「トロイ」

2004年5月16日
←これは「ジョー・ブラック」の頃かニャ?…日本だと「美しき反逆者」だの「野生のインテリジェンス」だの、実にこっぱずかしい副題がつくタレント紹介本ですが、海の向こうだと至極フツーに「Rise to Stardom」。もっとパンチを効かせて欲しいものです(大きなお世話)。

世界中の女性が熱い眼差しを送る、ハリウッドハンキーNo.1ことブラッド・ピットの約三年ぶり主演作「トロイ」を観に行ってきました。

日本公式サイト→http://www2.troy.jp/

DAZZLING!ブラピ!
いやはやまったく…お姫様より光り輝いてるときたもんだ!

話題のイケメン3人が出てるし、海外のみなさんはどういったことを思ってるのかと、鑑賞する前に海の向こうの掲示板を覗いてみたら――「この映画は女性向け」だとか「(スカートの下の)パンツが気になる」とか「まるでゲイストーリーだ」とか、そういった書き込みがやたらと目立ってまして、花ならまだ五分咲きの私めもつい、「そんなにブラピはスゴイ状態なの?」「女の子が喜ぶくらいスゴイの?」と、映画の出来うんぬんよりそっちの方面(?)ばかりが気になってしまい、昨日ワクワクしながら先行上映を観に行ったのですが。

来週公開するこの映画を観るかどうかで迷っている女子のみなさまに告ぐ――

見逃すな!
ブラピが惜しげもなく脱いでるぞ!


(以下、ネタバレの可能性があるのでご注意)

…とまあ、こう書くとブラピを絶賛してるように受け止られてしまうかもしんないので、もちっとマジメに書くと――う〜ん…正直云ってブラピは浮きまくり状態なんだよニャ…。

ほかの俳優の皆さんがギリシャ人っぽい雰囲気を醸してるにも関わらず、ブラピ演じるアキレスときたら、どんなに壮絶な戦いをしたあとでも、メットを脱けばその美しい金髪が風になびき――「ラックス…スーパーリッチ!」というセリフが聞こえてこんばかりの、まるでシャンプーCF状態。古代ギリシャ人というより、モダンでモデルみたいな無臭アキレスには参りました。白旗。降参。

ただ、私が一番気にしていた「ブラピはお約束の時代劇口調(古典的な英国アクセント)ができるのか」という点については、とりあえず及第点はゲットしてるかなと。とくに英語が出来ない日本人でも(私もかなりアヤシイです)、ブラピの口調がいつもの現代劇のそれとは違うと気付くはず。向き不向きはあるけれど、こういうスペクタクル時代劇なブラピってのもたまにはいいかもね。でも彼の演じたアキレスは、なんつーかその…ちょっとナル男でスナフキンな役柄だったので、心情が見え難く――おかげでラストでアレ(巫女とのアレね)に至るのが唐突に感じられ――さらに浮いた存在に感じちゃった。

ブラピのアキレスには賛否両論があるものの、逆に誰もが褒めていて、また私も絶賛しちゃうのがヘクトル役のエリック・バナ。もともと主役に据えてもいいくらい、ヘクトルというのは人気があるトロイの英雄(かつ常識人)なので、彼がキャスティングされたときから「これはイケるかも」と思っておりました。ルックス的・醸す雰囲気がまさにヘクトルだったし(本音を云うと、彼ではなくヒュー・ジャックマンで観たかったんだけど)、存在感は素晴らしいし――彼とピーター・オトゥールのおかげで、この作品は「スペクタクル時代劇」に収まっていると云って過言ではないはず。ブラピの美しさに目を奪われながら、心情的にはバナ演じるヘクトルに向いてしまう人が多かったんじゃない?…父親・弟・トロイの民…そして妻と子を思うその姿、じ〜んと胸にきちゃったよ。エリック、やったじゃん!…「ハルク」での惨敗、帳消しナリ。

パリス王子を演じたオーランド・ブルーム――彼は悪くない、ああいう役なんだから仕方ない。ガキんちょで魅力のない役を、彼は頑張ってそんな風に演じてたと思うよ。ファンにはツライかもしんない…けど、たまにはこんな情けない役を演じてもらわないと。でもオーリはやっぱ品があるねぇ…時代劇によく映えるもんだとしみじみ実感。

アガメムノンを演じたブライアン・コックスは、いつもの彼の役回りそのまんまの役を演じてたので、鮮度はないけれどやっぱり上手い。あの嫌な雰囲気、さすがですわ。そしてショーン・ビーン…アキレス同様ギリシャの英雄オデュッセウス役なんてスゴイじゃん!…と思ったら、それほど出番がなくて(いや、あれでもあったほうか)、ちと残念。もっと策士ぶりを見せて欲しかったよニャ…。上手い人なのにもったいない。

女子のみなさんは――たしかにみなさん綺麗だったのですが、男衆のほうが美しく描かれてたため、ちと損だったかも。昔ならヘレナ演じるダイアン・クルーガーあたりが、ばばばば〜ん!と胸を出してサービスショットをかますとゆーのに、いまはいい男が脱いでサービス。脱いでる女子はいても、目はやっぱりブラピに吸い寄せられるし――ブラピのあの体、マジ素晴らしいっス。

以上、ここまで俳優について長く書いてきたのは――この「トロイ」は俳優の演技や存在がすべてな作品だったから。

残念ながらストーリーは原作とかなり離れていて――10年続いたトロイ戦争が数週間で終わったような印象を受けるし、アキレスがスナフキン気味だったこと、「愛」を重視するためにヘレナとパリスをラブラブ状態にしちゃったこと、神々の存在が思ったほど伝わってこないこと…などなど、大学時代「イリアス概説」の講義を取った私にはツラかった(内容かなり忘れたけど)。一大叙事詩を映画化するんだから、大味になるのは仕方がない。本来ならば「指輪物語」のように3部作にしたっておかしくない題材だから、よくまあ2時間50分にまとめたと思う…けど、「イリアス」のどこをメインに描いてどこを端折るのか――難しいというより限界を感じてしまった。ベーターゼン監督もだんだん個性がなくなってきたよニャ…。

アクションは、カット割りが多かったような気がしないでもない。ただ、その中でもアキレスvs.ヘクトルはさすがに見ごたえ充分で、アキレスが飛び、ヘクトルが剣を受け――その戦う姿がカッコよかったっス!押忍!

CGに関しては――そうだニャ…春に「M&C」を観たとき、しみじみ「実写との境目が感じられないCGがいかに素晴らしいか」を実感したため、トロイのお城から見える海岸線のぎこちなさが気になってしまった。あ〜あ、私ってまるで小姑だわ。

長く書いちゃったので総括せねば。
え〜っと、「ストーリーや出来よりもブラピの体に悩殺された1本」(←総括になってない)。
……あの上下に分かれた青い衣装を着ているブラピに、完全に骨抜きにされてしまいました…。

↓「トロイ」の話(9/13の日記)
http://diarynote.jp/d/25683/20030913.html

↓「続・トロイ」の話(9/14の日記)
http://diarynote.jp/d/25683/20030914.html

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