←画像が出ない…くすん…。米国では、サヴォカ監督のコメンタリー付きでDVDリリースされてる、この「恋のドッグファイト」(日本劇場未公開作)。残念ながら日本ではDVD化すらしてません。早く出してくれませんか、ワーナーさん?

この映画でベトナム出征前の若き米国海兵隊員を演じたリバーは、役作りのために海軍訓練キャンプへひと月参加をしました。でもヒッピー的な「リバー」という名前や、キャンプでも菜食主義を貫き通したことが教官の気に障ったのか、かなりしごかれたそうです。それでもリバーは最後まで耐え抜き、キャンプが終わる頃になると、すっかり荒っぽい海兵隊員になってしまったとか。そのため、撮影が終了してもしばらく役柄を引きずり、元の平和主義で優しい彼に戻るまでに、少し時間がかかってしまったと云われています。

■「恋のドッグファイト」Dogfight(1991・米)
IMDb→http://us.imdb.com/title/tt0101748/
監督:ナンシー・サヴォカ
脚本:ボブ・コンフォート
出演:リバー・フェニックス、リリー・テイラー、リチャード・パネビアンコ、他
上映時間:94分

ストーリー:
ベトナム出征前夜、どれほど醜い女の子を連れてこれるかを競う「ドッグファイト」のため、ブサイクな女の子をひっかけようとナンパをしていたバードレース(R・フェニックス)は、たまたま入った飲食店でローズ(L・テイラー)と出会う。ドッグファイトであることを伏せ、リリーをパーティに誘うバードレース。だが、話すうちにバードレースは彼女に惹かれていく――。

出征前夜に出会った、ごくありふれた血気盛んな10代の青年海兵と、フォークソングシンガーに憧れる女の子の、一見古風なダイアローグ系恋愛小夜曲。

ただレースに勝ちたいだけ、相手にするつもりなんてさらさらない、そんなブサイクな女の子を選んだのに、彼女の内面の美しさに触れ、いつの間にか本気で恋をしてしまう。一晩限りだからと流されたくはない。でも彼女と一緒にいるこのひとときは、なんと心地よいことだろう?…ずっと夜が続いてほしい、だけど朝は必ずやってくる――そして朝がきたら?

…ああ!
私はリリー・テイラーになりたいっ!!


劇場未公開作なため、あまり世に知られてはいないけれど、リバーファンの間でたいへん人気が高い作品。出演作は影がある役が多かったあのリバーが、女の子を楽しませようと必死に頑張る、ごくごく普通でどこにでもいそうな男の子を演じてるなんて、とにかく貴重。バカやってる姿のなんと可愛いことよ!

顔にアザを持つバードレース。でもアザなんて気にならない――どころか、クルーカットのリバーをさらに男らしく見せていて、それでもなお麗しいというリバーの美貌にはやはり驚かされる。こんな青年が海軍にいたら、上官にヘンなことされないか心配じゃないの!(すっかり本末転倒です>秋林さん)

実はとっても古典的なラブストーリーだけど、60年代という舞台設定が全体をノスタルジックな雰囲気に包み込んでいるためか、逆にオールドファッションスタイルだからと割り切って観ることが出来る。ふたりのダイアローグ(対話劇…モノローグの逆)が中心だから、94分という長さもベストかな。

ベトナム戦争の悲惨さが直接描かれていないこと、バードレースが自分勝手な若者(それが実はたいへん等身大である)のようにも見えるので、映画に必要以上の感傷は感じられない。かといって、誰もがしあわせになっておしまいという絵に描いたようなハッピーエンドをむかえることはなく、ただただ彼は彼女が忘れられなかった、そして傷ついた彼にはもう彼女しかいなかった――この切なさのさじ加減は絶妙だと思う。

あの時代、若くて不器用なふたりがいたんです――大ロマンスではないかもしれないけれど、ふたりにとっては特別な一夜。まるで自分だけの秘密の花園にひっそり咲く花を見ているかのような、そんな気持ちにさせられる作品。大好きです。

コメント

nophoto
neko
2006年11月18日16:38

日本に売ってないわー。と思いつつ検索して、
こちらの情報のおかげでアマゾン経由で購入することが
できました。ありがとうございました♪

秋林 瑞佳
秋林 瑞佳
2006年11月23日18:59

>nekoさん
よかったです〜♪…でもなんで日本でリリースしてくれないのかな?<「恋のドッグファイト」

待ってる人、絶対いると思うのに…。

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