←リバー・フェニックスが出た唯一のアイドル映画で、彼のリーゼントや、小奇麗な衣装を着ている姿が見られるという、いまとなってはたいへん貴重な作品。当時の私ですか?…ええ、もっちろん観に行きましたよ、あったり前じゃないですか!「ジミー/さよならのキスもしてくれない」なんて邦題から察するに、せつない青春恋愛ものだろうとそりゃもう期待して。そしたら……。ところでこの映画、監督のウィリアム・リチャートが19歳のときに書いたという自伝小説の映画化なんですけど、ウィリアム・リチャートと聞いて、ピンと来る人います?…実は「マイ・プライベート・アイダホ」でボブを演じた人――そう、キアヌとチューしやがったあのデブオヤジです。自分の若い頃を、あの麗しいリバーに演じさせるなんて…ぶつぶつぶつ…。

■「ジミー/さよならのキスもしてくれない」
A Night in the Life of Jimmy Reardon(1988・米)
IMDb→http://us.imdb.com/title/tt0095736/
監督:ウィリアム・リチャート
脚本:ウィリアム・リチャート
出演:リバー・フェニックス、ポール・コスロ、メレディス・サレンジャー、アン・マグナソン、他
上映時間:90分

ストーリー:
1960年代シカゴ。仲間と毎日楽しく過ごし、お金持ちで美人のリサ(M・サレンジャー)に恋するジミー(R・フェニックス)は、高校卒業後はビジネススクール行きであることを、父アル(P・コスロ)から聞かされる。仲間はみな街を離れ、リサはハワイへ行くと云う。リサを追いかけていこうとするジミー。一晩で、ハワイまでの旅費をなんとかして作ろうと画策するが――。

当時、せつない青春ラブストーリーかと思い、観に行ってみれば――なんとビックリ、リバー・フェニックス版「卒業白書」だった、という本作。…そこのお嬢さんっ!ジャケット写真に騙されたらあきまへんで!

↓日本版と大違いもいいとこだった、当時の米国版ポスター
http://us.imdb.com/title/tt0095736/posters
(赤いアドバンスポスター…欲しい…)

つまり、10代の男の子が親を目を盗んでバカをやる、ちょっとホロ苦なティーンズセックスコメディでして、こーゆーのは、「青二才やらせりゃ天下一品、なぜかみんな彼が大好き」トム・クルーズが最適役なのであって、華奢で繊細、天使のように美しいリバー(撮影当時16歳ちょっと)が演じると、コメディ映画どころかセクハラ映画になってしまうっつーの!…いったいなに考えてたんだか>リバーの当時のエージェント

役より実年齢が若い俳優ばかりだったせいか、漂う雰囲気はネンネくさく、色気はゼロ。

ヤリたい盛りのジミーくんがベッドで女の子とねんごろ、後ろから覆いかぶさってゴソゴソ…というシーンでも、なにやってるんだかわからず、女の子の「終わったらさっさと帰ってよ!」というセリフで、「え?ジミーくんとヤっての?」と気付く始末。「産卵時期に川でメス鮭を追いかけるオス鮭」みたいなリバーは、観ていてやっぱりツライ。出てくる女の子がみんなイマイチ可愛くないし、共感すらできない性格だという点もツライ。リバーひとり、後光差す天使のように美しいって、いったい……。

さらに、中年女性とのラブシーン――あれ、ダイジョブなんですか?ヤバくないですか?犯罪になりませんか!?…あどけない少年になんてことするんだか…これ観て喜ぶのは、パパ・ディノ(「BANANA FISH」のゴルツィネ)くらいなんじゃ?…レイティングうんぬんどころか、チャイルド・ポ**のようで、個人的にどうにもいたたまれましぇん。私の中では倫理に引っかかりますよ、いまでも。

ヤリたい盛りのノーテンキ青年を演じるには若すぎたし、雰囲気から云ってもリバーは完全ミスキャスト。本当はもっとホロ苦い路線で行く予定だったのに、スタジオの意向でコメディ風になったらしく、当時リバー本人も製作サイドに大不満、「ジミーは自分勝手でサイテーな奴」と云って嫌ってたとか。まあ、出来をみればたしかにそんな感じ。ムリしてるのがよくわかるもんなあ…。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

日記内を検索