…とゆーわけで、感想第四弾です。
1本だけの感想になります。

■作品評価について
ZERO STARS … 論外/問題外作
★ … お好きな人はどうぞ。
★★ … つまらない。
★★★ … 退屈しない。なかなか面白い。
★★★★ … とても面白い。佳作/秀作。エクセレント。
★★★★★ … 天晴れ。傑作。ブリリアント。

■秋林好み度について
ZERO STARS … さようなら
★ … カンベン
★★ … ニガテ
★★★ … まあまあ
★★★★ … なかなか好み
★★★★★ … たいへん好み

■BL誌に掲載されるなら?
ラブとエロは足りないだろうが、もし掲載されるなら、どの出版社のどのBL誌にあっているか、秋林個人の視点と裁量で選択。

■「へび苺の缶詰」 河内遙
特集:女人禁制「不法侵入者もの」
扉惹句:清く妖しいオトメな男心story

妻が仕事で不在中、4歳の息子・富士郎と自宅にいた池ノ上のもとに突然、後輩・浜田山が現れた。玄関ではなく庭からやってきた浜田山に、泥棒が来たと富士郎は怯えるが、池ノ上は暖かく浜田山を迎える。「先輩に会いたかった」という浜田山。そしてふたりは昔話をし出すが――という…という…という…一途な思いを貫き通した青年のせつない恋のお話。

これは絶対にネタバレできない。

いちおう一番わかりづらい表現を選んで書くと――どういう状況に置かれているか、ちゃんと本人たちが自覚/理解している「記憶の扉」モノ(これでも、どんな作品なのか1000人にひとりくらいの割合で、バレてしまうだろう)。何度も何度も読み直してしまった。その度に、作品が持つ奥の深さとやるせないせつなさで、うるうるしてしまう。

浜田山が池ノ上の家にやってきた時点では、たしかに「不法侵入者もの」。ごく普通の話に思える。だが、浜田山と池ノ上はそれぞれどういう立場で、どういう状況に置かれているのか、それらを示すあるエピソードが描かれたページにたどり着いたとき、読み手は「ああ…そういうことだったのか」と真実に気付く。そして、ページを前に戻したくなるだろう。

浜田山はなぜ、池ノ上に告白しなかったのか。
浜田山の思いが、ときめきに溢れた一途なものであるがゆえに、池ノ上には重すぎたから?

穏やかにゆっくりと流れていく時間。「へび苺」「ジャム」「やいたマシュマロ」――数々のキーワードの中に、突然ドキリとさせる「ペニバン」という言葉。ほんのり香り付けされたエロティシズム。4歳児の第三者的視点。送れなかった絵葉書。ボタン。

…涙が出そうになるほど感動しました。
キュンキュンになりました。

傑作です。
いますぐ読みに本屋さんへ行きましょう。

@RECOMMEND@
評価:★★★★★(なんて素晴らしい!ブリリアーント!★10コ付けたいくらい)
秋林好み度:★★★★★(トキメキとは別の胸キュンになりました)
BL誌に掲載されるなら?:茜新社「EDGE」(「OPERA」でもいいよ)
4歳児の視点が入ることで、ストーリーがよりピュアなものになる。上手いなあ。

しっかし…「コーラス」編集部による「不法侵入者もの」というジャンル分けが無粋極まりないよね。これにはガッカリ。ネタバレするわけにはいかないのはわかる、でももうちょっと考えられなかったものか。

それにしても…私はなにやってたんだか。「コーラス」は、どうしてもナナメ読みな立ち読みになってしまうので、河内さんに気付かなかった。なんてこと!

「コーラス」に掲載/連載されている一連の作品より、なんかこう…サブカル要素を感じるなあと思っていたら、別名義(河内遥)で、青林工藝舎「アックス」や、太田出版「エロティクス・エフ」に描いている方と知り、「だーかーらーかー!」と膝打ちしてしまった。いや〜、「女人禁制」買って読んでマジ良かった、でなきゃ河内さんに気付かなかったもの。

「BL誌に掲載されるなら?」で「EDGE」を選択、実際このまま「EDGE」に載ってもま〜ったくおかしくない作品だけど、別にこれは「OPERA」(同じ「茜新社」)でもいい。ただ「OPERA」は、今年もっともホットなBL作家である中村明日美子さんのイメージが強いので、あえて「EDGE」にしてみた。「BLはドン引きエロだけ」と思っている人に、「コレを読んでそう思うなら、そう云え!」と云いたいけれど、そうなると「EDGE」より世に知られているガッカン(小学館)「IKKI」のほうがいいか。青年誌だけど。う〜む。

で、その「EDGE」。最近出ないよな〜と思いながら、茜新社の公式サイト(男性向けエロも出してる会社なので、アクセスの際は気をつけて下さい)で調べてみたらば――なんと「EDGE VOL.3」に、柴田文明さんの作品が柴田フミアキというPNで載っていた!

ジェットアッパー!!!!

なんてことー!BL誌に掲載されていたのかー!…アタシ、多田由美チェックで「EDGE」はちゃんと見てたのよ、でもまったく柴田さんに気付かなかった…ってか、VOL.3は読んでなかったみたい…。慌てて「EDGE VOL.3」の在庫確認してみれば、4年も前の本なので、トーゼン「ナシ」。どんな作品だったのか気になる、どっかに売ってないものか…と、しばし考え、これこそヴィレッジ・ヴァンガードにあるんじゃ?という可能性を見出したものの、どうだかなあ…う〜ん…。

■昨年の今ごろ、本屋さんでギャラクティカ・ファントムを食らった話
http://diarynote.jp/d/25683/20070729.html
(「須賀邦彦と柴田文明だったら、断然柴田派」な10代を送った私)

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