「2005年度下半期映画ちょっとだけ感想&デキゴトロジー」です。これは私が昨年下半期に鑑賞した映画の中で、ちょっとだけ感想を書いておきたい、感想は別に書いたけどそれに補足をしておきたい、映画館でトンデモ事件に遭遇したので報告しておきたい…など、基本的に映画ヨタ話を記したものです。尚、観た映画すべてを書くことは絶対ムリ!不可能!なため、一部だけになっております。オスカー授賞式までに書いておきたかったけど…やっぱりムリでした!
それでは以下、ちょっとだけ感想とデキゴトロジーです。
なお「ちょっとだけ感想とデキゴトロジー」は、マジメな感想とは違い、基本的にしょーもないことばかり書くようにしてます。
■「チャーリーとチョコレート工場」
…毒が足りない。いやその…マイコー仕立てなジョニデ版ウァンカさんや、ティム・バートンらしい仕上がりはそれはそれでいいし、オリジナルな父と子の設定を追加させたことも別に構わない。ただ私には軽すぎたようで、さら〜っと流してしまった。それはたぶん……ジーン・ワイルダー版のほうが、全体的に毒々しくグロく残酷だったせいなんだろうなあ。得体が知れない恐ろしさに満ちていたもの。ちなみに、「もし小さいときに観てたらトラウマになってたと思う」と米国人の友人に話したら、「ワイルダー版は怖いよ。僕は映画観終わった日の夜、眠れなかった。チョコレートだって食べる気しなかったさ。トラウマになってるヤツは多いと思う」。お子さんのいる方が、お茶の間で「チョコレート工場」を観るならば、バートン&ジョニデ版を選んだほうが無難かと。
■「NOTHING ナッシング」
箱庭不条理SF(←なんじゃそりゃ?)を、神視点およびカメラで撮らすとオリジナリティ豊かで面白いものを見せてくれるヴィンチェンゾ・ナタリの作品。長〜いショート・フィルム。15分で終われるところ89分にしたあたり、また妙な不条理感が。さらに10年経過後の「変わらないよ〜ん」で、不条理のトドメを刺された。物がどんどん消えていく視覚効果に、ちょいと「エターナル・サンシャイン」を感じたかな。
不条理:(1)筋が通らないこと。道理が立たないこと。また、そのさま。2)〔哲〕〔(フランス) absurdit〕実存主義の用語。人生の非合理で無意味な状況を示す語としてカミュによって用いられた。(三省堂提供「大辞林 第二版」より引用)
■「ふたりの5つの分かれ路」
一組のカップルが結婚から離婚に至るまでの経過を、5つのエピソードにわけて時間軸を逆に辿ったという、俳優より本人のほうがよっぽどイケメン(でもゲイ)な、フランソワ・オゾン監督による、「メメント」風「ある結婚の風景」。つまり「オゾンがストーリーの時間軸を逆にしてベルイマンをやってみた」作品。面白いかは別として、オゾンは女を描くのが本当に上手い。そして空間より空気でみせるタイプなので、シネスコよりヴィスタで映える作品になるところも、この人の特長/特徴かと。で、ミニシアターまで観に行ったらば、カウンター越しに映画館スタッフと、観終わったばかりの常連客がちょうど話していたので、どんな感想を持ったんだろう?と耳をそばだてたところ――
映画館スタッフ:「わかりました?」
常連客:「……ぜんぜんわからなかった」
映画館スタッフ:「やっぱり」
…と、どうやら出来はいつものオゾン作品と変わらぬ模様…って、それで終わんないでよう!ちなみに私は、ラストのエピソード(つまり「出会い」)で、女のほうが確信犯で男に近づいたんだなと思ったけれど…みなさんは、どうお感じになりましたか?
■「シン・シティ」
女性はみな女神様のように奉られ、まるで寺沢武一のマンガに出てくる女性キャラクターみたい…って、これもたしか原作はビジュアルと雰囲気と世界観重視なコミックだっけか。ロバート・ロドリゲスが監督した作品の中では一番良かったかな。でもなにがショックって、EP1の主人公マーヴがミッキー・ロークだと気が付かなかったこと!…特殊メイクをしてるってそんな…だれかウソだと云ってぇえええ〜〜〜〜〜っ!!
■「ターネーション」
ロジャー・エバートが褒めてたから気になったとは云え、我ながらなんとオルタナでアングラな映画を観に行ったことかと、ため息ひとつふたつ。長く感じて仕方がなかった。ただカウエット自身が11歳の頃から撮りためた膨大な写真や映像によって、彼自身が救われたという事実には納得する。私も似たようなところがあるので、少しナーバスにさせられた作品。彼は自意識過剰なんじゃなくて、自己主張を客観的に観ることで自分のポジションを確認するタイプなんだろうな。
■「バス男」(劇場未公開DVD鑑賞)
ビデオ屋さんでパッケージを見て、これが「NAPOLEON DYNAMITE」だと知り大ショック!…てっきり劇場公開されると思ってたのに(←待ってた人)。27歳でオタクな高校生を演じたジョン・ヘダーに感動。昔はハタチを軽〜く越えた俳優が高校生を演じることはフツーだったよなあ。そして、そんな彼のジャミロクワイに合わせて踊る姿にまた感動。ブラットパックやジョン・ヒューズものから「ヘザース」といったブラックもの、現在に至ってはリンジー・ローハン主演のアイドルものまで、いろいろ青春映画を観続けてきた私ですが、本作の(低予算ながら)真っ当な青春映画ぶりには感動させられたナリ。かな〜りユルいけど。
「4」に続きます。
それでは以下、ちょっとだけ感想とデキゴトロジーです。
なお「ちょっとだけ感想とデキゴトロジー」は、マジメな感想とは違い、基本的にしょーもないことばかり書くようにしてます。
■「チャーリーとチョコレート工場」
…毒が足りない。いやその…マイコー仕立てなジョニデ版ウァンカさんや、ティム・バートンらしい仕上がりはそれはそれでいいし、オリジナルな父と子の設定を追加させたことも別に構わない。ただ私には軽すぎたようで、さら〜っと流してしまった。それはたぶん……ジーン・ワイルダー版のほうが、全体的に毒々しくグロく残酷だったせいなんだろうなあ。得体が知れない恐ろしさに満ちていたもの。ちなみに、「もし小さいときに観てたらトラウマになってたと思う」と米国人の友人に話したら、「ワイルダー版は怖いよ。僕は映画観終わった日の夜、眠れなかった。チョコレートだって食べる気しなかったさ。トラウマになってるヤツは多いと思う」。お子さんのいる方が、お茶の間で「チョコレート工場」を観るならば、バートン&ジョニデ版を選んだほうが無難かと。
■「NOTHING ナッシング」
箱庭不条理SF(←なんじゃそりゃ?)を、神視点およびカメラで撮らすとオリジナリティ豊かで面白いものを見せてくれるヴィンチェンゾ・ナタリの作品。長〜いショート・フィルム。15分で終われるところ89分にしたあたり、また妙な不条理感が。さらに10年経過後の「変わらないよ〜ん」で、不条理のトドメを刺された。物がどんどん消えていく視覚効果に、ちょいと「エターナル・サンシャイン」を感じたかな。
不条理:(1)筋が通らないこと。道理が立たないこと。また、そのさま。2)〔哲〕〔(フランス) absurdit〕実存主義の用語。人生の非合理で無意味な状況を示す語としてカミュによって用いられた。(三省堂提供「大辞林 第二版」より引用)
■「ふたりの5つの分かれ路」
一組のカップルが結婚から離婚に至るまでの経過を、5つのエピソードにわけて時間軸を逆に辿ったという、俳優より本人のほうがよっぽどイケメン(でもゲイ)な、フランソワ・オゾン監督による、「メメント」風「ある結婚の風景」。つまり「オゾンがストーリーの時間軸を逆にしてベルイマンをやってみた」作品。面白いかは別として、オゾンは女を描くのが本当に上手い。そして空間より空気でみせるタイプなので、シネスコよりヴィスタで映える作品になるところも、この人の特長/特徴かと。で、ミニシアターまで観に行ったらば、カウンター越しに映画館スタッフと、観終わったばかりの常連客がちょうど話していたので、どんな感想を持ったんだろう?と耳をそばだてたところ――
映画館スタッフ:「わかりました?」
常連客:「……ぜんぜんわからなかった」
映画館スタッフ:「やっぱり」
…と、どうやら出来はいつものオゾン作品と変わらぬ模様…って、それで終わんないでよう!ちなみに私は、ラストのエピソード(つまり「出会い」)で、女のほうが確信犯で男に近づいたんだなと思ったけれど…みなさんは、どうお感じになりましたか?
■「シン・シティ」
女性はみな女神様のように奉られ、まるで寺沢武一のマンガに出てくる女性キャラクターみたい…って、これもたしか原作はビジュアルと雰囲気と世界観重視なコミックだっけか。ロバート・ロドリゲスが監督した作品の中では一番良かったかな。でもなにがショックって、EP1の主人公マーヴがミッキー・ロークだと気が付かなかったこと!…特殊メイクをしてるってそんな…だれかウソだと云ってぇえええ〜〜〜〜〜っ!!
■「ターネーション」
ロジャー・エバートが褒めてたから気になったとは云え、我ながらなんとオルタナでアングラな映画を観に行ったことかと、ため息ひとつふたつ。長く感じて仕方がなかった。ただカウエット自身が11歳の頃から撮りためた膨大な写真や映像によって、彼自身が救われたという事実には納得する。私も似たようなところがあるので、少しナーバスにさせられた作品。彼は自意識過剰なんじゃなくて、自己主張を客観的に観ることで自分のポジションを確認するタイプなんだろうな。
■「バス男」(劇場未公開DVD鑑賞)
ビデオ屋さんでパッケージを見て、これが「NAPOLEON DYNAMITE」だと知り大ショック!…てっきり劇場公開されると思ってたのに(←待ってた人)。27歳でオタクな高校生を演じたジョン・ヘダーに感動。昔はハタチを軽〜く越えた俳優が高校生を演じることはフツーだったよなあ。そして、そんな彼のジャミロクワイに合わせて踊る姿にまた感動。ブラットパックやジョン・ヒューズものから「ヘザース」といったブラックもの、現在に至ってはリンジー・ローハン主演のアイドルものまで、いろいろ青春映画を観続けてきた私ですが、本作の(低予算ながら)真っ当な青春映画ぶりには感動させられたナリ。かな〜りユルいけど。
「4」に続きます。
コメント
秋林さんと同じ事を思ったので
DVDはジョニーを買うことにしました。
ご覧になっちゃいましたか<ワイルダー版
子どもが観るにはコワイですよね。前作に対して原作者ダールは不満で一杯だった、だけどジョニデ版は、原作のイメージに近いとダールの奥様が太鼓判を押していたと聞いたので、ワイルダー版はやっぱり異常だったのかも…。