2004年度マイ・フェイバリット10映画
2005年4月10日 年度別フェイバリット10映画
すっかり書くのを忘れていた2004年度フェイバリット10映画について、ちょこちょこ書きたいと思います。私の場合、「好きな作品=出来がいい作品」とは限りません。出来がいいとは云えない、くだらない映画も大好きです。ちなみに映画に点数付けたり星評価したりするのはニガテなので、いつも「ああ、あの映画が面白かったな、私好みだったな」と思いながら、漠然と頭の中でフェイバリット順位を付けております。なお、「私好みの映画」については、↑の「プロフィール」をクリックすると、なんとなくお分かり頂けるかなと。
以下、「昨年公開された私が好きな映画10本」です♪
■2004年マイフェイバリット映画
1.「マスター・アンド・コマンダー」
2.「スパイダーマン 2」
3.「ルビー&カンタン」
4.「みなさん、さようなら」
5.「世界でいちばん不運で幸せな私」
6.「スクール・オブ・ロック」
7.「ショーン・オブ・ザ・デッド」(劇場未公開)
8.「ニューオーリンズ・トライアル」
9.「connie & carla コニー&カーラ」
10.「砂と霧の家」
こうやって列記してみると、いろんなタイプの映画がランクインしているなあ。
1の「マスター・アンド・コマンダー」は、パトリック・オブライアンの海洋冒険小説を映画化した作品。オブライアンの世界を見事に描き切ったその出来に、海の向こうでもケチをつけている原作ファンは(ほぼ)皆無、逆に「もっとオブライアンを!」という声が上がっているほどです。それくらい完璧に近い仕上がりでした。徹底した時代考証に基づくリアルな海上生活(ヒラ水兵さんの食事がマズそうなところもリアルだったなあ)、素晴らしい帆船、思い切って海上に限ったムダのないストーリーと演出――私が観たかったものがすべて描かれ、スクリーンに映る俳優たちはみな18世紀の人間のようでした。その中でも嵐のシーンはいったいどうやって撮ったのか――どこから本物の帆船でCGで模型なのか。これ見よがしのCGじゃなく、こういった境界線がわからないリアルな映像にこそ、オスカーの視覚効果賞をあげて欲しかったです。ジャンル的に海洋アクションと銘打たれているけれど、実は海の男たち(=サプライズ号の乗組員)を描いたシンプルなドラマ。世界の裏側で、いろんな階級の男たちが、いろんな思いを胸にサプライズ号に乗り込んでいる――そんなストーリーを持つ作品です。観るたびになんてよく出来てるんだと感動してしまう私は、すっかりサプライズ号の一員となってしまいました。ウィアー監督、本当にありがとう!一生忘れませんっ!…ただひとつ残念なのは、オブライアンに観てもらえなかったこと(2000年に亡くなったから)。世界最高の歴史小説家のひとりと云われている彼に、スクリーンに映るジャックとスティーブン、活き活きと描かれている船員たち、ディテール凝りまくりの帆船を観てもらいたかったなあ…。
2の「スパイダーマン 2」は、所々「らしい」感じは残っているけれど、サム・ライミってばずいぶんと洗練されちゃったなあと。しかも2億ドル使って青春映画を作ってくれるとは。ありがたやありがたや〜。
3の「ルビー&カンタン」は、奇人大好き〜♪なフランシス・ヴェベール監督によるベタなフレンチコメディ。ジャン・レノはいつものお決まりな役柄、ドパルデューはたまに見せてくれる「でっかい体に子犬のような心」でナチュラルアホを演じ、私を心底喜ばせてくれました。最初から最後までドパルデューの上手さに唸った85分。監督のギリギリな奇人描写もGood。
4の「みなさん、さようなら」は、完全ダークホースでした。「グッバイ、レーニン!」「ビッグ・フィッシュ」と似たような設定な上に公開時期も近かったので、よく比較されてましたが、私は断然「みなさん〜」派。優劣の問題ではなく、三作品の中で、本作が一番私の心の琴線に触れたということです。他の映画をハシゴする予定だったのに、そのまま家に帰ってしまったほど参ってしまいました。後半のアカデミックな会話が鼻につく人もいるかもしれません。ただ、登場人物たちすべてが愛おしくてたまらず、超辛口なユーモアに感動し、カンヌ(女優賞・脚本賞)とオスカー(外国語映画賞)に納得。「人生なんて、まるでお伽噺さ。」と簡単に思えない人にはオススメかと。ちなみに購入したDVDの中には、「グッバイ、レーニン!」「ビッグ・フィッシュ」「みなさん、さようなら」三作品のコラボ宣伝冊子がついていてビックリ。発売元がまったく違うだけに、ちょっと感動しましたね。
5の「世界でいちばん不運で幸せな私」は、オススメしません/できません。だってこれは私の映画だから。ふたりの世界、ふたりにしかわからない関係――別に他人に理解してもらわなくたっていい、愛の形はさまざまある、それでピタリと重なるふたりならば、とても貴重で幸せなことじゃないか――そんな恋愛映画。そういう意味では「セクレタリー」とちょっと似てるかな?…ちなみにタイトルは原題より邦題のほうがいいですね。ただし、「こんな女にホレるなんてしまったなあ、ヒドイ目に遭わされて散々だしさ、でも彼女じゃないとマジ僕ダメで…とにかく彼女と一緒にいると幸せなんだ」と、女より男の気持ちが出てたので、「世界でいちばん不運で幸せな僕」のほうがいいかも。
6の「スクール・オブ・ロック」は、暑苦しいジャック・ブラックを上手く使ったロックバカ一代映画。ぎゃははははと大笑いしながら観てました。初めて楽器を持ったとき、あの曲のあのフレーズを弾くのは世界共通なんだ〜と、また大笑い。アンガス・ヤングそのまんまな格好のJB、子供たちの素直な演技と上手い演奏、随所に見られるロックネタ――とっても面白かったです。
7の「ショーン・オブ・ザ・デッド」は、「ラブ・アクチュアリー」「ブルジット・ジョーンズの日記」のワーキング・タイトル・フィルムズが贈る(…)、ロマンティック・コメディwithゾンビな映画。でも劇場未公開…って、なんでこんな面白い映画をビデオスルーにするっ!?(>たぶんUIP)…数々出てくるゾンビパロディだけでなく、ゾンビ相手にヘタレ主人公、武器はクリケットバット、パブ命の男ども、めくるめくブラックユーモア――など、実に英国らしい作品。ちなみに本作を一緒に鑑賞していた際に、10代後半をロンドンで過ごしたという友人Eいわく、「ブリティッシュの奴らは行動を起こすまでがトロくて、いっつも直前まであーだこーだ喋ってんだよ!」…ナルホド。
8の「ニューオーリンズ・トライアル」は、裁判モノ。俳優陣の上手さ、途中までミスリードさせる演出とぐいぐい引っ張ってく編集の力強さに唸りました。
9の「コニー&カーラ」は、「テルマ&ルイーズ」かなと思ったら、実は「お熱いのがお好き」だったという映画。これがすんごい楽しくて面白くて。ホロリとまでさせてくれたし…いや〜、これを拾った自分を褒めてあげたい!
10の「砂と霧の家」は、丁寧で「最も美しい悲劇」(公式サイト)。主要人物たちは基本的に善人、でもどこかしら欠点は持っている――そんな人間味を感じさせるキャラクター設定、落ち着いた俳優たちのリアルな演技、悲劇へのトリガーとなった理由が「誰もがちょっとずつ悪い」ものだけに、痛くてたまらないラスト――たいへん素晴らしかったです。
以上、マイ・フェイバリット10本でした♪
以下、「昨年公開された私が好きな映画10本」です♪
■2004年マイフェイバリット映画
1.「マスター・アンド・コマンダー」
2.「スパイダーマン 2」
3.「ルビー&カンタン」
4.「みなさん、さようなら」
5.「世界でいちばん不運で幸せな私」
6.「スクール・オブ・ロック」
7.「ショーン・オブ・ザ・デッド」(劇場未公開)
8.「ニューオーリンズ・トライアル」
9.「connie & carla コニー&カーラ」
10.「砂と霧の家」
こうやって列記してみると、いろんなタイプの映画がランクインしているなあ。
1の「マスター・アンド・コマンダー」は、パトリック・オブライアンの海洋冒険小説を映画化した作品。オブライアンの世界を見事に描き切ったその出来に、海の向こうでもケチをつけている原作ファンは(ほぼ)皆無、逆に「もっとオブライアンを!」という声が上がっているほどです。それくらい完璧に近い仕上がりでした。徹底した時代考証に基づくリアルな海上生活(ヒラ水兵さんの食事がマズそうなところもリアルだったなあ)、素晴らしい帆船、思い切って海上に限ったムダのないストーリーと演出――私が観たかったものがすべて描かれ、スクリーンに映る俳優たちはみな18世紀の人間のようでした。その中でも嵐のシーンはいったいどうやって撮ったのか――どこから本物の帆船でCGで模型なのか。これ見よがしのCGじゃなく、こういった境界線がわからないリアルな映像にこそ、オスカーの視覚効果賞をあげて欲しかったです。ジャンル的に海洋アクションと銘打たれているけれど、実は海の男たち(=サプライズ号の乗組員)を描いたシンプルなドラマ。世界の裏側で、いろんな階級の男たちが、いろんな思いを胸にサプライズ号に乗り込んでいる――そんなストーリーを持つ作品です。観るたびになんてよく出来てるんだと感動してしまう私は、すっかりサプライズ号の一員となってしまいました。ウィアー監督、本当にありがとう!一生忘れませんっ!…ただひとつ残念なのは、オブライアンに観てもらえなかったこと(2000年に亡くなったから)。世界最高の歴史小説家のひとりと云われている彼に、スクリーンに映るジャックとスティーブン、活き活きと描かれている船員たち、ディテール凝りまくりの帆船を観てもらいたかったなあ…。
2の「スパイダーマン 2」は、所々「らしい」感じは残っているけれど、サム・ライミってばずいぶんと洗練されちゃったなあと。しかも2億ドル使って青春映画を作ってくれるとは。ありがたやありがたや〜。
3の「ルビー&カンタン」は、奇人大好き〜♪なフランシス・ヴェベール監督によるベタなフレンチコメディ。ジャン・レノはいつものお決まりな役柄、ドパルデューはたまに見せてくれる「でっかい体に子犬のような心」でナチュラルアホを演じ、私を心底喜ばせてくれました。最初から最後までドパルデューの上手さに唸った85分。監督のギリギリな奇人描写もGood。
4の「みなさん、さようなら」は、完全ダークホースでした。「グッバイ、レーニン!」「ビッグ・フィッシュ」と似たような設定な上に公開時期も近かったので、よく比較されてましたが、私は断然「みなさん〜」派。優劣の問題ではなく、三作品の中で、本作が一番私の心の琴線に触れたということです。他の映画をハシゴする予定だったのに、そのまま家に帰ってしまったほど参ってしまいました。後半のアカデミックな会話が鼻につく人もいるかもしれません。ただ、登場人物たちすべてが愛おしくてたまらず、超辛口なユーモアに感動し、カンヌ(女優賞・脚本賞)とオスカー(外国語映画賞)に納得。「人生なんて、まるでお伽噺さ。」と簡単に思えない人にはオススメかと。ちなみに購入したDVDの中には、「グッバイ、レーニン!」「ビッグ・フィッシュ」「みなさん、さようなら」三作品のコラボ宣伝冊子がついていてビックリ。発売元がまったく違うだけに、ちょっと感動しましたね。
5の「世界でいちばん不運で幸せな私」は、オススメしません/できません。だってこれは私の映画だから。ふたりの世界、ふたりにしかわからない関係――別に他人に理解してもらわなくたっていい、愛の形はさまざまある、それでピタリと重なるふたりならば、とても貴重で幸せなことじゃないか――そんな恋愛映画。そういう意味では「セクレタリー」とちょっと似てるかな?…ちなみにタイトルは原題より邦題のほうがいいですね。ただし、「こんな女にホレるなんてしまったなあ、ヒドイ目に遭わされて散々だしさ、でも彼女じゃないとマジ僕ダメで…とにかく彼女と一緒にいると幸せなんだ」と、女より男の気持ちが出てたので、「世界でいちばん不運で幸せな僕」のほうがいいかも。
6の「スクール・オブ・ロック」は、暑苦しいジャック・ブラックを上手く使ったロックバカ一代映画。ぎゃははははと大笑いしながら観てました。初めて楽器を持ったとき、あの曲のあのフレーズを弾くのは世界共通なんだ〜と、また大笑い。アンガス・ヤングそのまんまな格好のJB、子供たちの素直な演技と上手い演奏、随所に見られるロックネタ――とっても面白かったです。
7の「ショーン・オブ・ザ・デッド」は、「ラブ・アクチュアリー」「ブルジット・ジョーンズの日記」のワーキング・タイトル・フィルムズが贈る(…)、ロマンティック・コメディwithゾンビな映画。でも劇場未公開…って、なんでこんな面白い映画をビデオスルーにするっ!?(>たぶんUIP)…数々出てくるゾンビパロディだけでなく、ゾンビ相手にヘタレ主人公、武器はクリケットバット、パブ命の男ども、めくるめくブラックユーモア――など、実に英国らしい作品。ちなみに本作を一緒に鑑賞していた際に、10代後半をロンドンで過ごしたという友人Eいわく、「ブリティッシュの奴らは行動を起こすまでがトロくて、いっつも直前まであーだこーだ喋ってんだよ!」…ナルホド。
8の「ニューオーリンズ・トライアル」は、裁判モノ。俳優陣の上手さ、途中までミスリードさせる演出とぐいぐい引っ張ってく編集の力強さに唸りました。
9の「コニー&カーラ」は、「テルマ&ルイーズ」かなと思ったら、実は「お熱いのがお好き」だったという映画。これがすんごい楽しくて面白くて。ホロリとまでさせてくれたし…いや〜、これを拾った自分を褒めてあげたい!
10の「砂と霧の家」は、丁寧で「最も美しい悲劇」(公式サイト)。主要人物たちは基本的に善人、でもどこかしら欠点は持っている――そんな人間味を感じさせるキャラクター設定、落ち着いた俳優たちのリアルな演技、悲劇へのトリガーとなった理由が「誰もがちょっとずつ悪い」ものだけに、痛くてたまらないラスト――たいへん素晴らしかったです。
以上、マイ・フェイバリット10本でした♪
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