が、The Internet Movie Database(IMDb)の「ブロークバック・マウンテン」(以下「BBM」)Message Boardsにて、まさしくいま、話題になっています。
↓「Brokeback Mountain」
http://us.imdb.com/title/tt0388795/
(今日はほんのりネタバレ気味で語るため、映画未鑑賞の方はご注意下さい)
この書き込みに対し、「私はこう思うけど」というレスが続きます。
私が望んだこと、それは――「最後にイニスは何を誓ったか」を、みなさんで一緒にあーでもないこーでもないと語り合うことでした。真面目に、時に冗談を絡めながら(たとえば、IMDbでは真面目に語り合うスレッドだけでなく、「Jack, I swear」ゲームとして、爆笑なセリフがいろいろ提案されているスレッドもあります…なんて素晴らしい!)。
ああ、それなのに。
日本劇場公開版は、「何を誓ったか」の内容を、推測で、日本語字幕にしくさりました。
ヒース・レジャー演じるイニスは、「Jack, I swear ――」とだけしか云ってないのにも関わらず(つまり何に誓ったか最後まで云ってない)、どうして「*********…」なんて言葉が続くのか。
ガッカリ。
余韻が台無しです。
たぶんイニスが誓ったのはそれだろうと、みなが思う内容だったとしても――映画だって原作だって彼は最後まで云ってない。彼は口に出して云うタイプの人間じゃない、不器用だし…云えないから、いろんな人を傷つけてしまった。そして、自身の苦しみにも「解決できないから我慢して」きた。ジャックだってそんなイニスだとわかっていた、だから――「I wish I knew how to quit you!」(「いっそお前と別れられたら!(どんなに楽になれることか)」)。
それなのに…なぜ日本語字幕で付け足すわけ!?
あまりに無粋過ぎて、泣けてきます。
日本で鑑賞したみなさんの感想を見ると、ほとんどの方が「あのセリフに感動した」「付けたしは効果的だ」と云っています。
私の見解はどうやら少数派のようです。
字幕が違うだのなんだのと騒ぐつもりはまったくありません。もうそういった騒動はウンザリだし、あの付けたし字幕はイニスが心の中で云ってること、もしくはそれに近いだろうと思うし、あの字幕でみなが「感動した」と云ってるなら、もう私は――「我慢するしかない」からです。
私が伝えたいことは――「イニスは最後まで云わない」。
云わせることだってできたはずなのに、映画にする上でそのほうがわかりやすいだろうに、イニスに云わせない選択をした脚本/色担当のラリー・マクマートリー&ダイアナ・オサナ、せつなくてやるせない余韻を演出をしたアン・リー、イニスを演じきったヒース・レジャーに、私は感謝します。
以上、私がBBMで複雑な思いになっている――まさかこんな思いに駆られるなんて!と、ショックを受けていることでした。
はあ…。
↓「Brokeback Mountain」
http://us.imdb.com/title/tt0388795/
(今日はほんのりネタバレ気味で語るため、映画未鑑賞の方はご注意下さい)
Jack, I swear-
I am still trembling...What did Enis mean by saying this? Anyone have opinions? Please share with me...
「ジャック、俺は誓う――」
私はまだ(余韻で)震えてる。イニスが云いたかったことって何だと思う?だれか意見はない?どうか私と(この思いを)分かちあって…
この書き込みに対し、「私はこう思うけど」というレスが続きます。
私が望んだこと、それは――「最後にイニスは何を誓ったか」を、みなさんで一緒にあーでもないこーでもないと語り合うことでした。真面目に、時に冗談を絡めながら(たとえば、IMDbでは真面目に語り合うスレッドだけでなく、「Jack, I swear」ゲームとして、爆笑なセリフがいろいろ提案されているスレッドもあります…なんて素晴らしい!)。
ああ、それなのに。
日本劇場公開版は、「何を誓ったか」の内容を、推測で、日本語字幕にしくさりました。
ヒース・レジャー演じるイニスは、「Jack, I swear ――」とだけしか云ってないのにも関わらず(つまり何に誓ったか最後まで云ってない)、どうして「*********…」なんて言葉が続くのか。
ガッカリ。
余韻が台無しです。
たぶんイニスが誓ったのはそれだろうと、みなが思う内容だったとしても――映画だって原作だって彼は最後まで云ってない。彼は口に出して云うタイプの人間じゃない、不器用だし…云えないから、いろんな人を傷つけてしまった。そして、自身の苦しみにも「解決できないから我慢して」きた。ジャックだってそんなイニスだとわかっていた、だから――「I wish I knew how to quit you!」(「いっそお前と別れられたら!(どんなに楽になれることか)」)。
それなのに…なぜ日本語字幕で付け足すわけ!?
あまりに無粋過ぎて、泣けてきます。
日本で鑑賞したみなさんの感想を見ると、ほとんどの方が「あのセリフに感動した」「付けたしは効果的だ」と云っています。
私の見解はどうやら少数派のようです。
字幕が違うだのなんだのと騒ぐつもりはまったくありません。もうそういった騒動はウンザリだし、あの付けたし字幕はイニスが心の中で云ってること、もしくはそれに近いだろうと思うし、あの字幕でみなが「感動した」と云ってるなら、もう私は――「我慢するしかない」からです。
私が伝えたいことは――「イニスは最後まで云わない」。
云わせることだってできたはずなのに、映画にする上でそのほうがわかりやすいだろうに、イニスに云わせない選択をした脚本/色担当のラリー・マクマートリー&ダイアナ・オサナ、せつなくてやるせない余韻を演出をしたアン・リー、イニスを演じきったヒース・レジャーに、私は感謝します。
以上、私がBBMで複雑な思いになっている――まさかこんな思いに駆られるなんて!と、ショックを受けていることでした。
はあ…。
コメント
そのまんまで良かったのに・・・と思わせられる訳は多いです。
万人に対してその意味を伝える、ということはきっとすごく難しいことなんでしょうね。
エニスの気持ちは彼の涙、そしてクローゼットに掛けられた
あの「二人のシャツ」で十分表現されていたと思う。
I swear...のセリフもいらなかったんじゃないか?と思うくらいです。
>「エニスは最後まで云わない」
私も同感です。
原作にも脚本にもないあの一言を入れてしまったのは一体なぜなのか?
あの一言を入れようと思ったのは翻訳者なのか?(違うと思いたい)
謎・・・ですな。
アメリカ本国以外の国ではどういうセリフになっているんでしょうか?
ちょっと気になります。日本だけー?
なんつーかですね…BBMの場合、ぜんぜん字幕見てない自分に気付きました(たとえば昨年の「オペラ座の怪人」もそうでした)。キモのシーンにおけるキモのセリフだけチェックしてたという感じ。なので、ほかのシーンでの字幕はどうだったとかあんまり覚えてないんですよね…。
>万人に対してその意味を伝える、ということはきっとすごく難しいことなんでしょうね。
そう思います。なので解釈の隔たりがあるのは当然で――今回はもう仕方がないよと思ってます。
>codomoさん
>あの「二人のシャツ」で十分表現されていたと思う。
>I swear...のセリフもいらなかったんじゃないか?と思うくらいです。
ここらへん、私は考え方とゆーか感じ方がcodomoさんと違っていて、「I swear...」と云ったイニスが、たいへん効果的だった、彼の心情や性格をよく表していたと思ってます。
(以下、激しくネタバレ)
*
*
*
*
*
ジャックを亡くしていなかったら、イニスは「何に誓う」以前に、「誓う」という言葉すら口にしなかったんじゃないかと。
亡くして初めて自分にとって彼は、「たったひとりの友達」(映画でも原作でもイニスの友達は誰ひとり出てこなかったでしょ?)であり、しかも「ただの友達」ではなかったと痛烈に気付くわけです。でもイニスはそれを大っぴらに表現できない。もちろん、それはワイオミングで生きていく上での問題もあるでしょうが、イニス自身、思いを言葉にすることが下手、とても不器用な人なわけで――そんなイニスが「I swear...」とまで云った(でもやっぱり続きを声にできない)、そこまで云わせたジャックの存在が、どれだけイニスにとって特別だったかが――しみじみと伝わってきました。
「I swear...」とまで云えない孤独な――とても孤独なイニスのセリフが、映画そして原作の秀逸なところであり、さらにそんな彼の心情を代弁するかのように、映画ではウィリー・ネルソンの「He was a friend of mine」が流れる…なんて素晴らしいんだろうと、そう思った次第です。
確かに、イニスの性格からすると自分の考えてること、思っていることの10%も言えていない(言わない)気がします。それゆえ、誤解されたりしてかなり損をしてると思うし、人付き合いもヘタだったからジャック以外の友達もいなかったんだろうと推測されますよね。
そう考えると、I swear,,,つまり「誓う」という、彼にとったらそうそう云えないような言葉が口をついて出て来たのは、ジャックを想うがゆえ、というのは納得です。
そうですねぇ〜