昨年めでたく全12巻で完結した「しあわせにできる」だが、12巻の感想で、「ラストで打たれるのは、『これで終わり』というピリオドではなく、『ここでちょっと区切らせてね』というカンマ。本田と殿のストーリーは、新たな章をむかえ、そして続いていく」とかなんとか書いたら、なんと私家版だけでなく、本家でも続編が登場。絵師の陸裕さん抜きでは語れぬ「しあわせ」シリーズゆえ、ファンにはたいへん嬉しい、谷崎・陸裕コンビによる本家「スペシャル編」である。…表紙めっちゃ恥ずかしい。さすが殿の夢。もう放っておきましょう。

…とゆーわけで、「やっぱり結婚だ、結婚しかないだろう!(by殿)」編(「シャレード2007年3月号付録 『しあわせ未来予定図』大幅加筆修正)と、「だから、結婚だけが人生じゃないんだって!(by森田)」編(←そんなタイトルではありません! 「哀愁のハワイ航路」私家版作品加筆修正)収録。


! 以下、ネタバレ注意報 !


♪きっと~何年た~っても~こうして~変わらぬ気持ちで~過ごして~ゆけるのね~あな~たとだ~から~ずっと~こころ~に描く~未来予定図は~ほら~おもったとうりに~かな~え~ら~れ~ていく~♪

…と、このように「スペシャル編」は、吉田美和が歌う(あ、いま歌ってるのは私か)内容そのまんまに、話が「おもったとうりに~かな~え~ら~れ~ていく~」ので、安心して読めるうえ、「しあわせ」全12巻の感想で書きたいことを全部書いちゃったせいか、新たな感想として書いておきたいことは正直あまり思い浮かばないのだが、いつまでも「お花男」だと思ってた各務が、なんと落合さんと結婚、3課は3課で激震大異動(ってか、商社のくせにいままで異動なさすぎ!)、久遠寺は多忙な社長業、本田は日芳退社→久遠寺(殿)のいるロングランナーへ移籍に、「実は殿と付き合ってるんでーす」カミングアウト…と、それぞれがそれぞれの人生の岐路に立って、それぞれの道を歩むことになるんだけど、やっぱ本田は殿とずっと一緒で、3課メンバーはいつまでも仲良しさんなのよね♪…という「激震後」の将来を約束してくれるストーリーとなっている。

谷崎作品なので、相変わらず設定やキャラの思考や価値観が古風で保守的なんだが、それはそれでいいとゆーか、本編の最初のような嗜虐性は殿からなくなったし、執念深い昴も基本オミットされてるし、無体なことはまず起こらないし、3課メンバーは天然揃いだし、ホント心地良く楽しくさせてくれる、 ワクワクさを残した予定調和で読者をしあわせにさせる 続編だよなあ、だから人気あるんだろうなあ…と、しみじみ思いながら読んだ。

「デキちゃったあとのふたり」を描いているので、フツーであればストーリーもマンネリへと突入するのだが、「しあわせ」は脇キャラが個性派揃い、たとえば3課メンバー+ 悪代官 映周辺キャラは、第二の主役といっていい存在だし、いままでの実績(?)から、新キャラが出てきてもたぶんくるくるとまわってくれるだろうし、昨今流行のスピンオフという形を取らなくたって、ストーリーはいくらでも続けることができるだろう…ってか、なんで終わる必要があったの?とさえ思う。個人的に問題はそのあたりに感じるとゆーか、もうピリオド打ってちょーだい!と思うファンはいないだろうし、これだけ人気があるのならば、続きを購入者が限定される私家版で出さなくたって、本家シャレード文庫で出せばいいのに。ピリオドではなくカンマな作品ってのも、ちょっと罪作りだなあ。…やっぱこれで終わりなの?>谷崎センセ+シャレード編集部

「しあわせにできる」ファンなら、必読の作品。
本編を読んだことがない人は、一気に読める全12巻(絶賛発売中!)からどうぞ。

評価:★★★★(完全ファン向け作品なので、ファンには★5つだね)
殿!殿!…思うんだけどね、最近やたらと本田に甘いアナタだけど、結婚式するなら昔取った杵柄で、本田を拉致って海外へGO!…ってどう?え?忙しい?そんな計画立てるヒマもない?(いや、絶対あるね!).…なら各務を使おうよ~、そーゆーことに関してはヤツは敏腕だし、本田を飛行機に乗せるまでなら、きっと力になってくれるよ?

あと希望出すなら、映のジャージ(+竹刀)姿だな!もっかい見ーたーいー!


ZERO STARS … 論外/問題外作
★ … お好きな人はどうぞ。
★★ … つまらない。
★★★ … 退屈しない。なかなか面白い。
★★★★ … とても面白い。佳作/秀作。エクセレント。
★★★★★ … 天晴れ。傑作。ブリリアント。

「オススメ作品」は基本的に★★★☆以上。
「絶対オススメしておきたい作品」には@RECOMMEND@ マークがつきます。
性格上の理由から、★評価は厳しくなりがちなので、★5つ作品はあまり出ないと思います。

■表紙キャラは、左「本田雪彦」(主人公)と右「久遠寺皇」(殿。本田の恋人でダンナ)

コメント

シュー
シュー
2008年12月29日1:55

大掃除したら、我が家にBL(だと思います)本が一冊発見されました。昔、友人に渡されたもので、平成11年発行なんすけど、もし好きな作家さんとかならもらっていただけないかなぁ、と思いまして・・
『本日限り/恭屋鮎美』とあります。秘密日記にしたほうがよければ、これは削除してくださいね。それでは、失礼しまーす

秋林 瑞佳
2008年12月29日8:52

>シューさん
わははは♪その話でしたか♪
恭屋鮎美さんかあ…うわ、読まないなあ…ってか、シューさんのようなごくフツーの男性で、そんなシュミもないのになんでかソレが回ってきた方だと、たしかに処分に困られるでしょう、すんごい同情します。古本屋さんにも出せないですよね。私は読まないけど、読む人がいるかもしれないので、ちょっといろいろ聞いてみます。

シュー
シュー
2008年12月29日21:05

>秋林さん
ご心配ありがとうございますっ!結構楽観視してるんでだいじょうぶですよーw
そっちの趣味の男性から狙われる(疑惑ですが)ことがちょいちょいあるんで、リアリティありすぎだろ!!って自分で突っ込んでる程度ですしwww お名前挙げたら分かるということは有名な人なんですね!?

秋林 瑞佳
2008年12月30日21:30

私もお名前くらいしかわかんないんですよー<恭屋鮎美さん

私のほか、このdairynoteでリンクしていただいている方で恭屋さんをお読みになる方はたぶんいないと思うので(腐系の女子は、好みのジャンルでないとあまり読まないという人覆いのです)、ちょっと他の友人に訊いてみます。古い作品なので、興味持ってる人いそうです。お正月明けくらいにはまたご連絡できると思いますので、もうちょっとお待ち下さいませ♪

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