地元の本屋さんでことごとく西田狩りに失敗したため、ネット通販で購入。人気があるからなのか、麗人レーベルだから入手しづらいのか。それはさておき、とりあえず読了したので、感想を書いてみることにしました。

■『目を閉じないで』
ISBN:4812460298 コミック 西田 東 竹書房 2004/10/27 ¥590
営業畑から業務部へと異動になった村上は、新上司である花田次長に対してとまどいを隠せなかった。それまで、男から男へと刹那の関係を繰り返していた彼にとって、花田のまっすぐでおおらかな温かさは好きにならずにはいられないと同時に、自分とは相容れないであろう“正”の輝きに満ち過ぎていたから…。しかしそんなある日、二人の関係を大きく変えるとんでもない事件が!?「麗人」誌上で大好評を博した表題シリーズ2編他必見の描き下ろし短編を含む6作品を収録。ワン&オンリーな魅力と味わいあふれる、ファン待望の作品集第2弾!!

熱狂的なファン(http://diarynote.jp/d/25683/20060901.html)がいることで有名な西田東の短編集(6編)。

いや〜…初めて手に取った西田作品なのですが。

シャレになりませんっ!>オッシー

オヤジ(しかも受)を描かせると上手い作家と云えば、なんと云っても山田ユギ。読んでいるうちに読み手にまでその萌えが伝染、オヤジ趣味などなかったはずなのに、読了後にはうっかりせつない気持ちになって、気が付けばうるうるにさせられていた…なんてこと、山田ユギだけにしか成せないワザだと思ったのに、ここにもいたねえ。ただ〜し、同じオヤジ萌えでも西田東の場合は、その味わいがまったく違うけど。

うるうるにさせられてるのは、山田ユギの場合「読者≧主人公」なのに対し、西田東はどちらかと云えば「主人公>読者」。オヤジ萌えする主人公を見ながら、「いや〜いいねえ、意地張っちゃってさ〜、でも実は不器用なだけなんだよね〜」と、ついほのぼのと見守ってしまう。

ただその…基本的に会話でストーリーが進む上に、その内容が「僕はこうだというのに、アナタはどうよ!?」という、ふたりの熱血対決ムードで展開しがちなので、淡白な線にあまり上手いとはいえない(でもヘタではない)絵なこともあって、1本通して読むとちょっと単調に感じる。そこが少し残念かな。

実は「恋をしましょう」という、同じ麗人レーベルから出ている単行本も読んだんだけど、どの話が「目を閉じないで」に載っていて、「恋をしましょう」に載っていたのかがわからなくなってしまっていた。どうやら私にはどの話も同じに思えたみたい。なので、短編より長編のほうが面白い作家なのかもしれない。

ちょっと辛口なことを書いたけど、熱狂的なファンがいるのはわかるなあ。西田東には魅力があるよ。華やかでもなく可愛いとも云えない絵で、年齢お高めなオヤジが出てきたり…と、BL界ではちょっとキビシイ条件が並んでいても、そんな男たちを描いて楽しませてくれる人って、他にいないもの。オヤジというと、ハードゲイものにありがちな出腹のハゲではなく、腐女子向けにBLの基準を満たしながら、オヤジをほのぼのと描いてくれてる。これはホント貴重だよ。それにこの人、一生懸命にマンガ描いてるよね。あとがきマンガ読まずとも、本編でそれがわかる。人柄ってのは、おのずと作品に出てくるもんだよなあ。たぶん、西田信者は、作品だけでなくそんな西田東が大好きなんだろうね。

背景で描かれるビルが、たとえボードゲームの「人生ゲーム」や「モノポリー」で使用するプラスティック製のおもちゃビルみたいでも、慣れればとてもキュートに見えてきて、愛着すら出てくる。う〜む。おそるべし、西田東!

評価:★★★

NO STAR … 論外/問題外作
★ … お好きな人はどうぞ。
★★ … つまんない。
★★★ … 退屈はしないしけっこう面白い。
★★★★ … 面白い。佳作/秀作。
★★★★★ … 天晴れ。傑作。

オビ惹句「オトナの事情より、オトコの事情」
評価:★(??だからなに?)

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

日記内を検索