暁の人

2005年5月5日 映画ヨタ話
←私が一番好きなマンガ家である吉田秋生先生の大傑作「BANANA FISH」。1985年から「別冊少女コミック」で連載され、私めも第1回掲載時から欠かさず読んでいました。毎回、扉絵が楽しみで楽しみで♪マンガ好きの方なら、よくご存知のシリーズではないでしょうか?

「BANANA FISH」のストーリーを大まかに説明すると、舞台はNYマンハッタン、ストリートキッズのボスであるアッシュ・リンクスが、「BANANA FISH」と呼ばれる麻薬を巡り、コルシカマフィアのボスと対立していく――というもの。超大まかですみません。一読した人、みなさん「これが少女マンガか!?」と必ず驚く、麻薬だの銃だのマフィアだのキディ***だの、「ハードロマン!」(と別コミに書かれてた)な内容で、構図ときたらマンガというより映画そのまんま、なのに線は細く少女マンガの域を守っているという、なんともすごいマンガでした。

で、マンガの主人公であるアッシュなんですけどね…↑の写真でもおわかりのように、これがどう見たって、リバー・フェニックスをモデルにしているとしか思えないっ!

吉田先生いわく「最初はテニスプレイヤーのステファン・エドベリ(エドバーグ)だった」そうですが、「え〜い、リバーにしちゃえ!」となり、絵が麗しくなってきたとたん(7巻あたりでしょうか)、アッシュはどんどんリバー化の一途をたどっていき、ついには扉絵でも、インディ・ジョーンズの格好をしたアッシュだとか、リバーの写真の構図をまんま利用しているアッシュだとか、黒髪の英ちゃんといちゃつくアッシュだとか(…)が見られるようになり、当時リバーが大人気であまりにリアルタイム過ぎ……読んでいる私もどうにかなりそうなくらい、クラクラ状態でした。いまとなってはいい思い出だ♪

吉田先生のインタビューで知ったことなのですが、「BANANA FISH」はなんと映画化の企画まで持ち上がったそうで、主演はもちろんリバー、そして声をかけようとしたところ――あの事件が発生。残念な結果になってしまいました。観たかったなあ…アッシュを演じるリバー…。個人的にマックスはハリソン・フォード、オーサーはキーファー・サザーランド希望…でした。

そして、リバーが逝ってしまった翌1994年。「BANANA FISH」も最終回をむかえ――たぶんそうなるだろうとわかってはいたけれど…ラストに涙涙。リバーを亡くした後だったため、そのショックは大きく――またリバーと「BANANA FISH」は、私自身がまったく同時期に追っかけてた、自分のジェネレーションを痛烈に意識させられるものだっただけに、なんともつらく…結局、19巻を買うことができませんでした。

その第19巻に「光の庭」という番外編が収録されています。

7年が経過してもなお、アッシュのことが語れず、写真を見ることさえできなかった英二。ようやくアルバムを開き――アッシュが生きた証、あの奇跡的な姿を英二が受け入れたその瞬間。私もせつなくてせつなくて…またもや涙涙でした。

いまでこそDVDでリバー出演作を観たり、こうやって語ることもできますが、それに至るまでたいへん時間がかかりました。5年以上はかかったと思います。でもこんな思いをしているのは私だけじゃない、世界中にいるんだといまはわかっています。そしてたまに友人Rちゃんと、懐かしげにあの時代の彼について話をしたりすることで、ずいぶんと気持ちが楽になりました。

なんだ、たったひとりのスターのことじゃないか、なんでそこまで思い込むのか、若くして逝ったから神聖視しているんじゃないかという人は多いでしょう。でもリバーは、私の世代において本当に特別なスターだったし、私は「エクスプロラーズ」からずっと、スクリーンを通しながら彼と一緒に大人になっていったんですよ。そして、たとえ彼の言動と行動(ドラッグ)が矛盾するものであっても、彼の輝きが失せるわけではなく――逆にいまでも輝いているくらいです。美化するなということ自体が無理。どんなに事実が違っていたとしても、スクリーンに映る彼の眼差しは美しく、まっすぐで潔かったですから。

今年のGWはなんだかちょっと切ないです。
もう落ち着いたけれど、なんでこんなことになってしまったんだか…。

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