アイラ・レヴィン原作「ステップフォードの妻たち」のリメイク作が、ニコール・キッドマン主演で公開されると聞きまして、昨日いそいそと観に行って来たのですが、貼られているポスター見た瞬間「ニコール、綺麗〜♪」と思ったものの、映画を観終わったあとでは「肌感、修正しすぎ!」とポスターのニコールに向かって思わずダメ出し。本作を観た女性なら、たぶん私と同じ思いをするはず…。←は原作本の写真で、ニコールではありません。

■「ステップフォード・ワイフ」The Stepford Wives(2004・米)
IMDb→http://us.imdb.com/title/tt0327162/
日本公式サイト→http://www.stepfordwife.jp/
監督:フランク・オズ
脚本:ポール・ラドニック
出演:ニコール・キッドマン、マシュー・ブロデリック、ベット・ミドラー、グレン・クローズ、クリストファー・ウォーケン、他

ストーリー:
ジョアンナ(N・キッドマン)は、NYで活躍する敏腕TVプロデューサー。だがある日、新番組の失敗でクビになってしまう。同じく会社を辞めた夫ウォルター(M・ブロデリック)や子供たちとともに、出直しを図ってコネチカット州ステップフォードに引越しをするジョアンナ。だが、クレア(G・クローズ)を始めとする街の女性は、明るい色の服を常に身にまとい、作ったかのような笑いを浮かべ、異様な雰囲気を醸していた。そしてウォルターは、マイク(C・ウォーケン)が長である街の紳士クラブに入会するが――。

1975年の「ステップフォード・ワイフ」を事前に観て、本作も前作同様のスリラー系かと思ってたら、これがブラックコメディなノリでビックリ。

それはそれで面白いリメイクの仕方だと思うし、何気に毒気を感じるオープニング(とタイトルバック)と、想像以上のコメディエンヌぶりを見せるニコールに感心、さらに出てくるさまざまなネタが私のツボを刺激し、つい「ぎゃはは♪」と大笑いしながら観ていたのですが――

惜しいっっ!ツメが甘いっっ!

どうせやるなら、そのままブラックで毒だらけなエンディングにしてくれりゃいいのに、最後の最後、エンドロール5分前の展開に「あれれれれれれれ??」。ブラックコメディがごくフツーなコメディになってしまった。こんなことになるなら、ティム・バートンが監督(ついでに脚本も)しちゃえば良かったのに。

ヒネリが足りないのではなく、むしろリメイク作というハンデを補おうとするヒネリが果敢に加えられていて感心したのに、ヒネった後の着地どころが悪かったとでも云うか。ネタバレになっちゃうから詳しく書けない。そして問題は、ステップフォードの妻たちが****なのか、それとも**に***を****て**されているのか、たいへん混乱させられるということ。つじつまが合わないよう…。

ストーリーにどうヒネリを加えて面白くするか。

故ネストール・アルメンドロス(私が好きな撮影監督のひとり)いわく、「駄作をリメイクするのは、改善の余地があって楽しい」。でも佳作のリメイクとなった本作。試行錯誤の連続だったろう撮影、リライトされただろう脚本、きっと何通りも考えられただろうオチ――1本通して、製作側にたいへん苦労したあとが見受けられた作品。…お疲れ様。

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