←公開までに知識を得ようと、ここ半年くらい、原作であるコミック「ヘルブレイザー」シリーズのお勉強&情報収集をちょこちょこしておりました。里帰り中の友人Eに「原作本を買ってきて」とリクエスト、ゲットした原作を読み、公式サイトや海外ファンサイトの掲示板まで覗き…ええ、いろいろやりましたよ。でもたぶん…劇場で売られているパンフレットにはそれらがすべて解説されてるんでしょうね…。悔しいから買わないもん!ふーんだ!でもジョン・コンスタンティンが実はバイセクシャルだとか(ただし女性のほうが好きな模様)、セックスピストルズ好きのパンク男であるということは、それに載ってるんでしょうか?どう?(←負け惜しみ)

↓お勉強し始めた頃の話(トレイラーよもやま話…約1年前になるのね…)
http://diarynote.jp/d/25683/20040515.html

いまやすっかりWBのロゴを背負って世界を救う男になってしまった、ハリウッドの摩訶不思議俳優ことキアヌ・リーブス主演最新作を観に行って来ました。

■「コンスタンティン」Constantine(2005・米)
IMDB→http://us.imdb.com/title/tt0360486/
日本公式サイト→http://constantine.warnerbros.jp/
(日本公式サイトはネタバレ気味なのでお気をつけ下さい)
監督:フランシス・ローレンス
脚本:ケビン・フロドビン、フランク・カペロ
出演:キアヌ・リーブス、レイチェル・ワイズ、シア・ラブーフ、ジャイモン・フンスー、他
上映時間:121分

ストーリー:
米国L.A。見えないものが見えてしまうという特殊能力を持つがゆえに、幼いころ自殺を図り、地獄行きが決定している孤独な男ジョン・コンスタンティン(K・リーブス)。天国へ行くため悪魔祓いをして人助けをする彼の前に、ある日アンジェラ(R・ワイズ)という刑事が現れる。自殺した妹イザベルは第三者によって殺されたと訴える彼女は、コンスタンティンに真相究明への協力を依頼するが――。

いやなんつーかその…さすがの私も参っちゃったな〜。
だってこれ――オカルト・アクション・ファンタジー映画(?)と云われてるけど、ぶっちゃけキアヌ総受映画なんだもん。マジで参ったナリよ…どうしてくれる?

どこがどう受なのかは、まあ映画を観て頂くとして。

ツボにハマりました。どうしよう…マジ気に入っちゃった。←キアヌ受だからじゃねーぞー!

すんごい面白かったです。「マトリックス」というより、なんちゃって「エンゼル・ハート」な雰囲気で、カジュアルに「エクソシスト」してるあたりが好きだなあ。

ただし。私が面白いと感じても、すべての人向きとは云えない映画なのでご注意を。

まず、キリスト教が根底にあるストーリーと設定なために、日本人にはわかりづらいと云われているようですが――そう?…天国だの地獄だの、天使だ悪魔だ、エクソシストだ除霊だ黒魔術だ、オカルトだスリラーだ…といったマンガやアニメに慣れ親しんでいるのは、逆に日本人のほうだと思うんだけどなあ(「陰陽師」「ドロロンえん魔くん」「デビルマン」「孔雀王」「BASTARD!!」とか…まだある)。ただ、次第にストーリーが収拾つかなくなって、破綻状態へと向かう作品が多いので、天国と地獄うんぬん話というのは1本にまとめようとすると、ちと苦しいかもしれない。

実際、本作でもかなりゴーインなところがあって、たとえば冒頭で出てくる「*****」――おいおい、あんなところに隠しとくなよ…とツッコミしたくなるし、地獄描写だって手ぬるい。いくらでもA級にできそうなものを、お金をかけてB級にしちゃった感はある。それでも私がホメたいのは、主役の「くそったれ」ジョン・コンスタンティンの立たせ方。私がサタンでも直々にコイツを連れて行きたいわ〜と思うほど、たいへん魅力的な男に描かれていたし、脇キャラもなかなか立っておりましたよ。コミックを映画化するならキャラ立ちは必須…というか命である、としみじみ実感。

原作と設定違いは多々あれど(L.Aが舞台というのはナイス選択)、ジョン・コンスタンティンの「a**hole!」なキャラクター…私、こういうアンチヒーロ的自己チュー主人公が大好きなので、最初はイメージと正反対のキアヌでダイジョブなわけ?と心配したのですが、杞憂に終わりました。原作もいいけど映画版ジョン・コンスタンティンもいいじゃん♪…思ってた以上にキアヌはいい感じで絵になってましたよ。声を落としてリズムを変えて喋ってるのがよくわかったし、役作りもしてる。個人的には「ディアボロス」以来のなかなかな演技だと思うんですが、どうでしょう?…まあたしかに、ポール・ベタニーやショーン・ビーン、ジュード・ロウ、キーファー・サザーランド(彼は…ゴメン、英国人でした!)のほうが、何考えてるかわかんなくてオカルトな雰囲気を出せたでしょうけど――キアヌもいいんじゃないかと。ただ、帰宅したコンスタンティンがいきなり「TAKE FIVE」を聴き出したのには、(ベタ過ぎて)思わずズッコケてしまいましたが。すまんのう>キアヌ

キアヌ以外では、ガブリエル役のティルダ・スウィントンに唸ることしきり。性別のない天使、羽根をつけた姿だけでなくスーツ姿でも自然で、その存在感や雰囲気がとにかくスピリチュアル…なんて役は、彼女かケイト・ブランシェットくらいしかできないでしょ。でもケイトだと風格が出ちゃうだろうし、中性というよりは女性らしくなりそうだから、やっぱ彼女がベストか。上手い配役したなあ。

イザベルとアンジェラの関係に「*****」が唐突で上手く関わってない、なにか小さな伏線をいくつか張って緩急つければ、一般ウケしたかもしれない、いかにもコミックな仕上がりではある。でも本作はヘビースモーカーなコンスタンティンが**するまでの話――つまりコンスタンティンお披露目物語であって、そう思えば上々な仕上がりかと。一枚絵的にキマってもいるしね。

海の向こうでは評論家にボロクソ云われ、興行的には失敗の本作。でも実は一般ユーザー評価は悪くなく(RTではユーザー79%)、隠れ人気(=マニア人気)が高く、我がジャパンでも腐女子人気が出そうであり…こうなればDVDは確実に相当売れるはず(初回限定版は悪魔祓いグッズ付きBOX仕様、映像特典てんこもりでよろしく)。さらにあの続き――ジョン・コンスタンティンがどうなったか、もっと「オレの世界」を観たい人だって多いはず。

キアヌに告ぐ――そのかんばせと体型を維持せよ。

そして、ワーナーよ――続編希望!ってか、作るべしっ!
作ってくれなきゃ、極東ジャパーンから式神飛ばしてやるっ!

………。
…うっかり自分自身が異形の者になりそうで怖い作品。

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