「下妻物語」
2004年7月6日
←深田恭子ちゃんといえば、思い出すのがCXドラマ「神様、もう少しだけ」。当時16歳だった恭子ちゃんですが、とてもカワイイお顔立ちとは裏腹に「うぐうぐうぐ…うぇうぇうぇ…」と、毎回その泣き声がドスの効いた低音ボイスだったことに大変驚きました。そして声はともかく、初々しい演技をする恭子ちゃんに対し、本格的なしかも濃厚なキスをしまくってた金城武!コラ!…ふたりのキスシーンが出てくるたびに、「おいおいおいおい〜手かげんしてやれよ〜、金城ぉ〜!」と思ったもんです。恭子ちゃん、どう見ても困惑顔してたもんなあ。
ちょっと前のことですが、近所の女子高生に勧められて、深田恭子ちゃん主演映画「下妻物語」を観に行ってきました。
■「下妻物語」(2004・日本)
公式サイト→http://www.shimotsuma-movie.jp/
原作:嶽本野ばら
監督:中島哲也
脚本:中島哲也
出演:深田恭子、土屋アンナ、宮迫博之、篠原涼子、阿部サダヲ、樹木希林、他
ストーリー:
茨城県下妻市。全身ロリータファションで固める桃子(深田恭子)は、他人に興味のない、いつもひとりな女子高生。興味があるのはロリータ服を着ることで、洋服を買うために東京まで出かけるほど。だがその購入資金が危うくなり、桃子はヤクザあがりの父親(宮迫博之)が売っていたニセブランド商品の通信販売を始めてしまう。そして、その商品を買うため、ヤンキー少女・イチゴ(土屋アンナ)が、桃子の家にやってきて――
エッセイだろうと評論だろうとコメントだろうと、私は嶽本野ばらの書く文章が大のニガテ。どれを読んでも何回読んでも、数十秒で目が字を追うのをやめてしまうほど。彼の主義主張がキライなのではなく――正直どーでもいいのですが――その文章における「漢字の使い方・句読点の少なさ・修飾語の選択センス・文体・全体の流れ」にウンザリ。あんまりにも自分との相性が悪いので、彼が絡んでいる以上、観に行くことはあるまいと思ってたのですが。
いんや〜…これがと〜っても面白かったっス!
まず、畳み掛けるような桃子のモノローグ。あまりに嶽本野ばらのごとき(とゆーか、そのまんま)怒涛な独白だったので、最初は面食らったのですが、その怒涛的独白展開を補足説明するかように、ポップな色調の映像が絶妙に流れ始めると、スクリーンを見てるだけで楽しくなってきちゃって、終いには私も大笑い。恭子ちゃん自身がお人形さんっぽい顔立ちをしているので、言動だけでなく桃子のルックスにも説得力が出て、上手い配役したもんだと感心。
明るくポップな映像との相性ともバツグン、こりゃ上手く映像化したもんだと、さらに感心した瞬間――ああそうか、嶽本野ばらって人は……思ったことを頭の中で映像化しながら(←ご本人はその自覚がないかもしれない)、好きなように好きなだけ、直感的・感覚的に、流れるように書く…つまり右脳で文章を書く人、森茉莉タイプなんだと気が付いた。そりゃ相性が悪いはずだわ。
↓何度トライしても、数行で読む気が萎え、いまだ完読していない嶽本野ばらの文章(映画「同級生」公式サイト)
http://www.asmik-ace.com/Getreal/novala.html
(念のため書いておきますが、私は彼がキライではありませんし、否定する気もありません)
――いかん、いかん!
映画感想だとゆーのに、原作者について語っちまったい。
そんな嶽本野ばらだからこそ、前半のめくるめくポップな映像による桃子の怒涛モノローグが、フシギとしっくりくるんだと気付いてからは、もうずっとスクリーンに釘付けでした。
他人に興味のないどこか冷めた女の子、他人のおかげで自分を見つけた女の子…接点がなさそうなふたりのバディ…つーか、青春ガールズムービーってところで、もう私的ツボは完全に押されてるとゆーのに、ガイジンの知らないジャパニーズオンリーなポップカルチャーが満載で楽しいわ、主演ふたりの会話テンポは良いわ、感動させて泣かせようとする映画が多い中、笑わせようとする姿勢が抜きん出て素晴らしいわ、観終わったあとの爽快感がなんとも云えないわで…う〜む、久しぶりにパンチの効いたオンナのコ映画っスね。お見事。
監督・脚本は…え〜っと本作が第1作目となるらしい(でもオムニバス映画「バカヤロー!」で短編撮ってる)中島哲也。昨今の流行りであるTV畑の人のようですが、嶽本野ばらの世界を完全に映像化させ、引力のある…というか磁場を発生させる作品仕上げたその力量は賞賛に値します。ただ、長編映画の第1作目が原作付きというのは、それほど冒険的なものではないので、オリジナルではどこまでやれるか――第2作目以降を期待したいと思います。
主演ふたり――深田恭子ちゃんは、以前に比べたらだいぶ上手くなったね〜。もともと適役とはいえ、どこか冷めた感じ、ときどき見せる無表情さがナイス。あの啖呵も大変気に入りましたよ。彼女のオトシマエがヘンだって?…私に云わせりゃ、篠原涼子の関西弁のほうが(わざとであっても)よっぽど鼻についたけど。
土屋アンナは――まだ未知数かな。恭子ちゃんが絡まないときのセリフの間が、ちとズレてるような気がしたけど…まだ1作目だし――う〜む、頑張れ!期待してます。
ちなみに桃子のキャラクターをロリータ・ロココ好きと設定してありますが、実はこれ――ロリータに限定せず、いろんな人に当てはまるんじゃない?…他人に興味のない人、自分の世界で生きている人……そんな人って、いっぱいいるんじゃない?…今作ではそういった少女が、個性を失わずにどう変わっていくかが上手く描かれています。しかも説教臭くなく、清々しいときたもんだ!
見かけほど甘くない…けどちょっと甘酸っぱい感はある、ワンダフルパワフリャガールズムービー。オススメです。
ちょっと前のことですが、近所の女子高生に勧められて、深田恭子ちゃん主演映画「下妻物語」を観に行ってきました。
■「下妻物語」(2004・日本)
公式サイト→http://www.shimotsuma-movie.jp/
原作:嶽本野ばら
監督:中島哲也
脚本:中島哲也
出演:深田恭子、土屋アンナ、宮迫博之、篠原涼子、阿部サダヲ、樹木希林、他
ストーリー:
茨城県下妻市。全身ロリータファションで固める桃子(深田恭子)は、他人に興味のない、いつもひとりな女子高生。興味があるのはロリータ服を着ることで、洋服を買うために東京まで出かけるほど。だがその購入資金が危うくなり、桃子はヤクザあがりの父親(宮迫博之)が売っていたニセブランド商品の通信販売を始めてしまう。そして、その商品を買うため、ヤンキー少女・イチゴ(土屋アンナ)が、桃子の家にやってきて――
エッセイだろうと評論だろうとコメントだろうと、私は嶽本野ばらの書く文章が大のニガテ。どれを読んでも何回読んでも、数十秒で目が字を追うのをやめてしまうほど。彼の主義主張がキライなのではなく――正直どーでもいいのですが――その文章における「漢字の使い方・句読点の少なさ・修飾語の選択センス・文体・全体の流れ」にウンザリ。あんまりにも自分との相性が悪いので、彼が絡んでいる以上、観に行くことはあるまいと思ってたのですが。
いんや〜…これがと〜っても面白かったっス!
まず、畳み掛けるような桃子のモノローグ。あまりに嶽本野ばらのごとき(とゆーか、そのまんま)怒涛な独白だったので、最初は面食らったのですが、その怒涛的独白展開を補足説明するかように、ポップな色調の映像が絶妙に流れ始めると、スクリーンを見てるだけで楽しくなってきちゃって、終いには私も大笑い。恭子ちゃん自身がお人形さんっぽい顔立ちをしているので、言動だけでなく桃子のルックスにも説得力が出て、上手い配役したもんだと感心。
明るくポップな映像との相性ともバツグン、こりゃ上手く映像化したもんだと、さらに感心した瞬間――ああそうか、嶽本野ばらって人は……思ったことを頭の中で映像化しながら(←ご本人はその自覚がないかもしれない)、好きなように好きなだけ、直感的・感覚的に、流れるように書く…つまり右脳で文章を書く人、森茉莉タイプなんだと気が付いた。そりゃ相性が悪いはずだわ。
↓何度トライしても、数行で読む気が萎え、いまだ完読していない嶽本野ばらの文章(映画「同級生」公式サイト)
http://www.asmik-ace.com/Getreal/novala.html
(念のため書いておきますが、私は彼がキライではありませんし、否定する気もありません)
――いかん、いかん!
映画感想だとゆーのに、原作者について語っちまったい。
そんな嶽本野ばらだからこそ、前半のめくるめくポップな映像による桃子の怒涛モノローグが、フシギとしっくりくるんだと気付いてからは、もうずっとスクリーンに釘付けでした。
他人に興味のないどこか冷めた女の子、他人のおかげで自分を見つけた女の子…接点がなさそうなふたりのバディ…つーか、青春ガールズムービーってところで、もう私的ツボは完全に押されてるとゆーのに、ガイジンの知らないジャパニーズオンリーなポップカルチャーが満載で楽しいわ、主演ふたりの会話テンポは良いわ、感動させて泣かせようとする映画が多い中、笑わせようとする姿勢が抜きん出て素晴らしいわ、観終わったあとの爽快感がなんとも云えないわで…う〜む、久しぶりにパンチの効いたオンナのコ映画っスね。お見事。
監督・脚本は…え〜っと本作が第1作目となるらしい(でもオムニバス映画「バカヤロー!」で短編撮ってる)中島哲也。昨今の流行りであるTV畑の人のようですが、嶽本野ばらの世界を完全に映像化させ、引力のある…というか磁場を発生させる作品仕上げたその力量は賞賛に値します。ただ、長編映画の第1作目が原作付きというのは、それほど冒険的なものではないので、オリジナルではどこまでやれるか――第2作目以降を期待したいと思います。
主演ふたり――深田恭子ちゃんは、以前に比べたらだいぶ上手くなったね〜。もともと適役とはいえ、どこか冷めた感じ、ときどき見せる無表情さがナイス。あの啖呵も大変気に入りましたよ。彼女のオトシマエがヘンだって?…私に云わせりゃ、篠原涼子の関西弁のほうが(わざとであっても)よっぽど鼻についたけど。
土屋アンナは――まだ未知数かな。恭子ちゃんが絡まないときのセリフの間が、ちとズレてるような気がしたけど…まだ1作目だし――う〜む、頑張れ!期待してます。
ちなみに桃子のキャラクターをロリータ・ロココ好きと設定してありますが、実はこれ――ロリータに限定せず、いろんな人に当てはまるんじゃない?…他人に興味のない人、自分の世界で生きている人……そんな人って、いっぱいいるんじゃない?…今作ではそういった少女が、個性を失わずにどう変わっていくかが上手く描かれています。しかも説教臭くなく、清々しいときたもんだ!
見かけほど甘くない…けどちょっと甘酸っぱい感はある、ワンダフルパワフリャガールズムービー。オススメです。
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