すちゃらか映画レビュー!(その50-9)
2003年11月29日眠い…。
ちとテンションは低いですが、「すちゃらか映画レビュー!」どす…。
お題は「2003年秋公開の映画」。
今日取り上げる映画は、都会では夏頃に公開されていた作品です。よって「『お題の秋公開』とは違うやんけ!」と思われるかもしれませんが、私の住む田舎では今秋公開だったんです。…許して下さいまし…。
!注意!
主な公開は終了してますが、念のため注意しておきます――以下の文章は、基本的にネタバレしてません。ただ、ある人物の秘密についてはキッカリ書いておりますので、ご注意下さい(いちおうどこに書いたかの配慮はしました)。
尚、この作品は、来年1/22に発売・レンタル開始予定だそうです。
「エデンより彼方に」Far from Heaven (2002・米)
IMDb→http://us.imdb.com/title/tt0297884/
日本公式サイト→http://www.gaga.ne.jp/eden/
監督:トッド・ヘインズ
脚本:トッド・ヘインズ
出演:ジュリアン・ムーア、デニス・クエイド、デニス・へイスバート、シビル・デイビス、他
ストーリー:
1957年米国・コネチカット州。大企業の重役を夫に持つ、絵に描いたような良妻賢母であるキャシー(J・ムーア)は、女性なら誰もが羨む生活を営んでいた。だがある日、ちょっとしたきっかけで彼女は夫・フランク(D・クエイド)の大きな秘密を知ってしまう。そして、その日からキャシーの人生は大きく変わっていく――
――ふむ。
…丁寧に作られたメロドラマだな〜…。
ちと感心してしまいました。
以前似たようなことをちょろっと書いたけど、この作品も完全に出来上がったストーリー系なので、先だって読めるし、劇的な展開になるわけでもない。人によっては「共感できない」だの「ヒネリがない」だの「ありきたり」だのと感じるだろうけど――ええ〜〜〜いい!そんなことわかっとるわい!!百も承知だっつーの!!
じゃあ、私はこの作品でなにを楽しんでいたのかというと――たとえば、スクリーンいっぱいに描かれた、古き良き時代の美しい色彩。50年代のメロドラマにオマージュを捧げ、アート的な雰囲気を醸しつつも…なぜかフランス映画のようなスノッブさが感じられない品の良さ。50年代を生きる女性が自我に目覚めるまでを、心情の移りゆくさまと当時の米国社会を丁寧に絡めて描いたストーリー。
そしてなんといっても、主演のジュリアン・ムーアの魅力と演技力…かな?
今年「めぐりあう時間たち」という映画でも、同じような自我に目覚める主婦役を演じてましたが――ジュリアン・ムーアって、演技派だと認識はしてたけど、こんなに素晴らしい女優さんだとは思いませんでした。
わかりやすい演技やオーバーアクトをする女優さんは、いくらでもいます。
でも…表情やセリフだけで勝負しない、一見すると能面にも思える演技で、変わりゆく心情を表現することができる女優さんってのは――なっかなかいないんじゃないかニャ〜?
ま、今作はちょっとオーバーアクトなところがありましたが…そういった演技ができる人だから、こういうちょっとレトロなメロドラマがよく似合うし、評価もされるんだと思う。
以上、そういったことを理解…というより認識できる(あるいは「なんとなくわかる」と感じる)人以外だと、この映画は、ただ長くダラダラとしたものに感じるかも(もちろん理解できる人がエライというわけではありません)。
(以下、夫・フランクの秘密が語られてますのでご注意)
ただね〜…個人的なシュミを云うならば――その…実は自分は男色家(←映画に合わせてレトロな表現にしてみました)であると、デニス・クエイド演じる夫・フランクが自覚するきっかけとなった浮気相手なんですけど…ハッテン場で見つけた若いにーちゃんではなく、たとえば会社の上司だとか(「ああ!長年仕事をともにしてきたけれど、彼へのときめきをどうしても抑えられない!」とかなんとか)、同僚だとか(この場合は、同僚のほうがフランクのことがずっと好きで、突然「愛してる!」と愛の告白をする)だったら、私的ポイントが高かったのに。ただそうなると、日本のお昼にやってるメロドラマと同じレベルになってしまうし、マニアな愛憎劇にもなっちゃうから…やっぱ若いにーちゃんで良かったのかも。
ほかの配役に関しては…う〜んそうだニャ、もしこの作品が10年早く作られてたら――レイモンド役は、デンゼル・ワシントンだったでしょうね。
そしてメイドのシビルを演じた女優さん――どっかで見たことのある女優さんだニャ〜と思ってたら、「ニューヨークの恋人」(2002)で、ヒュー子ちゃん演じるレオポルトに「犬のウンチをさっさと拾いなさい!」と云ってた女性警察官だってことに気がつきました…って、「ソラリス」の感想書いたときと同じこと書いてるナリね…(詳細は7/18の日記)。
しかし…よくまあこの時代に、こーゆーレトロなメロドラマを作ったもんだニャ〜。スゴイと感心したら、製作総指揮はスティーブン・ソダーバーグ&ジョージ・クルーニーでした。………。
追記:
夫役のデニス・クエイドも印象深かったです。
彼の出演シーンを見るたび、「メグ・ライアンともこんな修羅場を?」とつい…。…う〜む。
そして、昨年下半期に観た映画の中で一番ドキドキしたキスシーンが、この映画でのデニス・クエイドとおにーちゃんのでした。…う〜む。
そーいえば監督のトッド・ヘインズって…ゲイだっけ〜…。 [エデンより彼方に]
ちとテンションは低いですが、「すちゃらか映画レビュー!」どす…。
お題は「2003年秋公開の映画」。
今日取り上げる映画は、都会では夏頃に公開されていた作品です。よって「『お題の秋公開』とは違うやんけ!」と思われるかもしれませんが、私の住む田舎では今秋公開だったんです。…許して下さいまし…。
!注意!
主な公開は終了してますが、念のため注意しておきます――以下の文章は、基本的にネタバレしてません。ただ、ある人物の秘密についてはキッカリ書いておりますので、ご注意下さい(いちおうどこに書いたかの配慮はしました)。
尚、この作品は、来年1/22に発売・レンタル開始予定だそうです。
「エデンより彼方に」Far from Heaven (2002・米)
IMDb→http://us.imdb.com/title/tt0297884/
日本公式サイト→http://www.gaga.ne.jp/eden/
監督:トッド・ヘインズ
脚本:トッド・ヘインズ
出演:ジュリアン・ムーア、デニス・クエイド、デニス・へイスバート、シビル・デイビス、他
ストーリー:
1957年米国・コネチカット州。大企業の重役を夫に持つ、絵に描いたような良妻賢母であるキャシー(J・ムーア)は、女性なら誰もが羨む生活を営んでいた。だがある日、ちょっとしたきっかけで彼女は夫・フランク(D・クエイド)の大きな秘密を知ってしまう。そして、その日からキャシーの人生は大きく変わっていく――
――ふむ。
…丁寧に作られたメロドラマだな〜…。
ちと感心してしまいました。
以前似たようなことをちょろっと書いたけど、この作品も完全に出来上がったストーリー系なので、先だって読めるし、劇的な展開になるわけでもない。人によっては「共感できない」だの「ヒネリがない」だの「ありきたり」だのと感じるだろうけど――ええ〜〜〜いい!そんなことわかっとるわい!!百も承知だっつーの!!
じゃあ、私はこの作品でなにを楽しんでいたのかというと――たとえば、スクリーンいっぱいに描かれた、古き良き時代の美しい色彩。50年代のメロドラマにオマージュを捧げ、アート的な雰囲気を醸しつつも…なぜかフランス映画のようなスノッブさが感じられない品の良さ。50年代を生きる女性が自我に目覚めるまでを、心情の移りゆくさまと当時の米国社会を丁寧に絡めて描いたストーリー。
そしてなんといっても、主演のジュリアン・ムーアの魅力と演技力…かな?
今年「めぐりあう時間たち」という映画でも、同じような自我に目覚める主婦役を演じてましたが――ジュリアン・ムーアって、演技派だと認識はしてたけど、こんなに素晴らしい女優さんだとは思いませんでした。
わかりやすい演技やオーバーアクトをする女優さんは、いくらでもいます。
でも…表情やセリフだけで勝負しない、一見すると能面にも思える演技で、変わりゆく心情を表現することができる女優さんってのは――なっかなかいないんじゃないかニャ〜?
ま、今作はちょっとオーバーアクトなところがありましたが…そういった演技ができる人だから、こういうちょっとレトロなメロドラマがよく似合うし、評価もされるんだと思う。
以上、そういったことを理解…というより認識できる(あるいは「なんとなくわかる」と感じる)人以外だと、この映画は、ただ長くダラダラとしたものに感じるかも(もちろん理解できる人がエライというわけではありません)。
(以下、夫・フランクの秘密が語られてますのでご注意)
ただね〜…個人的なシュミを云うならば――その…実は自分は男色家(←映画に合わせてレトロな表現にしてみました)であると、デニス・クエイド演じる夫・フランクが自覚するきっかけとなった浮気相手なんですけど…ハッテン場で見つけた若いにーちゃんではなく、たとえば会社の上司だとか(「ああ!長年仕事をともにしてきたけれど、彼へのときめきをどうしても抑えられない!」とかなんとか)、同僚だとか(この場合は、同僚のほうがフランクのことがずっと好きで、突然「愛してる!」と愛の告白をする)だったら、私的ポイントが高かったのに。ただそうなると、日本のお昼にやってるメロドラマと同じレベルになってしまうし、マニアな愛憎劇にもなっちゃうから…やっぱ若いにーちゃんで良かったのかも。
ほかの配役に関しては…う〜んそうだニャ、もしこの作品が10年早く作られてたら――レイモンド役は、デンゼル・ワシントンだったでしょうね。
そしてメイドのシビルを演じた女優さん――どっかで見たことのある女優さんだニャ〜と思ってたら、「ニューヨークの恋人」(2002)で、ヒュー子ちゃん演じるレオポルトに「犬のウンチをさっさと拾いなさい!」と云ってた女性警察官だってことに気がつきました…って、「ソラリス」の感想書いたときと同じこと書いてるナリね…(詳細は7/18の日記)。
しかし…よくまあこの時代に、こーゆーレトロなメロドラマを作ったもんだニャ〜。スゴイと感心したら、製作総指揮はスティーブン・ソダーバーグ&ジョージ・クルーニーでした。………。
追記:
夫役のデニス・クエイドも印象深かったです。
彼の出演シーンを見るたび、「メグ・ライアンともこんな修羅場を?」とつい…。…う〜む。
そして、昨年下半期に観た映画の中で一番ドキドキしたキスシーンが、この映画でのデニス・クエイドとおにーちゃんのでした。…う〜む。
そーいえば監督のトッド・ヘインズって…ゲイだっけ〜…。 [エデンより彼方に]
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