■『しあわせにできる 3』
ISBN:4576040014 文庫 谷崎泉(挿絵:陸裕千景子) 二見書房 2004/01/07 ¥560
日頃疎遠にしている母・静香たっての願いを受け、仕事の合間を縫い義弟・和哉の捜索を続ける本田。ところが家出の理由を探るうち、料亭での一件以来、超要注意人物となっている映に借りを作ってしまう。しかし次に本田を待ち受けていたのは、そんな大事なことを忘れ去ってしまうほどの殺人的忙しさ―年末。脳天気な3課連中に囲まれ、一人眉間の皺を深くする本田だが、あり得ないクリスマスプレゼントに真っ白になり、自分ですら忘れていた幼少期の恥を暴露され、久遠寺に高価なシャンパンを飲まされ押し倒され…。他人の三倍忙しい本田の年末修羅場編。降って湧いたお見合い疑惑にまつわる書き下ろしつき、シリーズ第三弾。

BLにしては、比較的落ち着いた構図の表紙が続く『しあわせにできる』シリーズ。がしかし、本シリーズもやはりシャレード文庫だとゆーか、シャレード名物「見返しの本文クライマックス箇所引用とリンクしたカラー口絵」に、毎回けっこうな色っぽさがあるので、通勤中にお読みになる方は「しおり代わりの絵葉書」をご用意下さい…って、え?そんなの常識?みんなやってるって?…がーん。

!以下、ネタバレ注意報!

和哉騒動編(「しあわせ5」)とクリスマス騒動編(「しあわせ6」)に、文庫用書き下ろし「ウワサは踊る、3課の中で」(←そんなタイトルではありません!「しあわせ輪舞」)収録。

女にフラれて長くグズってたくせに、久遠寺に話を聞いてもらって慰められたら翌朝スッキリ吹っ切れてるなんざ、若いっていいなあ〜>和哉 でもアナタが酔いつぶれてグースカ寝てるその隣室で、にーさんたちがくんずほぐれつ真っ最中、「すごい技とか、ないのか?」(久遠寺)ときたもんだ!…って、そんな本田にはムリっしょ、アタシまだ『しあわせ』シリーズは6編+書き下ろし3編しか読んでないけど、久遠寺によるすっごい技ってのも出てきてないよ?…これが英田兄貴の作品なら、確実にすんごいことになってそーだけど。そういうイメージなのよ…英田兄貴、スマン!

仕事はデキて社内での立ち回りは器用なんだが、プライベートはひた隠し、人間関係に右往左往な不器用さを見せる本田が、殿様然としていて他者を圧倒、常に決して崩れることはないクールさを持ちながら、実は人の性格や気持ちを読むのが上手い久遠寺によって救われた3巻。久遠寺は顔がクールなくせに、行動が直情的で…ある意味、これまた不器用な男だよね。うん、3巻目でようやく見えてきたよ、私にも。強引だけど、いい男じゃん。とゆーわけで、これからは私も「殿」と呼ばせていただきます!

和哉がうっかり「雪彦さん(←本田の名前)、好きです!」と殿とバトルになったらどーしよー!?と思ったんだが、そんなベタな展開になることはなく――このシリーズで好感を持てるのは、気が付けば主人公の周りはホモばかり、という図式になっていないところだな。ネタはほかにもあるんだよといわんばかりに騒動が次々と起こるので、読んでいて楽しい。

それにしても殿よ。

酒にかなりお強いアナタがそれほどの笑みをみせるだなんて、相当飲んで酔っ払ってるとみたんだが――そんな状態でよくおできになるね?…感心した。

評価:★★★☆(サクサク読める。半星は理解のある和哉に)
絵師の陸裕千景子センセについて少し。陸裕センセは主にシャレードで活躍中、リブレ系でよく見る流行りのシャープ描線にクールな絵柄とは正反対、少し古めではあるけれどあったかい印象の絵をお描きになる方である。最初「リーマンコメディなら、山田ユギのほうが良かったなあ」なんて思ったのだが、本作は「黒髪攻で茶髪受」なので、ユギさんの代表作『最後のドアを閉めろ!』とカブりそうだし、主人公の名前が「本田」なので余計混乱しそう、ここはやはり別の方だろうと思い直した。本田はルックスに相反して古風な男なんだよね。だから陸裕さんで正解だし、センセは的確にキャラの特徴/長と場面を捉えてるよ、うん。マジ上手い。

「ちょっと表紙が野暮ったい(ごめんなさい〜!)」と敬遠してる人!…読んだらわかるけど、このシリーズは陸裕センセじゃないとダメ。キャラがピンで描かれている表紙なのは、このシリーズの登場人物がみな個性豊かで人数が多く、そのキャラ紹介を兼ねているからなんじゃ?

ZERO STARS … 論外/問題外作
★ … お好きな人はどうぞ。
★★ … つまんない。
★★★ … 退屈はしないしけっこう面白い。
★★★★ … 面白い。佳作/秀作。
★★★★★ … 天晴れ。傑作。

■表紙キャラは「菊池和哉」(本田の義弟)
■『しあわせにできる 2』
ISBN:4576031678 文庫 谷崎泉(挿絵:陸裕千景子) 二見書房 2003/08 ¥560
評判通りの辣腕ぶりで次々と契約を結んでくる久遠寺。それに比例して激増する本田の仕事―。しかし、久遠寺とのコンビ解消宣言をあり得ないやり方で撤回させられた本田に選べる道はなく、毎日が過労半歩手前のストレス満載状態。それなのに、寮には当然のように久遠寺が住みつき本田のささやかな休息すら奪ってゆく…。腹に据えかねた本田はついに久遠寺締め出し作戦を敢行するが?似合わなすぎる各務主催の久遠寺歓迎会、映には襲われかけ、本田の実家・菊池家では義弟の和哉が失踪騒ぎと、厄介ごとの波状攻撃。人の話を聞かない男・久遠寺攻略法は見つけられるのか!?働く男の強引愛シリーズ第二弾。

このシリーズとゆーか、シャレード系はやたら↑あらすじが長いので、ちと困るときがあったり…う〜む。

!以下、ネタバレ注意報!

なんで?いつ?「久遠寺→本田」ラブvになったの?と、ダブル視点のわりにはイマイチわからないまま読み続け、本田の知人らしい映(あきら)、声だけ出演の謎の女…などなど、素性が分からない・人物相関をハッキリさせないこれ見よがし伏線キャラが複数登場、そして久遠寺が本田宅に押しかけ居候を決め込んだところで終わった1巻。

2巻になっても、「天然殿様キャラな久遠寺の強引テクに流されまくってる本田」という構図は変わらない。そっかそっか、本田も流され侍だったのかー、そりゃー押しかけ戦法は有効だ、スパイダーマンにだってなるわさ、一気に押し切りたいよね、でもまったくわかんないのは――手錠だ!手錠!アナタ、どっからそんなもの出してくるのよっ!?>久遠寺

で、1巻の感想のときに「そんなガチンコな状況でラブが絡むとどうなるか?」と書いたんだけども、「本田ラブv」なのはなにも久遠寺だけでなくて、本田を巡るキャラ全員(その形はいろいろだけど)そうだっつーのが2巻で見えてきた。「しあわせにできる」イコール「本田モテモテ騒動記」(←この「イコール」の書き方、谷崎センセっぽいでしょ?)、どこでもモテモテ♪本田さ〜ん!きゃあああ♪の繰り返しである。

前回の伏線回収として、映が久遠寺の実兄、謎の女が姉のような存在であるホステスのまゆりと判明した2巻だが、今度は新たに義弟の和哉、そして実母の静香が登場。揃いも揃ってみな美形。フツーなのは建材3課のメンバーくらいだが、みんな個性的で面白い天然キャラが揃ってるので楽しい(個人的には豊川課長を大プッシュだ!)。多忙な部署は、仕事がものすごーくデキる人ばかりより、素直でストレスに強い(というか鈍感)な人が多いほういいと思うので、本田は恵まれてるよ、うん。

今後の展開は…たぶん和哉だな、問題を起こしそうなのは。母の登場により本田のプライベートも徐々に見えてきたし…というところで3巻へ。どうやら「キャラを増やし、伏線を張り巡らせておきながら、読み手に真実を語るのはとーぶん先なのよーん♪」展開が、谷崎センセはお好きでお得意の模様。むむむむ…。

評価:★★★(サクサク読める)
それにしても久遠寺には驚かされる。手錠だけでなく潤滑剤も毎回用意いいときたもんだ。突然出てくる。いったいどっから出してくるの?マジシャンか?英田兄貴のところのディックに教えてやってくれ!

ZERO STARS … 論外/問題外作
★ … お好きな人はどうぞ。
★★ … つまんない。
★★★ … 退屈はしないしけっこう面白い。
★★★★ … 面白い。佳作/秀作。
★★★★★ … 天晴れ。傑作。

■表紙キャラは「久遠寺皇」(殿)
■『しあわせにできる 1』
ISBN:4576030604 文庫 谷崎泉(挿絵:陸裕千景子) 二見書房 2003/05 ¥560
東京・丸の内―大手商社建材部勤務の本田雪彦は所属の3課を代表する有能社員。サラリーマンらしからぬ華やかな美貌に色めき立つ女性社員もものともせず、多忙な仕事に走り回る日々。そんな本田がNY支社から鳴り物入りで本社に配属されてきた久遠寺皇のフォロー役を命じられる。男らしい容貌に、漂う育ちのよさ、仕事も超がつくほどのやり手。久遠寺は噂以上の男だったが、とある物件のトラブルで板挟みになった本田は結果的に彼を裏切る選択をしてしまう。信頼が芽生え始めた矢先の出来事に、久遠寺がとった行動とは…。早朝出勤、深夜残業、休日出勤は当たり前。頑張る本田に次々とふりかかる災難、トラブル、強引男!?王道リーマンラブシリーズ第一弾。

………。
1巻10ページ読んだだけで、オッシーが私に薦めたわけがわかった。

うおおおお!
本田ぁぁあああああああああ〜〜っ!(←呼び捨て)

アナタの気持ち、よくわかるっ!!
マジわかるっ!!
だってアタシもアナタと同じだったのよ!

主な業務は営業フォローとバックアップ(つまり営業業務系)、信じられないくらい忙しく…いつか仕事に殺されると思う日々の中、運悪く営業部の切れ者エリートの担当になってしまって、出勤すると机の上はFAXと書きなぐられたメモの山、始業時間前からクレームと打ち合わせ電話の対応に追われ、物件は同時進行当たり前、常に状態を把握せねばならず、ミスは許されない。あっという間に終業時間になり、そのまま深夜まで残業(女子なのに!しかも連日)、それでも仕事が終わらわず休日出勤。家には寝に帰るだけ。曜日感覚ゼロ。流行ってるTVドラマもわからない。チームのメンバーとはいい関係を築き上げているけど、仕事は一向に減らずいつもギチギチ、新人が入ってきたら逃したくない…ってか、絶対逃すもんか!

花のOLどころじゃない、これじゃまるっきりサラリーマン、なんでこんなことに?…そんなのアイツのせいに決まってる、バカ野郎、そんなタイトな締め切りをしれっと云うなっ!だれがやると思ってんのよ!?そんなの今からできるわけないでしょ!?(と連日オフィスで遠慮ナシの言い争い)…でもやらなきゃいけない………。

いくらヤツがルックス良くスマート(賢いという意)で、女子社員に大モテ、イヤミなくらい仕事がデキて、上からはホープ視されている絵に描いたようなエリートだったとしても――

アタシは別、あの営業が心底憎いのよ〜〜っ!

…というわけで、BLとゆーのにラブ以前、本田の仕事っぷりにまず共感。激務に追われる会社員がそれだけリアルに描かれているということであり、これにはビックリさせられた。

!以下、ほんのりネタバレ注意報!

ただでさえ印象悪なスタートを切ってるのに、仕事でもなかなか折り合いつかない本田と久遠寺。そんな彼らが信頼関係を築いていくプロセスとして、日々さまざまな出来事や問題が待ち受けている。プロジェクトの獲得・受注・達成といった業務面だけでなく、見え隠れするプライベートな横顔、思いがけない真実などを知ることで、ふたりは少しずつ少しずつその距離を縮めていく。ただし仕事で認め合うようになっても、信頼から理解に至るまではやはり互いの牽制は続くわけで――そんなガチンコな状況でラブが絡むとどうなるか?…というシリーズだと思う(1〜7巻まで)。

↑のあらすじにもあるように、信頼確定プロセス中に「とある物件のトラブルで板挟みになった本田は結果的に彼を裏切る選択」をする。とても理解できるというか、私でも彼と同じ選択をして平沢課長に根回ししたと思う。どんなにデキる男だとわかっていて、ある程度信頼するようになっても、一緒に仕事を始めてまだ半年、まだまだ過程でしかない。そしてそんな本田に激怒した久遠寺の気持ちもわかるというか…これも仕方がない話だと思う。会社で生きていく上での自分の立ち回り、人間関係、意地とプライド――実に上手い描写だ。

がしかし。

悔しい気持ちはわかる、でも…あんなところであんなことを本田にするか!?あんまりだ!!>久遠寺

「きっかけは陵辱でした」だなんてサイアク、話が重くなってしまったら困ると、正直この時点でギブアップしようかと思った。それでも読み続けたのは、フツーだったら確実に混乱するはずのダブル視点三人称(谷崎泉の圧倒的な個性だと思う)が実に読みやすく、本田をめぐるキャラ達が立っていて、人物相関にかなりの伏線が張り巡らさせてると気付いたから。話の終わり方が「待て!次号!」と、焦らしテクニックに長けてたことも挙げられる。

…というわけで1巻クリア。妙にマジメな感想になってしまったが、基本的にコメディ作品なので、2巻以降の感想はもう少し楽しく(そして短く端的に!)書いてみたいと思う。

評価:★★★☆(けっこう面白い。共感した。サクサク読める)
三人称は基本的に「主人公(もしくは神)視点」で書かれることがほとんどで、視点を一定させることがセオリーだったりする。ところが谷崎泉は、作品や章単位でなく1シーンに「ダブル視点三人称」(受と攻視点の交互)で書いてくることがある。とくにラブシーンにその傾向が顕著。最初ビックリしたけれど、わからなくて混乱したのではなく、コロリと視点が変わるのにサクっと読めたことに驚いただけで、こういうのもありえるんだ、個性のひとつだなあ、谷崎泉は文章に特徴があって面白いと、逆に感心してしまった。

ニガテな人もいるだろうけど、セオリーを覆してきてこれだけ読ませるんだったら、私は支持したい。ただし、文庫用に付いてきた書き下ろし短編が「各務くん一人称」で書かれていて、話は面白いのにフックがなく残念だった。やっぱ谷崎泉は三人称がイイね。

ZERO STARS … 論外/問題外作
★ … お好きな人はどうぞ。
★★ … つまんない。
★★★ … 退屈はしないしけっこう面白い。
★★★★ … 面白い。佳作/秀作。
★★★★★ … 天晴れ。傑作。

■表紙キャラは「本田雪彦(主人公)」
←今年の春あたりだったか、いつもの居酒屋でオッシーに「秋林さん、シャレードが好きだって云ってませんでしたっけ?谷崎泉は読まないんですか?看板作家なのに」と訊かれ、たしかにシャレードは好きだけど(理由:デザインや本文フォントが好みで、職業系モノが多いから)、云われてみれば、谷崎泉は「パンダ航空1〜3」しか読んでないなあ、でもあれはあんまり面白くなかった、たぶん谷崎センセの一人称が私好みでなかったのと、内容・キャラともに凡庸で印象に残らず、そのイメージがついて回って、どうしても他の著作に手を出す気にならなかったんだろうな…と、オッシーにそう理由を伝えたらば。

「じゃあ、『しあわせにできる』シリーズを読んだことないんですね。うわ〜、なんてもったいない!…そういえばこの前、Fさんに偶然ドトールで会ったんですけど、昔、Fさんと秋林さんが某社で一緒に働いていて、お互いとんでもなく忙しかったって話を聞いたんですよ。だったら『しあわせにできる』を読むべきです。絶対共感できます。英田サキが『ラブ>>>>>仕事』で好みじゃないというなら(←毎回そうとは限らないってば!)、谷崎泉は『ラブ≧仕事』ですよ。秋林さん好みのリーマンものだと思うし、僕大好きなんですよ、このシリーズ!」

と、現役営業リーマンにたいへん熱っぽく語られた以上、こりゃ一度読んでみないとあかんやん!…と、手に取ってみることにしたのですが。

『しあわせにできる』は完結した?
しかも最近最終巻が出たばかり――って…へ?いったい何冊出ているの?

答え:12冊

なんだたった12冊か、世の中もっと長いシリーズがあるってば、フジミなんてそのいい例じゃん?と云われても、私にとって12巻もの旅路は長い!…とりあえず古本屋でお試し購入した1巻が問題だ、投資額は105円なれどムダにはしたくない、果たして面白いんだろうか…と通勤電車の中で読み始めたら――うわ〜!とまらな〜い〜〜!?どうしよ〜!?ひ〜え〜!

その後、2〜12巻を定価で楽天&密林購入、1週間で読了。
…「12巻もの旅路」はどーした?

そして初夏、「シバタフミアキさんと運命の再会」を果たすきっかけとなった『最後のテロリスト(ラステロ)』(1巻だけ2007年上半期myベスト1)に遭遇。なんとこれもまた谷崎泉作品だったりで――結果、今年上半期にいきなり谷崎ブームが到来、他の著作にも手を出すことになったのでした…。

■シバタさんと運命の再会をしたときの話
http://diarynote.jp/d/25683/20070729.html
(『ラステロ1巻』の密林書評「シバタフミアキさんとの10年振り位の再会だと思います」を読んで、私と夜霧さんだけじゃなかった!やっぱり!…と、思わずほくそ笑み)

とゆーわけで、「谷崎泉スペシャル!」――始めま〜す。ひとり上手。

ISBN:4576051334 文庫 谷崎泉/陸裕千景子 二見書房 2005/08/26 ¥560
←楽天ショップで買えるんです。便利とゆーか、スゴイ時代になったとゆーか。ほかの本と合わせ、来週あたりに貯まったポイントで購入しようかなと考えてます。…まだ確定してナイけど。

つーわけで、この3連休中に「谷崎泉スペシャル!」を書こうと思っております。でもたぶん…3日ではムリ、1週間くらいズルズルとかかりそうっスね。言葉がふわ〜んと降りてこないと文章を綴れないタイプなので。時間がかかるんですよ。下書きなんてできないしー。

ふわ〜ん…と降りてきてから、少し考えて、書く。

考えすぎると作為的な文章(とオチ)になってしまう。それは絶対に避けたい。う〜む。たかがブログ、されどブログ。
←このヒトが、秋林内一番人気ジンジャー(デイビッド)です。

♪ぴんぽんぱんぽ〜ん♪
『SEX PISTOLS』11/7発売の12月号より再開予定、だそーです。

…ヨシ!
11月こそ賭けに勝って、オッシーに紀伊国屋でマガビー購入させてやるっ!

ISBN:4862630863 コミック 寿 たらこ リブレ出版 2006/12/09 ¥620
オッシーいわく――「ネットで本を購入しても、不在のことが多くて受取できないんです。隣の部屋のヤツ(注:オッシーは寮住まい)に間違って開けられでもしたら…ヤバイんですよね」。

…とゆーわけで、ここ数ヶ月間、毎月1日に発売してた新装版『SEX PISTOLS』(寿たらこ著。ジョン・ライドンのほうじゃないですよ、念のため)を、オッシーのために代理購入していた私です。

リブレ系は1日遅れで店頭に並ぶ場合があるので(ホクリークって田舎なの)、タイミングを逃して売り切れご免を食らったり、「もしかしてこの本屋にはあるかも?」と、望みが薄いとわかってても本屋行脚をついついしてしまったり――ムダな時間を過ごしてしまうことしばしば…だったりするんですが、先月なんかは、B’zのライブが始まる10分前(!)まで「『SEX PISTOLS』の…3巻〜3巻〜さんか〜ん!いったいどこよう!?」と、ついうっかり某本屋でウロウロ、ライブに遅刻マジ5秒前状態でした。……。

で、その『SEX PISTOLS』。
今月でめでたく新装版が出揃い、食事をかねてその4巻を昨日オッシーに渡してきたんですが。

……。
いくらちゃんこ屋の個室だからってさ、オッシーくん…あのね、目の前のおねーさんと鍋をほったらかし状態にして、読み出さないように!

さらに!

オッシー:「やっぱ面白いっスね〜♪(←超嬉しそう)…ところで秋林さん、どのキャラが好きです?」

私:「1位→デイビッド、2位→大将、(かなり離れて)3位→米国」

オッシー:「秋林さん、なんでデイビッドなんです??腐女子なのに米国1位じゃないなんて。どうしてデイビッドなんですか?」

私:「なんでって云われても…ほんのりタレ目男が好きだから…かな?」

オッシー:「(私の話を聞かずに)わかった!デイビッドのギャランドゥが好きなんでしょう〜♪」

私:「………。」

…たしかに寿たらこの描くギャランドゥはキライじゃない…。

…ってか、『SEX PISTOLS』って米国が一番人気なの?

みんな米国が好きなの?…いや、私もたしかに好きだけどさ。
デイビッド好きは私だけ??
ジンジャー、いいじゃん、かわいいじゃ〜ん!

ちなみにオッシーは――
「1位→熊樫先輩、2位→ノリリン、3位→マクシミリアン」

うっわ〜…こりゃ「オスの選択」だ。
……あ〜そうだったよ、忘れてた、オッシーってソッチの人だった。

あれ?しろ先輩がいないよ?
なんで?

ISBN:4862632548 コミック 寿 たらこ リブレ出版 2007/09/01 ¥620
←私が入り浸ってる「遊べる本屋」「サブカルの殿堂」こと、ヴィレッジヴァンガード(以下、V/V)には、これがちゃんと置いてあります。ちなみに三島由紀夫の『仮面の告白』も。V/Vでは、既刊のSF小説や海外小説などをよく購入します(思わぬ発見をするから)。マンガは、フツーの書店やマニア系書店にはあんまり置いてないものをよく見かけます。『オルフェウスの窓』や『SWAN』全巻はもちろん、細川智恵子『伯爵令嬢』全巻(しかも平積み!マジでたまげた!)あるかと思ったら、『のだめ』や多田由美の本がすべて揃っていたりします。ちなみにBLは、小野塚カホリあたりくらい。V/Vらしい選択だけど、私には守備範囲外の作家なんだよなあ…。

ルーツバトンです。

「いつ腐女子/腐兄の道に迷い込み、世界を知り、そのまま住人となってしまったのか?」から、過去・現在・未来、偏っているだろう(…)嗜好まで、設問はありますが制限・強制はございません、ご自由に語って下さい。

(秋林は長く語ってますが、これはあまりに暑くて、どこにも出かける気になれず、家にこもって本を読んだり、PCの前にいたりするからです。基本的にこんなに長く語る必要はありません、お好みで。暑いよう…うえ〜ん…)

■いつ頃、なぜこの道に?
故郷を目指して川を溯上る鮭になったつもりで、記憶を辿ってみると――う〜ん…中学2年生の夏休みかな?

読書感想文の課題図書一覧を見て、「厚さが薄い・本代が安い」という実に私らしい理由から、仏の女性作家コレット『青い麦』(注1)を選択したものの、これが何度読んでも登場人物の気持ちがさ〜っぱりわからなかった。登校日に職員室へと赴き、国語の先生に「わかりましぇん…」と泣きついたところ、その先生(女性)の机の上に、森茉莉『恋人たちの森』(注2)と、三島由紀夫『仮面の告白』(注3)が置いてあった(なんでだー!?)。「じゃあ先生、これ借りていい?」「う〜ん…いいけど、『青い麦』より理解できないかもしれないわよ?」という会話ののち、借りて読んでみたら――

なんでか(それなりに)理解できた。

…というわけで、私をこの道に導いたのは、JUNEでもBLでもなく、コッチ系純文学であり、そして「Y先生・森茉莉・三島由紀夫」の御三人だった。今思うに、Y先生は絶対コッチ系の人だったはず。そういう意味では、先生というより先輩だったのかも。尚、当時中2の私でも、『恋人たちの森』『仮面の告白』で感想文を書くのはかなりヤバイと感じ、お気に入りの作家である志賀直哉をチョイス、結局『城の崎にて』で感想文を提出。う〜ん、ひと夏の思い出。

【訂正】
間違ってました。『禁色』読んだのは中3、Y先生から借りたのは同じ三島由紀夫の『仮面の告白』でした。うわ〜すっかり忘れてた。あんなにショック受けたのに!…どっちにしろ、中学生が読むには早すぎる内容か…トホホ。あ、森茉莉は鴎外の娘さんです。

(注1)『青い麦』 シドニー・ガブリエル・コレット/堀口大学訳
舞台は南仏。15歳のフィルとヴァンカ、美貌の中年女性ダルレー夫人の三角関係な話。求めているヴァンカを突っぱねたフィルは、ある日、ダルレー夫人に食われてしまう。フィルとダルレー夫人、ひと夏のアバンチュール(しかも連夜)。最終的にフィルは捨てられ、ヴァンカのもとに戻ってくるが――とゆー、こんな話を中学2年生に読ませていいのか!?…な、甘酸っぱい青春恋愛小説。これって、いまも課題図書なの?

(注2)
(Amazonより引用)
『恋人たちの森』 森茉莉 改版版 (1975/04)
愛される少年。愛する男。男同士を嫉妬しながら少年を母のように抱く少女。そして、恋人を美少年の魅力から取り戻そうとする黄昏の女の破滅的な情炎。頽廃と純真の綾なす官能の世界を、言葉の贅を尽して描く表題作。愛する少年を奪われる前に殺し、自らも息絶えた男の鮮烈な最期。禁じられた恋の光輝と悲傷を雪の武蔵野に綴る『枯葉の寝床』など、鬼才のロマン全4編を収録。
(注3)
(三島由紀夫文学館HPより引用)
http://www.mishimayukio.jp/sakuhin36_1.html
『仮面の告白』 三島由紀夫 1949年(昭和24)7月5日 初版
「私」の性的な自叙伝。誕生から成人した現在までの「仮面」を被った「告白」である。「私」は女性に興味がなく、逞しい男に魅力を感じてきた。汚穢屋、兵隊、地下鉄の切符切り、落第してきた同級生らにである。戦争が激化する中で、園子に恋をするが性的な関心はもてない。戦後、他家に嫁いだ園子と密かな逢い引きをするが、そのときでも「私」の目は逞しい若者に引き付けられる。世界から疎外された悲しみを描いた作品。

三島由紀夫文学館サイトにある「私の好きな三島作品」で、『仮面の告白』を挙げている作家/評論家が全員男、だっつーのがまた…。

↓「私の好きな三島作品」(三島由紀夫文学館)
http://www.mishimayukio.jp/favorite.html
(辻仁成は相変わらず辻仁成だなあ)

ちなみに私は『苧莵と瑪耶』『宴のあと』『金閣寺』…かなあ?…でもそんなに三島は好きではなくて、私はどっちかというと、石坂洋次郎や、時代が前になるけど志賀直哉(小説の神様!)が好き。

■…で、その後、どうなりました?
とくに何も変わらず、そのまま高校に進学。そしたらクラスにコッチ系の子がいて、授業中、雑誌JUNEから切り取った『間の楔』が回ってきた(回すな〜〜っ!)。ドンガラピッシャーン!青天の霹靂。

JUNEは切り抜きで読んでいたので、全体像はよくわからなかったけれど、怪しげな雑誌らしいのに、吉田秋生や竹宮恵子が載っていてビックリした。マンガの投稿では、西炯子、杉本亜未、羅川真里茂が載っていて、数年後、他のマンガ誌に彼女たちのフツーの作品が掲載されているのを見て、しこたまビックリした。いま思うと、当時のJUNEはスゴかったなあ。

そのほか、「ボールは友だち」サッカーマンガや、「ろざんしょーりゅーはー!」な格闘(?)マンガの人気が高かった。前者は知ってたけど、後者は興味がなくてわからなかった。だって車田正美といえば、小学生の頃に読んだ「リングにかけろ!」(ギャラクティカ・ファントム!)と、「風魔の小次郎」のイメージだったもん。アニメは小学生の頃に「マクロス」で興味が終了したため、コッチ系の友だちにはついていけなかった。小説では「魔王伝」とか好きだったな〜。なので、高河ゆんを知ったのもこの頃。

「ボールは友だち」サッカーマンガは――クラスのコッチ系の子が、私に尾崎南(彼烈火…どなたか覚えてます?)を紹介、「こんなことしていいのか〜〜〜!?」。ドンガラピッシャーン!青天の霹靂(その2)。なので、「尾崎南、新連載!」の告知を集英社「週刊少女マーガレット」の誌上で見たときは、我が目を疑い、眼科へ行こうかとマジ思った。

↓そのときの話はこちら
http://diarynote.jp/d/25683/20070324.html
(柴田文明さんを知ったのもその頃か)

さらにショックだったのは、かなり昔に発行されたという触れ込みで回ってきた、ある手書き小説本。読んでみたら、「人工眼と変身能力を持つ合成人間が主人公、刑事とともに富豪の死の謎を解く」という話でたいへん面白かった…が、変身するためのDNA搾取(…)で、そーゆーことをする生々しい描写にビックリ。数ヶ月くらいのち、本屋さんに行ったら、原作者も絵の人も同じ「麻城ゆう&道原かつみ」、まったく同じ『帝王の庭』というタイトルで、なんと新書館からマンガが出ていた。ビックリして読んでみると、内容はあの小説とまったく同じ、ただ「変身するためのDNA搾取(…)でそーゆーことをする生々しい描写」が、すこーんと抜け落ちていた…。私ってばなんて本を読んだのよ!?…ドンガラピッシャーン!青天の霹靂(その3)。

そして、さらに回ってきた「CREDO」「SILVER CREDO」。黒川あずさ、波津彬子、坂井久仁江、こいでえみこ、立野真琴、竹田やよい、おおや和美というメンツが(いま思えば)スゴかったなと。立野真琴に至っては、「ミッキー&一也」シリーズより面白いやんか!と思った自分に、ドンガラピッシャーン!青天の霹靂(その4)。

コッチ系ではそんな高校生活を送ってたけど、どっちかといえば、映画や音楽のほうに時間を取ってたと思う…たぶん。

以降は、つかず離れず。
いつの間にか、BLというジャンルでコッチ系が市民権を得ていた。

■現在は?
あんまり変わらないかな〜?
ブログではコソコソしていますが、基本的にクローズドな雰囲気(腐女子間においてというイミでね)にはしたくないです。感想を書く際は、BLを知らない人にも読んで頂けるような表現をできるだけしようと努めています…って、そんな人は私のブログに寄り付かないか。

■ほかに云いたいことは?
1.面白い本があったら、教えて下さい。

2.なにげにホクリークはスゴイ作家の出身地です。
今市子、波津彬子、新田祐克…あと、立野真琴。

3.叫ばせて下さい。
ヴィレッジ・ヴァンガードな腐女子がいてもいーじゃんっ!

■バトンを回して下さい
まず、りょうさんに。どんぐり系の方には順に回りそうですが、ご自由に持って行って下さいまし。

個人的にメチャ興味があるのは、夜霧のネオンサインさんと翠さんと、私にカムアウトメールを下さったFさん。ご都合ある方ばかりですし、内容も内容ですし、ブログの主義もあると思いますので、とりあえずお名前だけ♪

…以上でーす。

ISBN:4101174016 文庫 森 茉莉 新潮社 1975/04 ¥580
■『公使閣下の秘密外交』
ISBN:481305045X コミック 新田祐克 大洋図書 2006/12/27 ¥680
「未来の義弟にひとつ秘密を持ってもらおう」
優れた能力と容姿故に、若くして在タイ公使として活躍する吉永孝司。外務省の実力者を父に持つ名家出身の白石智宏。
将来の義兄弟として出逢ったふたり・・・白石が新人外交官としてタイにやってきたことから男としての矜持と能力を賭けた戦いが始まる!!

新田祐克は、現在のBL界において「この人しか描けない」オンリーワンな存在、誰もマネできない作画と構成力、ストーリーテリングを持つマンガ家である。「新田祐克に似てるマンガ」なんぞ、私はこの10年読んだことがない。ありますか?>腐女子のみなさま

「新田マンガ」と云えば。ラブに翻弄されても、決して仕事へのプライドを忘れない男たち。紙面からギラギラ感垂れ流しの「そもさ〜〜ん!せっぱ〜〜!」なガチンコ勝負。常識と節度がぶっ飛んだストーリー展開にビックリエロ。アンビリーバボーなくせ、妙に説得力のあるセリフの数々…など、上手く云えなくてもどかしいのだが、とにかくたいへん特徴のある…って、えええ〜〜いっ!読めばわかるんじゃあああ!…という魅力(魔力?)を持つマンガである。そして電車の中では決して読めない。

そんな新田センセが大洋図書で始めた外交官シリーズが本作。昨年終了したホストシリーズ、現在好評連載中の『春を抱いていた』に次ぐ、代表作となるのではないだろうかと思っているのだが――これがまた相変わらず濃い、のである。

!以下、マジでネタバレ注意報!

部下:新人外交官×上司:エリート公使(こうし…大使に次ぐ席次の外交使節。B’zの稲葉浩志のことではない)。お得意の年下攻で、受は新田マンガ定番の「魔性の女王様(貞節ナシ)」、攻もこれまた定番だろう「いつの間にやら受に食われた元門外漢(ノンケとも云う)」。安易な陵辱というものは存在しない。だって新田マンガだから。

本作で重要ポイントなのは、攻(白石)の父親は事務次官、出世を求めて受(吉永)は白石の姉と婚約中――つまり将来は義兄弟というふたりの関係である。レディース以上のトンデモ不倫である。そしてさらに、タイ公使の身でありながら吉永は夜な夜な現地で男あさり…って、そんな外交官いていいのかっ!?変装してたって、そんなんバレるっつーの!…でもバレそうでバレない。だって新田マンガだから(免罪符)。

それにしても新田センセは手抜きをしない(とゆーか、知らないのかもしれない)マンガ家だ。作画だけじゃない、設定でも、である。ビックリトンデモ新田ワールドの舞台はあくまでも現実なのである。たとえば、マンガなんだからC国だのT国だのとボカしてもいいのに、ふたりの赴任地はタイ、仏大使や中国大使と折衝するシーンが堂々出てくる。議題は仏なら米国との貿易競争、中国なら靖国問題――実際と同じであり、しかもタイムリーである(シリーズスタートは2003年)。これホントにBLなのか!?と驚くと同時に、BLなだけに「この作品はフィクションであり、実際の事件・団体とは一切関係がありません」と断り書きがあっても、「C国になんぞ云われないだろうか…」と心配になってしまう私である。

上司と部下、義兄と義弟、不倫と禁忌、ラブの前に立ちはだかる問題にそれぞれの思惑、そしてプライドに使命。受にはなにやら過去があると示唆された1巻、今後の吉永と白石の駆け引きが楽しみである。白石!姉貴に負けるなよ!

評価:★★★☆(とりあえず様子見で面白い)
新田祐克なので特別扱いなのかもしれないが、さすが大洋図書、これもまた本の装丁とデザインが素晴らしい。

↓『公使閣下の秘密外交』装丁の話
http://diarynote.jp/d/25683/20070105.html
(フツーのコミックスと違って、ページを深く広げることができます)

ところで、本作を読み、10年ほど前に心交社から出た『踊るリッツの夜』(ショコラノベルズ)というBL小説を思い出した方はおられるだろうか?

現在は作家活動されていない(と思われる)長谷川忍さんが書かれた小説で、当時長谷川さんと組むことが多かった新田センセが、絵師を担当されていた。内容は「インドシナに副領事として赴任した妻帯者である外交官・雅広(受)と、現地に旅行でやって来た学生・明海(攻)との不倫の恋」。ふたりの関係は日本に戻ってきてからも続いたが、バレて別れ、数年のちに外交官となった明海が雅広の前に現れる――というようなストーリーだった。新田センセの絵師ぶりが素晴らしかったことを覚えている(本はいま手元にナイ)。

設定は多少違うものの、アジアが舞台、外交官による不倫の恋(しかも年下攻)な話を、10年経ってまた新田センセが描かれるなんてなあ…と、ちょっと遠い目になってしまった。

NO STAR … 論外/問題外作
★ … お好きな人はどうぞ。
★★ … つまんない。
★★★ … 退屈はしないしけっこう面白い。
★★★★ … 面白い。佳作/秀作。
★★★★★ … 天晴れ。傑作。
■『極上の恋人1〜2』
ISBN:4775509748 コミック 水名瀬雅良 オークラ出版 2007/06/12 ¥650
須田良海は、超ワガママで生意気な16歳の新人モデル。マネージャーの匡弘は、いつもその言動に手を焼いている。良海に強引に迫られて何度か体の関係は持ったものの、「良海レベルでは問題外」とまったく相手にしない匡弘。そのことで熱くなる良海に、トップモデルのアキトくらいになれば考えてやるとたきつけると、良海はアキトを超えてトップになってみせると宣言する。そして、これまでとは違う真剣な態度で、モデルの仕事にのめり込んでいくが――!?

オークラ出版といえば「肉体派!」、私にとって別惑星の出版社でしかなかったのに、絵の美しさではトップクラスの水名瀬雅良の単行本がこっから出てるんだから、あなどれん。内容は生意気高校生モデル×年上マネージャー(ただし男の影あり)、主人公(攻)がトップを目指していくモデル業界もの。う〜ん…絵が綺麗なのにストーリーとエロ、ともにインパクトがないなあ。とくにストーリーは、過去に少女マンガで何度も読んできた内容だ(ホモな設定は除く)。これ以上、感想の書きようがない。

水名瀬センセの作品は、挿絵業でしか見たことがなかったのだけど、マンガになると意外に絵が動かないのね。キメ顔とラインも同じ。綺麗なんだけど。やっぱり挿絵の人なのかな。そう思うと、各種業界モノで唯一無二な面白いものを毎回見せてくれる新田祐克(のあの個性と画力)は、そうとうスゴイってことか。つい「新田さんなら、これをどう描くかな?」と思ってしまった。う〜む。ちなみに1〜2巻同時発売だったので続巻ナシ思われた本作、なんと続きものだった。う〜ん、3巻買ってまで続きを読みたいとは思えない…ごめんちゃい。

評価:★★☆
つまらないことはないけど、オススメできる面白さを持つとまではいえない。絵はすごくキレイで、1枚絵で勝負できる人。やっぱ挿絵のほうがいいかも…というあたり、BL界のおおや和美か。あ、おおやさんってBL系とも云えるな。しまった。

NO STAR … 論外/問題外作
★ … お好きな人はどうぞ。
★★ … つまんない。
★★★ … 退屈はしないしけっこう面白い。
★★★★ … 面白い。佳作/秀作。
★★★★★ … 天晴れ。傑作。
■『秘書の嗜み』
ISBN:4862632076 鳩村衣杏 リブレ出版 2007/07 ¥893
有能でクールな『氷の秘書』・誉は、何かと構ってくる美丈夫・及川が苦手。ある日、泥酔した誉が目を覚ますと及川の温もりが! なんと誉に迫られたと言われ?? 更に誉は、なりゆきで及川の秘密―実は次期社長候補―を知る。戸惑う誉に及川は灼けるような愛を告げ、傲慢に同居まで決めてしまい…誉の心とカラダは及川の悦愛に翻弄されて!?強引年下攻と、秘蜜の淫潤愛!

奈良千春画伯のリブレデビュー本である。

あのリブレが画伯に目をつけないわけがない、いつかお目見えするだろうとは思っていたが、画伯といえば、「キラキラ黒紫系な表紙めくって、カラー口絵と裏表紙を見て、下を向いて終わる」レーベルでのお仕事が多かっただけに、「ホップでエッチ、セレブとイケメン」その華やかさでは業界No.1レーベルであるBBN、しかも絵付け先作家は「働く男、特殊リーマン専科」シャレードで定評のある鳩村衣杏とくれば、これは鬼畜でもヤクザでもマフィアでもないはず、うわ〜ん!画伯がフツーのリーマンものなんてぇえええ〜!…と、秋林、アニメイト(ヴィレッジヴァンガードに置いてくれ!)にてひとり感慨もひとしお、本作を手に取り、いつもの「画伯チェック」を(念のため)しようとしたら――

シュリンクかかっていて開けられなーいっ!!

………。
事前チェックができないのは心もとなかったが、書き手が鳩村衣杏なので無体なことはないだろう(たぶん)…という直感のもと、そのままレジへと直行、お買い上げ893円也。以下、感想。

!たいしたネタバレはありませんが、念のためネタバレ注意!

「社内一ナンパ男×カタブツ秘書」ちょっとしたツンデレ系、且つ、押しかけ男房攻(?)なリーマンもの。一見すちゃらかナンパ男でも仕事がデキる攻、カタブツな受、というパターンはBLにおいてありがちだが、「夜は社長の淫愛に翻弄されること」などとゆー、やたらインビに持って行きたがっているオビ惹句、そして、エロ系絵師(だと思われてる)奈良画伯に騙されてはいけなーい!本作はコメディタッチながらも、真っ当なリーマンものであーる!

主人公・誉(ちなみにメガネくん)の、滅私奉公で時代錯誤的な秘書ぶりが実に楽しい。なにもそこまで…と思うのだが、実生活でOLやってる私に云わせれば、会社に尽くしきってるマジメなリーマンというのはけっこういて、「定年になったら、この人はどうなるんだろう?」とつい心配になってしまう人がいたりする。誉もそのタイプ(極端だけど)なんだが、本作で注目すべきは、及川がラブアタックだけの攻ではなく、そんな誉の軌道修正をしているという点だ。プライドを傷つけないよう、まわりを見ながら、さりげなく誉を諭していく。もちろん個性を潰さずに。木を見ず森を見るタイプだな。う〜む、ウチのオフィスにも及川が欲しい。

そして、誉の部下である女性陣の好感度も高い。彼女たちが云っていることが私にはよくわかる。うん、そうなんだよね――「厳しい意見をぶつけてくれるのは、同等に扱ってくれてる証拠、期待されてるから」――面白いリーマンBL小説は、OLがイキイキと描かれているように思える。それはさらにOL系腐女子の共感を呼ぶ。その傾向がマンガより小説のほうに顕著なのは、作家業だけでなく、会社員やってる/やってた人が多いからなのかもしれない。鳩村センセがそうであるかはわかりません。念のため。

誉と及川の話に戻るが、ふたりの関係がラブに発展する経過は自然であり、誉が及川を認めていくエピソードの数々も、ナルホド説得力があり、面白い。そしてだれもいない駅待合のシーン。読んでいて、しっとりとした気分にさせられた(画伯の挿絵がまたいい雰囲気で…くうう!!バンバンバンバンバンっ!←机を叩く音)。上手いね。ただエロシーンになると、及川が甘すぎて私にはちょっと鬱陶しいのだが…誉みたいなカタブツタイプには、あれくらい甘いほうがいいのかもしれない。鬱陶しくても、私の好きな年下攻であることには変わりない。文句は(私にしては珍しく)云わないでおくか。

さすが鳩村衣杏、安心して読めるリーマンものな1本。

評価:★★★(なかなか面白い)
「えー!?けっこうホメてたのに三ツ星??」と云われそう。なんつーかその…上質だけど決め手に欠くとゆーか、なにか足りない。ガツンとくるパンチラインがない。「まとまってるね〜」で終わっている。まとまる以前なBLが多い中、よくできているんだけども。う〜む。しっかし…惹句にある「秘蜜の淫潤愛!」ってナニ!?>リブレ編集部…「淫潤」の意味も読み方もわかんなくて、辞書見ちゃったじゃない!…でもやっぱりわかんなかった。ガツンときたのが本編じゃなく惹句だった、っつーのもなあ…。

昨年半ばくらいから、奈良画伯のタッチが変わった。スレンダー時代(『窓』『エス1巻』)→般若時代(『エス4巻』『赤い呪縛』)を経て、繊細描線&トーン時代(『交渉人は黙らない』ほか)に突入とゆーか。絵の上手い人は、タッチを意識的に変え(大御所では井上雄彦センセ、コッチ系では茶屋町勝呂さんとか)、さらに上手くなっていく。今後も要チェックや!

ところで。本作にシュリンクがかかっていたのは、中に作家の手書き文字印刷物(ペーパー?)が入っていて、抜け落ち/抜き取り防止のためだと思われる。書店でポップを見ることはたまにあるけど、本に入っているのはリブレのBBN以外、あまり見かけないなあ。中身を確認できないのは困るけど、ペーパーは好き。「ふ〜ん、こーゆー字を書く人なのか〜」と身近に感じるから。できれば絵師の字も見たいんだけど…ダメ?

NO STAR … 論外/問題外作
★ … お好きな人はどうぞ。
★★ … つまんない。
★★★ … 退屈はしないしけっこう面白い。
★★★★ … 面白い。佳作/秀作。
★★★★★ … 天晴れ。傑作。
■『DEADSHOT』
ISBN:4199004408 英田サキ 徳間書店 2007/06/23 ¥560
ディックを復讐の連鎖から解放したい――。
宿敵コルブスの逮捕を誓い、捜査を続けるFBI捜査官のユウト。次のテロ現場はどこか、背後に潜むアメリカ政府の巨大な影とは……? ついに決定的証拠を掴んだユウトは、コルブスと対峙する!! ところがそこに現れたディックがコルブスの銃弾に倒れ……!? 執念と憎悪と恋情――刑務所から始まった三人のドラマが決着を迎える、衝撃のラストステージ!!

刑務所の囚人からFBI特別捜査官&CIAエージェント、という激しいジョブチェンジな展開を見せる本編を、絵師・高階佑による表紙カバー絵で見事表現している、個人的にいまだ攻の名前に抵抗が残るディック&ユウト「デッドなんちゃら」シリーズにして、ビックリジャングル大作戦!な第3巻(最終巻)である。

↓1〜2巻の感想はこちら
http://diarynote.jp/d/25683/20070621.html
(マジメに書いたつもりなんだけど…)

!マジでネタバレ注意報!

やー、参った、参った。コルブス追って、舞台はタックス着用セレブで煌びやかなパーティから、ナパーム弾炸裂のコロンビアジャングルへ!…ディック&ユウトのラブの行方、政治家の企みと麻薬問題、米軍にCIAにFBI、そしてドハデなドンパチ――英田兄貴が広げた風呂敷のあまりのデカさに、腐女子もビックリ!な展開を見せる最終巻である。

南米情勢と米国の関係(正直云えば、ツッコミたいところはあるのだが)、臨場感のある戦闘シーンなど、ソッチ系オタク向きにならないようあくまでも対象はBL読者、わかりやすい絶妙な書き込み具合ゆえに、トンチキかつトンデモな印象にならず、コルブスの最期は強引で唐突ではあったが、いちおう風呂敷(≒ストーリー)は畳まれた。しかも甘〜く終わっている(ディックに白のサマーサーターを着せるなんざ反則だー!腐女子を喜ばせるのが上手いなあ)。さすが英田兄貴と感心した。ただ、「私だったらラストシーンはあの場所、ワンコが出てきて、そしてあのセリフで終わらせるな〜、読み手にはナイショ、ふたりだけのヒミツ〜♪」などと思いながら読んでいたら、本当にそんなラストだったのには驚いた。時差テレパシーか。

しっかしなあ…BLだから甘く終わるのはわかるのだけども、あれほどの重傷を負ったディックに対し、ユウトはなぜ再会の際に「身体の具合はどうだ、大丈夫か」と尋ねなかったのか。そんなの再会してみりゃわかるじゃん、と云われても私には理解できない。ラブと仕事は比べられないと思うのだが、ユウトのラブ最重視なところは、どうしてもついていけない。FBI捜査官として中途半端に終わった上、刑事となる予定もどうなんだかという状況に対し、大して考えを持っていない、成長がみられないというのも引っかかる。そんな引っかかり感じる私は、腐女子の最末席組だろう。うん…これはそう思う私が悪い。「ごめんちゃい」だな。

絵師の高階佑は、最終巻の内容にはちょっとタッチが繊細かな?と思うけど、相変わらずカラーが綺麗。ただジェシカの絵があったらよかったなあ。綺麗な女性に描いてくれただろうに…と、これまた腐女子最末席からひとりごち。ジェシカと云えば、彼女は絶対にディックがゲイだと見抜いているね。女は敏感だから。

ラブまっしぐら!ハーレクインでハデめのストーリーが好きなお若い人にオススメのシリーズ。

そういえば兄貴――ユウトの父の死因は事故死?病死?どっちなの?

評価:★★★☆(なかなか面白い。英田兄貴が一生懸命書いていると伝わってきたのでプラス半星)
教授の口八丁ぶりに感動(手八丁にはとっくの昔に感動した)。新しい恋を見つけたようだし…あ〜よかった、よかった♪

ところで。私が引っかかってるもうひとつの理由は、攻が「優秀な元軍人・クール・ゲイ・金髪・碧眼・高身長・超ハンサム」、受が「日系米国人・信じられないくらい純粋・モラトリアム持ち・黒髪・黒眼・美形」、舞台が米国という設定、そして著者のリサーチ力が感じられる文章という点。どうしてもその…柏枝真郷『硝子の街にて』シリーズを思い出してしまう(タイムリーなことに夜霧さんが感想を書いておられたー!)。キャラの性格やストーリーなんかはまったく違うのに――と思ってたら、本作でこんな表現が出てきた。
ハリウッド女優も裸足で逃げ出しそうなすごい美女……(P103)
…………。
私ね、「映画スターも裸足で逃げ出しそうなハンサム」さんが好きだったの(注)――ううん、いまでも好きなのよ。「〜裸足で逃げ出しそうな〜」というのは、私がいっとき某所で大騒ぎした、絶対に忘れられないフレーズ。いままでこの表現をした作家は(私が知る限り)ひとりだけ。英田兄貴、『硝子の街にて』シリーズを読んでいたでしょ?…なんとなくそうじゃないかな〜と思っただけ。別に責めてないし、責めるような話でもないし。

NO STAR … 論外/問題外作
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★★ … つまんない。
★★★ … 退屈はしないしけっこう面白い。
★★★★ … 面白い。佳作/秀作。
★★★★★ … 天晴れ。傑作。

(注)「ハリウッドスター」ではなく「映画スター」でした。『虹』『友』で確認。ぐは!
1〜2ヶ月ほど前――キラキラ表紙の罰ゲーム攻略真っ最中の頃だったか、たまたま入った本屋さんの「今月の注目図書コーナー」に、←の本を含めたBL系小説本が「手にとってみんさーいっ!」とばかり、ドカドカっと置いてありました。何とはなしに近寄って物色してみると、さすが高階佑とゆーか、中でもっとも目立ったのが←。私もキラキラのアレがアレだっただけに、いつも以上に目が眩んでしまい、まともなチェックをしないまま、本を手に取りレジへと直行。おかげで「タイトルは『上海恋戯』、著者は水月真兎、出版社はリーフ」と知ったのは、帰宅後でした。

リーフ。
そう…今春倒産した、あのリーフ、ですよ。

…うわ!
私ってばリーフの死に水取っちゃったの!?
いや違うな、もう死んじゃってるから、遺骨を拾ったというべきか。………。

つまり、あの本屋さんの「今月の注目図書コーナー」に置いてあった本は、すべてリーフ出版物だったわけで――わざわざ「リーフ墓標コーナー」を作ってまで、本屋さんも在庫処理をしたかったのか…。

■『上海恋戯』
ISBN:4434078550 水月真兎 リーフ 2006/12 ¥893
大正11年―平民出身の海軍士官・真純は、突然の異動により危険人物と名高い高月宮明人の部下となった。皇族でもある高月宮の不埒な言動に最初は呆れる真純だが、その裏に隠された彼の優しさと孤独に触れ、次第に惹かれ始めていく。そんな中、金塊と引き換えに身の安全を求めていたロシア将校が失踪し、二人は急遽上海に向かうことに…。しかしそこには想像を超える陰謀と罠が待ち受けていて。

というわけで、秋林初めて読むリーフ系が遺骨本作となったのですが、ちょいと調べてみると、水月真兎はリーフの看板作家だったんですね。そっかあ、そうだったんだ〜…名前だけは聞いたことあったけど、まず私のフィールドには入ってこない作家&出版社だったので、高階佑による表紙に出会わなければ、手に取ることはなかっただろうなあ。これこそ一期一会(偽りナシで遺骨最後だ)であーる!…と気合を入れて読んだのですが。

……ダメだった。
繰り広げられたストーリーは、アタシの範疇外トンチキワールドだった。

私のように「陸者」と書いて「おかもの」と読み、逆風で速度が落ちると、「裏帆を打たれた〜」などと云ってしまうギークバカにとって、「色白で繊細な風貌のたいへん優秀な海軍士官」という設定は(いくらそのほうが受らしくても)、「海の男が色白だあ!?んなワケねーだろ!」となってしまうの。頼む、ウソは上手くついてくれい!…というより、そんなツッコミするヤツは読む資格のない、「きゃあ♪軍服♪」「大正浪漫のステキな軍人さん♪」と喜べる人向きな本なのかも。

それにしたって、いったいなぜ、いつ、どうやって高月宮と真純が恋に落ちたのかが、サッパリわからない。受の真純が軍人のわりに純真すぎるあたり、定番といえば定番だけど、あからさまな萌えシチュエーションを並べて押し切っただけ、ふたりの恋の経過(=変化するありさま)がまったく感じられない。鞍馬流ってなんだー!?そして突然のエロ。心情はいずこ?…そして、そのまま舞台が日本から上海へと変わっていくゴーインさ。まるでシベリア超特急のよう。私の手には負えない…。

表現の仕方と言葉の選択も気になる。真純のお姉さんである静佳が大和撫子(清楚で凛とし、一歩引いて夫に尽くす日本女性)で、ただ美しいだけではない賢い人でもある、という設定ならば、「麗人」じゃなく「佳人」なんじゃ?…キャラの名前もちーと現代的過ぎないだろうか?…う〜ん。

評価:★★(つまんない…星があるのは絵師が高階佑だから)
リーフはトンデモ設定とストーリーなレーベルだったのか。いやはや参ったなあ…と、以上が本編の感想で――ここから声を…いや、文字を赤く大にして云いたいっ!

高階佑の描く女性の、なんと美しいことよ〜〜っ!!

そのあまりの美しさに――秋林、ぼけーっと挿絵を眺めること3分×4=12分。

高階さんがお描きになるキャラは、男性より女性のほうが素敵だ。男性だったら、ロングショットより顔アップのほうが綺麗だと思う。なんて美しいんだろう…アンビリーバボー!…感動で言葉が出ない。「佳人画集」とかなんとか、どこかの出版社、高階さんの美人画集を出してくれないだろーか?いやホント、マジで!もし遺骨本作を本屋で見かけたら、P19・P53・P203・P225は必見。

ところで、高階さん…リーフからちゃんと原稿を返却してもらった?…ちょっと心配だー。

NO STAR … 論外/問題外作
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★★ … つまんない。
★★★ … 退屈はしないしけっこう面白い。
★★★★ … 面白い。佳作/秀作。
★★★★★ … 天晴れ。傑作。
…もういいや。7月は当ブログBL強化月間とゆーことで、開き直ってこのネタを続けます。そろそろ8月なるケド。……。

←先日これを楽天で注文したら、いきなり「ゴメン!実は品切れだったの」とドタキャンを食らいました。ガッデム。初版が少ないリブレ系なので、もう購入はムリかなと諦めていたら、近所の本屋さんでちゃんと売ってましたよ。なーんだ、あるじゃん!

ちなみにこんな真昼間に更新しているのは、会社を休んで家にいるからです。今日は用事があるの♪うふ♪

■『SASRA 1』
ISBN:486263205X 単行本 Unit Vanilla リブレ出版 2007/07 ¥893
金色の砂、灼熱の太陽。夢に見た砂漠へ旅立つ蓮は、怪しげなアートディーラー・剛将と出逢う。初対面なのに、なぜか彼と蓮だけが共有した、鷹の羽音の幻聴──それは遙かな昔に始まっていた、運命の恋の手がかりだった。転生を繰り返し、巡り会った二人の愛は果たして叶えられるのか!?
愛した罪の起源・エジプト編に加え、古代中国編ほか書き下ろし。
和泉 桂、岩本 薫、木原音瀬、ひちわゆか。超人気小説家集団「Unit Vanilla」始動!!

!ネタバレすらない、ファーストインプレッション程度の感想です!

いま話題になっている超人気小説家集団「Unit Vanilla」(構成メンバー:和泉桂、岩本薫、木原音瀬、ひちわゆか)によるリレー形式の小説で、テーマは「輪廻転生」なんだそうですが――いや〜、惹句にも力と気合が入ってますね。
この愛をBL界は待っていた!
BL界のヒットメーカー4人が奇跡の集結!
今ここに贈る最上のラブストーリー。

「数奇な運命により罪を犯した恋人たちは、生まれ変わるたびに恋に落ち――。」

…ナルホド。
輪廻転生のスタートは、やっぱり古代エジプトなのか。
BL版「海のオーロラ」だな、こりゃ。

まだ1巻を読んだだけですが、たいへんベタなラブストーリー集だなあという印象です。ロマンス小説の王道とでもいうか。「エロとじv」開けの私には、その清清しさが余計身にしみます。軽く目眩。ヒネらずストレート真っ向勝負してくることは、意外に難しいものだと思いますし…たまにはこんなのもいいんじゃないでしょうか。時代考証は気になりません。重箱の隅を突っつくなんざ、ヤボです。企画モノだし。

私はリブレ系作家をあまり読まないため、誰がどの回を担当したのかわかりません。木原作品ならわかるかもしれませんが、他の三人に合わせるため、文体と表現を変えてくるに違いない、絶対そーにきまってる!と思っているので、まだなんともいえません(全部読んでないから)。ちなみに私めは、「岩本薫は初めて読む、和泉桂はたまーに読む、ひちわゆかは10年前に『お願い!ダーリン』で私を大激怒させて以来(本音を云うと、まだ許せない)読む」です。

しっかし…これもまた、「4冊コンプリートで特別小冊子全員サービス」なる企画があるのか。全サ地獄だなあ。社会人にとっては、ただでさえメンドクサイ小為替購入なのに、800円分送らなきゃいけないんですか?…高い。「せめて切手可にして」という人は多そうだー。どのみち私は、送る予定ナシ。結成だって企画、内容だって企画、ならばオマケも企画。最後まで企画づくめなシリーズ。う〜む。

とりあえず、現時点における私の印象は「ふ〜ん」な一冊。
…構成メンバーが違っていたら、また違う印象だったかも?

なお、「Unit Vanilla」の活動は、大洋図書SHY Novelsでも来年に企画があるだとかで、私なんかはそっちのほうに興味があるな…。
←今年4月、恩田陸の本の隣に置いてあったこれを見たとき、どっかの出版社からリリースされた、ごくごくフツーの青春小説だと思い込んでしまって、「シンプルだけど印象的な表紙だな」程度しかチェックしてなかったんですよ。その1ヵ月後、今度は別の本屋さんにて、BL新刊コーナーに平置きされているこれの2巻を発見、そしてビックリ。「え!?シャレード文庫??」慌てて手に取ってみれば、作家は谷崎泉「パンダ航空の人」。たしかにシャレード!…そしてなんとなく気になってた表紙、BLっぽくない絵――これを手がけた絵師はどなた?と、名前を確認してみれば、「シバタフミアキ」。シバタ…シバタ…シバタ…シ…バ…タ…フ…ミ…ア…キ…シバタフミアキ!?って、あの柴田文明さん!?…ってか、もしかしなくても、「シバタフミアキ」という名前は、柴田さんしかいないっつーのっ!

ギャラクティカ・ファントム!!!!

……まさかまさかまさか。
あの柴田文明さんと、こんな再会(本屋で!しかもBL文庫で!)を果たすとは、夢にも思っておりませんでした。大衝撃。気付かなかった…。

理由1:昔に比べて画力が格段に上がり、タッチも変わって実に垢抜けていたから。

理由2:シバタさんは私の青春時代に棲む「アディダスでサッカーボーイなBAUHAUSの人」、その懐かしさゆえ、しばし頭の中が思い出走馬灯になってしまったから。

理由3:シバタさんは、もともとBL系ではなく、そんな方がBL文庫の挿絵を手がけたことに心底たまげたから。

理由4:この本のページをめくれば、そんなシバタさんが描かれたそーゆー絵が出てくるなんて信じられない、でも谷崎作品にそーゆーシーンがないわけがない、となればそーゆー絵だってちゃんと出てくるはず…シバタさんはそーゆー絵を、いったいどーゆー風にお描きになったんだろう?…と、妙な期待と不安が入り混じりのフクザツな気持ちになったから。

もし、本屋さんで「ラステロ」を手に取り、口を開け、じ〜っと見つめている人がいれば、それはたぶん、頭の中で私と同じ走馬灯がまわっている真っ最中な人だと思われます。数日前、書泉ブックマートにてそーゆー人を見かけた方、それは夜霧さんですから♪(コラ!>秋林)

この再会をきっかけに、いろいろと調べてみたところ、シバタフミアキさんは別ペンネーム「大武ユキ」でお仕事をされていて、ゲームのキャラデザインなども手がけていらっしゃるそうです。

↓大武ユキ公式サイト「SOCCER-BOY.COM」
http://soccer-boy.com/index.html
(カッコいいですよー!)

今回、BL文庫で挿絵を手がけるにあたり(挿絵業は初めてなんだそう)、ペンネームを大武ユキではなく柴田文明、でも表記は「シバタフミアキ」とカタカナにし、公式サイトでお仕事情報を流しながらも二見書房にリンクを貼らない理由が、なんとなくわかります…ってか、私も同じ立場だったら、たぶんそうするだろうなー。

以上、思い出走馬灯語りでした♪
←奈良千春画伯がお描きになった表紙。思わず表紙買いしそうになったけど、作家が樹生かなめだったのでやめた。キライなんじゃなく、そのときは樹生かなめを読む気持ちになれなかったから。ちなみにレーベルは講談社X文庫ホワイトハート。だからWHは先が読めないのよね…。

バトンのQ(質問)に対するA(回答)です。

Q1:2007年発売で今のところ1番面白いBL小説
とりあえず私の上半期ベスト3を挙げておきます。私の場合、BL小説は「本編+挿絵」で評価する傾向にあるため、以下の3冊は「内容と絵が好みで面白かった作品」となります。

1.『最後のテロリスト 1 <胎動>』谷崎泉/シバタフミアキ シャレード文庫 二見書房
2.『交渉人は黙らない』榎田尤利/奈良千春 SHY Novels 大洋図書
3.『牛泥棒』木原音瀬/依田沙江美 Holly NOVELS 蒼竜社

1位は「ラステロ」1巻。ホントは1〜3巻と書きたかったの、でも私のハートを撃ち抜いたのは1巻だけ。2〜3巻が面白くなかったんじゃないの、理由は別にあるの…。感想はまた後日。

2位の『交渉人は黙らない』は、なんといってもコメディという点が評価大。だって感動させるより笑わせるほうが数段難しいもの。エダ作品はリブレ(ビーボーイノベルズ)より大洋図書(SHY Novels)のほうが面白いと思う。SHYのほうがエンタテイメント性が高いから。

3位は『牛泥棒』。寓話っぽい時代モノが好きだから。木原作品はこれまでそれなりに読んできたけど、キャラが(攻・受ともに)好きだと思ったのはこれが初めて。何度も読み返したのもこれが初めて。電車の中で読めたのもこれが初めて。うっひゃー。気が向いたらちゃんとした感想を書きます。

Q2:あらすじも見ずに作家買いする作家さん(最高3名)
小説系ではいません。必ずなんらかの秋林チェックを受けてもらいます(エラソー)。

Q3.思わず挿絵買いしてしまうレーターさん(最高3名)
必ずチェックするのは奈良画伯くらいですが、購入するかどうかはやはり本編が決め手。でも、見たことのない/「なんでこの人がBLに!?」と驚いてしまうような人の場合、買ってしまう傾向にあります。「ラステロ」のシバタさんがいい例。

以上です♪
←昨年もっとも話題になり、腐女子を夢中にさせたBLシリーズは、たぶんコレなんじゃないでしょうか?…終了記念全員サービス小冊子があったそうだし(私はトーゼン読んでない)、さらに書き下ろし短編が付いているドラマCDまで出ている、とかなんとかで、完結しても英田兄貴はまだ『エス』(大洋図書)から離れられないのね…という印象です。この前、本屋さんに置いてある『エス』を見たら、「第五刷」だって!ひーえー!

小説レーベル1行感想バトンの続きです。

13.SHY Novels(大洋図書)
印象:装丁がいい。作家・絵師ともに実力派が多く、面白い。秋林好印象レーベル。
作家:榎田尤利、英田サキ、剛しいら、松田美優

装丁がとにかく好き。幅がやや狭いため、手収まりが良い。bk1でDLしたA4サイズのブックカバーをかけても、代に余裕が出るところが嬉しい。本編に合ったタイトルロゴ、背表紙の雰囲気、すべて良し。デザイナーはいい仕事してるなあ。絶賛。

14.ビーボーイノベルズ(リブレ出版)
印象:ポップでエッチ、セレブとイケメン。初版が少ない。値段が高い。
作家:岩本薫、ひちわゆか、木原音瀬、榎田尤利

BL大手だけど、実はあんまり相性が良くなかったり…うーん。それはたぶん、私がセレブに興味がないから。せめてデザイン、もうちょっと良くならないかなあ(とくに背表紙)、と。

15.Holly NOVELS(辰巳出版/蒼竜社)
印象:「Holly NOVELS」と書いて「コノハラノベルズ」と読む。木原音瀬ならココ。
作家:木原音瀬(…しか知らない)

16.ラヴァーズ文庫(竹書房)
印象:エロ度高め。黒紫系。裏表紙まで激しい。でも奈良千春画伯がああああ!!
作家:ふゆの仁子、いおかいつき、夜光花

あのね…奈良画伯大好きな私でも、ここのレーベルは1冊も持ってないの……画伯が挿絵を手がけた本は、本屋さんで必ず手に取るのよ、でも…表紙めくって、カラー口絵と裏表紙を見て、下を向いて終わるのよ…エロ系ヤクザ絵師と思われてる奈良画伯だけどね、画伯のマンガを読めるのは、実は大洋図書から出ているセンシティブ系「CRAFT」だってこと、みんな知ってるのかしら…。……。

17.リンクスロマンス(幻冬舎)
印象:よくわからない
作家:よくわからない

18.アクアノベルズ/アイスノベルズ(オークラ出版)
印象:オークラ出版はニガテ。手が出ない/出せないレーベル。
作家:知らない。

19.ショコラノベルス(心交社)
印象:むかーし読んだ。「長谷川忍+新田祐克」。
作家:知らない。

あれ??…ピアスノベルズ(マガジン・マガジン)って、なかった?じゃあ――

20.ピアスノベルズ(マガジン・マガジン)
印象:レーベル名が変わってもJUNEはJUNE。ニガテ。好みなのは、ぜーんぶクリスタル文庫へ。
作家:水原とほる、バーバラ片桐、綺月陣

番外:リーフノベルズ(リーフ出版)
印象:…合掌。
作家:水月真兎

…こんな感じでしょうか?

Q(質問)に対するA(回答)は、また後ほど。
←これがBLとは誰も気付かないでしょうね。恩田陸の本の隣に置いてあってもダイジョブ。この「ラステロ」については、山ほど語りたいことがあるので、後日感想を書く予定です。とりあえず云いたいのは――でかしたシャレード!よくぞシバタフミアキ(柴田文明/大武ユキ)を絵師に引っ張ってきた!本屋で叫びそうになったじゃんよう…ってか、ちょっと叫んでオッシーに「なにごとですか?」と云われちゃった。テヘ♪

小説レーベル1行感想バトンの続きです。

9.シャレード文庫(二見書房)
印象:社会人・リーマン・特殊業界モノに強い、大人向け(エロという意味ではない)の秋林好印象レーベル。本編の書体と装丁が好き。谷崎泉ならココ。
作家:谷崎泉、鳩村衣杏、高遠琉加、中原一也

ちょっと語らせて下さいよう。「シャレード」本誌を読んだことがナイ(!)のでエラソーなこと云えないんですけど、このレーベル、やたらと特殊職業モノが多くないっスか?…リーマン・医者・刑事・ヤクザにとどまらず、占い師とか養蜂家とかマグロ漁師とか山岳警備隊員とか。そんなの、シャレードでしか読めないんじゃ?…そーいえば、山田ユギのマンガ『夢を見るヒマもない』(なにげにシャレードコミックスである)だって航空業界モノ。編集者は作家に渡す参考文献探しでタイヘンだろうなー。あ、逆か。参考資料&文献探しておいて、それから作家に「こんな職業モノ、どうですか?」と打診するのかも。20代後半〜30代腐女子で、リーマン系が好き、そして落ち着いて読みたい人にオススメしたいレーベル。大人向き。

10.ガッシュ文庫(海王社)
印象:印象がない。縁がない。これからもない。
作家:知らない。

11.クリスタル文庫(成美堂出版)
印象:最近どうなってるの?新刊リリースは?
作家:柏枝真郷、榎田尤利、吉原理恵子

成美堂出版は、むかーしJUNEに掲載された、人気かつ代表作を文庫化しているというイメージ。『間の楔』『DESPERADOシリーズ』『魚住くんシリーズ』など。BL系出版社は男性向けエロ文庫を出してるところが多いけど、基本的にココは実用書出版社だしなあ。あんまりBLに力入れてなさそう。

12.ダリア文庫(フロンティアワークス)
印象:フロンティアワークスってアニメ系なの?だったらわかんない。
作家:知らない。

続く。
←オビ惹句付き表紙を選んでみました。内容・イラストともに私が好きなのは、『雪』『家』『朝』『宵』の4冊。リンクして下さってる方の中には、私の大騒ぎをよくご存知の方もおられるかと。茶屋町先生は、作品のイメージ通りのイラストを10年間ずっと描いて下さったと思います。

小説レーベル1行感想バトンの続きです。

5.X文庫ホワイトハート(講談社)
印象:ファンタジー系・BL系・ニアの混在が顕著。気合の入ったオビ惹句。多種多様な作家ラインナップ。厚さと比例した流動価格(薄ければ安い、厚ければ高い)。
作家:柏枝真郷、とみなが貴和、駒崎優、榎田尤利、小野不由美

ちょっと語らせて下さいよう。この文庫がなかったら、いま私はここでブログ書いてませんし、闇の裏シド管理人(…誰ソレ?)だって存在してませんでした。……。それにしても、講談社WH編集部は、WHをどこへ持って行きたいの?…最近、ますます行く末が読めなくなった。講談社のノブユキさんはお元気かな?

6.ルチル文庫(幻冬舎)
印象:よくわからない
作家:よくわからない

7.花丸文庫(白泉社)
印象:ノベルズなら「黒羽と鵙目」。白泉社にBLレーベルはいらないんじゃ?
作家:ノベルズだったら花郎藤子

8.ラピス文庫/プラチナ文庫(フランス書院内プランタン出版)
印象:私をよく返り討ちにしてくれる、ドナドナ(借金・奴隷)レーベル。でも奈良千春画伯がああああ!!
作家:沙野風結子、朝月美姫

公式サイトを見に行ったら、「まのあそのか イラスト:ふくやま省子」という作品を発見、思わず遠い目に。

続く。
鯖落ちから復活です。

今回は長かったなあ。「突然サービス終了!?」と青くなりました。終了するなら、バックアップ機能は必ず付けてからにして欲しいです。予告もプリーズ。

以下、回ってきた「小説レーベル1行感想バトン」の回答を。

1.ルビー文庫(角川書店)
印象:JUNE→BLなワイン色レーベル。厚さ薄め。独創的な惹句。
作家:秋月こお、栗本薫、柏枝真郷、吉原理恵子、ごとうしのぶ、南原兼、黒崎あつし

ちょっと語らせて下さいよう。あのですね…ルビー文庫は、最初スニーカー文庫として創刊され(栗本薫が角川にヨイショしたんじゃなかったっけ?)、トーゼン私もチェック、第1回(だったと思う)リリース作品群に、「JUNEを代表する古典的名作」と聞いていた野村史子著/麻々原絵里依画『レザナンス・コネクション』を見つけたので、購入した覚えがあります。その後、一般ライトノベルと区別化するためBL系が独立、ルビー文庫が誕生したはず。間違ってます?…そーゆーわけで、看板作家と云えばJUNE系作家の名前がまず浮かんできます。現在は、本屋さんでワイン色表紙を眺めるくらいなので、状況がわからない…。

――なにィ!?
ごとうしのぶ 『そして春風にささやいて』が、実写映画化 だとーっ!?

………。
世の中、ホントに変わったのね…。

2.キャラ文庫(徳間書店)
印象:意外と老舗。クリーン。書体スッキリで本編の紙が白い。
作家:松岡なつき、五百香ノエル

3.ディアプラス文庫(新書館)
印象:可愛らしい。パステル調。キャラ文庫と似ているような?
作家:前田栄、五百香ノエル、松岡なつき

4.コバルト文庫(集英社)
印象:ティーンズ文庫の草分け、カジュアルなあとがき文学を作ったレーベル。歴史を変えたのは桑原水菜。
作家:大昔→氷室冴子、新井素子、赤川次郎、久美沙織、火浦功
現在→桑原水菜、若木未生、金蓮花、あさぎり夕

ちょっと語らせて下さいよう。あのですね…コバルト文庫は、ティーンズ文庫として由緒正しきレーベルで、私め、小中学生の頃にはたいへんお世話になり、本誌も買っていました。赤川次郎『吸血鬼よ、故郷を見よ』、新井素子『ブラックキャット』、氷室冴子『なぎさボーイ』『多恵子ガール』『北里マドンナ』が好きでした。BLなんてなかったよー…ってか、BLなんて言葉すらない時代だったから、トーゼンっスね。

「大手出版会社と契約しているマンガ家は、連載中、その所属出版社以外の雑誌に作品は載らない。ただし、挿絵業は別である」と、教えてくれたのもココ(その後、JUNEで吉田秋生の挿絵を見たとき「間違ってなかった」と確信)。だって集英社文庫なのに、『なぎさボーイ』シリーズの挿絵は、小学館専属(だと思う)渡辺多恵子だったもの。忘れられなーい!…ちなみに、直木賞作家である唯川恵のデビューはこのコバルトで、単行本デビュー作『青春クロスピア』は買って読みました。そんなティーンズ文庫だったのに、桑原水菜が歴史を変えたー!…恐るべし。ちなみに現在、これもまた私にとっては表紙を眺めるレーベル。読まなくなりました。

ライトノベルに「カジュアルなあとがき」があるのは、コバルトの影響かと。新井素子の「えっと、これは私にとって〜目の本で〜」から始める有名なあとがきは、忘れられましぇん。

続きます。ゴハン、食べたいっス。

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