「ネバーランド」
2005年2月17日
←実はけっこう前に撮影されていた本作。最初、製作のミラマックスはビッグネームな俳優を主演に据えたかったそうですが、最終的に契約したのはジョニー・デップ。でも彼がサインしたとき、まだ「カリブの海賊」が公開前だったため、ジョニーはいまの彼の相場より、ずっとお安めなギャラで契約したそうです。そしてその後「カリブの海賊」が公開、ジョニー大ブレイク。思わぬ事態となり、ミラマックスはほくそ笑みながら、その年(2003年)の冬に本作を公開しようとしたところ、今度はコロンビア(ソニー)が「ウチの『ピーターパン』と同時期公開にしたら、原作である戯曲のセリフを使わせないもんね〜」と横やり。権利を持つコロンビアに対抗できず、公開はそのまま一年後となったそうです。なんで一年待たなきゃなんないの?半年後じゃダメなの?…とお思いの方もいらっしゃるでしょう。でも「ピーターパン」ってのは、クリスマスシーズンが命なんですよ。本作や「ピーターパン」を観ると理由がわかります。
ネバーランドに小児性愛者(ジョニー演じるJ.M.バリがそうであったと一部で云われている)…と聞くと、どーしてもキング・オブ・ポップを想像してしまうよなあ、いくらジョニデ主演と云ってもちょっとしたハンデを背負ってるなあ、映画も地味ィだし…と思いながら、観に行ってきました。
■「ネバーランド」Finding Neverland(2004・英/米)
IMDb→http://us.imdb.com/title/tt0308644/
日本公式サイト→http://www.neverland-movie.jp/
監督:マーク・フォースター
脚本:デヴィッド・マギー
出演:ジョニー・デップ、ケイト・ウィンスレット、ダスティン・ホフマン、フレディ・ハイモア、他
上映時間:106分
ストーリー:
1900年初頭のロンドン。新作の戯曲が不評で落ち込むバリ(J・デップ)は、公園で未亡人シルヴィア(K・ウィンスレット)と彼女の息子たち4人と出会う。次第に一家と仲良くなるバリ。だが、家では妻との不仲が決定的となってしまい、三男ピーター(F・ハイモア)をモデルに新しい戯曲の書き始めると、世間はバリとシルヴィアとの関係に噂を立て始めてしまう。そして一家にもある事態が待ち受けていた――。世界で愛される「ピーター・パン」誕生秘話、原作者バリの実話を元にした作品。
不思議なもんだわね。
バリの妻に対する仕打ちや言動に、心底共感する人は少ないでしょうが――そんな男をジョニーが演じると、なんでか女に責任があるように見えてしまう。よほどの女優をもってこないと、女の存在や魅力を消し去るニフラム男とゆーか、そういや「シークレット・ウインドウ」でも、奥さんが悪いように思えちゃったもんなあ。一般常識で考えりゃ、どうしたって問題ありまくりで浮世離れな男・バリを、イノセント・ジョニーが演じることによって、そういった非常識さを相殺させ、逆に感動へと導いている。やはりアウトサイダーはアウトサイダーにおまかせ、ってことかしら?
1本通して観た後の印象として、脳裏に浮かんだのはラッシー主演の「ビューティフル・マインド」。つまり「ノンフィクションに見えて、実はフィクション」「ヘンテコリンで不思議な男のストーリーを、感想モノとしてエンタテイメントに昇華させている」…見事な脚色&演出だな〜と感心しましたよ。感動的な話だけど、事実はもっとヒネくれてる(=単純じゃないってこと)のではないかと思われる実話からヒネリを外し、逆にストレートにしてしまった作品とでも云うか。原作が感動モノになってるのかもしれませんが、それでも完全なる玄人技ですよ>監督
本作では、ブリティッシュスタイルなスリーピーススーツをメイン衣装に、髪は小奇麗にまとめたジョニー…仕立てがいいんだろうスーツをシワシワしながら、ワンコasクマとダンスしてる姿、カーテンの間からピョコっと顔を出してる姿、髪をハラリと落としながら見上げるさま――ダメじゃん、私…ま〜たジョニーに騙され萌えてしまったじゃないの。白旗、降参。
シルヴィア役のケイト・ウィンスレットはコスプレが似合いますね。全体的に俳優陣は控え目な演技をしているのですが、彼女の仰々しくない、しっとりとした雰囲気に包まれた演技は素晴らしく、なぜ評価されてるのかがわかりましたよ。子役のフレディ・ハイモアくんも、ジョニー演じるバリのイノセントぶりが重要なストーリーなだけに、イノセント過ぎたり手足れ過ぎることがなかったのでよかったと思います。
シルヴィアが**からと云ってただのお涙頂戴モノにはしてない、「イマジネーションが持つ力」を知っている男たちを、ストレートかつ丁寧に描いた作品。でもピュアな心が磨耗の一途をたどる私には、想像力&イマジネーションの世界が、バリやピーターたちが持つそれとは別の方向に行ってしまったようで、観終わった後、ついため息が出てしまったナリ。
↓だって昨年公開の「ピーター・パン」にこんな感想書いてるし
http://diarynote.jp/d/25683/20040508.html
(端的になるよう、内容に修正を加えました)
ネバーランドに小児性愛者(ジョニー演じるJ.M.バリがそうであったと一部で云われている)…と聞くと、どーしてもキング・オブ・ポップを想像してしまうよなあ、いくらジョニデ主演と云ってもちょっとしたハンデを背負ってるなあ、映画も地味ィだし…と思いながら、観に行ってきました。
■「ネバーランド」Finding Neverland(2004・英/米)
IMDb→http://us.imdb.com/title/tt0308644/
日本公式サイト→http://www.neverland-movie.jp/
監督:マーク・フォースター
脚本:デヴィッド・マギー
出演:ジョニー・デップ、ケイト・ウィンスレット、ダスティン・ホフマン、フレディ・ハイモア、他
上映時間:106分
ストーリー:
1900年初頭のロンドン。新作の戯曲が不評で落ち込むバリ(J・デップ)は、公園で未亡人シルヴィア(K・ウィンスレット)と彼女の息子たち4人と出会う。次第に一家と仲良くなるバリ。だが、家では妻との不仲が決定的となってしまい、三男ピーター(F・ハイモア)をモデルに新しい戯曲の書き始めると、世間はバリとシルヴィアとの関係に噂を立て始めてしまう。そして一家にもある事態が待ち受けていた――。世界で愛される「ピーター・パン」誕生秘話、原作者バリの実話を元にした作品。
不思議なもんだわね。
バリの妻に対する仕打ちや言動に、心底共感する人は少ないでしょうが――そんな男をジョニーが演じると、なんでか女に責任があるように見えてしまう。よほどの女優をもってこないと、女の存在や魅力を消し去るニフラム男とゆーか、そういや「シークレット・ウインドウ」でも、奥さんが悪いように思えちゃったもんなあ。一般常識で考えりゃ、どうしたって問題ありまくりで浮世離れな男・バリを、イノセント・ジョニーが演じることによって、そういった非常識さを相殺させ、逆に感動へと導いている。やはりアウトサイダーはアウトサイダーにおまかせ、ってことかしら?
1本通して観た後の印象として、脳裏に浮かんだのはラッシー主演の「ビューティフル・マインド」。つまり「ノンフィクションに見えて、実はフィクション」「ヘンテコリンで不思議な男のストーリーを、感想モノとしてエンタテイメントに昇華させている」…見事な脚色&演出だな〜と感心しましたよ。感動的な話だけど、事実はもっとヒネくれてる(=単純じゃないってこと)のではないかと思われる実話からヒネリを外し、逆にストレートにしてしまった作品とでも云うか。原作が感動モノになってるのかもしれませんが、それでも完全なる玄人技ですよ>監督
本作では、ブリティッシュスタイルなスリーピーススーツをメイン衣装に、髪は小奇麗にまとめたジョニー…仕立てがいいんだろうスーツをシワシワしながら、ワンコasクマとダンスしてる姿、カーテンの間からピョコっと顔を出してる姿、髪をハラリと落としながら見上げるさま――ダメじゃん、私…ま〜たジョニーに
シルヴィア役のケイト・ウィンスレットはコスプレが似合いますね。全体的に俳優陣は控え目な演技をしているのですが、彼女の仰々しくない、しっとりとした雰囲気に包まれた演技は素晴らしく、なぜ評価されてるのかがわかりましたよ。子役のフレディ・ハイモアくんも、ジョニー演じるバリのイノセントぶりが重要なストーリーなだけに、イノセント過ぎたり手足れ過ぎることがなかったのでよかったと思います。
シルヴィアが**からと云ってただのお涙頂戴モノにはしてない、「イマジネーションが持つ力」を知っている男たちを、ストレートかつ丁寧に描いた作品。でもピュアな心が磨耗の一途をたどる私には、想像力&イマジネーションの世界が、バリやピーターたちが持つそれとは別の方向に行ってしまったようで、観終わった後、ついため息が出てしまったナリ。
↓だって昨年公開の「ピーター・パン」にこんな感想書いてるし
http://diarynote.jp/d/25683/20040508.html
(端的になるよう、内容に修正を加えました)
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