「A Scanner Darkly」(トレイラーよもやま話 30)
2005年6月28日 映画ヨタ話
←最近知ったことなんですが、フィリップ・K・ディック(以下PKD)ファンの間ではこの「暗闇のスキャナー」、かなり人気があるようで(ご本人自ら「私の最高傑作」と云ってる)、ネットでも「あなたの好きなPKDの作品は?」という質問に対し、「暗闇のスキャナー」と回答している人がけっこう多く、「電気羊」がぶっちぎりダントツ人気だろう、「暗闇のスキャナー」って異色作だしなあ…と思ってた私は、その結果にたいへんビックリしてしまいました。がーん。ちなみに私のPKDフェイバリット3は――「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」「暗闇のスキャナー」「ユービック」。な〜んだ、結局、私も同じ穴のムジーナ…。
…というわけで、傑作・駄作乱れ撃ち!なPKD作品の中でも映画向きでないと云われた1作が、インディペンデントの雄と云われる監督によって、低予算かつ実験的映像にて映画化、先日そのトレイラーがあがってまいりましたので、今日はその映画のご紹介がてら、トレイラーよもやま話をしたいと思います。
■「A Scanner Darkly」(2006・米)
IMDb→http://us.imdb.com/title/tt0405296/
公式サイト→http://wip.warnerbros.com/
トレイラー→http://a.videodetective.com/?PublishedID=507057
(上記サイトが見やすいかと)
監督:リチャード・リンクレイター
脚本:リチャード・リンクレイター
出演:キアヌ・リーブス、ロバート・ダウニーJr.、ウディ・ハレルソン、ウィノナ・ライダー、他
PKD晩年の作品「A Scanner Darkly」(邦題:「暗闇のスキャナー」)の映画化。ワーナー・インディペンデント・ピクチャーズ製作で、米国公開は2006年3月あたり。日本公開は未定…でも主演がキアヌだし、ワーナーで公開するのは確実でしょう。
で、トレイラーなんですが。
見ればわかるように、実写にデジタルペイントを施すというちょっと変わった手法によって、全体がアニメな仕上がりになっています。
監督のリチャード・リンクレイターは、以前にも同じような手法で、実験的作品「ウェイキング・ライフ」(小難しいこと云ってるな〜という印象の映画。おそろしく難易度と敷居が高いです)を撮っていて、今回の「暗闇のスキャナー」でも同じ方法でPKDの世界を描いてみたいと思ったのか(実際に「ウェイキング〜」の本編中にリンクレイター自身がPKDについて語ってる)、同じデジタルペインティングが選択されています。ところが前作と比べ、明らかに映像の洗練度が増している!…以前のアクリル絵の具を塗りたくったかのような、俳優の顔がわかりにくい、重くベタついた印象があまり感じられません。これにはちと驚きました。
ただし、出来うんぬんの前にこの手法が受け入れられるかどうかが、この映画の最大の関門になるでしょう。実写で観たいという人は多いだろうなあ。
で、ストーリーは…
(以下、amazon引用)
ちなみに私がこの映画を楽しみにしているのは、リンクレイター監督の以下のインタビューを読んだからです。
↓リチャード・リンクレイター監督インタビュー「僕の頭には、へんてこなアイデアがいっぱい詰まってるんだ」(eiga.com)
http://www.eiga.com/special/beforesunset/
(以下、一部引用)
激しく同感。<アイデアを盗んで、アクション映画に仕立ててしまってる
たしかに「暗闇のスキャナー」は、SFアクション小説ではなく「ボブ・アークターと友人との物語」です。とすれば、PKDの中で最も異色な「暗闇のスキャナー」だけど、映画化された中では最もPKDの世界を捉えてる作品になるかもしれない!
そんなことを思いながら、トレイラーを観たらば。
トレイラーで流れる場面が、原作のどの部分を描いているのかすべてわかるときたもんだ!…でもって、みんなナイスキャスティングじゃないのよう!
今月は事務局便りを書く予定がナイので、あえて主演キアヌについて書けば、声落としてるし、疲れたアークターの雰囲気がよく出てピッタリ。ボブ役は最初エドワード・ノートンのほうが合ってるか?と思ったけれど、キアヌはSF映画でヘンテコな被りモノをさんざんしてきた人だけに、今回の被りっぷりだって堂に入ってるし――うん、私はキアヌで合ってると思うナリ。本人も絶対気に入ってるって!
↓今回の被りモノ(IMDb)
http://us.imdb.com/gallery/ss/0405296/1120.jpg
(いままでの中では一番好みかな)
↓ハリウッドにおける被りモノ俳優といえば、キアヌかこの人(IMDb)
http://us.imdb.com/gallery/ss/0088763/096896039736_z_backpcju.jpg
(そう思いません?)
あとは…ワーナーにお願い。邦題は「暗闇のスキャナー」でプリーズ。「スキャナー・ダークリー」なんてカタカナタイトルつけたら…泣いてやるっ!
以上、トレイラーよもやま話でした♪
↓以前書いた「暗闇のスキャナー」の感想
http://diarynote.jp/d/25683/20050523.html
(どんどんダウナーになっていく話。内なる自分を見つめる、とでもいうか)
…というわけで、傑作・駄作乱れ撃ち!なPKD作品の中でも映画向きでないと云われた1作が、インディペンデントの雄と云われる監督によって、低予算かつ実験的映像にて映画化、先日そのトレイラーがあがってまいりましたので、今日はその映画のご紹介がてら、トレイラーよもやま話をしたいと思います。
■「A Scanner Darkly」(2006・米)
IMDb→http://us.imdb.com/title/tt0405296/
公式サイト→http://wip.warnerbros.com/
トレイラー→http://a.videodetective.com/?PublishedID=507057
(上記サイトが見やすいかと)
監督:リチャード・リンクレイター
脚本:リチャード・リンクレイター
出演:キアヌ・リーブス、ロバート・ダウニーJr.、ウディ・ハレルソン、ウィノナ・ライダー、他
PKD晩年の作品「A Scanner Darkly」(邦題:「暗闇のスキャナー」)の映画化。ワーナー・インディペンデント・ピクチャーズ製作で、米国公開は2006年3月あたり。日本公開は未定…でも主演がキアヌだし、ワーナーで公開するのは確実でしょう。
で、トレイラーなんですが。
見ればわかるように、実写にデジタルペイントを施すというちょっと変わった手法によって、全体がアニメな仕上がりになっています。
監督のリチャード・リンクレイターは、以前にも同じような手法で、実験的作品「ウェイキング・ライフ」(小難しいこと云ってるな〜という印象の映画。おそろしく難易度と敷居が高いです)を撮っていて、今回の「暗闇のスキャナー」でも同じ方法でPKDの世界を描いてみたいと思ったのか(実際に「ウェイキング〜」の本編中にリンクレイター自身がPKDについて語ってる)、同じデジタルペインティングが選択されています。ところが前作と比べ、明らかに映像の洗練度が増している!…以前のアクリル絵の具を塗りたくったかのような、俳優の顔がわかりにくい、重くベタついた印象があまり感じられません。これにはちと驚きました。
ただし、出来うんぬんの前にこの手法が受け入れられるかどうかが、この映画の最大の関門になるでしょう。実写で観たいという人は多いだろうなあ。
で、ストーリーは…
(以下、amazon引用)
どこからともなく供給される麻薬、物質Dがアメリカ中に蔓延していた。覆面麻薬捜査官アークターは、捜査のため自らも物質Dを服用、捜査官仲間にも知らさずに中毒者のグループに潜入し、彼らと日々を共にしていた。だがある日、彼は上司から命じられる。盗視聴機を仕掛け、アークターという名のヤク中を―彼自身を監視せよと。彼はその命令に従うが…。
ちなみに私がこの映画を楽しみにしているのは、リンクレイター監督の以下のインタビューを読んだからです。
↓リチャード・リンクレイター監督インタビュー「僕の頭には、へんてこなアイデアがいっぱい詰まってるんだ」(eiga.com)
http://www.eiga.com/special/beforesunset/
(以下、一部引用)
――次作は、フィリップ・K・ディック原作の「暗闇のスキャナー」ですよね。
「実は、先週クランクアップしたばかりなんだ。今、編集をしていて、その後アニメーション作業に入る予定なんだ」
――あなたがSFをやるってイメージが湧かないんですけど。
「僕が目指しているのは、フィリップ・K・ディック小説の完璧な映画化なんだ。ほら、他のハリウッド映画は、ディックの小説からアイデアを盗んで、アクション映画に仕立ててしまってる。僕としては、『暗闇のスキャナー』のあの物語を語りたいんだ。ボブ・アークターと友人との物語をね。ツイストやアクションなどはほとんどなくて、キャラクターたちがダラダラ喋るだけっていう、僕流のSF映画だよ(笑)」
激しく同感。<アイデアを盗んで、アクション映画に仕立ててしまってる
たしかに「暗闇のスキャナー」は、SFアクション小説ではなく「ボブ・アークターと友人との物語」です。とすれば、PKDの中で最も異色な「暗闇のスキャナー」だけど、映画化された中では最もPKDの世界を捉えてる作品になるかもしれない!
そんなことを思いながら、トレイラーを観たらば。
トレイラーで流れる場面が、原作のどの部分を描いているのかすべてわかるときたもんだ!…でもって、みんなナイスキャスティングじゃないのよう!
今月は事務局便りを書く予定がナイので、あえて主演キアヌについて書けば、声落としてるし、疲れたアークターの雰囲気がよく出てピッタリ。ボブ役は最初エドワード・ノートンのほうが合ってるか?と思ったけれど、キアヌはSF映画でヘンテコな被りモノをさんざんしてきた人だけに、今回の被りっぷりだって堂に入ってるし――うん、私はキアヌで合ってると思うナリ。本人も絶対気に入ってるって!
↓今回の被りモノ(IMDb)
http://us.imdb.com/gallery/ss/0405296/1120.jpg
(いままでの中では一番好みかな)
↓ハリウッドにおける被りモノ俳優といえば、キアヌかこの人(IMDb)
http://us.imdb.com/gallery/ss/0088763/096896039736_z_backpcju.jpg
(そう思いません?)
あとは…ワーナーにお願い。邦題は「暗闇のスキャナー」でプリーズ。「スキャナー・ダークリー」なんてカタカナタイトルつけたら…泣いてやるっ!
以上、トレイラーよもやま話でした♪
↓以前書いた「暗闇のスキャナー」の感想
http://diarynote.jp/d/25683/20050523.html
(どんどんダウナーになっていく話。内なる自分を見つめる、とでもいうか)
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