「パンチドランク・ラブ」
2004年3月14日
■「パンチドランク・ラブ」PUNCH-DRUNK LOVE(2002・米)
IMDb→http://us.imdb.com/title/tt0272338/
日本公式サイト→http://pdl.eigafan.com/
DVD→ポニーキャニオン 2004/03/03 ¥4,700
監督:ポール・トーマス・アンダーソン
脚本:ポール・トーマス・アンダーソン
上映時間:95分
出演:アダム・サンドラー、エミリー・ワトソン、ルイス・ガスマン、フィリップ・シーモア・ホフマン、他
ストーリー:
トイレ詰まりの吸引棒を販売しているバリー(A・サンドラー)は、食品会社のマイレージキャンペーンのため、プリンの買占めをし、無料で飛行機に乗ることを考えている。そんなある日、キレやすく繊細な性格の彼の前に、ひとりの女性リナ(E・ワトソン)が現れる。ともに一目惚れで意識しあうふたり。だが、以前利用したテレホンセックスサービスから、バリーは脅迫を受けるようになる。そして――
う、う、うう〜〜〜〜〜ん……。
秋林好き好き〜♪サンドラー主演で、評論家好き好き〜♪PTA(ポール・トーマス・アンダーソン)が監督、しかもカンヌ映画祭監督賞受賞というオマケまでついた本作。私の住む田舎では昨年公開してくれなかったんで、ようやくレンタルして観ることができたんだけど――う〜ん……。
評論家が、毎回「最悪」とコキ下ろすサンドラーと絶賛するPTA――ふたりのいままでの作品を観てみれば、まったくもって接点がナイので、これぞ異色コラボだと思っていたら――なんとPTAはサンドラーの大ファンで、この「パンチドランク・ラブ」の脚本は彼のために書いたんだそう。…ってことはなんですか?PTAさんは「ウェディング・シンガー」とか「ウォーター・ボーイ」とか「プロゴルファー・ギル」(←この邦題なんとかして…)とか――まだほかにもあるけど――そういった一連の「サンドラー映画」を楽しんで観てるってことですか?
だとすると……な〜んだ、PTAさんも私や蛍風さんと同じ、「好き好き♪サンドラー族」の一員なんですね〜♪
ならば。「マグノリア」(PTA監督作)でシンドイ思いしたこと、忘れてあげる♪…って、別に「マグノリア」は駄作だと思ってません。アナタに才能があるってことはよ〜くわかってます。ただ、なんつーかのその…好みの問題なのと、身体の調子が悪いときに3時間も観てられなかっただけっスよ!
…と、前置きはここまでにしておいて。
そう云われれば、たしかに本作の設定はPTA映画のくせにいわゆる「サンドラーもの」のお約束を踏んでるかな、と。
♯「サンドラーもの」におけるお約束箇条書き
1.大人になりきれず、どこか社会から外れている主人公
2.すぐキレて暴れるが、実は心根がやさしい主人公
3.小気味よい(…)ファイティングシーンの挿入
4.「この男キモイ」と思われて仕方ない主人公でも、なぜか女の子が寄ってくる
5.基本的にハッピーエンド
6.90分±10分程度の上映時間
7.脇役に常連さんのお友達俳優
と、こういったお約束をちゃんと踏んだ脚本になってるものの(サンドラーが製作に携わってないため7はナシ)――いかんせん監督がPTAなだけに、やっぱり全体的に「マグノリア」っぽい雰囲気が、ふわ〜んと流れてます。
リフレイン多めな音楽が心地よいわ、独特の時間が流れてるわ、顔のアップが多いのでついつい覗きこんじゃうわ、相手役がE・ワトソンでちょっと痛いわ、いきなり急展開するわ、カメラはステディカムで俳優を追っかけてるわ、なにげにテクニカルな映像だわ……そういったPTA節が大炸裂してるために、サンドラー主演だとわかって観ていても、なんでこんなテクニカルな作品にサンドラーがいるのかわからないというか、どーにも居心地が悪いというか……映画が始まって1時間14分40秒経つまで、「ど…どうしよう…」と、頭を抱えちまったではあ〜りませんか!
ちなみにこの映画の惹句(コピー)は――
目が眩むほど、パンチのきいたラブ・ストーリー
やがて衝撃は、陶酔にかわる
あの…陶酔にかわるまで、1時間14分40秒かかっちゃったんですけど……。
どのシーンを観ても「うちのアダムたん、ダイジョブかしら??」とハラハラしてしまうし、サンドラーはサンドラーで、なんだか借りてきた猫みたいだし。よって、この作品をいわゆる「サンドラー映画」として観るならば、ファンにとっては安心感のない仕上がり。あえて云うなら、サンドラーを知らないPTA好き向け。
そのほかの俳優に関しては、まず相手役のエミリー・ワトソン。ちょっと痛い感はあるけど、本人にとっては念願であろうフツーの女性を、実にやさしい雰囲気で演じていたので、なかなかよかったです。でも、エミリー・ワトソンとサンドラーなんて組み合わせ、通常のサンドラー映画じゃあ、ずぅぇえええええええったいありえない。
バリーを脅迫するマットレス屋のフィリップ・シーモア・ホフマンもよかった…けど、この役、最初はショーン・ペンを想定して書かれたのだとか。そう云われればたしかにショーン・ペンらしい役だったなと。
全体を通してみれば、たとえサンドラーが主役でもやっぱりいつものPTA映画(ただしランタイムは95分)。つまり――非凡な才能はよくわかるけど、完全に好みがわかれちゃう1本。私の中では「サンドラー珍品もの」として位置付けられてる作品。
ちなみに、プリンを買い占めて永久マイレージ保有という話は実話だそうで、PTAはこの話にインスパイアされて脚本を書いたのだとか。でもプリン男の話でサンドラーを思いつくとは…う〜む…。
IMDb→http://us.imdb.com/title/tt0272338/
日本公式サイト→http://pdl.eigafan.com/
DVD→ポニーキャニオン 2004/03/03 ¥4,700
監督:ポール・トーマス・アンダーソン
脚本:ポール・トーマス・アンダーソン
上映時間:95分
出演:アダム・サンドラー、エミリー・ワトソン、ルイス・ガスマン、フィリップ・シーモア・ホフマン、他
ストーリー:
トイレ詰まりの吸引棒を販売しているバリー(A・サンドラー)は、食品会社のマイレージキャンペーンのため、プリンの買占めをし、無料で飛行機に乗ることを考えている。そんなある日、キレやすく繊細な性格の彼の前に、ひとりの女性リナ(E・ワトソン)が現れる。ともに一目惚れで意識しあうふたり。だが、以前利用したテレホンセックスサービスから、バリーは脅迫を受けるようになる。そして――
う、う、うう〜〜〜〜〜ん……。
秋林好き好き〜♪サンドラー主演で、評論家好き好き〜♪PTA(ポール・トーマス・アンダーソン)が監督、しかもカンヌ映画祭監督賞受賞というオマケまでついた本作。私の住む田舎では昨年公開してくれなかったんで、ようやくレンタルして観ることができたんだけど――う〜ん……。
評論家が、毎回「最悪」とコキ下ろすサンドラーと絶賛するPTA――ふたりのいままでの作品を観てみれば、まったくもって接点がナイので、これぞ異色コラボだと思っていたら――なんとPTAはサンドラーの大ファンで、この「パンチドランク・ラブ」の脚本は彼のために書いたんだそう。…ってことはなんですか?PTAさんは「ウェディング・シンガー」とか「ウォーター・ボーイ」とか「プロゴルファー・ギル」(←この邦題なんとかして…)とか――まだほかにもあるけど――そういった一連の「サンドラー映画」を楽しんで観てるってことですか?
だとすると……な〜んだ、PTAさんも私や蛍風さんと同じ、「好き好き♪サンドラー族」の一員なんですね〜♪
ならば。「マグノリア」(PTA監督作)でシンドイ思いしたこと、忘れてあげる♪…って、別に「マグノリア」は駄作だと思ってません。アナタに才能があるってことはよ〜くわかってます。ただ、なんつーかのその…好みの問題なのと、身体の調子が悪いときに3時間も観てられなかっただけっスよ!
…と、前置きはここまでにしておいて。
そう云われれば、たしかに本作の設定はPTA映画のくせにいわゆる「サンドラーもの」のお約束を踏んでるかな、と。
♯「サンドラーもの」におけるお約束箇条書き
1.大人になりきれず、どこか社会から外れている主人公
2.すぐキレて暴れるが、実は心根がやさしい主人公
3.小気味よい(…)ファイティングシーンの挿入
4.「この男キモイ」と思われて仕方ない主人公でも、なぜか女の子が寄ってくる
5.基本的にハッピーエンド
6.90分±10分程度の上映時間
7.脇役に常連さんのお友達俳優
と、こういったお約束をちゃんと踏んだ脚本になってるものの(サンドラーが製作に携わってないため7はナシ)――いかんせん監督がPTAなだけに、やっぱり全体的に「マグノリア」っぽい雰囲気が、ふわ〜んと流れてます。
リフレイン多めな音楽が心地よいわ、独特の時間が流れてるわ、顔のアップが多いのでついつい覗きこんじゃうわ、相手役がE・ワトソンでちょっと痛いわ、いきなり急展開するわ、カメラはステディカムで俳優を追っかけてるわ、なにげにテクニカルな映像だわ……そういったPTA節が大炸裂してるために、サンドラー主演だとわかって観ていても、なんでこんなテクニカルな作品にサンドラーがいるのかわからないというか、どーにも居心地が悪いというか……映画が始まって1時間14分40秒経つまで、「ど…どうしよう…」と、頭を抱えちまったではあ〜りませんか!
ちなみにこの映画の惹句(コピー)は――
目が眩むほど、パンチのきいたラブ・ストーリー
やがて衝撃は、陶酔にかわる
あの…陶酔にかわるまで、1時間14分40秒かかっちゃったんですけど……。
どのシーンを観ても「うちのアダムたん、ダイジョブかしら??」とハラハラしてしまうし、サンドラーはサンドラーで、なんだか借りてきた猫みたいだし。よって、この作品をいわゆる「サンドラー映画」として観るならば、ファンにとっては安心感のない仕上がり。あえて云うなら、サンドラーを知らないPTA好き向け。
そのほかの俳優に関しては、まず相手役のエミリー・ワトソン。ちょっと痛い感はあるけど、本人にとっては念願であろうフツーの女性を、実にやさしい雰囲気で演じていたので、なかなかよかったです。でも、エミリー・ワトソンとサンドラーなんて組み合わせ、通常のサンドラー映画じゃあ、ずぅぇえええええええったいありえない。
バリーを脅迫するマットレス屋のフィリップ・シーモア・ホフマンもよかった…けど、この役、最初はショーン・ペンを想定して書かれたのだとか。そう云われればたしかにショーン・ペンらしい役だったなと。
全体を通してみれば、たとえサンドラーが主役でもやっぱりいつものPTA映画(ただしランタイムは95分)。つまり――非凡な才能はよくわかるけど、完全に好みがわかれちゃう1本。私の中では「サンドラー珍品もの」として位置付けられてる作品。
ちなみに、プリンを買い占めて永久マイレージ保有という話は実話だそうで、PTAはこの話にインスパイアされて脚本を書いたのだとか。でもプリン男の話でサンドラーを思いつくとは…う〜む…。
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