まだ買ってないんですけど(6/8発売だから)、昨年の別冊コーラスに載った表題作が入っているので、楽しみにしています。

先月出た『ケーキを買いに』『チルヒ 河内遙時代短編集』、前者は掲載されたのが「エロティクスf」なので、フェチズムが強く、読む人をやや選びますが、後者は江戸の人たちの話で、読了後に思わず目が遠くなってしまう…そんなやるせない余韻に浸れる作品集になっており、「フツーのマンガ雑誌では物足りない、でもikkiやガロまではちょっと」(←どういう意味?)という方に向いていると思います。

集英社「コーラス」で連載持ちながら「エロf」でも描いているだなんて、ある意味スゴイことをしておられるのですが、メジャーにもマイナーにも対応できるマンガ家さんなので、トンがり過ぎた作風ではない…と私は思っています。

作品によっては、明日美子センセ路線です。明日美子センセ(白でも黒でも)の個性はキライじゃないけど、やや敬遠しがちな人(まさに私だな)には、この河内さんのほうがヒットすると思います。一度読んでももう一度最初から読みたくなる、あとからじわ~っとくる独特の余韻がなんともいえないのです。

↓表題作「へび苺の缶詰」の感想(ネタバレなし)
http://akirine.blog59.fc2.com/blog-entry-53.html
(いい話でした。たぶんこれが収録されていると思われます)

余韻は読み手のイマジネーションを刺激します。「どっちなの?」「どういう意味?」「最後はどうなったの?」「話をハッキリさせてよ」「よくわからない」という前に、そこに何が描かれているのかぼーっと考えてみるのも、読書における楽しみ方のひとつだと私は思っています。答えはひとつじゃない、あなたが思った内容かもしれないし、他の人が思った全く違う内容かもしれない。正否は問題ではなくて、自分がどう感じたか、そして他人が感じたことに自分はどう思ったかであって、河内さんは「どちらでもいいよ。作者が正解を語るのはヤボじゃないかしら?」とおっしゃるような気がします。

というわけで、「河内さんをオススメします」というお話でした。

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