←いろいろご意見はありましょうが、数あるスティーブン・キング原作映画の中でも、出来の良さなら上から数えたほうが断然早い、86年公開(日本は87年。GWに観に行った覚えアリ)大ヒット映画「スタンド・バイ・ミー」。え〜っと…左からコリー・フェルドマン、ウィル・ウィートン、リバー・フェニックス、ジェリー・オコネルで、いまでもよく見かけるのはジェリーかな?ちなみに現在の彼は、とても背が高く痩せています。で、劇中、スパスパとタバコを吸ってた4人の少年ですが、いくら映画と云えど、当時から喫煙反対者として有名だったロブ・ライナーが子供にホンモノを吸わせるわけがなく、あれはキャベツの葉っぱだったそうです。やっぱり味はキャベツ?でもって、4人(とくにリバー)をいじめる役だったキーファー・サザーランドは、役づくりのため、カメラがまわってないときも(本気ではなかったでしょうが)彼らをいじめてたとか。なので当時4人は、キーファーに対し、あんまり良い印象を持ってなかったかもしれませんね。

■「スタンド・バイ・ミー」Stand by Me(1986・米)
IMDb→http://us.imdb.com/title/tt0092005/
監督:ロブ・ライナー
脚本:レイノルド・ギデオン、ブルース・A・エバンス
出演:ウィル・ウィートン、リバー・フェニックス、コリー・フェルドマン、ジェリー・オコネル、キーファー・サザーランド、他
上映時間:89分

ストーリー:
1959年、米国オレゴン州の小さな町キャスルロック。行方不明になった少年の死体が森にあると聞いたゴールディ(W・ウィートン)、クリス(R・フェニックス)、テディ(C・フェルドマン)、バーン(J・オコネル)の仲良し少年4人組は、最初に死体を見つけた者として名を挙げるべく、遠く離れた現場の森まで歩いて行くことに。だが道中、犬に追いかけられたり、ケンカをしたりとさまざまな出来事が起こり、旅はいつしか4人にとって忘れがたいものになっていく――。

The last summer that we could truly be just boys.

世の中はどのような世界で、どのような人がいるのか、まったく知らなかったし、知らなくたって別に構わないと思っていた。

学校からの帰り道、友だちに泣きながら相談した悩みはなんだったろう――いまとなっては思い出せないけれど、当時はひどく悩んでいて、それがすべて、自分にとって大問題だった。

TVやラジオからはニュースが流れ、大人たちが集まってなにかを話している。でも聞いたみたところで、意味はまったくわからない。それより、なぜ大人は自分の話に耳をかたむけてくれないんだろう?……こんなに真剣なのに。

限られた小宇宙に、ピュアでイノセントな心を持った自分がいた――そんな時代を描いた作品。

この映画を観て、ひどくノスタルジックな気持ちになるのは、あの4人の少年たちに、昔日の自分を重ねてしまうから。死体を見つけに行くというストーリーだけでなく、そこにはひとつの真実が語られていたし、スクリーンに映る4人は、誰よりも真っ直ぐで正直だった。

公開されて20年近く経つ作品なのに、いま観てもまったく色褪せてないのは、たとえ舞台が50年代の米国だったとしても、ゴールディ、クリス、テディ、バーンの4人に重ねた自分の思い出――ピュアな心がどんどん磨耗していく大人になったいまでも、誰しもが持っているだろう、心の奥底にある印画紙に焼きつけたあの思い出が、けっして色褪せることがないからで――「スタンド・バイ・ミー」を観るたびにやるせなく、せつなくなってしまう。

生前、リバーはインタビューでこんな風に語っています。
「『スタンド・バイ・ミー』で知ったんだ。僕自身が生み出しているものは、人間としての僕よりも、ずっと長く生き続けるだろうとね。映画の中のキャラクターは、そのキャラクターを作り出した人間よりも力を持っているのさ」

この映画を観るたびに感動してしまうのは、心の中にあの4人が生きているから。

もう二度と戻ることはできないけれど、あの時代、ピュアな自分がたしかにいた――その証を感じさせてくれる、時間をほんのひとときだけ止めてくれる、そんな稀有な作品。

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