「沈黙の聖戦」

2004年10月16日
←レンタルビデオ界の2大スターと云えば、ジャン・クロード・ヴァン・ダムとスティーブン・セガールですが、私は断然セガール様派っスね。で、彼の代表作は「沈黙シリーズ」と(日本では)よく云われてるものの――これは日本の配給元が勝手に「沈黙」と邦題に入れてるだけで、実際は続きモノではありましぇん。ただどの作品も「強すぎるセガール様を拝める」という点では同じか。で、そのセガール様。大阪弁がペラペラ、合気道有段者であることは、これまた(日本では)よく知られてるのですが、実はベジタリアンだとか、スウェーデン国王が彼のファンであるということはあまり知られてません…ってか、なんかそれを聞くと、スウェーデン国王にめっちゃ親しみを感じるんですけど。

「沈黙の聖戦」Belly of the Beast(2003・加/香港/英)
IMDb→http://us.imdb.com/title/tt0357474/
日本公式サイト→http://www.chinmoku.jp/
監督:チン・シウトン
脚本:ジェイムズ・タウンゼント
出演:スティーブン・セガール、バイロン・マン、モニカ・ロウ、トム・ウー、他

ストーリー:
元CIA捜査官ジェイク(S・セガール)のひとり娘ジェシカが、旅行先であるタイで誘拐された。犯行はイスラム過激派によるものと判明、彼らは逮捕された仲間の釈放をアメリカに要求。ジェイクはジェシカを救出のためタイへと向かい、現地でCIA時代の友人スンティ(B・マン)と合流、情報を収集し出す。だが、事件は思わぬ展開を見せ始め――。

タッタッタッタッ…(←走ってる)
――すちゃ!(←片膝ついた)
殿っ!このたびはギャガ配給による新作映画日本公開、おめでとうございまする!…スクリーンに映し出されるそのご勇姿をこの目にしかと焼き付けるため、秋林、ホクリークより馳せ参じましたでござるっ!…はは〜〜〜〜っ!(←頭を地につけている)

…ってなわけで、セガール様の新作映画が上映されることなぞ滅多にない田舎在住者なため、殿の新作を地元のスクリーンで観れるのならば、こりゃそのチャンスを逃したらアカンやん!と、イソイソ初日(田舎は16日…つまり今日)に観に行ってきたのですが――いや〜、女でそんなことを考えてた物好きはどうやら私ひとりだけだったようで、平均年齢お高めな男衆の中での鑑賞となってしまいましたよ。女っ気ゼロ。う〜んマンダム。

こんな田舎でも公開されるくらいだから、もしかして面白いんじゃないか、「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」の監督(&「LOVERS」「少林サッカー」「HERO」の武術監督)のチン・シウトンとセガール様のコラボなだけに、いつもの「沈黙シリーズ」より期待してもいいんじゃないか…と思ったのですが、客層を見てると、同じように思って観に来た映画ファンもいましたね、確実に。マニアックな雰囲気の人、いたもん。

「セガール映画ビデオをよく観る、ごくフツーのおじさん」が4割、「男心をそそるアクション映画好きな人」が3割、「チン・シウトンとセガールのコラボが気になって観に来たコアな映画ファン」が2割、「物好き」が1割…ってところでしょうか。観客は10人くらい。どっちにしろ、みんなセガール様映画がどんな映画であるかわかってる人ばっかりだったでしょうね。

で、え〜っと…映画の感想なんですが。

「沈黙シリーズ」最高傑作なのでは?

もっとも、彼の映画がどんな映画であるかをよく知ってる人じゃないと、作品に置いていかれる(=セガール様についていけない)可能性が大なので、要注意です。よって、「秋林さん、面白いって云ってたじゃんよ〜!」と、観に行ってからつまらないとクレームつけられたら困るので、簡単に「オススメ!」なんて云えましぇん。

なんつーか…あいかわらずセガール様は最強で、(ほぼ)ピンチなし。さすがの合気道は型が決まっていて見事に炸裂、銃の腕はバツグン、どんなに敵がバンバン撃とうとも、そのお身体に穴が開くことはなく、逆に彼が通った後は死体の山が築かれ、ペンペン草も生えないほど。セガール様を倒すには、もう核弾頭しかないのでは?

ただ〜し。寄る年波に勝てないのか、ご自身によるアクションに往年のキレはなく、それでも上半身は動いていてるほうなのですが、いかんせん足が…。キック応酬となると、いきなりカメラがローアングルとなり、セガール様のお顔が見えなくなり、そして繰り出される華麗な足技!…もう誰が蹴ってたっていいかもしれません、セガール様が蹴ってると思えば。そして、娘さんと大して年が変わんないような若い女の子とねんごろになるセガール様――今度は暗くってなんにも見えない…とゆーか、なにかお身体を映せないご理由でもあるのでしょうか。

それでもさすがチン・シウトン。のっけから見せ場盛りだくさんのアクションが連発!(冒頭で敵地に乗り込むセガール様のある動きに感動しましたです!押忍!)…テンポよく見せてくれます。そして、本作が「沈黙シリーズ」の中で秀逸な点――たとえ破天荒で「そんなアホな!」というストーリーでも、セガール様映画のツボを心得てる上、タイが舞台であるその魅力を十二分に出していて、西洋人が感じる仏教のミステリアスな部分を上手く利用…とゆーか、アイデア出していたのにはちょっと感心。

ただし、仏教国タイが舞台なため、セガール様の行くところすべて大殺戮の修羅場と化すことに、「仏教は殺生厳禁では?」とツッコミしたい人は多いでしょうねぇ。なので、それはもう「うっちゃって観てね♪」としか云いようがないか。

ちなみに私は、クライマックスで「そうきたか!」と、思わず唸っちまいました(そして邦題に納得)。黒幕やオチについては、同じ時期に観たアシュレイ・ジャッド主演「ツイステッド」より、よ〜っぽど面白かったですわ。

そんな私はスンティがお気に入り。演じたバイロン・マンは丸刈りにすると、ちょっと小柄な小川直也という雰囲気。おかげで、彼が頑張ってる姿を見るたびに「ハッスル!ハッスル!」と心の中でひとりごち。健気で男気があって…いいキャラクターでしたね。

まあ、決してすんばらしい出来とは云いませんし、最初から観る人を限定してしまう作品なため、手放しでオススメはしませんが、セガール様映画の中ではよく出来た…ってか、シウトンとセガール様のコラボはそれなりに正解だったなと思える作品

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