反するかのような軽快さ、ガス・ヴァン・サントのようなカサつきさがあるわけでもない。
以前、ロマン・ポランスキーが「『戦場のピアニスト』はポランスキーという監督の存在が感じられない。淡々としていて、いつものあなたらしさがない」(あなたらしさ=死と隣り合わせの恐怖、濃密で絡み付くような人物描写)と云われた際、「私くらいの年齢になれば、大方のテクニックは持っている。『戦場〜』では、自分の存在を作品から極力取り除いた」みたいなことを話していて(すみません、この話のソース失念)、「ニャるほど〜」と思わず唸った私ですが、今作のR・スコットもそんな感じだったのかニャ〜…(65歳でしたっけ?>監督)。でもやっぱりなんでか「これ、リドリー・スコットが監督したでしょ?」とわかっちゃう。不思議だよニャ〜…。
やっぱコメディ作品における軽快・爽快感、ユーモアなどが、思ったよりも感じられなかったから…かニャ?…この春にスピルバーグのコメディ作「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」を観ちゃったせいか、やっぱどうしても彼と比較しちゃう(しかも両作品ともシナトラ流れてたし)。
あの作品もそれほどスピルバーグ臭は感じられなかったので、監督の無臭性という面では共通点を感じるのですが、今作とどっちが好き?と訊かれれば――ごめんなさい、私やっぱり「キャッチ〜」のほうが好きなんだよニャ〜…。だって(尺はしこたま長く感じられたけど)ユーモアと楽しさ、爽快さ、せつなさが絶妙だったんだもん。「マッチ〜」にもユーモアや楽しさ、そしてせつなさもちゃーんとあったし、けっこう笑ったりウルルンとしたんだけど…思ってたほどではなかったな〜…。
主演のニコラス・ケイジは…ちょいオーバーアクトかニャ?と思うのですが、もともとそれが彼の持ち味だし(「パチンコ〜!」のCF観てると、頭が下がりまする)、また極端な(チックがでるほどの)潔癖症男を演じる以上、その演技が鼻につくこともないと思うので、やっぱこーゆー「多少のオーバーアクトが必要とされる現代劇」で主役張らせりゃ〜、この人はその実力を存分に発揮できる…ってことなんでしょうね〜。
でも「ニックってやっぱりスゴイ!」と思っても、今作はそれほどユーモア爆発!ってなわけではなかったな〜…。「ちょっといいお話」で終わっちゃったような…って云うか、そこまでのユーモアを求めすぎた私が悪くて、「この映画は『ちょっといいお話系』の映画なんです」と云われれば――たしかにその系列作品の中では、よく出来てると思います。
で、結局、この作品で私をキレイにだましてくれたのはですね。
14歳の娘・アンジェラを演じたアリソン・ローマン。
今年24歳って…いったいどーゆーことよ〜〜〜〜〜!?
♯こんな人にオススメ
「父と子の話に弱くてね…」「R・スコット監督の映画なら見逃せないっス!押忍!」
今度「マッチスティック・メン」の原作読もうと思ってます。
それにしても…「アンジェラ」って名前がピリリっと効いてるよニャ〜…。ナイスネーミングだ〜。
お題は「2003年秋公開の映画」。
今日は…以前トレイラー紹介した作品を取り上げてみました。
!注意!
以下の文章は、(できるだけ配慮したつもりですが)ネタバレしている可能性があります。そのため、これからこの作品をご鑑賞予定の方は、お読みにならないほうがいいかもしれません。
「マッチスティック・メン」Matchstick Men(2003・米)
IMDb→http://us.imdb.com/title/tt0325805/
日本公式サイト→http://www.matchstick-men.jp/
監督:リドリー・スコット
脚本:ニコラス・グリフィン、テッド・グリフィン
出演:ニコラス・ケイジ、サム・ロックウェル、アリソン・ローマン、他
ストーリー:
極度の潔癖症であるロイ(N・ケイジ)は、相棒フランク(S・ロックウェル)とともに、浄水器の詐欺をしては生活を営んでいた。そんなある日、昔別れた妻との間にできた今年14歳になる娘・アンジェラ(A・ローマン)が現れた。アンジェラの出現により、生活をすっかり狂わされたロイだったが、そのアンジェラから「詐欺のやり方を教えて」とせがまれ――
…と云うわけで、観に行って参りました!押忍!!
(8/8付日記参照→http://diary.note.ne.jp/25683/20030808)
感想うんぬんを語る前にですね…ちょっと配給元のワーナー・ブラザーズ・ピクチャーズ・ジャパンにモノ申したいのですが(なんか最近モノ申してばっかりなのは、やっぱ私が「インスペクター」だから〜?)。
CMでの――
「最後の思わぬどんでん返しに…うんぬん」(←思いっきりうろ覚え)
および宣伝コピー(惹句、アオリ)の――
「2003年秋絶対キレイに、だまされる」
――ええええ〜〜〜〜〜いい!
そんなこと聞かされて映画観たら…だまされるどころか、ストーリー追っかけてるうちに、ラストがどんな展開になるかなんて、だいたい想像ついちゃうじゃないのさ〜〜!!…鮮やかにキレイにだまされるって…あのさ…「スティング」って知ってる?
………。
…すみません…これは私の逆ギレだってことくらいわかってるのです。でもやっぱり…な〜んにも情報持たずして観に行ったほうがよかったナリよ……があああああああん…。
ま、先が読めたことを自慢したいわけじゃないし(自慢にもならないって)、私は読めたなら読めたなりの楽しさをその映画の中で見つければいいと思うタイプなので、「んじゃま〜、映画としてどんな仕上がりかな〜」と思いつつ観てたのですが。
それなりにけっこう面白かったです。
よく出来てます。
初めてのコメディ作品を手がけたR・スコット監督ですが、(色調を抑えつつも)相変わらず画面がシャープだし、時折「俺節カット割り」(やたら鋭角的で細かく、そして妙に凝っている)が出てくるものの、あのいつものプンプンするゴツさがない。かといって、スピルバーグほどのウェットなユーモアやそれと相反するかのような軽快さ、ガス・ヴァン・サントのようなカサつきさがあるわけでもない。
以前、ロマン・ポランスキーが「『戦場のピアニスト』はポランスキーという監督の存在が感じられない。淡々としていて、いつものあなたらしさがない」(あなたらしさ=死と隣り合わせの恐怖、濃密で絡み付くような人物描写)と云われた際、「私くらいの年齢になれば、大方のテクニックは持っている。『戦場〜』では、自分の存在を作品から極力取り除いた」みたいなことを話していて(すみません、この話のソース失念)、「ニャるほど〜」と思わず唸った私ですが、今作のR・スコットもそんな感じだったのかニャ〜…(65歳でしたっけ?>監督)。でもやっぱりなんでか「これ、リドリー・スコットが監督したでしょ?」とわかっちゃう。不思議だよニャ〜…。
やっぱコメディ作品における軽快・爽快感、ユーモアなどが、思ったよりも感じられなかったから…かニャ?…この春にスピルバーグのコメディ作「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」を観ちゃったせいか、やっぱどうしても彼と比較しちゃう(しかも両作品ともシナトラ流れてたし)。
あの作品もそれほどスピルバーグ臭は感じられなかったので、監督の無臭性という面では共通点を感じるのですが、今作とどっちが好き?と訊かれれば――ごめんなさい、私やっぱり「キャッチ〜」のほうが好きなんだよニャ〜…。だって(尺はしこたま長く感じられたけど)ユーモアと楽しさ、爽快さ、せつなさが絶妙だったんだもん。「マッチ〜」にもユーモアや楽しさ、そしてせつなさもちゃーんとあったし、けっこう笑ったりウルルンとしたんだけど…思ってたほどではなかったな〜…。
主演のニコラス・ケイジは…ちょいオーバーアクトかニャ?と思うのですが、もともとそれが彼の持ち味だし(「パチンコ〜!」のCF観てると、頭が下がりまする)、また極端な(チックがでるほどの)潔癖症男を演じる以上、その演技が鼻につくこともないと思うので、やっぱこーゆー「多少のオーバーアクトが必要とされる現代劇」で主役張らせりゃ〜、この人はその実力を存分に発揮できる…ってことなんでしょうね〜。
でも「ニックってやっぱりスゴイ!」と思っても、今作はそれほどユーモア爆発!ってなわけではなかったな〜…。「ちょっといいお話」で終わっちゃったような…って云うか、そこまでのユーモアを求めすぎた私が悪くて、「この映画は『ちょっといいお話系』の映画なんです」と云われれば――たしかにその系列作品の中では、よく出来てると思います。
で、結局、この作品で私をキレイにだましてくれたのはですね。
14歳の娘・アンジェラを演じたアリソン・ローマン。
今年24歳って…いったいどーゆーことよ〜〜〜〜〜!?
♯こんな人にオススメ
「父と子の話に弱くてね…」「R・スコット監督の映画なら見逃せないっス!押忍!」
今度「マッチスティック・メン」の原作読もうと思ってます。
それにしても…「アンジェラ」って名前がピリリっと効いてるよニャ〜…。ナイスネーミングだ〜。
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