「21グラム」
2004年6月29日
←ベニシオ・デル・トロ(真ん中)――その昔「消されたライセンス」や「フィアレス」にチョイ役出演した頃は、すんごく痩せててヒョロヒョロ、演技もまったく印象に残らなかったため、そのまま消えていく運命の俳優だと思ってました。ところがどっこい。下積みを経たのち、評価の高い実力派俳優へと大化け。これには驚きました。そんな彼のことを「アクが強い俳優」という人をたまに見かけますが、私は「雰囲気のある俳優」と云いたいです。だって、インタビューで答えてる内容やその仕草を見てると、至極ナチュラルでいい感じなんだもん。でもまだ37歳ってのが信じられない…。
ショーン・ペン、ベニシオ・デル・トロ、ナオミ・ワッツによるアンサンブル映画「21グラム」を、ようやっと観に行ってきました。
「21グラム」21 Grams(2003・米)
IMDb→http://us.imdb.com/title/tt0315733/
日本公式サイト→http://www.21grams.jp/
監督:アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ
脚本:ギジェルモ・アリエガ
出演:ショーン・ペン、ベニシオ・デル・トロ、ナオミ・ワッツ、シャルロット・ゲンズブール、他
ストーリー:
大学教授のポール(S・ペン)は、余命1ヶ月で心臓移植を待っていた。幸せな結婚生活を送るクリスティーナ(N・ワッツ)は、夫と娘2人の帰りを自宅で待っていた。過去に何度も罪を犯した前科者ジャック(B・デル・トロ)は、現在は神に帰依、妻と子供2人とともに真面目で信心深い生活を送っていた。だがある交通事故をきっかけに、そんな3人の運命が交錯していく――
……う〜ん…。
「生と死、交錯する3人の運命と人生」といったストーリーやテーマではなく、映画の流れとゆーかあり方とゆーか――そういう面がどうにも気になって仕方がなかったんだよニャ〜…。
時間軸ぶった斬りの細切れ編集にちと疑問。
演技派3人そろえてるし、なにもそこまでしなくたって…フツーに見せてくれてもよかったんじゃない?
TVドラマでもありそうなストーリーで、語られていることはとてもシンプル。シンプルな分、俳優たちの演技に逃げは許されないと思うのですが、本作ではショーン・ペン、ナオミ・ワッツ、ベニシオ・デル・トロと、ヘタクソな俳優が誰ひとりといない状況な上、よほど3人の相性がよかったのか、「ああ、この3人…演技しやすかったろうな」と思わせるほど、観ていて自然なものがありました。あのショーン・ペンが自然ねぇ…私にとっては最大級の驚きでしたよ。
で。
俳優3人の演技を観ることで上映時間約2時間、ずっと集中させられたのですが――その集中感をぶった斬る前半の「時間軸のずれ」。どうしてそうにいたったのかを展開する前に、ちらりちらりと映像を切り込ませ先を教えてくる。……なにもそこまでしなくたって、3人のアンサンブルで充分じゃないのかと思いつつ、これはサスペンスではなく人間ドラマであって、だからこそ思い切って細切れにできたのかもしんないな…と、これを書きながら思い直してみたり。ストーリーに真新しさがない分、映像的・演出的に凝りたかったのか…でも演技派3人の演技を観ることに集中したいのに構成で混乱させられ、興がそがれることもしばしば。う〜ん…バランスって難しい…。
監督は「アモーレス・ペロス」のイニャリトゥ。残念ながら「アモーレス〜」は鑑賞中に寝てしまったので(つまらなかったのではなく、心身ともに疲れきった状態で観に行ったから…つまり私が悪い)、監督作を最後まで観たのは今作が初めて。なかなか私好みの映画だったので、「アモーレス〜」を今度借りて観ようかニャ…。
実力のある演技派3人も揃えているのに、演技がちっとも鼻につかない、それぞれの演技が自然で相乗効果の最たるものを感じさせた――だけど、とことん集中させられるので、時間軸ぶった斬りがちょっとばかり気になってしまった作品。気になっただけで、別に悪いとまでは云わないけど。好みの問題かもしんない。
そして、クリスティーナを演じたナオミ・ワッツですが。これだけ上手いのに、なんでずっと埋もれてたのか、なんとなくわかったような気がしました。彼女って美人だけどどこか凡庸で――「わあ、キレイ」で終わっちゃって、ルックスで損してたと云うか。でも頑張って欲しいな〜…下積みの長かった女優さんなだけに、つい応援したくなります。
ショーン・ペン、ベニシオ・デル・トロ、ナオミ・ワッツによるアンサンブル映画「21グラム」を、ようやっと観に行ってきました。
「21グラム」21 Grams(2003・米)
IMDb→http://us.imdb.com/title/tt0315733/
日本公式サイト→http://www.21grams.jp/
監督:アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ
脚本:ギジェルモ・アリエガ
出演:ショーン・ペン、ベニシオ・デル・トロ、ナオミ・ワッツ、シャルロット・ゲンズブール、他
ストーリー:
大学教授のポール(S・ペン)は、余命1ヶ月で心臓移植を待っていた。幸せな結婚生活を送るクリスティーナ(N・ワッツ)は、夫と娘2人の帰りを自宅で待っていた。過去に何度も罪を犯した前科者ジャック(B・デル・トロ)は、現在は神に帰依、妻と子供2人とともに真面目で信心深い生活を送っていた。だがある交通事故をきっかけに、そんな3人の運命が交錯していく――
……う〜ん…。
「生と死、交錯する3人の運命と人生」といったストーリーやテーマではなく、映画の流れとゆーかあり方とゆーか――そういう面がどうにも気になって仕方がなかったんだよニャ〜…。
時間軸ぶった斬りの細切れ編集にちと疑問。
演技派3人そろえてるし、なにもそこまでしなくたって…フツーに見せてくれてもよかったんじゃない?
TVドラマでもありそうなストーリーで、語られていることはとてもシンプル。シンプルな分、俳優たちの演技に逃げは許されないと思うのですが、本作ではショーン・ペン、ナオミ・ワッツ、ベニシオ・デル・トロと、ヘタクソな俳優が誰ひとりといない状況な上、よほど3人の相性がよかったのか、「ああ、この3人…演技しやすかったろうな」と思わせるほど、観ていて自然なものがありました。あのショーン・ペンが自然ねぇ…私にとっては最大級の驚きでしたよ。
で。
俳優3人の演技を観ることで上映時間約2時間、ずっと集中させられたのですが――その集中感をぶった斬る前半の「時間軸のずれ」。どうしてそうにいたったのかを展開する前に、ちらりちらりと映像を切り込ませ先を教えてくる。……なにもそこまでしなくたって、3人のアンサンブルで充分じゃないのかと思いつつ、これはサスペンスではなく人間ドラマであって、だからこそ思い切って細切れにできたのかもしんないな…と、これを書きながら思い直してみたり。ストーリーに真新しさがない分、映像的・演出的に凝りたかったのか…でも演技派3人の演技を観ることに集中したいのに構成で混乱させられ、興がそがれることもしばしば。う〜ん…バランスって難しい…。
監督は「アモーレス・ペロス」のイニャリトゥ。残念ながら「アモーレス〜」は鑑賞中に寝てしまったので(つまらなかったのではなく、心身ともに疲れきった状態で観に行ったから…つまり私が悪い)、監督作を最後まで観たのは今作が初めて。なかなか私好みの映画だったので、「アモーレス〜」を今度借りて観ようかニャ…。
実力のある演技派3人も揃えているのに、演技がちっとも鼻につかない、それぞれの演技が自然で相乗効果の最たるものを感じさせた――だけど、とことん集中させられるので、時間軸ぶった斬りがちょっとばかり気になってしまった作品。気になっただけで、別に悪いとまでは云わないけど。好みの問題かもしんない。
そして、クリスティーナを演じたナオミ・ワッツですが。これだけ上手いのに、なんでずっと埋もれてたのか、なんとなくわかったような気がしました。彼女って美人だけどどこか凡庸で――「わあ、キレイ」で終わっちゃって、ルックスで損してたと云うか。でも頑張って欲しいな〜…下積みの長かった女優さんなだけに、つい応援したくなります。
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