「モーターサイクル・ダイアリーズ」
2005年2月20日
←若き日のチェ・ゲバラを演じた、意外に小柄なガエル・ガルシア・ベルナルくん(26)は、イケメン若手ラティーノとして、ロドリゴ・サントロとともに、現在たいへん人気があるメキシコ出身の俳優さん。スペイン語系の出演作が続いているため、スペイン語しか話せないと思われがちな彼ですが、実は英語・フランス語・イタリア語も流暢に話せる人(ちょっとお勉強すればポルトガル語だって話せるでしょう)。さらに演技は◎、醸す雰囲気はバツグンときてるもんだから、ワールドワイドな活躍ができる若手としても注目されています。もちろん、イケメンチェッカーな私だってチェックしてますよ、当ったり前じゃあ〜りませんかっ!くわっ!…とか云いつつ、私はロドリゴ派。
魅惑のカリスマ革命家チェ・ゲバラが、学生時代に南米大陸縦断の旅をしたその旅行記が映画化され、そーいや大学時代、ゲバラを愛してやまない教授がいたっけな〜、彼の講義はとても楽しかったので私もマジメに出席してたよな〜、教授は元気かな〜…とつい遠い目になりながら、観に行ってきました。
■「モーターサイクル・ダイアリーズ」Diarios de motocicleta(2004・英/米)
IMDb→http://us.imdb.com/title/tt0318462/
日本公式サイト→http://www.herald.co.jp/official/m_cycle_diaries/index.shtml
監督:ウォルター・サレス
脚本:ホセ・リベーラ
出演:ガエル・ガルシア・ベルナル、ロドリゴ・デ・ラ・セルナ、ミア・マエストロ、他
上映時間:127分
ストーリー:
医学生で喘息の持病を持つエルネスト(G・G・ベルナル)は、友人アルベルト(R・デ・ラ・セルナ)とともに、バイクで南米横断の旅に出る。貧乏、バイクはポンコツ、困難の連続という状態でギリギリの旅を続ける彼らだったが、次第にエルネストは出会う人々によって感化され、人間的に成長していく――。若き日のチェ・ゲバラを描いた青春ロードムービー。
タイトルが「モーターサイクル・ダイアリーズ」って云っても、あーた、途中から「ウォーキング・ダイアリーズ」になってるじゃん!…というツッコミは、とりあえず置いといて。
劇中よく出てくる「チェ」とは、日本語ならば「ねえ」とか「おい」といった呼びかけの言葉だそうで、実際のエルネストもよく使っていたために「チェ・ゲバラ」と呼ばれるに至ったらしく…ってことはなんですか、「チェ」とは、英語で云うところの「Dude」(デュード)に相当するんでしょうかね?(お若い男性たちが使いそうだし)
バイクにタンデムで旅をする青年たち、ロードムービー、人々との出会いと自己のアイデンティティ、そしてDude…と云えば、やっぱりあの人たちのあの映画を思い出しちゃって、己の血に流れる腐女子の性(さが)というものを痛感させられたよなあ。
↓あの人たちのあの映画(amazon)
http://images.amazon.com/images/P/B00005JLHW.01.LZZZZZZZ.jpg
(画像はUS版DVDのジャケット。素晴らし過ぎて感無量。日本版DVD再リリースの際は、これと同じにしてちょーだいっ!)
…思わず黄昏てしまったナリ…。でも本作の場合、あの人たちのあの映画のようなことは(画的には)ありましぇん。アルベルト役が同じロドリゴでもサントロさんのほうだったら、いろいろドリームできたでしょうが。
…マジメに感想を書きましょう。
本作が米国で公開されたとき、実はコッソリと興行成績番付でその動向をチェックしていたのですが、製作は米国(←メインがね)でも使用言語はスパニッシュというハンデがある映画だとゆーのに、これがビックリ、5位以内をキープする週が続き、なかなかの好成績を収めているではありませんか。「なに?米国はガエルくん人気がそこまで高いわけ??」と、ガエルくんに支えられてのスマッシュ・ヒットかと思っていたら――実際に鑑賞してみて、理由はそれだけじゃないんだと気付きました。
青春ロードムービーだけに、自己のアイデンティディ探求を中心に、過酷な旅の中で深まる友情、若者の青い悩み、心温まる人々とのふれあいといった、いわゆる王道路線なストーリーが繰り広げられ、私も途中までは「ありがちだな」と思って観てたのですが、後半に入るとこれが次第に変わっていき――美しい映像とともに、ラテンアメリカのアイデンティティを探求する心の旅がスクリーンに映し出され、ヒスパニック系人種比率が高くなっている現代の米国において、これだけ南米アイデンティティとノスタルジーを意識させられたら、ラティーノ/ラティーナたちが自分たちの持つルーツを刺激されないわけがないよな、エルネストとアルベルトに自己投影しちゃうよな、こりゃヒットするよな…と思ったのでした。
もちろんヒスパニック系だけに限らず、アイデンティティ探求や郷愁というものは人の心を揺さぶるものだし、たとえ青春時代が遠い昔でも、心の奥底に残っているだろう甘酸っぱい香りは思い出とともに薫ってくることだってあるわけで……ガエルくんのどこか青臭い、不器用ながらも誠実な雰囲気を漂わす若き日のゲバラと、とっても人間臭い、ユーモア満点なアルベルトを観ていると、青春ストーリーに胸キュンしちゃう人のほか、「こんな旅をしたい」「こんな親友を持ちたい」と思う人も多いでしょうね。
黒ベレー帽と赤のゲバラをあえて意識させない、ひとりの若者として描いたことが功を奏したかもしれない、アイデンティティ模索と郷愁の薫りが胸をつく、青春ロードムービーの佳作。ただし、感傷的過ぎ・薫りが甘酸っぱすぎる面もあるので、それを嫌う人には長くてツライ映画として映るかも。
ところで。ラストに出ていたおじいさん。彼がいったい誰であるか、クレジットがなくてもみんなわかるでしょう。信じられないくらい、ソックリなんだもん…。
あと個人的にビックリしたのは、本作の字幕翻訳が林完治さんだったこと。この手の映画なら松浦美奈さんというイメージ強いからなあ。
魅惑のカリスマ革命家チェ・ゲバラが、学生時代に南米大陸縦断の旅をしたその旅行記が映画化され、そーいや大学時代、ゲバラを愛してやまない教授がいたっけな〜、彼の講義はとても楽しかったので私もマジメに出席してたよな〜、教授は元気かな〜…とつい遠い目になりながら、観に行ってきました。
■「モーターサイクル・ダイアリーズ」Diarios de motocicleta(2004・英/米)
IMDb→http://us.imdb.com/title/tt0318462/
日本公式サイト→http://www.herald.co.jp/official/m_cycle_diaries/index.shtml
監督:ウォルター・サレス
脚本:ホセ・リベーラ
出演:ガエル・ガルシア・ベルナル、ロドリゴ・デ・ラ・セルナ、ミア・マエストロ、他
上映時間:127分
ストーリー:
医学生で喘息の持病を持つエルネスト(G・G・ベルナル)は、友人アルベルト(R・デ・ラ・セルナ)とともに、バイクで南米横断の旅に出る。貧乏、バイクはポンコツ、困難の連続という状態でギリギリの旅を続ける彼らだったが、次第にエルネストは出会う人々によって感化され、人間的に成長していく――。若き日のチェ・ゲバラを描いた青春ロードムービー。
タイトルが「モーターサイクル・ダイアリーズ」って云っても、あーた、途中から「ウォーキング・ダイアリーズ」になってるじゃん!…というツッコミは、とりあえず置いといて。
劇中よく出てくる「チェ」とは、日本語ならば「ねえ」とか「おい」といった呼びかけの言葉だそうで、実際のエルネストもよく使っていたために「チェ・ゲバラ」と呼ばれるに至ったらしく…ってことはなんですか、「チェ」とは、英語で云うところの「Dude」(デュード)に相当するんでしょうかね?(お若い男性たちが使いそうだし)
バイクにタンデムで旅をする青年たち、ロードムービー、人々との出会いと自己のアイデンティティ、そしてDude…と云えば、やっぱりあの人たちのあの映画を思い出しちゃって、己の血に流れる腐女子の性(さが)というものを痛感させられたよなあ。
↓あの人たちのあの映画(amazon)
http://images.amazon.com/images/P/B00005JLHW.01.LZZZZZZZ.jpg
(画像はUS版DVDのジャケット。素晴らし過ぎて感無量。日本版DVD再リリースの際は、これと同じにしてちょーだいっ!)
…思わず黄昏てしまったナリ…。でも本作の場合、あの人たちのあの映画のようなことは(画的には)ありましぇん。アルベルト役が同じロドリゴでもサントロさんのほうだったら、いろいろドリームできたでしょうが。
…マジメに感想を書きましょう。
本作が米国で公開されたとき、実はコッソリと興行成績番付でその動向をチェックしていたのですが、製作は米国(←メインがね)でも使用言語はスパニッシュというハンデがある映画だとゆーのに、これがビックリ、5位以内をキープする週が続き、なかなかの好成績を収めているではありませんか。「なに?米国はガエルくん人気がそこまで高いわけ??」と、ガエルくんに支えられてのスマッシュ・ヒットかと思っていたら――実際に鑑賞してみて、理由はそれだけじゃないんだと気付きました。
青春ロードムービーだけに、自己のアイデンティディ探求を中心に、過酷な旅の中で深まる友情、若者の青い悩み、心温まる人々とのふれあいといった、いわゆる王道路線なストーリーが繰り広げられ、私も途中までは「ありがちだな」と思って観てたのですが、後半に入るとこれが次第に変わっていき――美しい映像とともに、ラテンアメリカのアイデンティティを探求する心の旅がスクリーンに映し出され、ヒスパニック系人種比率が高くなっている現代の米国において、これだけ南米アイデンティティとノスタルジーを意識させられたら、ラティーノ/ラティーナたちが自分たちの持つルーツを刺激されないわけがないよな、エルネストとアルベルトに自己投影しちゃうよな、こりゃヒットするよな…と思ったのでした。
もちろんヒスパニック系だけに限らず、アイデンティティ探求や郷愁というものは人の心を揺さぶるものだし、たとえ青春時代が遠い昔でも、心の奥底に残っているだろう甘酸っぱい香りは思い出とともに薫ってくることだってあるわけで……ガエルくんのどこか青臭い、不器用ながらも誠実な雰囲気を漂わす若き日のゲバラと、とっても人間臭い、ユーモア満点なアルベルトを観ていると、青春ストーリーに胸キュンしちゃう人のほか、「こんな旅をしたい」「こんな親友を持ちたい」と思う人も多いでしょうね。
黒ベレー帽と赤のゲバラをあえて意識させない、ひとりの若者として描いたことが功を奏したかもしれない、アイデンティティ模索と郷愁の薫りが胸をつく、青春ロードムービーの佳作。ただし、感傷的過ぎ・薫りが甘酸っぱすぎる面もあるので、それを嫌う人には長くてツライ映画として映るかも。
ところで。ラストに出ていたおじいさん。彼がいったい誰であるか、クレジットがなくてもみんなわかるでしょう。信じられないくらい、ソックリなんだもん…。
あと個人的にビックリしたのは、本作の字幕翻訳が林完治さんだったこと。この手の映画なら松浦美奈さんというイメージ強いからなあ。
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