■「イルマーレ」The Lake House(2006)
IMDb→http://www.imdb.com/title/tt0410297/
↓日本公式サイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/thelakehouse/
私はオリジナルより、こっちのリメイク版のほうが好きかな。父と子の関係などをちゃんと織り込んで、90分ちょいによくまとめたと思う。
映画としてどっちが優れているうんぬんという問題ではなく、オリジナル版のヒロイン像が男性好みだったのに対し(一概に云えないけど、韓国映画は韓国料理同様、基本的にどのジャンルでも男性向けに作られているような印象を受ける)、リメイク版のヒロインのほうが女性の共感を得やすいキャラクターだったからで、その上、相手がサンディとの相性バツグン、日本では絶大な人気を誇るキアヌ・リーブスでしょ?…このふたりが揃うといいよね、そんことあるわけない展開だとしても、リアリティのあるサンディに、ちょっと摩訶不思議な雰囲気のキアヌでちょうどいい。舞台であるシカゴの街並みも素敵だったし。
そこのタイムパラドックスの穴を追求する人。
――やめてよ、ヤボなこと云わないで。
いいじゃないの、多少強引だって、美しくまとまってるんだから。
「ニューヨークの恋人」のマンゴールド監督も云ってたように、タイムループなロマンス映画で、タイムパラドックスの原理がどうのこうのとディテールを気にするのは、ナンセンスだってば!…逆にこういう映画を素直に好きだと云ってくれる男性のほうが、好感度大だな。
一緒にいて楽しくて、考え方が同じ――そんな「だれか」を待つということ。
もしかしたら出会っていたかもしれないのに、タイミングが合わなかったとか。
とりあえずボーイフレンドはいる、だけどもっと自分にあった人に出会えるんじゃないか、とか。
困難があって結ばれず、ほかの人と一緒になったとして、はたしてそれで幸せになれるのかとつい考えて出してしまい、どうしても踏み出せない、とか。
待つヒロインは内省的な女性で、こういう人は多いんじゃないかと思う。この映画があからさまに女性狙いなのは、本編で引用されるクラシカルな本からもよくわかることで、文芸恋愛小説「説得」は、実に説得力がある。脚本を手がけたデヴィッド・オーバーンは、男性なのによくぞジェーン・オースティンを取り上げた、ロマンティックでいたいという女心をよく理解しているよ、繊細だし品があるし、上手くリメイクしたと感心する。デヴィッド・オーバーンね、覚えておこう――って、この人、グウィネス・パルトロウ主演「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」の原作兼脚本担当だったんだ!…ああ、なるほど、だから繊細なのね、超納得だわ。しかもシカゴ出身なんだって。
主演のサンディは、もうちょっと元気のある役のほうが似合うだろうけど、こういうしっとりとした女性を演じても素敵ですね。キアヌはなあ…10年くらい前にベタなロマンス映画「雲の中で散歩」(私はこの映画が大好きです)を観に行ったとき、ロマンティックなラブシーンなのに、「今すぐ君を抱きたい!でも僕には妻が…」というヤツのセリフで大爆笑してしまい(そして一緒に観に行ったRちゃんを怒らせた)、ロマンティックなヒーローを演じるにはイノセント過ぎてセリフ浮きまくり、まだ彼にはキビシイ…と思ったけど、いや〜あの頃を思えば上手くなったよ、うん。「恋愛適齢期」でも上手くなったと感じたし、SFからアクション、そしてロマンスまでこなせてしまうんだから、たとえナンバー1になれなくても、すでにオンリー1になってるね。ツッコミどころは、またいつか別のところで書きます。
あともうひとつホメたいのは、衣装。サンディの着ていた服のどれもが素敵で、彼女に似合ってた。品と暖かみのあるカジュアルな装い。サンディの場合、胸元が丸く広く開いているシャツやインナーが似合うので、上手く選んでいるなと思った。キアヌは…40男にあれほど自然にパーカーが似合うなんざもう……彼奴の年齢不詳度の高さ、おそるべし。いまに始まったことじゃないけど。
安心してロマンス映画を観たい人には、オススメの1本。
ところで。
今年はやたらとトラップ大佐ことクリストファー・プラマーを見かけたなあ。出演作を4本も観たよ。
IMDb→http://www.imdb.com/title/tt0410297/
↓日本公式サイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/thelakehouse/
2006年、シカゴの病院で働くことになった女性医師ケイト(サンドラ・ブロック)は、湖岸に立つ一軒家からシカゴ市内に引っ越すことに。郵便受けに次の住人へのメッセージを残した彼女は、後日返事を受け取るものの、それは2004年を生きる建築家の青年アレックス(キアヌ・リーブス)からの手紙だった。
私はオリジナルより、こっちのリメイク版のほうが好きかな。父と子の関係などをちゃんと織り込んで、90分ちょいによくまとめたと思う。
映画としてどっちが優れているうんぬんという問題ではなく、オリジナル版のヒロイン像が男性好みだったのに対し(一概に云えないけど、韓国映画は韓国料理同様、基本的にどのジャンルでも男性向けに作られているような印象を受ける)、リメイク版のヒロインのほうが女性の共感を得やすいキャラクターだったからで、その上、相手がサンディとの相性バツグン、日本では絶大な人気を誇るキアヌ・リーブスでしょ?…このふたりが揃うといいよね、そんことあるわけない展開だとしても、リアリティのあるサンディに、ちょっと摩訶不思議な雰囲気のキアヌでちょうどいい。舞台であるシカゴの街並みも素敵だったし。
そこのタイムパラドックスの穴を追求する人。
――やめてよ、ヤボなこと云わないで。
いいじゃないの、多少強引だって、美しくまとまってるんだから。
「ニューヨークの恋人」のマンゴールド監督も云ってたように、タイムループなロマンス映画で、タイムパラドックスの原理がどうのこうのとディテールを気にするのは、ナンセンスだってば!…逆にこういう映画を素直に好きだと云ってくれる男性のほうが、好感度大だな。
一緒にいて楽しくて、考え方が同じ――そんな「だれか」を待つということ。
もしかしたら出会っていたかもしれないのに、タイミングが合わなかったとか。
とりあえずボーイフレンドはいる、だけどもっと自分にあった人に出会えるんじゃないか、とか。
困難があって結ばれず、ほかの人と一緒になったとして、はたしてそれで幸せになれるのかとつい考えて出してしまい、どうしても踏み出せない、とか。
待つヒロインは内省的な女性で、こういう人は多いんじゃないかと思う。この映画があからさまに女性狙いなのは、本編で引用されるクラシカルな本からもよくわかることで、文芸恋愛小説「説得」は、実に説得力がある。脚本を手がけたデヴィッド・オーバーンは、男性なのによくぞジェーン・オースティンを取り上げた、ロマンティックでいたいという女心をよく理解しているよ、繊細だし品があるし、上手くリメイクしたと感心する。デヴィッド・オーバーンね、覚えておこう――って、この人、グウィネス・パルトロウ主演「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」の原作兼脚本担当だったんだ!…ああ、なるほど、だから繊細なのね、超納得だわ。しかもシカゴ出身なんだって。
主演のサンディは、もうちょっと元気のある役のほうが似合うだろうけど、こういうしっとりとした女性を演じても素敵ですね。キアヌはなあ…10年くらい前にベタなロマンス映画「雲の中で散歩」(私はこの映画が大好きです)を観に行ったとき、ロマンティックなラブシーンなのに、「今すぐ君を抱きたい!でも僕には妻が…」というヤツのセリフで大爆笑してしまい(そして一緒に観に行ったRちゃんを怒らせた)、ロマンティックなヒーローを演じるにはイノセント過ぎてセリフ浮きまくり、まだ彼にはキビシイ…と思ったけど、いや〜あの頃を思えば上手くなったよ、うん。「恋愛適齢期」でも上手くなったと感じたし、SFからアクション、そしてロマンスまでこなせてしまうんだから、たとえナンバー1になれなくても、すでにオンリー1になってるね。ツッコミどころは、またいつか別のところで書きます。
あともうひとつホメたいのは、衣装。サンディの着ていた服のどれもが素敵で、彼女に似合ってた。品と暖かみのあるカジュアルな装い。サンディの場合、胸元が丸く広く開いているシャツやインナーが似合うので、上手く選んでいるなと思った。キアヌは…40男にあれほど自然にパーカーが似合うなんざもう……彼奴の年齢不詳度の高さ、おそるべし。いまに始まったことじゃないけど。
安心してロマンス映画を観たい人には、オススメの1本。
ところで。
今年はやたらとトラップ大佐ことクリストファー・プラマーを見かけたなあ。出演作を4本も観たよ。
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