←ピアース・ブロスナンというと、一般的にジェイムズ・ボンドというイメージが強いのですが、インタビューや記事などを読むと「完璧主義者で真面目、ちょっと神経質な人」という印象を受けます。そう云われれば、どんなにお洒落で洗練された役を演じても、時折見せる真剣な表情、セリフの間の上手さ、深い深いブルーの瞳のせいか、軽薄さを感じさせないんですよねぇ…。ただし印象に残るかどうかは人それぞれですが。

20世紀FOX「1枚買ったら1枚タダ!」5/28キャンペーン(2980円)で購入した、映画DVDの感想第三弾です。

■「トーマス・クラウン・アフェアー」The Thomas Crown Affair(1999・米)
IMDb→http://us.imdb.com/title/tt0155267/
監督:ジョン・マクティアナン
脚本:レスリー・ディクソン、カート・ウィマー
出演:ピアース・ブロスナン、レネ・ルッソ、フェイ・ダナウェイ、デニス・リアリー、他

ストーリー:
NYの美術館でモネの絵画が、白昼堂々盗まれた。保険調査員のキャサリン(R・ルッソ)は、金融会社の社長で大富豪のトーマス・クラウン(P・ブロスナン)に目をつける。一見、犯罪に関わりのなさそうな彼だったが、実は完全犯罪を目論む天才的な泥棒。そしてふたりの駆け引きが始まった――

当時な〜んにも予備知識ナシな状態で観に行ったため、今作がスティーブ・マックイーンの「華麗なる賭け」(1968)のリメイクだってことに、本編を観るまで気付きませんでしたよ…。誰も教えてくれなかったしぃ…。

多少の設定変更があるけれど、お洒落な雰囲気、男女の駆け引き、山高帽男によるクライマックスなど基本は同じ。よく「リメイク作品はオリジナルを越えられない」と云われますが、これがなかなかどーして、上手くリメイクされてるんだよニャ〜。まるで「キャッツアイ」のような絵画泥棒シーン、美男美女によるおっとな〜♪なロマンス、駆け引き、隠された意外な真実――など、いろいろ盛り込んでるし、ブレーン的存在に留まらず主人公自ら行動しているし、ヒロインはちゃんと主人公とつり合っててしかも魅力的だし…う〜む、ザッツエンタテイメント!…わたしゃマックイーン版よりブロスナン版のほうが断然好きっス!…しかも「オーシャンズ11」のような、ただオシャレなだけでちっとも面白くない、キャラクターも魅力的でない映画よりは、よほどわかって作られてるので、私的評価は大です。

ただ、傑作だの名作だのオススメ作だのと云うつもりはないし、出来だって格別いいわけでもないし、印象に残る作品だとも思えない。全体的にハーレクイン小説みたいなノリなので、それを受け入れられない人には退屈なだけのツライ作品でしかないでしょう。逆に楽しめる人――おっとな〜♪なエンタテイメントであると、灰色の脳細胞でちゃんと理解している人には、2時間楽しめるめっけもんな作品というところでしょうね(理解できない人が悪くて、できる人が良いと云いたいわけではありません。だってそんなの、人それぞれだもん)。

それにしても、どういった映画ならば自分の魅力や持ち味を出せるのか、ブロスナンは完全熟知してるよニャ〜…。ただ、このまま「らしい映画でらしい役」ばっかってのは致命的かもしんない――熟成期間が長いフルボディワインだって飲みごろはちゃんとあるし、加齢は避けられないし…今後どうするおつもりなんだろう?という気はします。ま、ブロスナンさんも極東ギャルにそんなこと云われたかないでしょうけど。

ボンドガール…ではなく、ヒロインのレネ・ルッソ。初ヌードだったそうですが――子持ちで当時はたしか45歳くらいだったはずなのに、なんであんなに胸がキレイなのニャ!?…う…うらやましひ…。そしてブロスナンと雰囲気がピッタリ合ってて、ボンド映画よりしっくりしてたくらいだったよニャ〜。

それから、一体なんの役を演じてるわけ?と思ってたフェイ・ダナウェイ(「華麗なる賭け」でマックイーンの相手役を演じた人)。ご縁あってのご出演みたいですが…なに?彼女って精神分析医役だったの?映画観ててもサッパリわからず、彼女が出てくるたび「??」だったよ〜ん。あれじゃあ、ワタシわかんニャ〜い(←バカ)。でも別に重要人物ではないから、いっか。

とゆーわけで(?)、今作は、多少のウソ臭さも「おっとな〜♪なエンタテイメント作品だから」とサラっと流せる人向けの、ブロスナンとレネ・ルッソを見て楽しむ映画。

ところで。劇中まるでお約束かのように、ブロスナンの正装シーンがあります。でも彼が着ているタキシードときたら――なんかどっかヘン。どこがヘンなんだろうとじ〜っと見てたら――ネクタイがヘンなんだと気付きました。フツー、タキシードのネクタイといえば蝶ネクタイ。なのに、彼が付けてるネクタイときたら、開襟風というか…ちゃんと結ばれてない。なんで?なんでこんなヘンテコリンなタキシードを着てるのよ!?と思って調べてみたところ――ブロスナンさんはボンドを演じるにあたり、「他作でタキシード姿を見せてはいけない」という契約を結んでいるため、ヘンテコリンなネクタイを付けることで、タキシードではなくタキシード風に見せているのだとか。イメージが大切とはいえ、細かいもんですニャ〜…。

■DVD仕様評価

1.惹句(DVDの帯についてる宣伝コピー)

「『ダイ・ハード』のジョン・マクティアナン監督&“007”シリーズのピアース・ブロスナン主演で贈る、スタイリッシュ・アクション!大富豪の裏に隠された真実の姿は天才犯罪者!?」

な〜が〜い〜…。監督・出演俳優ともに代表作を上げないとわからない人ではありますが、もちっと短くてもいいのにねぇ。

2.仕様・特典など
ピクチャー・レーベル、5.1サラウンド、シネマスコープサイズ、日本語吹替・英語字幕あり、オリジナル劇場予告2本(「華麗なる賭け」「トーマス・クラウン・アフェアー」)

音声解説やメイキングなど付いてない…けど、この映画なら「ま、いっか〜」と許せてしまう(本編自体がそうだから)。ブロスナンの吹替は江原正士。江原さんはイメージじゃないんだよニャ…。彼が悪いんじゃなくって、ショーン・コネリー同様、ブロスナンもピッタリな声優がいないってこと。間が命派、吐息まじりでボソボソとセクシーに喋り、かつ俳優と年相応な声を出せる声優さん希望(…でもいない)。江原さんより「ゴールデンアイ」での神谷明のほうがずっといい感じかと。

なお、「トーマス〜」だけでなく「華麗なる賭け」のトレイラーが付いてるのは、「見比べて楽しんで下さいね〜」ってことでしょう。実際、よく似せて作られてます。

3.総括
とくに欲しいというわけではなかったのに、1500円くらいなら買ってもいいな〜と思わせた、20世紀FOX戦略勝利な1枚。

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