昨日の続きです。

なんとも信じがたい「お涙頂戴路線」な宣伝をされ、ボーゼンとしているところに、またもや信じられない広告が新聞に載りました。

その広告は――(いきなり日本では主役級の扱いとなった)少年士官候補生ブレイクニーが母親に手紙を書く――というもの。ただその内容が「さよなら――母さん…」と例の路線で、そして最悪なことに、その母親の写真として――ラッセル・クロウ演じるジャックの大切な人(…とだけいちおう云っておきます)ソフィーの映像を流用していたのです!

ブレイクニーの母親がソフィーなわけないでしょうがっ!!

じゅうばこさんのサイトに、この件をブエナに問い合わせたファンの方のお話があり、拝読してみると――そのファンの方からの指摘を受けるまで、ブエナ側は写真の女性がソフィーであることをまったく知らなかったとのこと。………。

そのほか――ジャックのことを「Commander」と記してありまして、まあタイトルが「マスター・アンド・コマンダー」だし、200歩譲って仕方がないとしても(実際のジャックは「Captain」)、カラミーの「Soldier」って……そりゃないざんす!

配給会社のくせに、映画や原作に対しての理解すらないのか…。製作側があれだけ原作をリスペクトし、丁寧に作り上げてくれたというのに!!

もう呆れてなにも云えない……。

そんな中、2月12日号「週刊文春」において、このブエナの宣伝攻略に関する記事が掲載されました。

52ページにある、「R・クロウファン激怒 歴史大作映画を貶める『虚偽宣伝』」という記事です。

以下、引用(一部)――

「マスター・アンド・コマンダー」を巡って、熱狂的なファンたちが配給元のブエナビスタ(ディズニー)に猛抗議。ついには日本広告審査機構(JARO)までが動き出す騒ぎになっている。

「日本は、劇場まで足を運ぶ映画ファンは女性ばかり、という特殊な市場。男たちの激しい戦いだけが続くこの作品を売るために、苦肉の策として母性本能をくすぐる作戦に出たのでしょう」


海の向こうでも「はたして女性が観に来るか?」という話題が出ましたけど、だからといって日本のような宣伝はありませんでしたよ……。

なんとか女性に――という路線は、現在劇場で配布されているリーフレットにもよく表れています。

「この映画を観た女性のみなさんの賞賛をお聞きください」とばかりに、女性のコメントがズラリ。さらに現在売られている女性雑誌にも、お涙頂戴路線の広告が……。

ええええ〜〜〜〜〜〜いい!!

ただ、最近の広告に関しては、私たちが「もうひとりの主人公とも云える、ドクター・マチュリンの扱いがヒドイ」と訴えていたことがとりあえずブエナの耳にも入ったようで、ポール・ベタニー演じるマチュリンの写真が追加されるようにはなりました。

――いい?
ずっと宣伝でないがしろにされていたマチュリンを演じたベタニーはね――この役の演技が評価されて、ロンドン批評家協会賞「英国人主演男優賞」を受賞したんだぞ〜〜〜〜!!

そして現在、公開に向けて最後の販促物と思われる速報チラシが劇場で配布されています。

その主な内容は、アカデミー賞ノミニーになったことと、キャンペーンのため来日されたピーター・ウィアー監督のインタビューのふたつなのですが……あの宣伝をウィアー監督が目の当たりになさったかというと……正直、溜息が出ます……。はあ……。

この「マスター・アンド・コマンダー」だけでなく、「ミスティック・リバー」は、わけわかんない惹句(「あなたはもうひとつの「スタンド・バイ・ミー」をみるために大人になった」だっけ?)で混乱を招くわ、「キル・ビル VOL.2」は「ラブストーリー」とか云って、トレイラーを観る限り、どこにそんな要素があるのかわかんない宣伝をしようとしてるわ……もう…いいかげんにしろ〜〜〜〜〜〜!!

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