カルト・ドキュメンタリー
2005年8月3日 映画ヨタ話
←昨年公開された、実在のカルト系アメリカンコミック作家ハービー・ピーカーの半生を描いた「アメリカン・スプレンダー」という映画をご存知でしょうか?…で、その「アメリカン〜」に10年ほど先んじて、コミックジャンルは違えど、同じようなカルト系作家であるロバート・クラム自ら、己の半生を赤裸々に語ったというドキュメンタリー「クラム」が、「なんて最悪に輝いているんだ」(うろ覚え)という惹句とともに、我が日本でも公開されました。この「クラム」、米国のアンダーグラウンドを舞台に、クラム本人と、彼のキョーレツな個性を放つ家族がインタビューとともに語られてまして、当時さまざまな映画賞のドキュメンタリー部門で賞をゲット(もちろんサンダンス映画祭でも受賞)、私も観たときはビックリの、今となってはカルトなドキュメンタリー映画となっております…あまり知られてないタイトルだけど、蛍風さんはご存知かもしれない…が、まさか日本でDVDリリースされてるとはなあ…。やっぱりとゆーか、ジュネオンから出てるし。
■今回はかなりカルトな内容なため、ついて来れない方が続出すると思います。なので、以下の文章はさら〜っと流してください。
この8月に、自分史ドキュメンタリー映画なる「ターネーション」が公開になります。
↓「ターネーション」日本公式サイト
http://www.herald.co.jp/official/tarnation/index.shtml
(配給がヘラルドってあたりに因縁を感じるナリ)
新人ジョナサン・カウエット(31)が、11才の頃から撮りためた写真や映像を、たった218ドルの制作費でiMovieを使って編集、ジョン・キャメロン・ミッチェルの新作映画オーディション(あの例の問題作のことかな?)にその映像を送ってみたら、ガス・ヴァン・サントにまで目をつけられて、そのまま映画として仕上げてみると、全米批評家協会賞で最優秀ノン・フィクション映画賞、ボストン映画批評家協会賞で最優秀初監督作品賞 、ロサンゼルス映画祭で最優秀ドキュメンタリー賞、ロンドン映画祭で最優秀初監督作品賞を獲っちゃった、という異色ドキュメンタリー作品なんですが。
公式サイトを見ると、ジョナサン・カウエットは――
精神病の母、家を捨てた父、幼い頃に受けた虐待の記憶、「離人症」による精神と肉体の分裂、そして自身はゲイ
だそうで、どうやら壮絶な半生を生きてきたようです。
エグゼクティブ・プロデューサーが、ジョン・キャメロン・ミッチェルとガス・ヴァン・サントと聞いただけで、その道系(…)な作品であることは火を見るより明らか、ニオイだってプンプンするんですけどね…今年公開された同系統映画「サラ、いつわりの祈り」よりは注目しているというか、どんなにヴァン・サントがホメようと、私は「サラ〜」の原作者であるJ・T・リロイ(「サラ〜」は、彼の自伝的作品…ちなみに彼は素の状態で滅多に出てこない)に対してどーしても胡散臭さを感じてしまうので、蓄積映像があるぶん、ジョナサン・カウエットのほうが真実味があるように思えます。
↓「サラ、いつわりの祈り」(公式サイト)
http://www.sara-inori.jp/
(なくなってますね、もう)
で、先日なにげにJ・Tリロイの公式サイト情報を見ていたら、彼とカウエットは、今年米国でリリースされた「マイ・プライベート・アイダホ」US版DVDにて、監督とともに音声解説をしているらしく(だったら、別音声でキアヌにも語らせろよ〜!)、またカウエット自身「マイ・プライベート・アイダホのおかげで、自分を肯定することができた」と語っており――なんつーかその…腐女子的興味ではなく、当時あの映画に影響を受けた、しかも私と同じ70年代生まれの青年が、「映画のおかげで、カメラをまわすことで、自分は救われた」と云ってる以上、やはりこの「ターネーション」をチェックしておきたいのです。
あとはそうだな…音楽や美術、ショートフィルムの世界などでは、こういった作り方(iMovieを使って編集だとか)はとくに斬新ということはなく、逆に比較的多いんじゃないかと思うんですが、無名の青年によって身近な素材で作られた「自分史ドキュメンタリー」が、1本の長編映画として世に出、しかも極東日本でも公開されるなんて、実に画期的なんじゃないかと。誰にでも使えるiMovieをツールにしてるあたり、ポイントだなと。そういう面でも、けっこう注目してます。
私は観てないうちから、佳作だの傑作だのというタイプではありません。それでも、すべての人が絶賛するような出来ではないだろうと思うし、内容が内容なだけに観る人を選ぶ映画であることは確実なので、すべての人にオススメするつもりはありません。とくに「理解できないからつまらない」とよくいう人にはね。もちろん、理解できないから悪いという話ではナイですが。
「ジョナサン・カウエットという青年の私小説を眺めてくるか」と、この手の映画で理解することを第一にしない、たとえつまらなくても「ふ〜ん…」と流せることができる、アングラかつオルタナに惹かれる人向けか…な?
ところで。「ターネーション」の字幕翻訳って林完治さんなんですね。ちとビックリ。この手の映画なら、松浦美奈さんというイメージあるから。
↓林完治さん(日本ヘラルド公式サイト)
なくなったので消しました。ヘラルドは角川系になっちゃったから。
(「高校生時代は小難しい映画を分かったフリして観ていましたが…」ってところで大笑い!←私も同じだったから)
■今回はかなりカルトな内容なため、ついて来れない方が続出すると思います。なので、以下の文章はさら〜っと流してください。
この8月に、自分史ドキュメンタリー映画なる「ターネーション」が公開になります。
↓「ターネーション」日本公式サイト
http://www.herald.co.jp/official/tarnation/index.shtml
(配給がヘラルドってあたりに因縁を感じるナリ)
新人ジョナサン・カウエット(31)が、11才の頃から撮りためた写真や映像を、たった218ドルの制作費でiMovieを使って編集、ジョン・キャメロン・ミッチェルの新作映画オーディション(あの例の問題作のことかな?)にその映像を送ってみたら、ガス・ヴァン・サントにまで目をつけられて、そのまま映画として仕上げてみると、全米批評家協会賞で最優秀ノン・フィクション映画賞、ボストン映画批評家協会賞で最優秀初監督作品賞 、ロサンゼルス映画祭で最優秀ドキュメンタリー賞、ロンドン映画祭で最優秀初監督作品賞を獲っちゃった、という異色ドキュメンタリー作品なんですが。
公式サイトを見ると、ジョナサン・カウエットは――
精神病の母、家を捨てた父、幼い頃に受けた虐待の記憶、「離人症」による精神と肉体の分裂、そして自身はゲイ
だそうで、どうやら壮絶な半生を生きてきたようです。
エグゼクティブ・プロデューサーが、ジョン・キャメロン・ミッチェルとガス・ヴァン・サントと聞いただけで、その道系(…)な作品であることは火を見るより明らか、ニオイだってプンプンするんですけどね…今年公開された同系統映画「サラ、いつわりの祈り」よりは注目しているというか、どんなにヴァン・サントがホメようと、私は「サラ〜」の原作者であるJ・T・リロイ(「サラ〜」は、彼の自伝的作品…ちなみに彼は素の状態で滅多に出てこない)に対してどーしても胡散臭さを感じてしまうので、蓄積映像があるぶん、ジョナサン・カウエットのほうが真実味があるように思えます。
↓「サラ、いつわりの祈り」(公式サイト)
http://www.sara-inori.jp/
(なくなってますね、もう)
で、先日なにげにJ・Tリロイの公式サイト情報を見ていたら、彼とカウエットは、今年米国でリリースされた「マイ・プライベート・アイダホ」US版DVDにて、監督とともに音声解説をしているらしく(だったら、別音声でキアヌにも語らせろよ〜!)、またカウエット自身「マイ・プライベート・アイダホのおかげで、自分を肯定することができた」と語っており――なんつーかその…腐女子的興味ではなく、当時あの映画に影響を受けた、しかも私と同じ70年代生まれの青年が、「映画のおかげで、カメラをまわすことで、自分は救われた」と云ってる以上、やはりこの「ターネーション」をチェックしておきたいのです。
あとはそうだな…音楽や美術、ショートフィルムの世界などでは、こういった作り方(iMovieを使って編集だとか)はとくに斬新ということはなく、逆に比較的多いんじゃないかと思うんですが、無名の青年によって身近な素材で作られた「自分史ドキュメンタリー」が、1本の長編映画として世に出、しかも極東日本でも公開されるなんて、実に画期的なんじゃないかと。誰にでも使えるiMovieをツールにしてるあたり、ポイントだなと。そういう面でも、けっこう注目してます。
私は観てないうちから、佳作だの傑作だのというタイプではありません。それでも、すべての人が絶賛するような出来ではないだろうと思うし、内容が内容なだけに観る人を選ぶ映画であることは確実なので、すべての人にオススメするつもりはありません。とくに「理解できないからつまらない」とよくいう人にはね。もちろん、理解できないから悪いという話ではナイですが。
「ジョナサン・カウエットという青年の私小説を眺めてくるか」と、この手の映画で理解することを第一にしない、たとえつまらなくても「ふ〜ん…」と流せることができる、アングラかつオルタナに惹かれる人向けか…な?
ところで。「ターネーション」の字幕翻訳って林完治さんなんですね。ちとビックリ。この手の映画なら、松浦美奈さんというイメージあるから。
↓林完治さん(日本ヘラルド公式サイト)
なくなったので消しました。ヘラルドは角川系になっちゃったから。
(「高校生時代は小難しい映画を分かったフリして観ていましたが…」ってところで大笑い!←私も同じだったから)
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