映画「マスター・アンド・コマンダー」の話
2004年3月18日 映画ヨタ話
先日6回目の鑑賞をしてきました。
よって発作が起きたので、また映画「M&C」の話をば。
激しくネタバレしております。
未見の方ご注意下さいませ(とゆーわけで、まりゅうさ〜〜ん!読んじゃダメっすよ〜〜!!)
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♯ストーリーについて
原作は全20巻あるシリーズもの、しかも海洋冒険小説界の「指輪物語」と呼ばれ(映像化はムリだという意味)、世界中にファンがいる名作。原作者のウンチクぶり・博識ぶりには凄まじいものがあって、登場人物はみな魅力的でその背景と相関図が実に面白く、ストーリーは海だけでなく陸での話もある……こんな作品をどうやって脚色するのかと、最初はひっじょーに心配しておりましたが――これが実にシンプルにまとめられていたので、心底唸ってしまいました。
ガラパゴス諸島での話もありましたが、基本的には海が舞台。確かな時代考証の中、サプライズ号という限られた空間でさまざまな階級・職種・考え方の男たちの姿を徹底的に描く――しかも原作ファンなら泣いて喜びそうなエピソードを織り込みながら、映画としての面白さがアップするようそして間口を広げるため叙情的な場面を増やし、海の男たちの魅力をスクリーン上で存分に出す――たとえストーリーがほとんどオリジナルになっていても、原作のスピリットは充分感じられたし、映画としても実に面白く仕上がっていたため、私は涙が出るほど嬉しかったです。本当に感動しました。まったく無駄がなかったです。
■お気に入りシーン
ブレイクニーにネルソン提督の本を渡すジャック。
ジャックが去ったあと、本にあるネルソン提督の絵を見たとき…たぶん、ブレイクニーは胸が熱くなったのではないでしょうか。
砲撃訓練してるとき、ボートを下ろし「我関せず」とばかりに研究用の魚を捕まえてるスティーブン。いかにも「らしい」っス!
ウォーリーが海に落ちてしまう場面。
ジャックやネイグルたちの気持ちがせつなくて…そしてなにより、私自身が仲間を失うような気持ちになってしまい、何度観ても泣いてしまいます。
「先生みたいな戦う博物学者になりたい」とブレイクニーが云ってたように、スティーブンはフェンシングの達人で射撃の腕も超一流という設定。アケロン号に乗り込んだとき、その姿が観られて嬉かったです。
う〜む…まだいっぱいあるけど(だって2時間しあわせだったくらいだし)、とりあえずここまで。
♯映像について
どこまでがCGで実写なのか――。常に一体感があり、まるで自分がその場にいるかような映像には驚きました。ウソくさいところや、これ見よがしのCGなんて一切なし。これが本当の視覚効果なのかもしれません。テクニカルな嵐や戦闘シーンだけでなく、たとえば艦長室(キャビン)でネルソン提督の話を聴いて感動しているカラミー、銃弾に倒れた妻友人を思うジャック、口論をして緊張感が高まっているジャックとスティーブン…など、船内なので必然と顔のアップが多くなってしまうのに、俳優たちの演技やストーリーの邪魔をしないその丁寧なカメラワークも素晴らしかったな〜と。
♯登場人物について
ジャックとスティーブンについてはさんざん語ったので、彼ら以外の話を。
まず士官候補生。いや〜…「わずか12歳の<戦う上司>」ことマックス・パーキスくん(ブレイクニー役)。よくまあ、こんなピッタリで上手い子を見つけてきたもんだよニャ〜…。ショービズ界にどっぷり漬かったような子役だと、どんな役を演じようが特有のいやらしさが出るのに、この子はそーゆーのがまったくない。カラミーも純粋な雰囲気でてたし、ホロムはいかにもな英国人顔だったな〜。
コクスンのボンデンを演じるビリー・ボイドは、「なんで彼がボンデン?」と一番違和感があった配役で、やっぱ観ていても可愛らしすぎでした。もちっと出番があったらよかったな〜。ちなみに彼は、スティーブン演じるポール・ベタニーより3歳も年上です。
バビントンくんがいなかったのは残念。でも副長としてプリングスくん(ジェイムズ・ダーシー)がいたので安心。ちーと「艦長命」だったのは気になりましたが(ジャックと一緒にマストのてっぺんにいたシーンがよかったです♪)。マウアットには、なんか思ってたよりフケてたな〜と。
一番ピッタリだったのは、キリック(ジャックのお世話をする給仕)。あんまりにも原作通りの文句云いだったので、出てくるたびに笑ってました。でもあのガラパゴス諸島のプディング、あまり美味しそうに見えなかったな〜…。
船匠(大工さん)助手のネイグル(アケロン号の模型を作った彼)と、ミズントップ操帆手のウォーリー(海に落っこちた彼)は、事前にその関係の伏線が張られてあったし、しかもそれがちゃんと回収されていたので、より印象深くなりました。
♯字幕
担当が林完治さん(メカやSFに強く、コメディなども得意な翻訳家だと云われています)に、日本の海洋冒険小説界の第一人者である高橋泰邦さんが監修者ということで、「スティーブンが『やるっきゃない』と云ったらどうしよう」とか、士官候補生が「霧の中に敵船がいるかもだ」、水兵が「さて仕事に戻らにゃ」と云ったらどうしよう…などと心配せずに済みました(……遠まわしな云い方)。あの例のジョークは(笑えないけど)頑張ったほうではないでしょうか?…「サポーターとリポーター」よりはずっとマシかと。
字数制限があるので、やっぱり表現に足りないところはありました(砲撃訓練でジャックが叫んでる内容とか)。でもでっかいミスはなかったと思う…けど、見逃してるかもしんないです。専門用語だらけなので、一般人にはつらいところですが、速度のや距離、長さなどの単位は、日本人にわかりやすいように変わってました。個人的にDVDには付くであろう日本語吹替え版が気になります。誰が演じるのかな〜?
…以上、こんな感じかニャ?
尚。また発作が起きたら書くかもしれません。
よって発作が起きたので、また映画「M&C」の話をば。
激しくネタバレしております。
未見の方ご注意下さいませ(とゆーわけで、まりゅうさ〜〜ん!読んじゃダメっすよ〜〜!!)
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♯ストーリーについて
原作は全20巻あるシリーズもの、しかも海洋冒険小説界の「指輪物語」と呼ばれ(映像化はムリだという意味)、世界中にファンがいる名作。原作者のウンチクぶり・博識ぶりには凄まじいものがあって、登場人物はみな魅力的でその背景と相関図が実に面白く、ストーリーは海だけでなく陸での話もある……こんな作品をどうやって脚色するのかと、最初はひっじょーに心配しておりましたが――これが実にシンプルにまとめられていたので、心底唸ってしまいました。
ガラパゴス諸島での話もありましたが、基本的には海が舞台。確かな時代考証の中、サプライズ号という限られた空間でさまざまな階級・職種・考え方の男たちの姿を徹底的に描く――しかも原作ファンなら泣いて喜びそうなエピソードを織り込みながら、映画としての面白さがアップするようそして間口を広げるため叙情的な場面を増やし、海の男たちの魅力をスクリーン上で存分に出す――たとえストーリーがほとんどオリジナルになっていても、原作のスピリットは充分感じられたし、映画としても実に面白く仕上がっていたため、私は涙が出るほど嬉しかったです。本当に感動しました。まったく無駄がなかったです。
■お気に入りシーン
ブレイクニーにネルソン提督の本を渡すジャック。
ジャックが去ったあと、本にあるネルソン提督の絵を見たとき…たぶん、ブレイクニーは胸が熱くなったのではないでしょうか。
砲撃訓練してるとき、ボートを下ろし「我関せず」とばかりに研究用の魚を捕まえてるスティーブン。いかにも「らしい」っス!
ウォーリーが海に落ちてしまう場面。
ジャックやネイグルたちの気持ちがせつなくて…そしてなにより、私自身が仲間を失うような気持ちになってしまい、何度観ても泣いてしまいます。
「先生みたいな戦う博物学者になりたい」とブレイクニーが云ってたように、スティーブンはフェンシングの達人で射撃の腕も超一流という設定。アケロン号に乗り込んだとき、その姿が観られて嬉かったです。
う〜む…まだいっぱいあるけど(だって2時間しあわせだったくらいだし)、とりあえずここまで。
♯映像について
どこまでがCGで実写なのか――。常に一体感があり、まるで自分がその場にいるかような映像には驚きました。ウソくさいところや、これ見よがしのCGなんて一切なし。これが本当の視覚効果なのかもしれません。テクニカルな嵐や戦闘シーンだけでなく、たとえば艦長室(キャビン)でネルソン提督の話を聴いて感動しているカラミー、銃弾に倒れた
♯登場人物について
ジャックとスティーブンについてはさんざん語ったので、彼ら以外の話を。
まず士官候補生。いや〜…「わずか12歳の<戦う上司>」ことマックス・パーキスくん(ブレイクニー役)。よくまあ、こんなピッタリで上手い子を見つけてきたもんだよニャ〜…。ショービズ界にどっぷり漬かったような子役だと、どんな役を演じようが特有のいやらしさが出るのに、この子はそーゆーのがまったくない。カラミーも純粋な雰囲気でてたし、ホロムはいかにもな英国人顔だったな〜。
コクスンのボンデンを演じるビリー・ボイドは、「なんで彼がボンデン?」と一番違和感があった配役で、やっぱ観ていても可愛らしすぎでした。もちっと出番があったらよかったな〜。ちなみに彼は、スティーブン演じるポール・ベタニーより3歳も年上です。
バビントンくんがいなかったのは残念。でも副長としてプリングスくん(ジェイムズ・ダーシー)がいたので安心。ちーと「艦長命」だったのは気になりましたが(ジャックと一緒にマストのてっぺんにいたシーンがよかったです♪)。マウアットには、なんか思ってたよりフケてたな〜と。
一番ピッタリだったのは、キリック(ジャックのお世話をする給仕)。あんまりにも原作通りの文句云いだったので、出てくるたびに笑ってました。でもあのガラパゴス諸島のプディング、あまり美味しそうに見えなかったな〜…。
船匠(大工さん)助手のネイグル(アケロン号の模型を作った彼)と、ミズントップ操帆手のウォーリー(海に落っこちた彼)は、事前にその関係の伏線が張られてあったし、しかもそれがちゃんと回収されていたので、より印象深くなりました。
♯字幕
担当が林完治さん(メカやSFに強く、コメディなども得意な翻訳家だと云われています)に、日本の海洋冒険小説界の第一人者である高橋泰邦さんが監修者ということで、「スティーブンが『やるっきゃない』と云ったらどうしよう」とか、士官候補生が「霧の中に敵船がいるかもだ」、水兵が「さて仕事に戻らにゃ」と云ったらどうしよう…などと心配せずに済みました(……遠まわしな云い方)。あの例のジョークは(笑えないけど)頑張ったほうではないでしょうか?…「サポーターとリポーター」よりはずっとマシかと。
字数制限があるので、やっぱり表現に足りないところはありました(砲撃訓練でジャックが叫んでる内容とか)。でもでっかいミスはなかったと思う…けど、見逃してるかもしんないです。専門用語だらけなので、一般人にはつらいところですが、速度のや距離、長さなどの単位は、日本人にわかりやすいように変わってました。個人的にDVDには付くであろう日本語吹替え版が気になります。誰が演じるのかな〜?
…以上、こんな感じかニャ?
尚。また発作が起きたら書くかもしれません。
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