私が映画感想を書くとたまに出てくる表現――「オチうんぬんより、人物をじっと見つめるような『傍観』映画」。

ある人物が見せるある行為、そのある行為からまた次のある行為へ――ストーリーがどう展開するのかよりも登場人物の行動プロセスに注目してしまう、登場人物と観ている自分との間に微妙で奇妙な距離を感じてしまう映画、ということなんだけれども。

「ストーリーまったくなし、プロセスだけ」なんていう映画は、興行的に成功はしないだろうから、実験映画や短編映画などを除けばまずお目にかかれないし、どんなに抽象的な内容だったとしても、たいがいの映画は起承転結ストーリーのあるのが基本だったりする。

…なんて思っていたら、「ストーリーはどうでもいい、書きたいのはプロセスだけ」という、なんとも珍しい信念を持った作家リディア・デイヴィスが書いた短編小説集「ほとんど記憶のない女」を見つけた。

「彼女」なのか「あなた」なのか「私」なのか。
本の中の「私」と、その本を読んでいる「私」。

不思議な距離を感じたい人は、この本を面白いと思うかも。

コメント

tkr
tkr
2006年7月19日23:04

「暗闇のスキャナー」についてですが、どうやら冒頭の24分間が、WEBで公開されています。
ご存知かと思いましたが、念の為。

First 24 Minutes
http://media.filmforce.ign.com/media/670/670907/vids_1.html

秋林 瑞佳
秋林 瑞佳
2006年7月21日22:35

ありがとうございます〜!<情報

本編はスクリーンで観ようと思ってるので、チラリとだけ観ました<冒頭24分

面白い・面白くないは別として、リンクレイターならよくわかってる、PKDの――「暗闇のスキャナー」なんてホント彼にピッタリ――世界をそのまま映画化するだろう、裏切られることはないはずだと信じてます。キャスティングだってパーフェクトだし。あとは世の人々に、あのペインティングを施した映像がどれだけ受けいられるかでしょうか?…私なんかは、アニメっぽさがリアルだけどリアルじゃない、一線引いた世界をよく表していると思うんですけど…う〜ん。

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