これも公開当時に観に行きました。

「サンシャイン2057」

出演:キリアン・マーフィ、クリス・エヴァンス、真田広之

50年後の未来。地球上の全ての生命の源である太陽の活動が終焉を迎えようとしていた。人類に残された最後の望みは、太陽を再生させるための核爆弾を積んだ宇宙船“イカロス2号”。そこには船長のカネダをはじめ、男女8人のエキスパートが乗り込み、命がけのミッションに挑もうとしていた。太陽からの強大な熱を巨大なシールドで回避しながら慎重に太陽へと接近していくイカロス2号。やがて一行は、7年前に同じミッションに向かったまま消息を絶ったイカロス1号の救難信号を受信するが……。

太陽に焦がれて焼かれてしまう人たちの話。

…あ、しまった。
感想1行で終わっちゃった…って、それじゃダメじゃん。もうちょっと書こう。

「地球を滅亡から救うための自己犠牲」というベタな設定なんだけど、船員たちは太陽に叶わぬ恋をしているみたいだった。近くにあるのに遠い、知っているはずなのに知らない、知識はあれど真実は知らない、みたいな。観る人の感性にかなりゆだねられた作品だと思う。

云いたいことはわかるし、この手の内容なら先行作品の影響があって当然だし、それを責める気もない。ただその…後半が「エイリアン」のような船内サバイバル系ホラーな展開を見せるのに、実はそうじゃないというミスリードぶりに面食らっちゃう人が出てくるような気がする。アクションができる真田広之やミッシェル・ヨー、クリス・エヴァンスらが揃っているため、つい期待しちゃうのに、船員はけっこう無力だったりするし。

船内に設けられた緑の美しい畑、太陽の巨大な衝撃波…など、映像がとても綺麗。


ミッションが成功したとしても、地球の人たちは船内で起きたドラマを誰も知らない――その切なさ。


監督がダニー・ボイルで脚本がアレックス・ガーランドなこともあって、とても英国らしい映画。たとえば、太陽は熱いのに船員たちはクールだったり、そのくせイカロスの軌道がおかしくなったのはそんな船員によるしょーもないヒューマンエラーだったり…米国っぽい感じがしない。

「ダニー・ボイルが初めて手がけたSF作品」ということで注目していたら、常日頃「この人、気になるんだよなあ」と思ってた俳優がすべて出演していたことにビックリした。キリアン・マーフィ、クリス・エヴァンス、クリフ・カーティス…片っ端から出てた。もしかして、ダニー・ボイルと私はシュミが一緒?(ちょっとそれはヤダ)

出番は少なかったけれど、キャプテン・カネダ役の真田広之がとても良かった。英語の発音が良くて日本人にしては自然に喋っている…とかそういうことじゃなくて、真田広之だったことに感動したの。ヒロユキ・サナダでもデューク真田でもない、あくまでも真田広之なんだよね。洋画に出演する日本人俳優――たとえば渡辺謙はケン・ワタナァビー、役所公司はコージィ・ヤクショーな演技になるのに、真田広之はどの作品でも「真田広之」のまま。日本人らしい所作の美しさを持っているのに、西洋人に囲まれてもスクリーンで異様に浮かない自然な存在感。私が監督だったら、絶対に真田広之を使う。しまった、そういう面でもボイルとシュミが一緒だよ…ガーン…。

さほど面白いとは思わない、でも強烈な印象が残っている1本。



↓参考:ジャッキー・チェン、真田広之のアクションの美しさを褒める
http://www.cinematoday.jp/page/A0001485
(「ラストサムライ」でもズウィック監督が「彼の動きは誰にも真似できなかった」と云ってたっけ…)

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