…もういいや。7月は当ブログBL強化月間とゆーことで、開き直ってこのネタを続けます。そろそろ8月なるケド。……。
←先日これを楽天で注文したら、いきなり「ゴメン!実は品切れだったの」とドタキャンを食らいました。ガッデム。初版が少ないリブレ系なので、もう購入はムリかなと諦めていたら、近所の本屋さんでちゃんと売ってましたよ。なーんだ、あるじゃん!
ちなみにこんな真昼間に更新しているのは、会社を休んで家にいるからです。今日は用事があるの♪うふ♪
■『SASRA 1』
ISBN:486263205X 単行本 Unit Vanilla リブレ出版 2007/07 ¥893
!ネタバレすらない、ファーストインプレッション程度の感想です!
いま話題になっている超人気小説家集団「Unit Vanilla」(構成メンバー:和泉桂、岩本薫、木原音瀬、ひちわゆか)によるリレー形式の小説で、テーマは「輪廻転生」なんだそうですが――いや〜、惹句にも力と気合が入ってますね。
…ナルホド。
輪廻転生のスタートは、やっぱり古代エジプトなのか。
BL版「海のオーロラ」だな、こりゃ。
まだ1巻を読んだだけですが、たいへんベタなラブストーリー集だなあという印象です。ロマンス小説の王道とでもいうか。「エロとじv」開けの私には、その清清しさが余計身にしみます。軽く目眩。ヒネらずストレート真っ向勝負してくることは、意外に難しいものだと思いますし…たまにはこんなのもいいんじゃないでしょうか。時代考証は気になりません。重箱の隅を突っつくなんざ、ヤボです。企画モノだし。
私はリブレ系作家をあまり読まないため、誰がどの回を担当したのかわかりません。木原作品ならわかるかもしれませんが、他の三人に合わせるため、文体と表現を変えてくるに違いない、絶対そーにきまってる!と思っているので、まだなんともいえません(全部読んでないから)。ちなみに私めは、「岩本薫は初めて読む、和泉桂はたまーに読む、ひちわゆかは10年前に『お願い!ダーリン』で私を大激怒させて以来(本音を云うと、まだ許せない)読む」です。
しっかし…これもまた、「4冊コンプリートで特別小冊子全員サービス」なる企画があるのか。全サ地獄だなあ。社会人にとっては、ただでさえメンドクサイ小為替購入なのに、800円分送らなきゃいけないんですか?…高い。「せめて切手可にして」という人は多そうだー。どのみち私は、送る予定ナシ。結成だって企画、内容だって企画、ならばオマケも企画。最後まで企画づくめなシリーズ。う〜む。
とりあえず、現時点における私の印象は「ふ〜ん」な一冊。
…構成メンバーが違っていたら、また違う印象だったかも?
なお、「Unit Vanilla」の活動は、大洋図書SHY Novelsでも来年に企画があるだとかで、私なんかはそっちのほうに興味があるな…。
←先日これを楽天で注文したら、いきなり「ゴメン!実は品切れだったの」とドタキャンを食らいました。ガッデム。初版が少ないリブレ系なので、もう購入はムリかなと諦めていたら、近所の本屋さんでちゃんと売ってましたよ。なーんだ、あるじゃん!
ちなみにこんな真昼間に更新しているのは、会社を休んで家にいるからです。今日は用事があるの♪うふ♪
■『SASRA 1』
ISBN:486263205X 単行本 Unit Vanilla リブレ出版 2007/07 ¥893
金色の砂、灼熱の太陽。夢に見た砂漠へ旅立つ蓮は、怪しげなアートディーラー・剛将と出逢う。初対面なのに、なぜか彼と蓮だけが共有した、鷹の羽音の幻聴──それは遙かな昔に始まっていた、運命の恋の手がかりだった。転生を繰り返し、巡り会った二人の愛は果たして叶えられるのか!?
愛した罪の起源・エジプト編に加え、古代中国編ほか書き下ろし。
和泉 桂、岩本 薫、木原音瀬、ひちわゆか。超人気小説家集団「Unit Vanilla」始動!!
!ネタバレすらない、ファーストインプレッション程度の感想です!
いま話題になっている超人気小説家集団「Unit Vanilla」(構成メンバー:和泉桂、岩本薫、木原音瀬、ひちわゆか)によるリレー形式の小説で、テーマは「輪廻転生」なんだそうですが――いや〜、惹句にも力と気合が入ってますね。
この愛をBL界は待っていた!
BL界のヒットメーカー4人が奇跡の集結!
今ここに贈る最上のラブストーリー。
「数奇な運命により罪を犯した恋人たちは、生まれ変わるたびに恋に落ち――。」
…ナルホド。
輪廻転生のスタートは、やっぱり古代エジプトなのか。
BL版「海のオーロラ」だな、こりゃ。
まだ1巻を読んだだけですが、たいへんベタなラブストーリー集だなあという印象です。ロマンス小説の王道とでもいうか。「エロとじv」開けの私には、その清清しさが余計身にしみます。軽く目眩。ヒネらずストレート真っ向勝負してくることは、意外に難しいものだと思いますし…たまにはこんなのもいいんじゃないでしょうか。時代考証は気になりません。重箱の隅を突っつくなんざ、ヤボです。企画モノだし。
私はリブレ系作家をあまり読まないため、誰がどの回を担当したのかわかりません。木原作品ならわかるかもしれませんが、他の三人に合わせるため、文体と表現を変えてくるに違いない、絶対そーにきまってる!と思っているので、まだなんともいえません(全部読んでないから)。ちなみに私めは、「岩本薫は初めて読む、和泉桂はたまーに読む、ひちわゆかは10年前に『お願い!ダーリン』で私を大激怒させて以来(本音を云うと、まだ許せない)読む」です。
しっかし…これもまた、「4冊コンプリートで特別小冊子全員サービス」なる企画があるのか。全サ地獄だなあ。社会人にとっては、ただでさえメンドクサイ小為替購入なのに、800円分送らなきゃいけないんですか?…高い。「せめて切手可にして」という人は多そうだー。どのみち私は、送る予定ナシ。結成だって企画、内容だって企画、ならばオマケも企画。最後まで企画づくめなシリーズ。う〜む。
とりあえず、現時点における私の印象は「ふ〜ん」な一冊。
…構成メンバーが違っていたら、また違う印象だったかも?
なお、「Unit Vanilla」の活動は、大洋図書SHY Novelsでも来年に企画があるだとかで、私なんかはそっちのほうに興味があるな…。
本屋で思い出走馬灯
2007年7月29日 Rotten Sisters!
←今年4月、恩田陸の本の隣に置いてあったこれを見たとき、どっかの出版社からリリースされた、ごくごくフツーの青春小説だと思い込んでしまって、「シンプルだけど印象的な表紙だな」程度しかチェックしてなかったんですよ。その1ヵ月後、今度は別の本屋さんにて、BL新刊コーナーに平置きされているこれの2巻を発見、そしてビックリ。「え!?シャレード文庫??」慌てて手に取ってみれば、作家は谷崎泉「パンダ航空の人」。たしかにシャレード!…そしてなんとなく気になってた表紙、BLっぽくない絵――これを手がけた絵師はどなた?と、名前を確認してみれば、「シバタフミアキ」。シバタ…シバタ…シバタ…シ…バ…タ…フ…ミ…ア…キ…シバタフミアキ!?って、あの柴田文明さん!?…ってか、もしかしなくても、「シバタフミアキ」という名前は、柴田さんしかいないっつーのっ!
ギャラクティカ・ファントム!!!!
……まさかまさかまさか。
あの柴田文明さんと、こんな再会(本屋で!しかもBL文庫で!)を果たすとは、夢にも思っておりませんでした。大衝撃。気付かなかった…。
理由1:昔に比べて画力が格段に上がり、タッチも変わって実に垢抜けていたから。
理由2:シバタさんは私の青春時代に棲む「アディダスでサッカーボーイなBAUHAUSの人」、その懐かしさゆえ、しばし頭の中が思い出走馬灯になってしまったから。
理由3:シバタさんは、もともとBL系ではなく、そんな方がBL文庫の挿絵を手がけたことに心底たまげたから。
理由4:この本のページをめくれば、そんなシバタさんが描かれたそーゆー絵が出てくるなんて信じられない、でも谷崎作品にそーゆーシーンがないわけがない、となればそーゆー絵だってちゃんと出てくるはず…シバタさんはそーゆー絵を、いったいどーゆー風にお描きになったんだろう?…と、妙な期待と不安が入り混じりのフクザツな気持ちになったから。
もし、本屋さんで「ラステロ」を手に取り、口を開け、じ〜っと見つめている人がいれば、それはたぶん、頭の中で私と同じ走馬灯がまわっている真っ最中な人だと思われます。数日前、書泉ブックマートにてそーゆー人を見かけた方、それは夜霧さんですから♪(コラ!>秋林)
この再会をきっかけに、いろいろと調べてみたところ、シバタフミアキさんは別ペンネーム「大武ユキ」でお仕事をされていて、ゲームのキャラデザインなども手がけていらっしゃるそうです。
↓大武ユキ公式サイト「SOCCER-BOY.COM」
http://soccer-boy.com/index.html
(カッコいいですよー!)
今回、BL文庫で挿絵を手がけるにあたり(挿絵業は初めてなんだそう)、ペンネームを大武ユキではなく柴田文明、でも表記は「シバタフミアキ」とカタカナにし、公式サイトでお仕事情報を流しながらも二見書房にリンクを貼らない理由が、なんとなくわかります…ってか、私も同じ立場だったら、たぶんそうするだろうなー。
以上、思い出走馬灯語りでした♪
ギャラクティカ・ファントム!!!!
……まさかまさかまさか。
あの柴田文明さんと、こんな再会(本屋で!しかもBL文庫で!)を果たすとは、夢にも思っておりませんでした。大衝撃。気付かなかった…。
理由1:昔に比べて画力が格段に上がり、タッチも変わって実に垢抜けていたから。
理由2:シバタさんは私の青春時代に棲む「アディダスでサッカーボーイなBAUHAUSの人」、その懐かしさゆえ、しばし頭の中が思い出走馬灯になってしまったから。
理由3:シバタさんは、もともとBL系ではなく、そんな方がBL文庫の挿絵を手がけたことに心底たまげたから。
理由4:この本のページをめくれば、そんなシバタさんが描かれたそーゆー絵が出てくるなんて信じられない、でも谷崎作品にそーゆーシーンがないわけがない、となればそーゆー絵だってちゃんと出てくるはず…シバタさんはそーゆー絵を、いったいどーゆー風にお描きになったんだろう?…と、妙な期待と不安が入り混じりのフクザツな気持ちになったから。
もし、本屋さんで「ラステロ」を手に取り、口を開け、じ〜っと見つめている人がいれば、それはたぶん、頭の中で私と同じ走馬灯がまわっている真っ最中な人だと思われます。数日前、書泉ブックマートにてそーゆー人を見かけた方、それは夜霧さんですから♪(コラ!>秋林)
この再会をきっかけに、いろいろと調べてみたところ、シバタフミアキさんは別ペンネーム「大武ユキ」でお仕事をされていて、ゲームのキャラデザインなども手がけていらっしゃるそうです。
↓大武ユキ公式サイト「SOCCER-BOY.COM」
http://soccer-boy.com/index.html
(カッコいいですよー!)
今回、BL文庫で挿絵を手がけるにあたり(挿絵業は初めてなんだそう)、ペンネームを大武ユキではなく柴田文明、でも表記は「シバタフミアキ」とカタカナにし、公式サイトでお仕事情報を流しながらも二見書房にリンクを貼らない理由が、なんとなくわかります…ってか、私も同じ立場だったら、たぶんそうするだろうなー。
以上、思い出走馬灯語りでした♪
続々々続・小説レーベル1行感想バトン
2007年7月27日 Rotten Sisters!
←奈良千春画伯がお描きになった表紙。思わず表紙買いしそうになったけど、作家が樹生かなめだったのでやめた。キライなんじゃなく、そのときは樹生かなめを読む気持ちになれなかったから。ちなみにレーベルは講談社X文庫ホワイトハート。だからWHは先が読めないのよね…。
バトンのQ(質問)に対するA(回答)です。
Q1:2007年発売で今のところ1番面白いBL小説
とりあえず私の上半期ベスト3を挙げておきます。私の場合、BL小説は「本編+挿絵」で評価する傾向にあるため、以下の3冊は「内容と絵が好みで面白かった作品」となります。
1.『最後のテロリスト 1 <胎動>』谷崎泉/シバタフミアキ シャレード文庫 二見書房
2.『交渉人は黙らない』榎田尤利/奈良千春 SHY Novels 大洋図書
3.『牛泥棒』木原音瀬/依田沙江美 Holly NOVELS 蒼竜社
1位は「ラステロ」1巻。ホントは1〜3巻と書きたかったの、でも私のハートを撃ち抜いたのは1巻だけ。2〜3巻が面白くなかったんじゃないの、理由は別にあるの…。感想はまた後日。
2位の『交渉人は黙らない』は、なんといってもコメディという点が評価大。だって感動させるより笑わせるほうが数段難しいもの。エダ作品はリブレ(ビーボーイノベルズ)より大洋図書(SHY Novels)のほうが面白いと思う。SHYのほうがエンタテイメント性が高いから。
3位は『牛泥棒』。寓話っぽい時代モノが好きだから。木原作品はこれまでそれなりに読んできたけど、キャラが(攻・受ともに)好きだと思ったのはこれが初めて。何度も読み返したのもこれが初めて。電車の中で読めたのもこれが初めて。うっひゃー。気が向いたらちゃんとした感想を書きます。
Q2:あらすじも見ずに作家買いする作家さん(最高3名)
小説系ではいません。必ずなんらかの秋林チェックを受けてもらいます(エラソー)。
Q3.思わず挿絵買いしてしまうレーターさん(最高3名)
必ずチェックするのは奈良画伯くらいですが、購入するかどうかはやはり本編が決め手。でも、見たことのない/「なんでこの人がBLに!?」と驚いてしまうような人の場合、買ってしまう傾向にあります。「ラステロ」のシバタさんがいい例。
以上です♪
バトンのQ(質問)に対するA(回答)です。
Q1:2007年発売で今のところ1番面白いBL小説
とりあえず私の上半期ベスト3を挙げておきます。私の場合、BL小説は「本編+挿絵」で評価する傾向にあるため、以下の3冊は「内容と絵が好みで面白かった作品」となります。
1.『最後のテロリスト 1 <胎動>』谷崎泉/シバタフミアキ シャレード文庫 二見書房
2.『交渉人は黙らない』榎田尤利/奈良千春 SHY Novels 大洋図書
3.『牛泥棒』木原音瀬/依田沙江美 Holly NOVELS 蒼竜社
1位は「ラステロ」1巻。ホントは1〜3巻と書きたかったの、でも私のハートを撃ち抜いたのは1巻だけ。2〜3巻が面白くなかったんじゃないの、理由は別にあるの…。感想はまた後日。
2位の『交渉人は黙らない』は、なんといってもコメディという点が評価大。だって感動させるより笑わせるほうが数段難しいもの。エダ作品はリブレ(ビーボーイノベルズ)より大洋図書(SHY Novels)のほうが面白いと思う。SHYのほうがエンタテイメント性が高いから。
3位は『牛泥棒』。寓話っぽい時代モノが好きだから。木原作品はこれまでそれなりに読んできたけど、キャラが(攻・受ともに)好きだと思ったのはこれが初めて。何度も読み返したのもこれが初めて。電車の中で読めたのもこれが初めて。うっひゃー。気が向いたらちゃんとした感想を書きます。
Q2:あらすじも見ずに作家買いする作家さん(最高3名)
小説系ではいません。必ずなんらかの秋林チェックを受けてもらいます(エラソー)。
Q3.思わず挿絵買いしてしまうレーターさん(最高3名)
必ずチェックするのは奈良画伯くらいですが、購入するかどうかはやはり本編が決め手。でも、見たことのない/「なんでこの人がBLに!?」と驚いてしまうような人の場合、買ってしまう傾向にあります。「ラステロ」のシバタさんがいい例。
以上です♪
続々続・小説レーベル1行感想バトン
2007年7月27日 Rotten Sisters! コメント (2)
←昨年もっとも話題になり、腐女子を夢中にさせたBLシリーズは、たぶんコレなんじゃないでしょうか?…終了記念全員サービス小冊子があったそうだし(私はトーゼン読んでない)、さらに書き下ろし短編が付いているドラマCDまで出ている、とかなんとかで、完結しても英田兄貴はまだ『エス』(大洋図書)から離れられないのね…という印象です。この前、本屋さんに置いてある『エス』を見たら、「第五刷」だって!ひーえー!
小説レーベル1行感想バトンの続きです。
13.SHY Novels(大洋図書)
印象:装丁がいい。作家・絵師ともに実力派が多く、面白い。秋林好印象レーベル。
作家:榎田尤利、英田サキ、剛しいら、松田美優
装丁がとにかく好き。幅がやや狭いため、手収まりが良い。bk1でDLしたA4サイズのブックカバーをかけても、代に余裕が出るところが嬉しい。本編に合ったタイトルロゴ、背表紙の雰囲気、すべて良し。デザイナーはいい仕事してるなあ。絶賛。
14.ビーボーイノベルズ(リブレ出版)
印象:ポップでエッチ、セレブとイケメン。初版が少ない。値段が高い。
作家:岩本薫、ひちわゆか、木原音瀬、榎田尤利
BL大手だけど、実はあんまり相性が良くなかったり…うーん。それはたぶん、私がセレブに興味がないから。せめてデザイン、もうちょっと良くならないかなあ(とくに背表紙)、と。
15.Holly NOVELS(辰巳出版/蒼竜社)
印象:「Holly NOVELS」と書いて「コノハラノベルズ」と読む。木原音瀬ならココ。
作家:木原音瀬(…しか知らない)
16.ラヴァーズ文庫(竹書房)
印象:エロ度高め。黒紫系。裏表紙まで激しい。でも奈良千春画伯がああああ!!
作家:ふゆの仁子、いおかいつき、夜光花
あのね…奈良画伯大好きな私でも、ここのレーベルは1冊も持ってないの……画伯が挿絵を手がけた本は、本屋さんで必ず手に取るのよ、でも…表紙めくって、カラー口絵と裏表紙を見て、下を向いて終わるのよ…エロ系ヤクザ絵師と思われてる奈良画伯だけどね、画伯のマンガを読めるのは、実は大洋図書から出ているセンシティブ系「CRAFT」だってこと、みんな知ってるのかしら…。……。
17.リンクスロマンス(幻冬舎)
印象:よくわからない
作家:よくわからない
18.アクアノベルズ/アイスノベルズ(オークラ出版)
印象:オークラ出版はニガテ。手が出ない/出せないレーベル。
作家:知らない。
19.ショコラノベルス(心交社)
印象:むかーし読んだ。「長谷川忍+新田祐克」。
作家:知らない。
あれ??…ピアスノベルズ(マガジン・マガジン)って、なかった?じゃあ――
20.ピアスノベルズ(マガジン・マガジン)
印象:レーベル名が変わってもJUNEはJUNE。ニガテ。好みなのは、ぜーんぶクリスタル文庫へ。
作家:水原とほる、バーバラ片桐、綺月陣
番外:リーフノベルズ(リーフ出版)
印象:…合掌。
作家:水月真兎
…こんな感じでしょうか?
Q(質問)に対するA(回答)は、また後ほど。
小説レーベル1行感想バトンの続きです。
13.SHY Novels(大洋図書)
印象:装丁がいい。作家・絵師ともに実力派が多く、面白い。秋林好印象レーベル。
作家:榎田尤利、英田サキ、剛しいら、松田美優
装丁がとにかく好き。幅がやや狭いため、手収まりが良い。bk1でDLしたA4サイズのブックカバーをかけても、代に余裕が出るところが嬉しい。本編に合ったタイトルロゴ、背表紙の雰囲気、すべて良し。デザイナーはいい仕事してるなあ。絶賛。
14.ビーボーイノベルズ(リブレ出版)
印象:ポップでエッチ、セレブとイケメン。初版が少ない。値段が高い。
作家:岩本薫、ひちわゆか、木原音瀬、榎田尤利
BL大手だけど、実はあんまり相性が良くなかったり…うーん。それはたぶん、私がセレブに興味がないから。せめてデザイン、もうちょっと良くならないかなあ(とくに背表紙)、と。
15.Holly NOVELS(辰巳出版/蒼竜社)
印象:「Holly NOVELS」と書いて「コノハラノベルズ」と読む。木原音瀬ならココ。
作家:木原音瀬(…しか知らない)
16.ラヴァーズ文庫(竹書房)
印象:エロ度高め。黒紫系。裏表紙まで激しい。でも奈良千春画伯がああああ!!
作家:ふゆの仁子、いおかいつき、夜光花
あのね…奈良画伯大好きな私でも、ここのレーベルは1冊も持ってないの……画伯が挿絵を手がけた本は、本屋さんで必ず手に取るのよ、でも…表紙めくって、カラー口絵と裏表紙を見て、下を向いて終わるのよ…エロ系ヤクザ絵師と思われてる奈良画伯だけどね、画伯のマンガを読めるのは、実は大洋図書から出ているセンシティブ系「CRAFT」だってこと、みんな知ってるのかしら…。……。
17.リンクスロマンス(幻冬舎)
印象:よくわからない
作家:よくわからない
18.アクアノベルズ/アイスノベルズ(オークラ出版)
印象:オークラ出版はニガテ。手が出ない/出せないレーベル。
作家:知らない。
19.ショコラノベルス(心交社)
印象:むかーし読んだ。「長谷川忍+新田祐克」。
作家:知らない。
あれ??…ピアスノベルズ(マガジン・マガジン)って、なかった?じゃあ――
20.ピアスノベルズ(マガジン・マガジン)
印象:レーベル名が変わってもJUNEはJUNE。ニガテ。好みなのは、ぜーんぶクリスタル文庫へ。
作家:水原とほる、バーバラ片桐、綺月陣
番外:リーフノベルズ(リーフ出版)
印象:…合掌。
作家:水月真兎
…こんな感じでしょうか?
Q(質問)に対するA(回答)は、また後ほど。
続々・小説レーベル1行感想バトン
2007年7月27日 Rotten Sisters! コメント (4)
←これがBLとは誰も気付かないでしょうね。恩田陸の本の隣に置いてあってもダイジョブ。この「ラステロ」については、山ほど語りたいことがあるので、後日感想を書く予定です。とりあえず云いたいのは――でかしたシャレード!よくぞシバタフミアキ(柴田文明/大武ユキ)を絵師に引っ張ってきた!本屋で叫びそうになったじゃんよう…ってか、ちょっと叫んでオッシーに「なにごとですか?」と云われちゃった。テヘ♪
小説レーベル1行感想バトンの続きです。
9.シャレード文庫(二見書房)
印象:社会人・リーマン・特殊業界モノに強い、大人向け(エロという意味ではない)の秋林好印象レーベル。本編の書体と装丁が好き。谷崎泉ならココ。
作家:谷崎泉、鳩村衣杏、高遠琉加、中原一也
ちょっと語らせて下さいよう。「シャレード」本誌を読んだことがナイ(!)のでエラソーなこと云えないんですけど、このレーベル、やたらと特殊職業モノが多くないっスか?…リーマン・医者・刑事・ヤクザにとどまらず、占い師とか養蜂家とかマグロ漁師とか山岳警備隊員とか。そんなの、シャレードでしか読めないんじゃ?…そーいえば、山田ユギのマンガ『夢を見るヒマもない』(なにげにシャレードコミックスである)だって航空業界モノ。編集者は作家に渡す参考文献探しでタイヘンだろうなー。あ、逆か。参考資料&文献探しておいて、それから作家に「こんな職業モノ、どうですか?」と打診するのかも。20代後半〜30代腐女子で、リーマン系が好き、そして落ち着いて読みたい人にオススメしたいレーベル。大人向き。
10.ガッシュ文庫(海王社)
印象:印象がない。縁がない。これからもない。
作家:知らない。
11.クリスタル文庫(成美堂出版)
印象:最近どうなってるの?新刊リリースは?
作家:柏枝真郷、榎田尤利、吉原理恵子
成美堂出版は、むかーしJUNEに掲載された、人気かつ代表作を文庫化しているというイメージ。『間の楔』『DESPERADOシリーズ』『魚住くんシリーズ』など。BL系出版社は男性向けエロ文庫を出してるところが多いけど、基本的にココは実用書出版社だしなあ。あんまりBLに力入れてなさそう。
12.ダリア文庫(フロンティアワークス)
印象:フロンティアワークスってアニメ系なの?だったらわかんない。
作家:知らない。
続く。
小説レーベル1行感想バトンの続きです。
9.シャレード文庫(二見書房)
印象:社会人・リーマン・特殊業界モノに強い、大人向け(エロという意味ではない)の秋林好印象レーベル。本編の書体と装丁が好き。谷崎泉ならココ。
作家:谷崎泉、鳩村衣杏、高遠琉加、中原一也
ちょっと語らせて下さいよう。「シャレード」本誌を読んだことがナイ(!)のでエラソーなこと云えないんですけど、このレーベル、やたらと特殊職業モノが多くないっスか?…リーマン・医者・刑事・ヤクザにとどまらず、占い師とか養蜂家とかマグロ漁師とか山岳警備隊員とか。そんなの、シャレードでしか読めないんじゃ?…そーいえば、山田ユギのマンガ『夢を見るヒマもない』(なにげにシャレードコミックスである)だって航空業界モノ。編集者は作家に渡す参考文献探しでタイヘンだろうなー。あ、逆か。参考資料&文献探しておいて、それから作家に「こんな職業モノ、どうですか?」と打診するのかも。20代後半〜30代腐女子で、リーマン系が好き、そして落ち着いて読みたい人にオススメしたいレーベル。大人向き。
10.ガッシュ文庫(海王社)
印象:印象がない。縁がない。これからもない。
作家:知らない。
11.クリスタル文庫(成美堂出版)
印象:最近どうなってるの?新刊リリースは?
作家:柏枝真郷、榎田尤利、吉原理恵子
成美堂出版は、むかーしJUNEに掲載された、人気かつ代表作を文庫化しているというイメージ。『間の楔』『DESPERADOシリーズ』『魚住くんシリーズ』など。BL系出版社は男性向けエロ文庫を出してるところが多いけど、基本的にココは実用書出版社だしなあ。あんまりBLに力入れてなさそう。
12.ダリア文庫(フロンティアワークス)
印象:フロンティアワークスってアニメ系なの?だったらわかんない。
作家:知らない。
続く。
続・小説レーベル1行感想バトン
2007年7月27日 Rotten Sisters!
←オビ惹句付き表紙を選んでみました。内容・イラストともに私が好きなのは、『雪』『家』『朝』『宵』の4冊。リンクして下さってる方の中には、私の大騒ぎをよくご存知の方もおられるかと。茶屋町先生は、作品のイメージ通りのイラストを10年間ずっと描いて下さったと思います。
小説レーベル1行感想バトンの続きです。
5.X文庫ホワイトハート(講談社)
印象:ファンタジー系・BL系・ニアの混在が顕著。気合の入ったオビ惹句。多種多様な作家ラインナップ。厚さと比例した流動価格(薄ければ安い、厚ければ高い)。
作家:柏枝真郷、とみなが貴和、駒崎優、榎田尤利、小野不由美
ちょっと語らせて下さいよう。この文庫がなかったら、いま私はここでブログ書いてませんし、闇の裏シド管理人(…誰ソレ?)だって存在してませんでした。……。それにしても、講談社WH編集部は、WHをどこへ持って行きたいの?…最近、ますます行く末が読めなくなった。講談社のノブユキさんはお元気かな?
6.ルチル文庫(幻冬舎)
印象:よくわからない
作家:よくわからない
7.花丸文庫(白泉社)
印象:ノベルズなら「黒羽と鵙目」。白泉社にBLレーベルはいらないんじゃ?
作家:ノベルズだったら花郎藤子
8.ラピス文庫/プラチナ文庫(フランス書院内プランタン出版)
印象:私をよく返り討ちにしてくれる、ドナドナ(借金・奴隷)レーベル。でも奈良千春画伯がああああ!!
作家:沙野風結子、朝月美姫
公式サイトを見に行ったら、「まのあそのか イラスト:ふくやま省子」という作品を発見、思わず遠い目に。
続く。
小説レーベル1行感想バトンの続きです。
5.X文庫ホワイトハート(講談社)
印象:ファンタジー系・BL系・ニアの混在が顕著。気合の入ったオビ惹句。多種多様な作家ラインナップ。厚さと比例した流動価格(薄ければ安い、厚ければ高い)。
作家:柏枝真郷、とみなが貴和、駒崎優、榎田尤利、小野不由美
ちょっと語らせて下さいよう。この文庫がなかったら、いま私はここでブログ書いてませんし、闇の裏シド管理人(…誰ソレ?)だって存在してませんでした。……。それにしても、講談社WH編集部は、WHをどこへ持って行きたいの?…最近、ますます行く末が読めなくなった。講談社のノブユキさんはお元気かな?
6.ルチル文庫(幻冬舎)
印象:よくわからない
作家:よくわからない
7.花丸文庫(白泉社)
印象:ノベルズなら「黒羽と鵙目」。白泉社にBLレーベルはいらないんじゃ?
作家:ノベルズだったら花郎藤子
8.ラピス文庫/プラチナ文庫(フランス書院内プランタン出版)
印象:私をよく返り討ちにしてくれる、ドナドナ(借金・奴隷)レーベル。でも奈良千春画伯がああああ!!
作家:沙野風結子、朝月美姫
公式サイトを見に行ったら、「まのあそのか イラスト:ふくやま省子」という作品を発見、思わず遠い目に。
続く。
小説レーベル1行感想バトン
2007年7月27日 Rotten Sisters! コメント (2)
鯖落ちから復活です。
今回は長かったなあ。「突然サービス終了!?」と青くなりました。終了するなら、バックアップ機能は必ず付けてからにして欲しいです。予告もプリーズ。
以下、回ってきた「小説レーベル1行感想バトン」の回答を。
1.ルビー文庫(角川書店)
印象:JUNE→BLなワイン色レーベル。厚さ薄め。独創的な惹句。
作家:秋月こお、栗本薫、柏枝真郷、吉原理恵子、ごとうしのぶ、南原兼、黒崎あつし
ちょっと語らせて下さいよう。あのですね…ルビー文庫は、最初スニーカー文庫として創刊され(栗本薫が角川にヨイショしたんじゃなかったっけ?)、トーゼン私もチェック、第1回(だったと思う)リリース作品群に、「JUNEを代表する古典的名作」と聞いていた野村史子著/麻々原絵里依画『レザナンス・コネクション』を見つけたので、購入した覚えがあります。その後、一般ライトノベルと区別化するためBL系が独立、ルビー文庫が誕生したはず。間違ってます?…そーゆーわけで、看板作家と云えばJUNE系作家の名前がまず浮かんできます。現在は、本屋さんでワイン色表紙を眺めるくらいなので、状況がわからない…。
――なにィ!?
ごとうしのぶ 『そして春風にささやいて』が、実写映画化 だとーっ!?
………。
世の中、ホントに変わったのね…。
2.キャラ文庫(徳間書店)
印象:意外と老舗。クリーン。書体スッキリで本編の紙が白い。
作家:松岡なつき、五百香ノエル
3.ディアプラス文庫(新書館)
印象:可愛らしい。パステル調。キャラ文庫と似ているような?
作家:前田栄、五百香ノエル、松岡なつき
4.コバルト文庫(集英社)
印象:ティーンズ文庫の草分け、カジュアルなあとがき文学を作ったレーベル。歴史を変えたのは桑原水菜。
作家:大昔→氷室冴子、新井素子、赤川次郎、久美沙織、火浦功
現在→桑原水菜、若木未生、金蓮花、あさぎり夕
ちょっと語らせて下さいよう。あのですね…コバルト文庫は、ティーンズ文庫として由緒正しきレーベルで、私め、小中学生の頃にはたいへんお世話になり、本誌も買っていました。赤川次郎『吸血鬼よ、故郷を見よ』、新井素子『ブラックキャット』、氷室冴子『なぎさボーイ』『多恵子ガール』『北里マドンナ』が好きでした。BLなんてなかったよー…ってか、BLなんて言葉すらない時代だったから、トーゼンっスね。
「大手出版会社と契約しているマンガ家は、連載中、その所属出版社以外の雑誌に作品は載らない。ただし、挿絵業は別である」と、教えてくれたのもココ(その後、JUNEで吉田秋生の挿絵を見たとき「間違ってなかった」と確信)。だって集英社文庫なのに、『なぎさボーイ』シリーズの挿絵は、小学館専属(だと思う)渡辺多恵子だったもの。忘れられなーい!…ちなみに、直木賞作家である唯川恵のデビューはこのコバルトで、単行本デビュー作『青春クロスピア』は買って読みました。そんなティーンズ文庫だったのに、桑原水菜が歴史を変えたー!…恐るべし。ちなみに現在、これもまた私にとっては表紙を眺めるレーベル。読まなくなりました。
ライトノベルに「カジュアルなあとがき」があるのは、コバルトの影響かと。新井素子の「えっと、これは私にとって〜目の本で〜」から始める有名なあとがきは、忘れられましぇん。
続きます。ゴハン、食べたいっス。
今回は長かったなあ。「突然サービス終了!?」と青くなりました。終了するなら、バックアップ機能は必ず付けてからにして欲しいです。予告もプリーズ。
以下、回ってきた「小説レーベル1行感想バトン」の回答を。
1.ルビー文庫(角川書店)
印象:JUNE→BLなワイン色レーベル。厚さ薄め。独創的な惹句。
作家:秋月こお、栗本薫、柏枝真郷、吉原理恵子、ごとうしのぶ、南原兼、黒崎あつし
ちょっと語らせて下さいよう。あのですね…ルビー文庫は、最初スニーカー文庫として創刊され(栗本薫が角川にヨイショしたんじゃなかったっけ?)、トーゼン私もチェック、第1回(だったと思う)リリース作品群に、「JUNEを代表する古典的名作」と聞いていた野村史子著/麻々原絵里依画『レザナンス・コネクション』を見つけたので、購入した覚えがあります。その後、一般ライトノベルと区別化するためBL系が独立、ルビー文庫が誕生したはず。間違ってます?…そーゆーわけで、看板作家と云えばJUNE系作家の名前がまず浮かんできます。現在は、本屋さんでワイン色表紙を眺めるくらいなので、状況がわからない…。
――なにィ!?
ごとうしのぶ 『そして春風にささやいて』が、実写映画化 だとーっ!?
………。
世の中、ホントに変わったのね…。
2.キャラ文庫(徳間書店)
印象:意外と老舗。クリーン。書体スッキリで本編の紙が白い。
作家:松岡なつき、五百香ノエル
3.ディアプラス文庫(新書館)
印象:可愛らしい。パステル調。キャラ文庫と似ているような?
作家:前田栄、五百香ノエル、松岡なつき
4.コバルト文庫(集英社)
印象:ティーンズ文庫の草分け、カジュアルなあとがき文学を作ったレーベル。歴史を変えたのは桑原水菜。
作家:大昔→氷室冴子、新井素子、赤川次郎、久美沙織、火浦功
現在→桑原水菜、若木未生、金蓮花、あさぎり夕
ちょっと語らせて下さいよう。あのですね…コバルト文庫は、ティーンズ文庫として由緒正しきレーベルで、私め、小中学生の頃にはたいへんお世話になり、本誌も買っていました。赤川次郎『吸血鬼よ、故郷を見よ』、新井素子『ブラックキャット』、氷室冴子『なぎさボーイ』『多恵子ガール』『北里マドンナ』が好きでした。BLなんてなかったよー…ってか、BLなんて言葉すらない時代だったから、トーゼンっスね。
「大手出版会社と契約しているマンガ家は、連載中、その所属出版社以外の雑誌に作品は載らない。ただし、挿絵業は別である」と、教えてくれたのもココ(その後、JUNEで吉田秋生の挿絵を見たとき「間違ってなかった」と確信)。だって集英社文庫なのに、『なぎさボーイ』シリーズの挿絵は、小学館専属(だと思う)渡辺多恵子だったもの。忘れられなーい!…ちなみに、直木賞作家である唯川恵のデビューはこのコバルトで、単行本デビュー作『青春クロスピア』は買って読みました。そんなティーンズ文庫だったのに、桑原水菜が歴史を変えたー!…恐るべし。ちなみに現在、これもまた私にとっては表紙を眺めるレーベル。読まなくなりました。
ライトノベルに「カジュアルなあとがき」があるのは、コバルトの影響かと。新井素子の「えっと、これは私にとって〜目の本で〜」から始める有名なあとがきは、忘れられましぇん。
続きます。ゴハン、食べたいっス。
木原攻略のご案内
2007年7月25日 Rotten Sisters! コメント (3)
英田サキが好きな人に木原音瀬の作品を薦めるのは、ムズかしい。だってこのふたり、対極に位置する作家なんだもん。
…というわけで、リクエストを頂いた「初心者Dさんにオススメの木原作品は?」を。
手っ取り早く知りたいなら、のっけからモラルを試され、かつ木原要素がだいたい詰まっている『WEED』『FLOWER』『POLLINATION』(三部作)。恋愛中はカッコいいことばかりじゃない、もがいてあがいて醜態晒す、それが当たり前なんだ、ということが書かれてあると思う…けど、それはどの木原作品でも同じか。夢見がちな腐女子に喝!
ポップなコメディなのに、受の***という設定が「やっぱり木原音瀬」と思ってしまう『脱がない男』。私はあまり好きじゃないけど、リブレ系なので読みやすい…というか、リブレ用に読みやすくしてみました、という感じがする。
そして、木原リズムに慣れたら――『箱の中』『檻の外』。
…という感じでしょうか?
ちなみに、私が好きな木原作品は『牛泥棒』。依田沙江美の挿絵がドンピシャ。「2007年上半期ベスト3」のうちの1本で、何度も読み返した木原作品は(今のところ)これだけ。六尺と越中、どっちなのか気になる(…って、なんの話だ)。寓話っぽい時代モノにマジ弱い私は、この「牛泥棒」に娯楽性を感じるんだけどなー。Dさんも好きそうな気がする。そういえばこれが出たとき、榎田さんも別レーベルで明治あたりの時代物作品(例の遊郭モノ)を出していたので、重なって面白いなと思ったナリ。
『吸血鬼と愉快な仲間たち』は未読。でも私にヒットする作品だろうと思っているので、近いうちにポチる予定。
…というわけで、リクエストを頂いた「初心者Dさんにオススメの木原作品は?」を。
手っ取り早く知りたいなら、のっけからモラルを試され、かつ木原要素がだいたい詰まっている『WEED』『FLOWER』『POLLINATION』(三部作)。恋愛中はカッコいいことばかりじゃない、もがいてあがいて醜態晒す、それが当たり前なんだ、ということが書かれてあると思う…けど、それはどの木原作品でも同じか。夢見がちな腐女子に喝!
ポップなコメディなのに、受の***という設定が「やっぱり木原音瀬」と思ってしまう『脱がない男』。私はあまり好きじゃないけど、リブレ系なので読みやすい…というか、リブレ用に読みやすくしてみました、という感じがする。
そして、木原リズムに慣れたら――『箱の中』『檻の外』。
…という感じでしょうか?
ちなみに、私が好きな木原作品は『牛泥棒』。依田沙江美の挿絵がドンピシャ。「2007年上半期ベスト3」のうちの1本で、何度も読み返した木原作品は(今のところ)これだけ。六尺と越中、どっちなのか気になる(…って、なんの話だ)。寓話っぽい時代モノにマジ弱い私は、この「牛泥棒」に娯楽性を感じるんだけどなー。Dさんも好きそうな気がする。そういえばこれが出たとき、榎田さんも別レーベルで明治あたりの時代物作品(例の遊郭モノ)を出していたので、重なって面白いなと思ったナリ。
『吸血鬼と愉快な仲間たち』は未読。でも私にヒットする作品だろうと思っているので、近いうちにポチる予定。
大学で助手をしている亮一郎は、年上の口のきけない使用人・徳馬に、密かに想いを寄せていた。幼い頃に母を亡くした亮一郎にとって、物心ついた頃から傍にいてくれた徳馬は、誰よりも欠け替えのない存在だった。自分の想いで関係を壊したくなくて、亮一郎は想いを告げぬまま、女との結婚を考えるが…。 口のきけない男の秘められた過去と思いとは?互いを想い合う、切ないラブストーリー。『牛泥棒』 ISBN:4883863247 新書 依田 沙江美 蒼竜社 2007/06/29 ¥900
罰ゲーム感想:「総評/総括」
2007年7月23日 Rotten Sisters! コメント (2)
←会社ではこんな風に手で隠して、コソコソ読んでおりました(画像は秋林家で撮ったもの)。堂々と読める本じゃないですからね。ちなみにページは「鈍色の華」。わかんないと思いますけど。後ろにあるのは現在読んでいる本。ジャンルは見事バラバラ。めでたく感想を書き上げたので、お茶の間にうっかり『エロとじv』を忘れてしまうことがなくなりました。冷や汗流さなくてもいーい〜♪
さて。ヨタ話はここまでにして本題を。
コンペティションなわけではないけれども、13本も載ると「どれがよかった?」「どれが好き?」という話になるのが常というもの。KAT-TUNが目の前にいたら、「ねーねー、だれが好き?」という話になるのと同じである(私は田中。好みではないが、そのジャニーズらしからぬ媚びない姿勢と個性を買う)。というわけで、『エロとじv』掲載作品13本中、各賞ベスト3を選んでみた。
★『エロとじv』掲載作品リスト(掲載順・敬称略)
「痴漢電車」 作:鬼塚ツヤコ 扉絵:佐々成美
「バッドステータスv発情中」 作:南原兼 扉絵:ホームラン・拳
「媚薬」 作:水上ルイ 扉絵:池玲文
「兄貴とヤス」 作:英田サキ 扉絵:鹿乃しうこ
「蜜月メイド」 作:水戸泉 扉絵:しょうおとあや
「鈍色の華」 作:木原音瀬 扉絵:鈴木ツタ
「隷従の檻」 作:和泉桂 扉絵:稲荷家房之介
「クリスタル」 作:榎田尤利 扉絵:中村明日美子
「貴人たちの後継儀式」 作:斑鳩サハラ 扉絵:明神翼
「多岐川肛門病院の秘密」 作:山藍紫姫子 扉絵:あさとえいり
「華麗なる賭け」 作:あすま理彩 扉絵:亜樹良のりかず
「縛めの白薔薇」 作:あさぎり夕 扉絵:かんべあきら
「可愛くて、可愛くて。」 作:雪代鞠絵 扉絵:大和名瀬
■コンペティション部門
1.「鈍色の華」 作:木原音瀬 扉絵:鈴木ツタ
2.「クリスタル」 作:榎田尤利 扉絵:中村明日美子
3.「兄貴とヤス」 作:英田サキ 扉絵:鹿乃しうこ
BL短編小説として評価した場合のべスト3。カンヌ風にいうと、パルム・ドールが木原音瀬、グランプリが榎田尤利。一歩間違えれば、読み手に痛恨のトラウマを与えるだろう衝撃作を(またもや)書いてきた木原、スリリングにキッチリ隙なくまとめてきた榎田、愛にあふれたエロにスピーディーな展開が素晴らしかった英田。やっぱりこの三人が抜きん出る形となったという印象。予想通り。
■ある視点部門
1.「多岐川肛門病院の秘密」 作:山藍紫姫子 扉絵:あさとえいり
2.「バッドステータスv発情中」 作:南原兼 扉絵:ホームラン・拳
3.「可愛くて、可愛くて。」 作:雪代鞠絵 扉絵:大和名瀬
「エロとじv」の感想を語り合うと、たぶん「木原さんキョーレツー、エダさん上手いー、英田兄貴エローい」という人気作家3名の話になると思うのだが、そのあと「でさ…アレ、どう思った?」と来るだろう作品を選んでみた。となると、やっぱり山藍紫姫子。「卵を見ると思い出す」という人は多いはず(アタシもだ)。南原兼は、いきなりの猫耳にたまげた。雪代鞠絵が3位なのは、「なにもラストがこの話でなくたって」という理由である。
■萌え出づる大賞
1.【キャラ・ストーリー萌え】「兄貴とヤス」 作:英田サキ 扉絵:鹿乃しうこ
2.【作家萌え】「クリスタル」 作:榎田尤利 扉絵:中村明日美子
3.【シチュエーション萌え】「媚薬」 作:水上ルイ 扉絵:池玲文
短編ながら私にキャラ萌えさせた「兄貴とヤス」が1位。羽鳥とヤスは実に魅力的だった。ヤスが羽鳥に精を吸い尽くされてなければ、またふたりの話が読みたい。2位の「クリスタル」は、榎田尤利の上手さに萌えた。3位の「媚薬」は、正直云えば、キャラの設定に合ったセリフまわしにして欲しかったし、攻が喋りすぎなエロもまったく好みではなかったのだが、「馬丁×王の最後の夜」というシチュエーションに萌えた。
■扉絵大賞
1.池玲文「媚薬」
2.鹿乃しうこ「兄貴とヤス」
3.稲荷家房之介「隷従の檻」
「ヒゲや胸毛や脛毛は当たり前、筋肉ムチムチなエロエロゲイ」というイメージで、「兄貴とヤス」を担当してもいいはずの池玲文が、ひらひらレースの西洋コスプレキャラを担当!しかもまるでアンドレ!!…この衝撃は大きかった。池を抜擢したリブレ編集担当者を褒めたい。秋林絶賛の1枚。鹿乃しうこは、さすがガテン系アクロバット絵師であると納得の1枚。稲荷家房之介は、もう少しアラブっぽかったらよかったかな…なんとなくトルキーだったので。
■惹句大賞
1.「弟分に奪われる極道同士の危険な愛……!!」(「兄貴とヤス」)
2.「誰も見たことのないその華は、誰とも違う輝きを放ち…」(鈍色の華)
3.該当作なし
女性誌(「女性自身」など)の表紙風にまとめた「兄貴とヤス」と、小説の内容が衝撃的なぶん、控え目に抑えた「鈍色の華」を評価したい。
■コラボレーション大賞
1.「兄貴とヤス」 作:英田サキ 扉絵:鹿乃しうこ
2.「鈍色の華」 作:木原音瀬 扉絵:鈴木ツタ
3.「バッドステータスv発情中」 作:南原兼 扉絵:ホームラン・拳
「作品・扉絵・惹句」のベストコラボは「兄貴とヤス」。やっぱり乗って書いたもの勝ちである。
■総評/総括
ロリータ…もといショタ系からJUNE/耽美系まで、読者の属性に対応するべく、それぞれのエキスパートだと思われる作家、そして現在もっとも勢いがあるだろう人気作家3名「榎田尤利・木原音瀬・英田サキ」を揃えた、かなりゴーカな企画本であり、リブレ編集部の意気込みがよく伝わってきた。
がしかし、ヤリっぱなしオチなし陵辱モノばかりで、なにゆえ「エロエロ=陵辱モノ」にみなしたがるのか。
そんな中、エロだけでなく短編小説の面白さを感じさせてくれたTOP3はさすがで、最後にギャラクティカファントム食らわしたり(木原)、スリリングにヒネってきたり(榎田)とただの陵辱モノで終わらない逆転劇に仕上げ、楽しませてくれた。作家自身、楽しみながら書き上げたのではないだろうか。愛に溢れたエロを書いてきた英田作品については、「ラストがちょっとなあ…」と感じるものの、13本中1番人気なのではないかと思う。
さて。
そんな「エロとじv」に対し、私は云いたいことがひとつある。
ヤリっぱなしのオチなし作品は、どんなにいやらしい単語・描写が書かれていても、「面白くない、エロくない、疲れるだけ」。もっと考えてくれ!…エロ特化本とはいえ、読者はラブにストーリーを求める腐女子がメインなんだから。
「13本中、6本が雑誌掲載作品で7本が書き下ろし」だったそうだが、雑誌に1本企画モノとして載るならまだいい。1冊にズラズラズラ〜はやっぱりキツい。もし、同じような企画が第二弾として持ち上がっているのなら、短編小説として成立している作品を載せて欲しい。エロにストーリーが欲しい。ヤリ逃げ厳禁、プリーズ!だ。
以上、約1ヶ月続いた罰ゲームすべて終了。
完
あー…疲れた…。
「エロとじv」で、こんなマジメな(多少ふざけてはいるけど)感想を1本ずつ書いてる人は少ないだろうな。アウトプットして、リブレに郵送しようかと思ったナリ。
さて。ヨタ話はここまでにして本題を。
コンペティションなわけではないけれども、13本も載ると「どれがよかった?」「どれが好き?」という話になるのが常というもの。KAT-TUNが目の前にいたら、「ねーねー、だれが好き?」という話になるのと同じである(私は田中。好みではないが、そのジャニーズらしからぬ媚びない姿勢と個性を買う)。というわけで、『エロとじv』掲載作品13本中、各賞ベスト3を選んでみた。
★『エロとじv』掲載作品リスト(掲載順・敬称略)
「痴漢電車」 作:鬼塚ツヤコ 扉絵:佐々成美
「バッドステータスv発情中」 作:南原兼 扉絵:ホームラン・拳
「媚薬」 作:水上ルイ 扉絵:池玲文
「兄貴とヤス」 作:英田サキ 扉絵:鹿乃しうこ
「蜜月メイド」 作:水戸泉 扉絵:しょうおとあや
「鈍色の華」 作:木原音瀬 扉絵:鈴木ツタ
「隷従の檻」 作:和泉桂 扉絵:稲荷家房之介
「クリスタル」 作:榎田尤利 扉絵:中村明日美子
「貴人たちの後継儀式」 作:斑鳩サハラ 扉絵:明神翼
「多岐川肛門病院の秘密」 作:山藍紫姫子 扉絵:あさとえいり
「華麗なる賭け」 作:あすま理彩 扉絵:亜樹良のりかず
「縛めの白薔薇」 作:あさぎり夕 扉絵:かんべあきら
「可愛くて、可愛くて。」 作:雪代鞠絵 扉絵:大和名瀬
■コンペティション部門
1.「鈍色の華」 作:木原音瀬 扉絵:鈴木ツタ
2.「クリスタル」 作:榎田尤利 扉絵:中村明日美子
3.「兄貴とヤス」 作:英田サキ 扉絵:鹿乃しうこ
BL短編小説として評価した場合のべスト3。カンヌ風にいうと、パルム・ドールが木原音瀬、グランプリが榎田尤利。一歩間違えれば、読み手に痛恨のトラウマを与えるだろう衝撃作を(またもや)書いてきた木原、スリリングにキッチリ隙なくまとめてきた榎田、愛にあふれたエロにスピーディーな展開が素晴らしかった英田。やっぱりこの三人が抜きん出る形となったという印象。予想通り。
■ある視点部門
1.「多岐川肛門病院の秘密」 作:山藍紫姫子 扉絵:あさとえいり
2.「バッドステータスv発情中」 作:南原兼 扉絵:ホームラン・拳
3.「可愛くて、可愛くて。」 作:雪代鞠絵 扉絵:大和名瀬
「エロとじv」の感想を語り合うと、たぶん「木原さんキョーレツー、エダさん上手いー、英田兄貴エローい」という人気作家3名の話になると思うのだが、そのあと「でさ…アレ、どう思った?」と来るだろう作品を選んでみた。となると、やっぱり山藍紫姫子。「卵を見ると思い出す」という人は多いはず(アタシもだ)。南原兼は、いきなりの猫耳にたまげた。雪代鞠絵が3位なのは、「なにもラストがこの話でなくたって」という理由である。
■萌え出づる大賞
1.【キャラ・ストーリー萌え】「兄貴とヤス」 作:英田サキ 扉絵:鹿乃しうこ
2.【作家萌え】「クリスタル」 作:榎田尤利 扉絵:中村明日美子
3.【シチュエーション萌え】「媚薬」 作:水上ルイ 扉絵:池玲文
短編ながら私にキャラ萌えさせた「兄貴とヤス」が1位。羽鳥とヤスは実に魅力的だった。ヤスが羽鳥に精を吸い尽くされてなければ、またふたりの話が読みたい。2位の「クリスタル」は、榎田尤利の上手さに萌えた。3位の「媚薬」は、正直云えば、キャラの設定に合ったセリフまわしにして欲しかったし、攻が喋りすぎなエロもまったく好みではなかったのだが、「馬丁×王の最後の夜」というシチュエーションに萌えた。
■扉絵大賞
1.池玲文「媚薬」
2.鹿乃しうこ「兄貴とヤス」
3.稲荷家房之介「隷従の檻」
「ヒゲや胸毛や脛毛は当たり前、筋肉ムチムチなエロエロゲイ」というイメージで、「兄貴とヤス」を担当してもいいはずの池玲文が、ひらひらレースの西洋コスプレキャラを担当!しかもまるでアンドレ!!…この衝撃は大きかった。池を抜擢したリブレ編集担当者を褒めたい。秋林絶賛の1枚。鹿乃しうこは、さすがガテン系アクロバット絵師であると納得の1枚。稲荷家房之介は、もう少しアラブっぽかったらよかったかな…なんとなくトルキーだったので。
■惹句大賞
1.「弟分に奪われる極道同士の危険な愛……!!」(「兄貴とヤス」)
2.「誰も見たことのないその華は、誰とも違う輝きを放ち…」(鈍色の華)
3.該当作なし
女性誌(「女性自身」など)の表紙風にまとめた「兄貴とヤス」と、小説の内容が衝撃的なぶん、控え目に抑えた「鈍色の華」を評価したい。
■コラボレーション大賞
1.「兄貴とヤス」 作:英田サキ 扉絵:鹿乃しうこ
2.「鈍色の華」 作:木原音瀬 扉絵:鈴木ツタ
3.「バッドステータスv発情中」 作:南原兼 扉絵:ホームラン・拳
「作品・扉絵・惹句」のベストコラボは「兄貴とヤス」。やっぱり乗って書いたもの勝ちである。
■総評/総括
ロリータ…もといショタ系からJUNE/耽美系まで、読者の属性に対応するべく、それぞれのエキスパートだと思われる作家、そして現在もっとも勢いがあるだろう人気作家3名「榎田尤利・木原音瀬・英田サキ」を揃えた、かなりゴーカな企画本であり、リブレ編集部の意気込みがよく伝わってきた。
がしかし、ヤリっぱなしオチなし陵辱モノばかりで、なにゆえ「エロエロ=陵辱モノ」にみなしたがるのか。
そんな中、エロだけでなく短編小説の面白さを感じさせてくれたTOP3はさすがで、最後にギャラクティカファントム食らわしたり(木原)、スリリングにヒネってきたり(榎田)とただの陵辱モノで終わらない逆転劇に仕上げ、楽しませてくれた。作家自身、楽しみながら書き上げたのではないだろうか。愛に溢れたエロを書いてきた英田作品については、「ラストがちょっとなあ…」と感じるものの、13本中1番人気なのではないかと思う。
さて。
そんな「エロとじv」に対し、私は云いたいことがひとつある。
ヤリっぱなしのオチなし作品は、どんなにいやらしい単語・描写が書かれていても、「面白くない、エロくない、疲れるだけ」。もっと考えてくれ!…エロ特化本とはいえ、読者はラブにストーリーを求める腐女子がメインなんだから。
「13本中、6本が雑誌掲載作品で7本が書き下ろし」だったそうだが、雑誌に1本企画モノとして載るならまだいい。1冊にズラズラズラ〜はやっぱりキツい。もし、同じような企画が第二弾として持ち上がっているのなら、短編小説として成立している作品を載せて欲しい。エロにストーリーが欲しい。ヤリ逃げ厳禁、プリーズ!だ。
以上、約1ヶ月続いた罰ゲームすべて終了。
完
あー…疲れた…。
「エロとじv」で、こんなマジメな(多少ふざけてはいるけど)感想を1本ずつ書いてる人は少ないだろうな。アウトプットして、リブレに郵送しようかと思ったナリ。
罰ゲーム感想終了のお知らせ
2007年7月22日 Rotten Sisters!
←こんな感じ。ちょっと色が青っぽくてすみません。ちなみにチラリと見えるのは「兄貴とヤス」の扉絵。当たり前ですが、ヤバイので全部は見せられましぇん…。画像をクリックすると、ちょっと大きくなるケド。見たい方は、本屋さんでキラキラ表紙を探して下さい。品切れらしいですが、もしかしたらどこか(ヴィレッジ・ヴァンガード以外)で、アナタを待っているかもしれませんよ?
やっとこすっとこ、「エロとじv」感想13本、書き上げました。
エイドリア〜〜〜ン!という達成感より、66本あった「IN THE LIFE」ツアーの最終公演終了後、イナバさんがステージ横で泣いたという気持ちがわかります。「もう明日からノドの心配をしなくていいんだ〜終わったんだ〜…」=「長かった…しんどかった…終わらないかと思った…うわ〜〜ん!もう明日から、感想書かなきゃ!と心配しなくてもいいんだ〜〜!」。
読む時間がなかなか取れないので、本を会社に持ち込み、bk1でDLしたA3サイズのブックカバーをこっそり印刷して本に掛け、昼休み時間にわざわざ暗い場所を陣取り、開いた本の左上にある小説タイトルを隠しながら(だってすんごいタイトルなのがあるんだもん…)コソコソ読んだりしました。そしてその姿を、Tさんと一緒にやって来たオッシーに見られ、「なにやってるんですか〜♪」と後ろから驚かされたりしました。
…今に見てろよ…>オッシー
明日、ままりん(母)からPCを奪取できれば、総括を書きたいと思います。
やっとこすっとこ、「エロとじv」感想13本、書き上げました。
エイドリア〜〜〜ン!という達成感より、66本あった「IN THE LIFE」ツアーの最終公演終了後、イナバさんがステージ横で泣いたという気持ちがわかります。「もう明日からノドの心配をしなくていいんだ〜終わったんだ〜…」=「長かった…しんどかった…終わらないかと思った…うわ〜〜ん!もう明日から、感想書かなきゃ!と心配しなくてもいいんだ〜〜!」。
読む時間がなかなか取れないので、本を会社に持ち込み、bk1でDLしたA3サイズのブックカバーをこっそり印刷して本に掛け、昼休み時間にわざわざ暗い場所を陣取り、開いた本の左上にある小説タイトルを隠しながら(だってすんごいタイトルなのがあるんだもん…)コソコソ読んだりしました。そしてその姿を、Tさんと一緒にやって来たオッシーに見られ、「なにやってるんですか〜♪」と後ろから驚かされたりしました。
…今に見てろよ…>オッシー
明日、ままりん(母)からPCを奪取できれば、総括を書きたいと思います。
■『エロとじv―b-BOYアンソロジー』
ISBN:4862631908 単行本 リブレ出版 2007/06 ¥1,100
!たいしてネタバレしてませんが、いちおうネタバレ注意報!
■「縛めの白薔薇」 作:あさぎり夕 扉絵:かんべあきら
扉惹句:「尊大な社長は、元華族の美しい青年を貶め、快楽を貪る。」
社長×元華族な陵辱/姦計モノ。初あさぎり作品。BL作品を次々と世に送り出している作家なのに、どーしてもどーしてもどーしても、その著作に手が出せなかった。なぜってそれはビコーズ――私が、「りぼん」と云えば池野恋(『ときめきトゥナイト』)、「なかよし」と云えばあさぎり夕(『あこがれ冒険者』)、という2大少女マンガ誌黄金時代のピークに育った世代だからだー!ガーン!!
…というわけで、心中複雑な思いで読み始めたのだが――これ、ものすごーく古くないだろうか?…耽美だというのではなく、純粋に古臭い。いやだって、名門元華族の青年に白薔薇だよ?「白い庭」に「ホワイトガーデン」というルビが付いてるんだよ?…別にいいじゃん、と云われればそれまでだけど。
文章は上手いというより手堅いという印象。漢字が多めなのだが、無意味に選択していないのがわかる。ひらがな・カタカナとのバランスが良く、句読点の配置も的確、古臭い(失礼!)という全体の雰囲気を壊していない。字面をかなり意識しているんだろうなと思わせる。うーん、最初に目に入ってくる印象を考えているあたり、さすが小説を書いてもマンガ家だなあ…と、つい文体や文章についてばかり感想を書いてしまうのは、惹句通りのストーリーだからで、ほかに云いようがないからである。困った。
評価:★★(興味が沸いてこない人、多そうだ)
秋林好み度:★(わざとレトロなのではなく、本当にレトロなのは好みじゃない)
BL界におけるあさぎり夕のポジションって、どうなんだろう?現在10〜20代半ばで、「あさぎり夕作品でBLを知りました。昔、よく読んだんですよ」という人は多そうである。ただ、そういう人があさぎり作品をそのまま読み続けていくかというと――本作を読む限り、かなり難しい話のように思える…。
次!
■「可愛くて、可愛くて。」 作:雪代鞠絵 扉絵:大和名瀬
扉惹句:「生徒会長室でハダカにされて、憧れの先輩に弄ばれる…!」
生徒会長&副会長×下級生モノ。これも惹句通りのストーリーで、そのまま終わっていくため、ほかに云いようがない。あえて云うなら、「風邪引くよー」という困った作品である。絵師・大和名瀬は、その通りの仕事をしていると思う。以上。
評価:★(お好きな人はどうぞ)
秋林好み度:★(大人っぽい学園モノってない?「あふれそうなプール」みたいな)
雪代鞠絵というペンネームが可愛いと思う…という感想を書くのもなあ…。
終わったー!
ISBN:4862631908 単行本 リブレ出版 2007/06 ¥1,100
2007年6月19日『エロほんv』と同時発売!!キラキラ表紙が目印!業界騒然!! ボーイズノベルの最強作家陣ここに集まる!小説b-Boyで初登場以降、ありえないほどの人気エッチ企画が、新作書き下ろし6本を加えてアンソロジー化★ 空前絶後のエッチを見よ!
ラインナップ
英田サキ、あさぎり夕、あすま理彩、斑鳩サハラ、和泉 桂、榎田尤利、鬼塚ツヤコ、木原音瀬、南原 兼、水戸 泉、水上ルイ、山藍紫姫子、雪代鞠絵
!たいしてネタバレしてませんが、いちおうネタバレ注意報!
■「縛めの白薔薇」 作:あさぎり夕 扉絵:かんべあきら
扉惹句:「尊大な社長は、元華族の美しい青年を貶め、快楽を貪る。」
社長×元華族な陵辱/姦計モノ。初あさぎり作品。BL作品を次々と世に送り出している作家なのに、どーしてもどーしてもどーしても、その著作に手が出せなかった。なぜってそれはビコーズ――私が、「りぼん」と云えば池野恋(『ときめきトゥナイト』)、「なかよし」と云えばあさぎり夕(『あこがれ冒険者』)、という2大少女マンガ誌黄金時代のピークに育った世代だからだー!ガーン!!
…というわけで、心中複雑な思いで読み始めたのだが――これ、ものすごーく古くないだろうか?…耽美だというのではなく、純粋に古臭い。いやだって、名門元華族の青年に白薔薇だよ?「白い庭」に「ホワイトガーデン」というルビが付いてるんだよ?…別にいいじゃん、と云われればそれまでだけど。
文章は上手いというより手堅いという印象。漢字が多めなのだが、無意味に選択していないのがわかる。ひらがな・カタカナとのバランスが良く、句読点の配置も的確、古臭い(失礼!)という全体の雰囲気を壊していない。字面をかなり意識しているんだろうなと思わせる。うーん、最初に目に入ってくる印象を考えているあたり、さすが小説を書いてもマンガ家だなあ…と、つい文体や文章についてばかり感想を書いてしまうのは、惹句通りのストーリーだからで、ほかに云いようがないからである。困った。
評価:★★(興味が沸いてこない人、多そうだ)
秋林好み度:★(わざとレトロなのではなく、本当にレトロなのは好みじゃない)
BL界におけるあさぎり夕のポジションって、どうなんだろう?現在10〜20代半ばで、「あさぎり夕作品でBLを知りました。昔、よく読んだんですよ」という人は多そうである。ただ、そういう人があさぎり作品をそのまま読み続けていくかというと――本作を読む限り、かなり難しい話のように思える…。
次!
■「可愛くて、可愛くて。」 作:雪代鞠絵 扉絵:大和名瀬
扉惹句:「生徒会長室でハダカにされて、憧れの先輩に弄ばれる…!」
生徒会長&副会長×下級生モノ。これも惹句通りのストーリーで、そのまま終わっていくため、ほかに云いようがない。あえて云うなら、「風邪引くよー」という困った作品である。絵師・大和名瀬は、その通りの仕事をしていると思う。以上。
評価:★(お好きな人はどうぞ)
秋林好み度:★(大人っぽい学園モノってない?「あふれそうなプール」みたいな)
雪代鞠絵というペンネームが可愛いと思う…という感想を書くのもなあ…。
終わったー!
■『エロとじv―b-BOYアンソロジー』
ISBN:4862631908 単行本 リブレ出版 2007/06 ¥1,100
普段は映画ネタをメインで書いている当ブログ。
←でリンクさせて頂いているシューさんがおっしゃるように、「急に毛色の違うBlog」になってきました。
……。いっそのこと、ブログ名を「秋林瑞佳のナナイロブログ♪」にしようかな。…って、しないけど。
■「クリスタル」 作:榎田尤利 扉絵:中村明日美子
扉惹句:「エレベーターという密室が、二人のありのままを暴き出す――」
BL界でも、その文章力・描写力はバツグンだと思われる榎田尤利による、エレベーター内での上司×部下、年下攻モノ――とりあえずは。
↓参考:榎田作品感想(『交渉人は黙らない』『犬ほど素敵な商売はない』)
http://diarynote.jp/d/25683/20070502.html
(同日更新しているので、他に1本の感想があります)
最年少取締役、自分のルックスに自信アリの27歳・狩野が主人公、その彼による一人称で話は進む――なんてスラスラと読めるんだろう。榎田尤利の一人称は、相変わらず上手くて隙がない。主人公になりきって書いてるんだろうな、きっと。千の仮面を持つ作家とゆーか、PCの前では頭の中が女優になっているんじゃないだろーか?
榎田尤利の代表作は、たぶん「魚住くんシリーズ」だと思うのだが、私にはちょっとセンシティブ過ぎるところがあって、キライじゃないけど特別好きというわけではなかった。もう少し、エンタテインメントを感じさせるものを書いてくれないかな〜と思ってるうち、数年が経ち、気が付けばファンタジー小説まで手がける、エンタ調節自由自在な人気作家となっていた。恐るべし。
!以下、ネタバレ注意報!
さて。本作は、鬼塚ツヤコ作「痴漢電車」の感想の際に、「同じ『密空間で陵辱、年下攻、ワケありの攻と受』という設定で、このあと素晴らしい出来のスリリングな短編が出てくる」と評した作品である。短編好きにはたまらない上手さ。惚れ惚れする。
ストーリーは、事故で動かないエレベーター内に取り残された攻・上司(年下)である狩野が、狩野の元教育係で現在は部下である芳原(年上)を堕としめ、奪っていく――というもの。これだけ書けば、「なんだまた陵辱ものか」と思われてしまうのだが、最後に…とゆーか、結果的に堕とされた(喰われた)のは、実は俺節な狩野のほうだった、という密室逆転劇である。ただの陵辱もので終わらない/終わらせない、ひとヒネリ半、加えてきた仕上げを高く評価したい。
ただの逆転劇で終わるなら「ひとヒネリ」で終わる。なぜそれに「半」をつけたのか。榎田尤利が初めて書いたと思われるスカ**(秋林さんビックリ)が、「クリスタル」に繋がって逆転劇の切り札になっていく――その流れが「半」であり、見事だったからである。最後のシメの一行もイイ。「半」をさりげなく加えてくる作家が榎田尤利なんだと思う。断言するけど、フツーの作家なら「ヒネリ」で終わるね。
エロはさほど激しくはないが、私にはこれくらいで充分。
隙および死角ナシ、ベタ褒めの1本。
評価:★★★★★(ブリリアーント!)
秋林好み度:★★★★(なんで一個足りないの?と云われそう)
タイトルの付け方が上手いなあ。フツーの作家だったら(という書き方はたいへん失礼である…すみません)「体感エレベーター」とかなんとか、凡庸なのをそのまま付けそうだ。絵師・中村明日美子による扉絵は、なんとなく爬虫類系なイメージ。好き嫌いは出てくると思うけど、エダ作品には新鮮に映る。惹句は可もなく不可もなく、凡庸。これがちょっともったいなかったかな…。
しっかし…エダさんがスカを書くなんてなあ。正直、私はソッチ系がニガテなんだけど、狩野というキャラならやりそうだし、グロくて嫌味ないやらしさがない。さらに「クリスタル」を活かすためのソレだとわかるので、やっぱり上手いとしか云えず。
ISBN:4862631908 単行本 リブレ出版 2007/06 ¥1,100
2007年6月19日『エロほんv』と同時発売!!キラキラ表紙が目印!業界騒然!! ボーイズノベルの最強作家陣ここに集まる!小説b-Boyで初登場以降、ありえないほどの人気エッチ企画が、新作書き下ろし6本を加えてアンソロジー化★ 空前絶後のエッチを見よ!
ラインナップ
英田サキ、あさぎり夕、あすま理彩、斑鳩サハラ、和泉 桂、榎田尤利、鬼塚ツヤコ、木原音瀬、南原 兼、水戸 泉、水上ルイ、山藍紫姫子、雪代鞠絵
普段は映画ネタをメインで書いている当ブログ。
←でリンクさせて頂いているシューさんがおっしゃるように、「急に毛色の違うBlog」になってきました。
……。いっそのこと、ブログ名を「秋林瑞佳のナナイロブログ♪」にしようかな。…って、しないけど。
■「クリスタル」 作:榎田尤利 扉絵:中村明日美子
扉惹句:「エレベーターという密室が、二人のありのままを暴き出す――」
BL界でも、その文章力・描写力はバツグンだと思われる榎田尤利による、エレベーター内での上司×部下、年下攻モノ――とりあえずは。
↓参考:榎田作品感想(『交渉人は黙らない』『犬ほど素敵な商売はない』)
http://diarynote.jp/d/25683/20070502.html
(同日更新しているので、他に1本の感想があります)
最年少取締役、自分のルックスに自信アリの27歳・狩野が主人公、その彼による一人称で話は進む――なんてスラスラと読めるんだろう。榎田尤利の一人称は、相変わらず上手くて隙がない。主人公になりきって書いてるんだろうな、きっと。千の仮面を持つ作家とゆーか、PCの前では頭の中が女優になっているんじゃないだろーか?
榎田尤利の代表作は、たぶん「魚住くんシリーズ」だと思うのだが、私にはちょっとセンシティブ過ぎるところがあって、キライじゃないけど特別好きというわけではなかった。もう少し、エンタテインメントを感じさせるものを書いてくれないかな〜と思ってるうち、数年が経ち、気が付けばファンタジー小説まで手がける、エンタ調節自由自在な人気作家となっていた。恐るべし。
!以下、ネタバレ注意報!
さて。本作は、鬼塚ツヤコ作「痴漢電車」の感想の際に、「同じ『密空間で陵辱、年下攻、ワケありの攻と受』という設定で、このあと素晴らしい出来のスリリングな短編が出てくる」と評した作品である。短編好きにはたまらない上手さ。惚れ惚れする。
腕のオメガは午後一時四十三分を指している。エレベーターが止まっても時間を確認できる(どんな状態下でも冷静に自分を保てる自信家の俺節タイプで)、オメガ(それなりにお金を持っている)を持つ男――たった一行で人物像が浮かび上がる。他の作家なら「時計に目をやると午後一時四十三分だった」とか書きそうだよなあと、冒頭のこれだけでシビれる私も、かなりヘンではある。
ストーリーは、事故で動かないエレベーター内に取り残された攻・上司(年下)である狩野が、狩野の元教育係で現在は部下である芳原(年上)を堕としめ、奪っていく――というもの。これだけ書けば、「なんだまた陵辱ものか」と思われてしまうのだが、最後に…とゆーか、結果的に堕とされた(喰われた)のは、実は俺節な狩野のほうだった、という密室逆転劇である。ただの陵辱もので終わらない/終わらせない、ひとヒネリ半、加えてきた仕上げを高く評価したい。
ただの逆転劇で終わるなら「ひとヒネリ」で終わる。なぜそれに「半」をつけたのか。榎田尤利が初めて書いたと思われるスカ**(秋林さんビックリ)が、「クリスタル」に繋がって逆転劇の切り札になっていく――その流れが「半」であり、見事だったからである。最後のシメの一行もイイ。「半」をさりげなく加えてくる作家が榎田尤利なんだと思う。断言するけど、フツーの作家なら「ヒネリ」で終わるね。
エロはさほど激しくはないが、私にはこれくらいで充分。
隙および死角ナシ、ベタ褒めの1本。
評価:★★★★★(ブリリアーント!)
秋林好み度:★★★★(なんで一個足りないの?と云われそう)
タイトルの付け方が上手いなあ。フツーの作家だったら(という書き方はたいへん失礼である…すみません)「体感エレベーター」とかなんとか、凡庸なのをそのまま付けそうだ。絵師・中村明日美子による扉絵は、なんとなく爬虫類系なイメージ。好き嫌いは出てくると思うけど、エダ作品には新鮮に映る。惹句は可もなく不可もなく、凡庸。これがちょっともったいなかったかな…。
しっかし…エダさんがスカを書くなんてなあ。正直、私はソッチ系がニガテなんだけど、狩野というキャラならやりそうだし、グロくて嫌味ないやらしさがない。さらに「クリスタル」を活かすためのソレだとわかるので、やっぱり上手いとしか云えず。
■『エロとじv―b-BOYアンソロジー』
ISBN:4862631908 単行本 リブレ出版 2007/06 ¥1,100
連休中になんとしてでも罰ゲームを終わらせたい。
…妖精さ〜ん!!
そっか…夜霧さんは、英田兄貴の「デッドロック」をお買いになったのですね。「キラキラ表紙のアレ」は、書泉ブックマートになかったのかしら…って、それ以前に「キラキラ表紙のアレ」を手にする夜霧さんだなんて、想像デッドロック、そんなのできましぇん…。
!たいしてネタバレしてませんが、いちおうネタバレ注意報!
■「多岐川肛門病院の秘密」 作:山藍紫姫子 扉絵:あさとえいり
扉惹句:「こ…こんなの、もう『お医者さんごっこ』じゃないっ!」
「エロとじv」最大の異色作(木原音瀬の作品は別枠シード)。当たり前である。耽美やJUNEと呼ばれた女性向け同性愛作品がBL(ボーイズラブ)としてポップ化、市民権を得た平成の世になっても、耽美/JUNEを背負い、堂々と立ち続け、独自の世界を創り上げている作家・山藍紫姫子の作品だからだ。
需要はあるだろうが、そんな生きた化石とも云える(失礼!)耽美作家が、なんで「ポップでエッチ、セレブとイケメン」なリブレに!?…と驚いたのだが、前回「貴人たちの後継儀式」の感想で、「エロシーンがマンネリ化するのはわかってたはず(違うか?>編集部)」と書いたことを、これでリブレに謝らねばなるまい。ごめんちゃい!悪かった!…まさか山藍紫姫子を連れて来るとは思わなかったよ!
現在、山藍センセがどの雑誌でどのような作品を発表されているのか、まったく知らないため、どうしても昔のキョーレツな印象しか思い出せないのだが(両性具有とかー)、本作はなんとなく「キャラ年齢を下げセレブにし、リブレ風を意識してみました」という感じがする。ポップなBLに遜った耽美とでも云うか。お道具の使いっぷりや、非日常の世界をゾクリと感じさせるキャラたちは相変わらずというあたりが、まさにそれ。ただし、センセは楽しんで遜っておられるとみた。う〜ん。私は耽美からBLへの移行世代だし、「作品の理解はしたいが属性がない」としか云えず、なんともツライ。…ごめんちゃい…。
評価:★(お好きな人はどうぞ。需要はあると思うので)
秋林好み度:★(すみません…)
評価は★1つだが、これもまたヘタというのではなく「お好きな人はどうぞ」というもの。需要はあると思う。山藍センセは今後、どの方面へ行かれるのだろう?クオバディース!…ところで。絵師・あさとえいりが完全ミスマッチ。ポップ仕様にしたいのはわかるのだが、やっぱここは四谷シモーヌなんじゃ?
次!
■「華麗なる賭け」 作:あすま理彩 扉絵:亜樹良のりかず
扉惹句:「賭けに負けたとき、その身体は男の性玩具となる――」
カジノが舞台の――いち、にー、さん、しー……複数プレイもの。ハイ、みなさんご一緒にー!………。「華麗なる賭け」なんて、完全タイトル負けだと思うんだが…どうだろう?
主人公は美貌(お約束)のディーラー。そのほか、ホテル王だのとセレブが出てくるんだが、複数な上に独特な文章で読みづらいことも手伝って、誰が誰やらサッパリわかんねー!…私の読解力ももはやここまで。相関図を書きながら読み進めようかと一瞬思ったが、ペンを持ちながら「え〜っと、いま上に乗っかってるのがー…」だなんて、やってられるかっ!…ということで諦めた。
カジノが舞台でなくても成立するほど、内容はヤリっぱなしのオチなし、さらにキャラ萌えなしの三無短編である。それにしても、相当エログレードの高い表現をしているはずなのに、なんでエロを感じさせないんだろう?…ちょっと考えながら読んでみた。うーん。コトの最中だというのに「〜なのだ」「〜のだ」と、文章を断定形にしてくるのが煩わしく、また興ざめだからかもしれない。まるで書き手による実況中継のよう。これは寒い。ガッカリ。
評価:★★(つまらない)
秋林好み度:★(カンベン)
惹句もなあ…「性玩具」って、そんな直接的過ぎてつまらない。せっかくカジノものなんだから「切り札」にするとか、そんな風にして欲しかったなあ。絵師・亜樹良のりかずは頑張って描いている…が、生理的に受け付けられない扉絵だった。ニガテ。忘れたい。
次!
ISBN:4862631908 単行本 リブレ出版 2007/06 ¥1,100
2007年6月19日『エロほんv』と同時発売!!キラキラ表紙が目印!業界騒然!! ボーイズノベルの最強作家陣ここに集まる!小説b-Boyで初登場以降、ありえないほどの人気エッチ企画が、新作書き下ろし6本を加えてアンソロジー化★ 空前絶後のエッチを見よ!
ラインナップ
英田サキ、あさぎり夕、あすま理彩、斑鳩サハラ、和泉 桂、榎田尤利、鬼塚ツヤコ、木原音瀬、南原 兼、水戸 泉、水上ルイ、山藍紫姫子、雪代鞠絵
連休中になんとしてでも罰ゲームを終わらせたい。
…妖精さ〜ん!!
そっか…夜霧さんは、英田兄貴の「デッドロック」をお買いになったのですね。「キラキラ表紙のアレ」は、書泉ブックマートになかったのかしら…って、それ以前に「キラキラ表紙のアレ」を手にする夜霧さんだなんて、想像デッドロック、そんなのできましぇん…。
!たいしてネタバレしてませんが、いちおうネタバレ注意報!
■「多岐川肛門病院の秘密」 作:山藍紫姫子 扉絵:あさとえいり
扉惹句:「こ…こんなの、もう『お医者さんごっこ』じゃないっ!」
「エロとじv」最大の異色作(木原音瀬の作品は別枠シード)。当たり前である。耽美やJUNEと呼ばれた女性向け同性愛作品がBL(ボーイズラブ)としてポップ化、市民権を得た平成の世になっても、耽美/JUNEを背負い、堂々と立ち続け、独自の世界を創り上げている作家・山藍紫姫子の作品だからだ。
需要はあるだろうが、そんな生きた化石とも云える(失礼!)耽美作家が、なんで「ポップでエッチ、セレブとイケメン」なリブレに!?…と驚いたのだが、前回「貴人たちの後継儀式」の感想で、「エロシーンがマンネリ化するのはわかってたはず(違うか?>編集部)」と書いたことを、これでリブレに謝らねばなるまい。ごめんちゃい!悪かった!…まさか山藍紫姫子を連れて来るとは思わなかったよ!
現在、山藍センセがどの雑誌でどのような作品を発表されているのか、まったく知らないため、どうしても昔のキョーレツな印象しか思い出せないのだが(両性具有とかー)、本作はなんとなく「キャラ年齢を下げセレブにし、リブレ風を意識してみました」という感じがする。ポップなBLに遜った耽美とでも云うか。お道具の使いっぷりや、非日常の世界をゾクリと感じさせるキャラたちは相変わらずというあたりが、まさにそれ。ただし、センセは楽しんで遜っておられるとみた。う〜ん。私は耽美からBLへの移行世代だし、「作品の理解はしたいが属性がない」としか云えず、なんともツライ。…ごめんちゃい…。
評価:★(お好きな人はどうぞ。需要はあると思うので)
秋林好み度:★(すみません…)
評価は★1つだが、これもまたヘタというのではなく「お好きな人はどうぞ」というもの。需要はあると思う。山藍センセは今後、どの方面へ行かれるのだろう?クオバディース!…ところで。絵師・あさとえいりが完全ミスマッチ。ポップ仕様にしたいのはわかるのだが、やっぱここは四谷シモーヌなんじゃ?
次!
■「華麗なる賭け」 作:あすま理彩 扉絵:亜樹良のりかず
扉惹句:「賭けに負けたとき、その身体は男の性玩具となる――」
カジノが舞台の――いち、にー、さん、しー……複数プレイもの。ハイ、みなさんご一緒にー!………。「華麗なる賭け」なんて、完全タイトル負けだと思うんだが…どうだろう?
主人公は美貌(お約束)のディーラー。そのほか、ホテル王だのとセレブが出てくるんだが、複数な上に独特な文章で読みづらいことも手伝って、誰が誰やらサッパリわかんねー!…私の読解力ももはやここまで。相関図を書きながら読み進めようかと一瞬思ったが、ペンを持ちながら「え〜っと、いま上に乗っかってるのがー…」だなんて、やってられるかっ!…ということで諦めた。
カジノが舞台でなくても成立するほど、内容はヤリっぱなしのオチなし、さらにキャラ萌えなしの三無短編である。それにしても、相当エログレードの高い表現をしているはずなのに、なんでエロを感じさせないんだろう?…ちょっと考えながら読んでみた。うーん。コトの最中だというのに「〜なのだ」「〜のだ」と、文章を断定形にしてくるのが煩わしく、また興ざめだからかもしれない。まるで書き手による実況中継のよう。これは寒い。ガッカリ。
評価:★★(つまらない)
秋林好み度:★(カンベン)
惹句もなあ…「性玩具」って、そんな直接的過ぎてつまらない。せっかくカジノものなんだから「切り札」にするとか、そんな風にして欲しかったなあ。絵師・亜樹良のりかずは頑張って描いている…が、生理的に受け付けられない扉絵だった。ニガテ。忘れたい。
次!
■『エロとじv―b-BOYアンソロジー』
ISBN:4862631908 単行本 リブレ出版 2007/06 ¥1,100
長いです…ってか、意図的に長くしました。
■「鈍色の華」 作:木原音瀬 扉絵:鈴木ツタ
扉惹句:「誰も見たことのないその華は、誰とも違う輝きを放ち…」
萌えで推し量れぬ作家、木原音瀬(このはら・なりせ)の登場である。
木原音瀬は、私にとってたいへん厄介な作家だ。新作が出れば、本屋へ行って手に取り、そしてレジへと向かうのだけれども、「木原作品vs.私」とゆーか、読む前に身構えてしまい、帰宅後しばらく本と対峙することになる。「動かざること山の如し」とは、まさにこのこと(…引用間違ってます>秋林さん)。購入してから読むに至るまで、数日〜数週間かかるということもザラ。たとえばストレートに甘さを与えてくれる英田サキなら、すぐさま通勤電車の中で(もちろん、カラー口絵クリップ留め処置は必至だ!)ページをめくることもできるが、木原音瀬となるとなかなかそうもいかない。読みたくない…のではなく、読もうという気分になるまでどうしても手が出せず、モヤモヤっとしてしまうからである。
エンタテインメントなファンタジー産物であるはずのBLで、自分が持っているモラルのレベルがどうであるか、方向が間違っていないかと、読み進めていくうちにだんだんと気になってくるのは、彼女の作品ぐらいだと思う(鬼畜系作家とは別次元…とゆーかアナザープラネッツな話である)。BLにおける常識(≒甘いお約束)を、簡単に覆してくることも多々ある木原作品には、鬼畜・健気関わらず、ヘビー級の一途さを見せるキャラが多く登場してくるのだが、大概キャラにその自覚がないため、悲壮さが全体に漂わず、淡々として乾いた文章がマイペースで続くこともあって(「木原リズム」とでも云うか)、読み手は「せつなさ」を通り越した「痛さ」を感じてしまう。
感動が待ってるかもしれない、いや待ってるに違いない――でも、そこに至るまでがとにかく「痛い」。作品によっては、私も我慢しっぱなしである。
…以上、私が勝手に位置づけた木原音瀬イメージを踏まえ、以下、「鈍色の華」の感想を。
!マジで完全ネタバレ注意報!
参った…スゴイよ、これ…。
アゼン → ボーゼン → ガクゼン だ!!
受は40代後半で白髪まじりのまったく冴えない窓際リーマン。
攻は仕事で取引交渉中の得体知れずな年下ガイジン2名。
社長の監視のもと、料亭で接待複数プレイ。
攻が受を「baby」と呼ぶ。
女体盛りならぬ中年男盛り。
ひぃぇえええええええええええ!
……。
さすがに私も一瞬、ロープを掴みかけた。
フツーならば、「エロとじv」に収録されている他の作家のように、鬼畜道ここに極まれりなエロでオチなく終わっていく、もしくは「イヤイヤ、ああ〜ん♪」で「攻が受を手に入れて最後にニンマリ」という作品になるところなのだが、書き手は木原音瀬、フツーに始まりフツーで終わるはずがない。
40代後半でリストラに怯える窓際リーマン、典型的なダメオヤジである鶴谷。仕事上だけでなく、ひとりの人間としても彼に興味を持つ者はいない。そんな彼が、契約を結ぼうとしている米国大企業の重要人(しかもふたり!)に突然、セックスの相手として指名される。なぜ鶴谷?…理由はいらない。わかるわけがないし、わからないままでいいからである。相手はガイジン、典型的なダメオヤジには得体の知れない肉食人種、怖い相手だ。読み手は鶴谷とともに混乱しながら、そのままエロへ。萌えなど一切ない、鬼畜スレスレ、例の「木原リズム」で淡々と描かれている(木原音瀬は感嘆符「!」を使用しない)、実に怖いエロである。本作は(とりあえず)BLにカテゴライズされているが、ホラー、もしくはSF(スペキュレーティブ・フィクション)のようでもあり――読んでいると、安部公房の『箱男』をなんとなく思い出してしまった。
私は短編小説/映画が大好きでよく読む/観るのだが、BLとしてでなく短編小説としても、本作の完成度はおっそろしく高いと感じる。次元が違う、アナザープラネッツな出来。社長の前で鶴谷がある告白をし、唐突に話は終わっていくのだが、ラストを鶴谷のセリフで締めくくっているあたり、印象的な短編小説をどう書くか、感覚でわかってる作家だなと思う(プロに対し、たいへん失礼な云い方になってしまうが)。榎田尤利もまたしかり。鶴谷の告白を聞いた社長のリアクションなんて、いらないでしょ?…だってそれは読み手と同じはずだから。同情したいけどできない鶴谷視点で始まり、最後は社長に同調する(注)。なんて素晴らしい。
エロにドン引きされることは別にして、もしかしたら海外で短編小説賞を獲れるかもよ?…ってか、なんでこれが「エロとじv」に載ってるんだ!?
評価:★★★★★(BLってスゴイ。木原音瀬みたいな作家がいるんだから)
秋林好み度:★★★(…だからね、評価と好みは違うの。私にオヤジ受属性はないし、何度も読み返したい作品でもないから)
絵師の鈴木ツタはグッジョブだと思うが、三段も落としてくるストーリーに、主人公がくたびれたリーマンということで、国枝彩香で見たかったかな…。惹句は…そうだな、けっこういい感じ、合ってると思う。
本作で初めて木原作品を読んだ人(Dさんだ、Dさん!)、なにもこんなキョーレツな作品を選ばなくたって…と云いたいところだが、「読んでみなければわからない」「人の評価を聞いてから読むかどうかを決めよう」な木原作品なだけに、「なんだこりゃ!?」という感想を聞いても、「お気の毒でした」としか云えない…。たとえば、三島由紀夫の作品を初めて読む人に薦めるならば『潮騒』、いきなり『禁色』は薦めないでしょ?
■(注)ちょっと分かりにくいかなと思ったので補記
「40代後半・白髪まじり・まったく冴えない窓際リーマン」という設定だけで、共感しづらく「うっ…」とくる。鶴谷の接待場面は「かわいそう、ひどい」と思うには思うけど、あまりの非日常かつ異常な状況に、読み手は自分の中に棲むモラルとの葛藤で必死になってしまい、彼に同情する余裕がなく、ただただ傍観するだけ。その場面が終わってホっとしてたら、読み手の知らないうちに、鶴谷が豹変していた。最後の告白。読み手は社長とともに愕然となる。
ISBN:4862631908 単行本 リブレ出版 2007/06 ¥1,100
2007年6月19日『エロほんv』と同時発売!!キラキラ表紙が目印!業界騒然!! ボーイズノベルの最強作家陣ここに集まる!小説b-Boyで初登場以降、ありえないほどの人気エッチ企画が、新作書き下ろし6本を加えてアンソロジー化★ 空前絶後のエッチを見よ!
ラインナップ
英田サキ、あさぎり夕、あすま理彩、斑鳩サハラ、和泉 桂、榎田尤利、鬼塚ツヤコ、木原音瀬、南原 兼、水戸 泉、水上ルイ、山藍紫姫子、雪代鞠絵
長いです…ってか、意図的に長くしました。
■「鈍色の華」 作:木原音瀬 扉絵:鈴木ツタ
扉惹句:「誰も見たことのないその華は、誰とも違う輝きを放ち…」
萌えで推し量れぬ作家、木原音瀬(このはら・なりせ)の登場である。
木原音瀬は、私にとってたいへん厄介な作家だ。新作が出れば、本屋へ行って手に取り、そしてレジへと向かうのだけれども、「木原作品vs.私」とゆーか、読む前に身構えてしまい、帰宅後しばらく本と対峙することになる。「動かざること山の如し」とは、まさにこのこと(…引用間違ってます>秋林さん)。購入してから読むに至るまで、数日〜数週間かかるということもザラ。たとえばストレートに甘さを与えてくれる英田サキなら、すぐさま通勤電車の中で(もちろん、カラー口絵クリップ留め処置は必至だ!)ページをめくることもできるが、木原音瀬となるとなかなかそうもいかない。読みたくない…のではなく、読もうという気分になるまでどうしても手が出せず、モヤモヤっとしてしまうからである。
エンタテインメントなファンタジー産物であるはずのBLで、自分が持っているモラルのレベルがどうであるか、方向が間違っていないかと、読み進めていくうちにだんだんと気になってくるのは、彼女の作品ぐらいだと思う(鬼畜系作家とは別次元…とゆーかアナザープラネッツな話である)。BLにおける常識(≒甘いお約束)を、簡単に覆してくることも多々ある木原作品には、鬼畜・健気関わらず、ヘビー級の一途さを見せるキャラが多く登場してくるのだが、大概キャラにその自覚がないため、悲壮さが全体に漂わず、淡々として乾いた文章がマイペースで続くこともあって(「木原リズム」とでも云うか)、読み手は「せつなさ」を通り越した「痛さ」を感じてしまう。
感動が待ってるかもしれない、いや待ってるに違いない――でも、そこに至るまでがとにかく「痛い」。作品によっては、私も我慢しっぱなしである。
…以上、私が勝手に位置づけた木原音瀬イメージを踏まえ、以下、「鈍色の華」の感想を。
!マジで完全ネタバレ注意報!
参った…スゴイよ、これ…。
アゼン → ボーゼン → ガクゼン だ!!
受は40代後半で白髪まじりのまったく冴えない窓際リーマン。
攻は仕事で取引交渉中の得体知れずな年下ガイジン2名。
社長の監視のもと、料亭で接待複数プレイ。
攻が受を「baby」と呼ぶ。
女体盛りならぬ中年男盛り。
ひぃぇえええええええええええ!
……。
さすがに私も一瞬、ロープを掴みかけた。
フツーならば、「エロとじv」に収録されている他の作家のように、鬼畜道ここに極まれりなエロでオチなく終わっていく、もしくは「イヤイヤ、ああ〜ん♪」で「攻が受を手に入れて最後にニンマリ」という作品になるところなのだが、書き手は木原音瀬、フツーに始まりフツーで終わるはずがない。
40代後半でリストラに怯える窓際リーマン、典型的なダメオヤジである鶴谷。仕事上だけでなく、ひとりの人間としても彼に興味を持つ者はいない。そんな彼が、契約を結ぼうとしている米国大企業の重要人(しかもふたり!)に突然、セックスの相手として指名される。なぜ鶴谷?…理由はいらない。わかるわけがないし、わからないままでいいからである。相手はガイジン、典型的なダメオヤジには得体の知れない肉食人種、怖い相手だ。読み手は鶴谷とともに混乱しながら、そのままエロへ。萌えなど一切ない、鬼畜スレスレ、例の「木原リズム」で淡々と描かれている(木原音瀬は感嘆符「!」を使用しない)、実に怖いエロである。本作は(とりあえず)BLにカテゴライズされているが、ホラー、もしくはSF(スペキュレーティブ・フィクション)のようでもあり――読んでいると、安部公房の『箱男』をなんとなく思い出してしまった。
私は短編小説/映画が大好きでよく読む/観るのだが、BLとしてでなく短編小説としても、本作の完成度はおっそろしく高いと感じる。次元が違う、アナザープラネッツな出来。社長の前で鶴谷がある告白をし、唐突に話は終わっていくのだが、ラストを鶴谷のセリフで締めくくっているあたり、印象的な短編小説をどう書くか、感覚でわかってる作家だなと思う(プロに対し、たいへん失礼な云い方になってしまうが)。榎田尤利もまたしかり。鶴谷の告白を聞いた社長のリアクションなんて、いらないでしょ?…だってそれは読み手と同じはずだから。同情したいけどできない鶴谷視点で始まり、最後は社長に同調する(注)。なんて素晴らしい。
エロにドン引きされることは別にして、もしかしたら海外で短編小説賞を獲れるかもよ?…ってか、なんでこれが「エロとじv」に載ってるんだ!?
評価:★★★★★(BLってスゴイ。木原音瀬みたいな作家がいるんだから)
秋林好み度:★★★(…だからね、評価と好みは違うの。私にオヤジ受属性はないし、何度も読み返したい作品でもないから)
絵師の鈴木ツタはグッジョブだと思うが、三段も落としてくるストーリーに、主人公がくたびれたリーマンということで、国枝彩香で見たかったかな…。惹句は…そうだな、けっこういい感じ、合ってると思う。
本作で初めて木原作品を読んだ人(Dさんだ、Dさん!)、なにもこんなキョーレツな作品を選ばなくたって…と云いたいところだが、「読んでみなければわからない」「人の評価を聞いてから読むかどうかを決めよう」な木原作品なだけに、「なんだこりゃ!?」という感想を聞いても、「お気の毒でした」としか云えない…。たとえば、三島由紀夫の作品を初めて読む人に薦めるならば『潮騒』、いきなり『禁色』は薦めないでしょ?
■(注)ちょっと分かりにくいかなと思ったので補記
「40代後半・白髪まじり・まったく冴えない窓際リーマン」という設定だけで、共感しづらく「うっ…」とくる。鶴谷の接待場面は「かわいそう、ひどい」と思うには思うけど、あまりの非日常かつ異常な状況に、読み手は自分の中に棲むモラルとの葛藤で必死になってしまい、彼に同情する余裕がなく、ただただ傍観するだけ。その場面が終わってホっとしてたら、読み手の知らないうちに、鶴谷が豹変していた。最後の告白。読み手は社長とともに愕然となる。
■『エロとじv―b-BOYアンソロジー』
ISBN:4862631908 単行本 リブレ出版 2007/06 ¥1,100
マジでしんどくなってきました。
これが罰ゲームというものなのね――グッバイ、私の休日よ。
妖精さんがやって来て、代わりに感想を書いてくれないかなー。
【お知らせ】
感想をつらつらと13本並べるのはツライので、1本文につき3本にします。
ただし、「これは面白いので感想をスペシャルに書きたい」作品の場合、1本だけのUPにします。
「BLにおける小説と挿絵と惹句は、一蓮托生な関係である」と思っているので、それらについても感想を述べます。
■「蜜月メイド」 作:水戸泉 扉絵:しょうおとあや
扉惹句:「この屋敷では、毎晩メイドが主の夜伽をすることが決まってるんだよ」
「なんで男でメイド?」ってそんなこと訊くな!…ってか私が訊きたい!…ってか「エロとじv」なんだから仕方ない!ここはガマンだ!…な、水戸泉による勝ち組セレブ(と本編に書いてある)×高校生メイドもの。
猫耳は1行目で痛恨の一撃、メイドは5行目でザラキだった。
……メイド属性のない秋林さん、ザオリク待ち。合掌。
評価:NO STAR(せめて執事にしてくれ!)
秋林好み度:NO STAR(ザオラル不可。ザオリク待ち。クリフトを呼んでくれ!)
読了できなかった唯一の作品。何度もチャレンジしたが、どうしても読み進めず。水戸泉という名前はよく見かけるのだが(まわしが山吹色の某元力士ではなく)、なんとなく住む世界が違うような気がして、いままで読んだことがなかった。この作家はいつもこんな拙い文章を書いてるの?…それとも、五百香ノエルのロリータエロ「りぼん絵日記」(ニガテ)のように、内容に合わせて、言葉足らずの舌足らずな文体にしてる?…どっちだ?(たぶん後者、わざとだと思う)…どちらにしてもこの短編読む限り、普段から気が付けばエロ曼荼羅な作風なんじゃ?…そして掲載順が「英田サキの後で木原音瀬の前」なんてのは、ちょっと残酷な仕打ちじゃないのか?>編集部
次!
■「隷従の檻」 作:和泉桂 扉絵:稲荷家房之介
扉惹句:「アラブの後宮で、官能に堕とされる王子は…!?」
奴隷×王子による下克上、且つ衆人環視(←漢字合ってる?姦視?)モノ。書き手が中堅・和泉桂なので、比較的こなれた文章である。及第点は充分にクリアしているのだが、キョーレツな設定および個性のある5〜6本を前に読んだせいか、サラサラサラサラサラ〜っと流してしまって、「ハイ、おしまい」。なんだか印象に残らない1本だった。よく云えば読みやすい、悪く云えば特長/特徴がなく、感想も書きにくい作品とでも云うか。「媚薬」と、設定およびネタがビミョーにかぶっているのだが、全編ヤリっぱなしで、パンチライン(Punch Line…「(冗談などの)急所となる文句、 落ち」という意。『プログレッシブ英和中辞典』引用)がない話はツライ。絵師・稲荷家房之介は、「百日の薔薇」を読んだときに、「この人、欧州系よりアラブやトルキーのほうが似合いそうだ」と思ったので、今回の抜擢はナイスだと思う。あんまりアラブっぽくないけど。
評価:★★☆(面白い/面白くないの前に、印象に残らない)
秋林好み度:★★(ストーリーがありそうで実質なかった。なんだそれ?)
扉惹句読むまで、これがアラブだとはまったく気付かなかった。秋林 念願 のアラブデビューが、うっかり「エロとじv」になってしまった。ショックである。
BLを読んでいると、「この近年で、見かけるようになった表現」というものに出くわし、「そっか〜、いまこの表現がBLでは流行りなのね」と思うことがしばしばある。表現に時代性があるとゆーか。最近だと「瞠目する」「片眉を上げる」「眉根を寄せる」。次に来るのは、本作にも出てきた「雄蕊(蘂)【ゆうずい】」(木原音瀬の新刊『牛泥棒』でも出てきた)じゃないだろうか。雄蕊、ゆーずい、ユウズイ。いや〜便利だ、これ。字を書いて声に出して読んでも、一般人にはなんのことだかわかるまい。「一発でイミわかる人=腐女子」だな。…ともあれ、時代はユウズイだ!…たぶん。
次!
■「貴人たちの後継儀式」 作:斑鳩サハラ 扉絵:明神翼
扉惹句:「セレブが行う成人儀式 それはたまらなく淫靡で…vvv」
どうつけようか最後まで悩んだんだろうな〜という印象の、ちょっとモタつくタイトルである。セレブ青年たち×18歳高校生モノ。
「18歳になったら、一族の中でもとりわけ優れた資質を備えた成人男子と契って、ユウズイ(さっそく利用だ!)からのナニを注いでもらうことで一人前となり、一族として認められる」って、なんじゃそりゃ?(←BLにおいて禁句です>秋林さん)…貴人たちの後継儀式というより、奇人たちの貫通儀式である。
まさに「リブレ(BE×BOY)=ポップでエッチ、セレブとイケメン」そのもの、看板に偽りナシの内容なのだが…マンネリでつまらない。いつも思うんだが、この手の儀式モノはなぜ受をポジティブホモにしないのだろう。「イヤイヤ、ああ〜ん♪」で、「攻が受を手に入れて最後にニンマリ」というものばかりだ。ロザリーン・ヤングちゃん自らが、自己のフェティシズムと妄想を赤裸々に綴った、究極のエロティシズム本『ロザリーン・ヤングはじめての告白』(不思議と好感が持てるんだからオドロキだ)のようにならぬものか。躾よく育てられた、若く美しい18歳の男の子。隠された欲望とフェティシズム。そんな彼がある儀式を妄想し始める――とか。攻主導でない、潔く凛とした受視点を希望。
評価:★★(つまらない)
秋林好み度:★(カンベン)
これも印象に残らない。13本も並ぶのだから、エロシーンがマンネリ化するのはわかってたはず(違うか?>編集部)。設定と視点を変えるだけでも、かなり内容が違ってくると思うんだけどなあ。ただし、明神翼の絵は「ポップでエッチ、セレブとイケメン」になるので、適材適所だろう。
次!
ISBN:4862631908 単行本 リブレ出版 2007/06 ¥1,100
2007年6月19日『エロほんv』と同時発売!!キラキラ表紙が目印!業界騒然!! ボーイズノベルの最強作家陣ここに集まる!小説b-Boyで初登場以降、ありえないほどの人気エッチ企画が、新作書き下ろし6本を加えてアンソロジー化★ 空前絶後のエッチを見よ!
ラインナップ
英田サキ、あさぎり夕、あすま理彩、斑鳩サハラ、和泉 桂、榎田尤利、鬼塚ツヤコ、木原音瀬、南原 兼、水戸 泉、水上ルイ、山藍紫姫子、雪代鞠絵
マジでしんどくなってきました。
これが罰ゲームというものなのね――グッバイ、私の休日よ。
妖精さんがやって来て、代わりに感想を書いてくれないかなー。
【お知らせ】
感想をつらつらと13本並べるのはツライので、1本文につき3本にします。
ただし、「これは面白いので感想をスペシャルに書きたい」作品の場合、1本だけのUPにします。
「BLにおける小説と挿絵と惹句は、一蓮托生な関係である」と思っているので、それらについても感想を述べます。
■「蜜月メイド」 作:水戸泉 扉絵:しょうおとあや
扉惹句:「この屋敷では、毎晩メイドが主の夜伽をすることが決まってるんだよ」
「なんで男でメイド?」ってそんなこと訊くな!…ってか私が訊きたい!…ってか「エロとじv」なんだから仕方ない!ここはガマンだ!…な、水戸泉による勝ち組セレブ(と本編に書いてある)×高校生メイドもの。
猫耳は1行目で痛恨の一撃、メイドは5行目でザラキだった。
……メイド属性のない秋林さん、ザオリク待ち。合掌。
評価:NO STAR(せめて執事にしてくれ!)
秋林好み度:NO STAR(ザオラル不可。ザオリク待ち。クリフトを呼んでくれ!)
読了できなかった唯一の作品。何度もチャレンジしたが、どうしても読み進めず。水戸泉という名前はよく見かけるのだが(まわしが山吹色の某元力士ではなく)、なんとなく住む世界が違うような気がして、いままで読んだことがなかった。この作家はいつもこんな拙い文章を書いてるの?…それとも、五百香ノエルのロリータエロ「りぼん絵日記」(ニガテ)のように、内容に合わせて、言葉足らずの舌足らずな文体にしてる?…どっちだ?(たぶん後者、わざとだと思う)…どちらにしてもこの短編読む限り、普段から気が付けばエロ曼荼羅な作風なんじゃ?…そして掲載順が「英田サキの後で木原音瀬の前」なんてのは、ちょっと残酷な仕打ちじゃないのか?>編集部
次!
■「隷従の檻」 作:和泉桂 扉絵:稲荷家房之介
扉惹句:「アラブの後宮で、官能に堕とされる王子は…!?」
奴隷×王子による下克上、且つ衆人環視(←漢字合ってる?姦視?)モノ。書き手が中堅・和泉桂なので、比較的こなれた文章である。及第点は充分にクリアしているのだが、キョーレツな設定および個性のある5〜6本を前に読んだせいか、サラサラサラサラサラ〜っと流してしまって、「ハイ、おしまい」。なんだか印象に残らない1本だった。よく云えば読みやすい、悪く云えば特長/特徴がなく、感想も書きにくい作品とでも云うか。「媚薬」と、設定およびネタがビミョーにかぶっているのだが、全編ヤリっぱなしで、パンチライン(Punch Line…「(冗談などの)急所となる文句、 落ち」という意。『プログレッシブ英和中辞典』引用)がない話はツライ。絵師・稲荷家房之介は、「百日の薔薇」を読んだときに、「この人、欧州系よりアラブやトルキーのほうが似合いそうだ」と思ったので、今回の抜擢はナイスだと思う。あんまりアラブっぽくないけど。
評価:★★☆(面白い/面白くないの前に、印象に残らない)
秋林好み度:★★(ストーリーがありそうで実質なかった。なんだそれ?)
扉惹句読むまで、これがアラブだとはまったく気付かなかった。秋林
BLを読んでいると、「この近年で、見かけるようになった表現」というものに出くわし、「そっか〜、いまこの表現がBLでは流行りなのね」と思うことがしばしばある。表現に時代性があるとゆーか。最近だと「瞠目する」「片眉を上げる」「眉根を寄せる」。次に来るのは、本作にも出てきた「雄蕊(蘂)【ゆうずい】」(木原音瀬の新刊『牛泥棒』でも出てきた)じゃないだろうか。雄蕊、ゆーずい、ユウズイ。いや〜便利だ、これ。字を書いて声に出して読んでも、一般人にはなんのことだかわかるまい。「一発でイミわかる人=腐女子」だな。…ともあれ、時代はユウズイだ!…たぶん。
次!
■「貴人たちの後継儀式」 作:斑鳩サハラ 扉絵:明神翼
扉惹句:「セレブが行う成人儀式 それはたまらなく淫靡で…vvv」
どうつけようか最後まで悩んだんだろうな〜という印象の、ちょっとモタつくタイトルである。セレブ青年たち×18歳高校生モノ。
「18歳になったら、一族の中でもとりわけ優れた資質を備えた成人男子と契って、ユウズイ(さっそく利用だ!)からのナニを注いでもらうことで一人前となり、一族として認められる」って、なんじゃそりゃ?(←BLにおいて禁句です>秋林さん)…貴人たちの後継儀式というより、奇人たちの貫通儀式である。
まさに「リブレ(BE×BOY)=ポップでエッチ、セレブとイケメン」そのもの、看板に偽りナシの内容なのだが…マンネリでつまらない。いつも思うんだが、この手の儀式モノはなぜ受をポジティブホモにしないのだろう。「イヤイヤ、ああ〜ん♪」で、「攻が受を手に入れて最後にニンマリ」というものばかりだ。ロザリーン・ヤングちゃん自らが、自己のフェティシズムと妄想を赤裸々に綴った、究極のエロティシズム本『ロザリーン・ヤングはじめての告白』(不思議と好感が持てるんだからオドロキだ)のようにならぬものか。躾よく育てられた、若く美しい18歳の男の子。隠された欲望とフェティシズム。そんな彼がある儀式を妄想し始める――とか。攻主導でない、潔く凛とした受視点を希望。
評価:★★(つまらない)
秋林好み度:★(カンベン)
これも印象に残らない。13本も並ぶのだから、エロシーンがマンネリ化するのはわかってたはず(違うか?>編集部)。設定と視点を変えるだけでも、かなり内容が違ってくると思うんだけどなあ。ただし、明神翼の絵は「ポップでエッチ、セレブとイケメン」になるので、適材適所だろう。
次!
■『エロとじv―b-BOYアンソロジー』
ISBN:4862631908 単行本 リブレ出版 2007/06 ¥1,100
エロの感想は夜に書くのがいいのかも。
だって夜になると、私の中で別アプリケーションが起動するから。……。
【お知らせ】
感想をつらつらと13本並べるのはツライので、1本文につき3本にします。
ただし、「これは面白いので感想をスペシャルに書きたい」作品の場合、1本だけのUPにします。
「BLにおける小説と挿絵と惹句は、一蓮托生な関係である」と思っているので、それらについても感想を述べます。
…というわけで、4本目の英田サキ作品はピンUPです。
!星評価後に完全ネタバレ注意報!
■「兄貴とヤス」 作:英田サキ 扉絵:鹿乃しうこ
扉惹句:「弟分に奪われる極道同士の危険な愛……!!」
「水を得た魚はこう泳ぐのよっ!」と云わんばかり、ヤクザを与えると素晴らしい泳ぎっぷりを披露してくれる英田兄貴である。その中でも英田兄貴にしては珍しいと思われる、年下攻な舎弟×兄貴モノ。
さて。英田兄貴と云えば、比較的硬派な文体にリズミカルな行間(「文章に文字では書かれていない筆者の真意や意向」という意。『大辞林 第二版』引用)を持ち、女性読者が多いBL業界でも容赦ナシ、警察機構やヤクザ内情など漢字多めでガンガン描き、読み手をグイグイっと引っ張っていく作家である。極道モノを好んで書くBL作家はたいへん多いが、英田兄貴のように、「硬派と甘ーいラブが同居しているドラマティックかつハーレクイン、でもやっぱり腐女子向けなストーリー」を提供してくれる作家となると、あまりいない…と思う。
というわけで、そんな英田サキによる短編「兄貴とヤス」なのだが……
英田兄貴、いやらしすぎます。。
掲載誌が間違ってる…とゆーより、「ペンネームを変えて、ウチでゼヒ書きませんか?」と、モノホンのゲイ雑誌(Badiとか)からお声がかかりそうなエロ(しかも短編だし)に、恥ずかしながらうろたえてしまった。掲載順では4本目にあたる本作だが、いったいこれまでの3本はなんだったんだ?…と思うくらい、一気に目が覚めるエロである。いやーもービックリしたってば!
受の兄貴・羽鳥は(冷めた性格のようだが)侠気に溢れた漢キャラで、たいへんな魔性の男殺しである。隠喩なんぞまったくナシ、あからさまな文句の連発(ちょっとここでは書けない。興味ある方は「エロとじv」を買いましょう)で、ヤスを誘うシーンは強烈、あんな姿であんなことを云われたら、ヤスの理性がぶっ飛ぶのも当然だ。英田兄貴お得意の受キャラが、「魔性の男殺し」であることはけっこう知られていると思うのだが、羽鳥はその中でもセクシャルバイオレットNo.1だろう。一方、攻のヤスは可愛らしく、「蒲田行進曲」銀ちゃんとヤス、「傷だらけの天使」修と亨…などが好きな人(アタシだアタシ!)にはツボである。
エロのグレードは高めとはいえ、短編小説として非常によくまとまっている。出だしは緊張感があり、英田兄貴の硬派な記述でヤクザ抗争の背景もわかりやすい。羽鳥がなにゆえセクシャルバイオレットNo.1なのか、不破というキャラを巧みに使い、その所以たる過去を描いているところも上手い。フツーの作家だったら無理矢理という展開をみせるだろうに、断らない/断れない羽鳥というのがいいね。英田兄貴、最近出た長編2作(『DEADSHOT』『いつわりの薔薇に抱かれ』)より、コッチの短編のほうが面白くないっスか?
そして絵師の鹿乃しうこが、また素晴らしい(一瞬、徳川蘭子さんの昔の絵かと思ったというのはナイショだ)。本作を読んでいる間、頭の中では鹿乃しうこ画によるキャラが動いていた。こんなに相性がいいなんてなあ。ガテン系アクロバット絵師の鹿乃しうこなら、英田兄貴が描くあ〜んなことやこ〜んなことも対応可能だろう。短編小説で終わらすのはもったいない。羽鳥とヤスは魅力的だ。もっとふたりのエピソードをくれ!「エロとじv」一番人気は本作だろう、「原作:英田サキ 画:鹿乃しうこ」でマンガ化希望だ!>編集部
評価:★★★★(エクセレント、たいへん面白い…けどね…)
秋林好み度:★★★★★(たいへん好み…なんだけどね…)
あんな兄貴を満足させようと思ったら毎日タイヘンだろうな…ヤスが心配である。朝のご挨拶も、「おはようございます」ではなく「お疲れさまでした」になりそうだ。
扉惹句を考えたのは、たぶん編集部の担当さんなんだろうけど…ノリにノってるなあ。小説・扉絵がともにノってる以上、惹句もノらざるを得なかったのかもしれないが。ところで、本作がゲイ小説でなくBLに留まっている理由を挙げるとするなら、「絵師が鹿乃しうこ、不破がフツーのルックスだと思われる、ラストがたいへん甘い」からだと思う。これがもし、「絵師が田/亀/源/五郎、不破が出腹のハゲ、羽鳥が縛られ(あわわ…)ラストが壮絶、タイトルが『兄貴いじめ』」だったらと思うと、さすがの私もドン引きする…ってか、止めてくれ!編集部!…そんな想像する私も私か…。
次!
…のその前に。
実はここからが感想の本題になるかもしれない。
ずいぶんと「兄貴とヤス」をホメているのに、なぜ星評価が★★★★★(5つ)ではなく★★★★(4つ)、★1つマイナスなのか?
キャラ良ーし!エロ良ーし!ラブ良ーし!緊張感良ーし!と、たいへん魅力的にストーリーが展開していたというのに、最後の最後、話のシメにガッカリ、「英田兄貴…またそうするの?」と思ってしまったからである。
!以下、完全に結末を明かしていますので要注意!
鉄砲玉となりヤマを踏むことで、もしかしたらヤスとはもう二度と会えないかもしれない。そうなれば今夜は最後の夜になる。なんとなくヤスの気持ちには気付いていた、ならば餞別代りに自分をヤスに与えてもいい。でも欲しいと感じていたのは、ヤスだけじゃない…実は自分も同じじゃないのか?餞別というのは口実じゃないのか?――と、ここまではもうなんて素晴らしい!手放しで絶賛したい!いやホント、マジで!
ところがである。
そのせつなさと緊張感が、ラストでブッタ切れてしまう。
メロメロメロウで終わってしまう。
これだけ盛り上げといて、「襲撃当日の朝、ニュース見てたらガサ入れで森岡が逮捕され、ヤマを踏まなくてよくなりました。ヤスのためにヤクザ辞めようかと思います。めでたしめでたし」になるのか。羽鳥は(感情は冷めていても)肝っ玉の据わった、背中に極彩色の鳳凰を彫った男だぞ!?なんでだ!?…羽鳥は最後までヤクザとして格好が良く、またヤスも「兄貴ならなんでもいい」ではなくて、「ヤクザとしての兄貴」に惚れていて欲しかった。
そりゃー私だって甘いのは好きだ。BLではラブが最優先だろうし、最後に出てくるヤスの「ねがい」にいじらしさを感じ、ホロリとさせられ、繰り返して読んでるうちに「これでいいのかな、やっぱ」とも思ったさ。
…でも。
たとえば、である。
シャワーを浴びず、ヤスの匂いを身体に残したまま、羽鳥は翌朝ひとり現場へと向かう。標的を見つけ、ベレッタの引き金を引き、弾は森岡にヒットする。羽鳥の様子がおかしいと感じたヤスが目の前に現れた瞬間、羽鳥に弾丸が一弾、また一弾と撃ち込まれる。崩れ落ちる羽鳥、泣き叫ぶヤス。昨晩あんなに愛した鳳凰が、ヤスの腕の中でいま、息絶えようとしている。ヤスのために生きれたらどんなによかったかと思いながら、羽鳥は静かに目を閉じる――とか。
羽鳥をかばってヤスが撃たれる。逆上した羽鳥が修羅と化す、とか。
森岡を狙ってた第三の男が現場に現れ、羽鳥の目の前で森岡絶命。土壇場でヤマを踏まずに済む。自分はヤクザを辞めるつもりはないが、ヤクザ向きでないヤスはカタギに戻したい。だが、愛する男がヤマを踏むことになっていたと知ったヤスは、もう二度と羽鳥を危ない目に遭わせたくないと、鳳凰を守る虎(龍でもいい)になることを決意する。ヤスの本気を知り、ともに極道で生きると覚悟を決める羽鳥。あの優しい男がいつの間に…と思っていると、ヤスがある「ねがい」を口にした。その内容に「やっぱりヤスだ」と愛おしさがこみ上げ、目を細めながら「ねがい」を叶える羽鳥だった――とか。
そんな風に、渋く美しくエンドマークつけてもよかったんじゃないだろうか。甘い話、ヤリっぱなしでオチてない話、まとまっていない話――は他の作家が書いている(失礼!)。ベタだけど正統派な作品が、1本くらいあっても良かったように思える。
受が辞める辞めないと云い出すあたりに、ヤクザや恋愛に対する腐女子…いや女子の願望がどうしても見え隠れする。
英田作品にありがちなんだけども、受キャラはとても魅力的、人より秀でた才能を持っているという設定なくせ、仕事に対するプライドや意地というものが感じられない。「ラブ>>>仕事に対するプライド」、つまり「恋は盲目」で、「仕事を辞めなければラブが成就しない」。
英田兄貴は「エス」シリーズで名をあげた人である。昨年「エス」が、なぜ熱狂的に支持されたかというと、椎葉と宗近の「相手より上に立ちたいというプライド」のぶつかり合いが、ラブに発展していく――その過程が面白かったからなんだと思う。刑事としての椎葉には魅力があったし、2巻の「咬痕」――永倉の一件で自家中毒を起こしフラフラになる椎葉、ふたりの間にあるものが徐々に変わってきていることに気付き、覚悟を決め始める宗近――は、素晴らしかった。3巻目あたりから少し展開が強引で、一件落着後に椎葉が「刑事を辞める」と云い出したとき、正直ガッカリした。だが、ヤクザでいたくない宗近で折り合いが付いたと思う。
私は英田兄貴に「エスの人」で終わって欲しくない。いろいろ云われ、雑音も聞こえていると思うが、いま兄貴には「書きたいものを書く」だけじゃなく、「甘く終わる以上のなにか」が必要なんじゃないだろうか。「魚住くんシリーズ」以降、榎田尤利はさらに名をあげた。木原音瀬は木原音瀬しか書けないものを書き、一目を置かれている。私は英田兄貴にもそんな風になって欲しいと切に願っている――迷惑かもしれないが。
読者というのは貪欲だ。もっと面白いものを読ませろと、次々と作家に要求する。しんどい話である。だが、英田作品なら反響は大きいだろうし、ダイレクトに届くはず。英田兄貴――頑張ってくれ!
ISBN:4862631908 単行本 リブレ出版 2007/06 ¥1,100
2007年6月19日『エロほんv』と同時発売!!キラキラ表紙が目印!業界騒然!! ボーイズノベルの最強作家陣ここに集まる!小説b-Boyで初登場以降、ありえないほどの人気エッチ企画が、新作書き下ろし6本を加えてアンソロジー化★ 空前絶後のエッチを見よ!
ラインナップ
英田サキ、あさぎり夕、あすま理彩、斑鳩サハラ、和泉 桂、榎田尤利、鬼塚ツヤコ、木原音瀬、南原 兼、水戸 泉、水上ルイ、山藍紫姫子、雪代鞠絵
エロの感想は夜に書くのがいいのかも。
だって夜になると、私の中で別アプリケーションが起動するから。……。
【お知らせ】
感想をつらつらと13本並べるのはツライので、1本文につき3本にします。
ただし、「これは面白いので感想をスペシャルに書きたい」作品の場合、1本だけのUPにします。
「BLにおける小説と挿絵と惹句は、一蓮托生な関係である」と思っているので、それらについても感想を述べます。
…というわけで、4本目の英田サキ作品はピンUPです。
!星評価後に完全ネタバレ注意報!
■「兄貴とヤス」 作:英田サキ 扉絵:鹿乃しうこ
扉惹句:「弟分に奪われる極道同士の危険な愛……!!」
「水を得た魚はこう泳ぐのよっ!」と云わんばかり、ヤクザを与えると素晴らしい泳ぎっぷりを披露してくれる英田兄貴である。その中でも英田兄貴にしては珍しいと思われる、年下攻な舎弟×兄貴モノ。
さて。英田兄貴と云えば、比較的硬派な文体にリズミカルな行間(「文章に文字では書かれていない筆者の真意や意向」という意。『大辞林 第二版』引用)を持ち、女性読者が多いBL業界でも容赦ナシ、警察機構やヤクザ内情など漢字多めでガンガン描き、読み手をグイグイっと引っ張っていく作家である。極道モノを好んで書くBL作家はたいへん多いが、英田兄貴のように、「硬派と甘ーいラブが同居しているドラマティックかつハーレクイン、でもやっぱり腐女子向けなストーリー」を提供してくれる作家となると、あまりいない…と思う。
というわけで、そんな英田サキによる短編「兄貴とヤス」なのだが……
英田兄貴、いやらしすぎます。。
掲載誌が間違ってる…とゆーより、「ペンネームを変えて、ウチでゼヒ書きませんか?」と、モノホンのゲイ雑誌(Badiとか)からお声がかかりそうなエロ(しかも短編だし)に、恥ずかしながらうろたえてしまった。掲載順では4本目にあたる本作だが、いったいこれまでの3本はなんだったんだ?…と思うくらい、一気に目が覚めるエロである。いやーもービックリしたってば!
受の兄貴・羽鳥は(冷めた性格のようだが)侠気に溢れた漢キャラで、たいへんな魔性の男殺しである。隠喩なんぞまったくナシ、あからさまな文句の連発(ちょっとここでは書けない。興味ある方は「エロとじv」を買いましょう)で、ヤスを誘うシーンは強烈、あんな姿であんなことを云われたら、ヤスの理性がぶっ飛ぶのも当然だ。英田兄貴お得意の受キャラが、「魔性の男殺し」であることはけっこう知られていると思うのだが、羽鳥はその中でもセクシャルバイオレットNo.1だろう。一方、攻のヤスは可愛らしく、「蒲田行進曲」銀ちゃんとヤス、「傷だらけの天使」修と亨…などが好きな人(アタシだアタシ!)にはツボである。
エロのグレードは高めとはいえ、短編小説として非常によくまとまっている。出だしは緊張感があり、英田兄貴の硬派な記述でヤクザ抗争の背景もわかりやすい。羽鳥がなにゆえセクシャルバイオレットNo.1なのか、不破というキャラを巧みに使い、その所以たる過去を描いているところも上手い。フツーの作家だったら無理矢理という展開をみせるだろうに、断らない/断れない羽鳥というのがいいね。英田兄貴、最近出た長編2作(『DEADSHOT』『いつわりの薔薇に抱かれ』)より、コッチの短編のほうが面白くないっスか?
そして絵師の鹿乃しうこが、また素晴らしい(一瞬、徳川蘭子さんの昔の絵かと思ったというのはナイショだ)。本作を読んでいる間、頭の中では鹿乃しうこ画によるキャラが動いていた。こんなに相性がいいなんてなあ。ガテン系アクロバット絵師の鹿乃しうこなら、英田兄貴が描くあ〜んなことやこ〜んなことも対応可能だろう。短編小説で終わらすのはもったいない。羽鳥とヤスは魅力的だ。もっとふたりのエピソードをくれ!「エロとじv」一番人気は本作だろう、「原作:英田サキ 画:鹿乃しうこ」でマンガ化希望だ!>編集部
評価:★★★★(エクセレント、たいへん面白い…けどね…)
秋林好み度:★★★★★(たいへん好み…なんだけどね…)
あんな兄貴を満足させようと思ったら毎日タイヘンだろうな…ヤスが心配である。朝のご挨拶も、「おはようございます」ではなく「お疲れさまでした」になりそうだ。
扉惹句を考えたのは、たぶん編集部の担当さんなんだろうけど…ノリにノってるなあ。小説・扉絵がともにノってる以上、惹句もノらざるを得なかったのかもしれないが。ところで、本作がゲイ小説でなくBLに留まっている理由を挙げるとするなら、「絵師が鹿乃しうこ、不破がフツーのルックスだと思われる、ラストがたいへん甘い」からだと思う。これがもし、「絵師が田/亀/源/五郎、不破が出腹のハゲ、羽鳥が縛られ(あわわ…)ラストが壮絶、タイトルが『兄貴いじめ』」だったらと思うと、さすがの私もドン引きする…ってか、止めてくれ!編集部!…そんな想像する私も私か…。
次!
…のその前に。
実はここからが感想の本題になるかもしれない。
ずいぶんと「兄貴とヤス」をホメているのに、なぜ星評価が★★★★★(5つ)ではなく★★★★(4つ)、★1つマイナスなのか?
キャラ良ーし!エロ良ーし!ラブ良ーし!緊張感良ーし!と、たいへん魅力的にストーリーが展開していたというのに、最後の最後、話のシメにガッカリ、「英田兄貴…またそうするの?」と思ってしまったからである。
!以下、完全に結末を明かしていますので要注意!
鉄砲玉となりヤマを踏むことで、もしかしたらヤスとはもう二度と会えないかもしれない。そうなれば今夜は最後の夜になる。なんとなくヤスの気持ちには気付いていた、ならば餞別代りに自分をヤスに与えてもいい。でも欲しいと感じていたのは、ヤスだけじゃない…実は自分も同じじゃないのか?餞別というのは口実じゃないのか?――と、ここまではもうなんて素晴らしい!手放しで絶賛したい!いやホント、マジで!
ところがである。
そのせつなさと緊張感が、ラストでブッタ切れてしまう。
メロメロメロウで終わってしまう。
これだけ盛り上げといて、「襲撃当日の朝、ニュース見てたらガサ入れで森岡が逮捕され、ヤマを踏まなくてよくなりました。ヤスのためにヤクザ辞めようかと思います。めでたしめでたし」になるのか。羽鳥は(感情は冷めていても)肝っ玉の据わった、背中に極彩色の鳳凰を彫った男だぞ!?なんでだ!?…羽鳥は最後までヤクザとして格好が良く、またヤスも「兄貴ならなんでもいい」ではなくて、「ヤクザとしての兄貴」に惚れていて欲しかった。
そりゃー私だって甘いのは好きだ。BLではラブが最優先だろうし、最後に出てくるヤスの「ねがい」にいじらしさを感じ、ホロリとさせられ、繰り返して読んでるうちに「これでいいのかな、やっぱ」とも思ったさ。
…でも。
たとえば、である。
シャワーを浴びず、ヤスの匂いを身体に残したまま、羽鳥は翌朝ひとり現場へと向かう。標的を見つけ、ベレッタの引き金を引き、弾は森岡にヒットする。羽鳥の様子がおかしいと感じたヤスが目の前に現れた瞬間、羽鳥に弾丸が一弾、また一弾と撃ち込まれる。崩れ落ちる羽鳥、泣き叫ぶヤス。昨晩あんなに愛した鳳凰が、ヤスの腕の中でいま、息絶えようとしている。ヤスのために生きれたらどんなによかったかと思いながら、羽鳥は静かに目を閉じる――とか。
羽鳥をかばってヤスが撃たれる。逆上した羽鳥が修羅と化す、とか。
森岡を狙ってた第三の男が現場に現れ、羽鳥の目の前で森岡絶命。土壇場でヤマを踏まずに済む。自分はヤクザを辞めるつもりはないが、ヤクザ向きでないヤスはカタギに戻したい。だが、愛する男がヤマを踏むことになっていたと知ったヤスは、もう二度と羽鳥を危ない目に遭わせたくないと、鳳凰を守る虎(龍でもいい)になることを決意する。ヤスの本気を知り、ともに極道で生きると覚悟を決める羽鳥。あの優しい男がいつの間に…と思っていると、ヤスがある「ねがい」を口にした。その内容に「やっぱりヤスだ」と愛おしさがこみ上げ、目を細めながら「ねがい」を叶える羽鳥だった――とか。
そんな風に、渋く美しくエンドマークつけてもよかったんじゃないだろうか。甘い話、ヤリっぱなしでオチてない話、まとまっていない話――は他の作家が書いている(失礼!)。ベタだけど正統派な作品が、1本くらいあっても良かったように思える。
受が辞める辞めないと云い出すあたりに、ヤクザや恋愛に対する腐女子…いや女子の願望がどうしても見え隠れする。
英田作品にありがちなんだけども、受キャラはとても魅力的、人より秀でた才能を持っているという設定なくせ、仕事に対するプライドや意地というものが感じられない。「ラブ>>>仕事に対するプライド」、つまり「恋は盲目」で、「仕事を辞めなければラブが成就しない」。
英田兄貴は「エス」シリーズで名をあげた人である。昨年「エス」が、なぜ熱狂的に支持されたかというと、椎葉と宗近の「相手より上に立ちたいというプライド」のぶつかり合いが、ラブに発展していく――その過程が面白かったからなんだと思う。刑事としての椎葉には魅力があったし、2巻の「咬痕」――永倉の一件で自家中毒を起こしフラフラになる椎葉、ふたりの間にあるものが徐々に変わってきていることに気付き、覚悟を決め始める宗近――は、素晴らしかった。3巻目あたりから少し展開が強引で、一件落着後に椎葉が「刑事を辞める」と云い出したとき、正直ガッカリした。だが、ヤクザでいたくない宗近で折り合いが付いたと思う。
私は英田兄貴に「エスの人」で終わって欲しくない。いろいろ云われ、雑音も聞こえていると思うが、いま兄貴には「書きたいものを書く」だけじゃなく、「甘く終わる以上のなにか」が必要なんじゃないだろうか。「魚住くんシリーズ」以降、榎田尤利はさらに名をあげた。木原音瀬は木原音瀬しか書けないものを書き、一目を置かれている。私は英田兄貴にもそんな風になって欲しいと切に願っている――迷惑かもしれないが。
読者というのは貪欲だ。もっと面白いものを読ませろと、次々と作家に要求する。しんどい話である。だが、英田作品なら反響は大きいだろうし、ダイレクトに届くはず。英田兄貴――頑張ってくれ!
■『エロとじv―b-BOYアンソロジー』
ISBN:4862631908 単行本 リブレ出版 2007/06 ¥1,100
前口上も終わったことだし、さて感想を書くか!と思ったら、このアンソロジー、13本も掲載されている!しまった…。全部書き上げるまでマジ1週間かかるよ、こりゃ!
【お知らせ】
感想をつらつらと13本並べるのはツライので、1本文につき3本にします。
ただし「これは面白いので感想をスペシャルに書きたい」作品の場合、1本だけのUPにします。
「BLにおける小説と挿絵と惹句は、一蓮托生な関係である」と思っているので、それらについても感想を述べます。
!マジで完全ネタバレ注意報!
■「痴漢電車」 作:鬼塚ツヤコ 扉絵:佐々成美
扉惹句:「満員電車の中、私の体に絡みつく忌まわしい手の正体は……」
オープニング1本目は痴漢電車モノである。年下攻。おおまかなストーリーは「満員電車の中で、若き美貌の国税局官僚が見知らぬ男から陵辱される。ところがその男の正体はなんと…」というもので、キャラが鬼塚ツヤコ得意の「嗜虐的な攻、そんな攻を拒めない自虐的な受」、よって彼女のファンはいつも通りに読めるだろう。
だが私にはつまらなかった。いやだってさ、「子供の頃(攻は小学生、受は中学生)に家庭の事情で別れても、ずーっと受が好きでした」という攻の設定からしてすでに無理があるのに(少女マンガっぽいが)、10数年後に再会し、いきなり受をここぞとばかりに電車で陵辱するか?…受も受だ。「ずっと気になってた」って、そんな10数年も経って再会したばっかりなのに?…もとから嗜虐的な攻というのは共感を得にくい。BLは男性向けより共感を必要とする。ラブにストーリーを求めるからだ。読み手に少しでもその共感を与えようと、ふたりの過去や背景を描いてはいるのだが、全部描こうとしている。そんなの短編では無理だろう。攻の一人称ならまだいいが、受視点の三人称だから余計に苦しい。せっかく短編なんだから、もっとスリリングにキメてくれ!
痴漢電車なんだから(?)無理な背景や過去は余計だ。いっそ受をもとからホモな設定の一人称にして、「好きな同僚(上司でも部下でもいい)と仕事先に向かう満員電車で、痴漢に遭いました。恥ずかしくてたまらないのに、嗚呼!カラダは云うことをきかない。そんな姿を好きな相手に見られるなんて!」ときて、ラストで「実はそいつが!」と、シンプルに持ってきたほうがいいと思うんだけどなあ。
評価:★★(つまらない)
秋林好み度:★★(ニガテ…というより興味ナシ)
同じ「密空間で陵辱、年下攻、ワケありの攻と受」という設定で、このあと素晴らしい出来のスリリングな短編が出てくるだけに、どうしても辛口になってしまう。絵師の佐々成美は上手い。でも、扉絵で完全ネタバレしているのはどうだろう?…誰が触っているかわからない、というところから始まっているので、攻の顔がわからないほうがよかったような…。辱めによって顔の赤い受、そんな受に容赦なく伸ばされる無数の手、誰だかわからない後姿の攻…とかね。惹句は可もなく不可もなく。
次!
■「バッドステータスv発情中」 作:南原兼 扉絵:ホームラン・拳
扉惹句:「かわいいお尻にしっぽをつけてあげる。」
私にとって初南原作品。なんとなく住む世界が違うような気がして、いままで読んだことがなかった。でもたしか、あの伝説のオビ惹句「そう…。そのまま飲みこんで。僕のエクスカリバー…」がついたのは、この人の本だよね?…という話はさておき。
パブリックスクールもの。絵師がホームラン・拳なので、パブリックスクールものでありがちな大人っぽい耽美系ではないはず、だいたい扉惹句からしてヤバイ、もしかしてこれは…と警戒していたが、1行目「お兄様の猫耳」が目に入った瞬間――まったく猫耳属性のない秋林に痛恨の一撃!HP300ダメージ、ステータスはバッドどころがAWFUL!ゲームオーバー!
抵抗もできず、撃沈となった1本。合掌。
評価:★(お好きな人はどうぞ)
秋林好み度:NO STAR(沈没中)
ちゃんと読了はした。猫耳つけててもやることはやるなあ、カワイイのにみんな下半身はたいそうなごリッパ屋だ、という印象。ティミーとかフランシスとか、いろいろソレっぽい名前が出てくるが、My提案として「ジュリアン」というのはどうだろう?……。評価は★としたが、これはヘタというのではなく、純粋に「お好きな人はどうぞ」というもの。南原兼は作風にあった文章を書いている。属性のある人にとっては、逆に上手い作家と云えるんじゃないだろうか。私にとっては「エクスカリバーの人」だが。
次!
■「媚薬」 作:水上ルイ 扉絵:池玲文
扉惹句:「陛下を犯し、欲望を注ぎ込みたい。何度そう思ったことか…!!」
西洋が舞台。馬丁(馬の世話係)×陛下(王様)な下克上モノ。池玲文による扉絵が素晴らしい。西洋コスプレはツボ(だってアタシ西洋史学専攻だったし)。しかも攻の馬丁がまるでアンドレだ!ブラボー!
西洋のコスプレ下克上モノにおける攻の定番は、昔から馬丁か庭師である。「チャタレイ夫人の恋人」のメラーズだって、庭師だ(あ、森番か)。フツーの使用人より馬丁や庭師のほうが、断然ハンキー(逞しくセクシーな男、という意)だからで、攻を陛下の馬丁とした水上ルイはよくわかっているね、うんうん。これでキャラの年齢設定がもうちょっと上の年下攻(本作の設定は攻馬丁が28歳、受陛下が17歳。個人的には攻が20代後半、王様30代前半がストライクだ)だったら、もっとツボだったのだが。あんまりコドモな受はちょっと…。でも13本もある以上、ピッタシカンカンは難しいだろう。ゼイタクは云ってられない。
受の一人称による展開は、人となりと状況が把握しやすいので、短編では効果的だ。臣下による腐敗政治の結果、国は崩壊、明日には敵国に奴隷として差し出される運命の王。その最後の夜、媚薬を盛って相手に思いを遂げたい――というストーリーはありがちではあるが、誰がどのように媚薬を使ったかにヒネリがあって、ナルホドそうきたかとちょっと感心した。
がしかし。ベストかと思われた受一人称がなあ…。ラブシーンというかエロシーンになった途端、一気に「陛下によるエロ実況中継」になってしまうのがツライ。しかもダラダラダラダラ。ヘタすりゃバカップルに見える。攻もベラベラと喋り過ぎ、もっと無口のほうがハーレクインっぽいと思うんだが…どうだろう?
評価:★★★(面白いほうに入る…かな)
秋林好み度:★★★(まあまあ、かな。設定は好きなんだけどね)
17歳の男の子が自分のソレを「蕾」と表現するだろうか?というギモンは残る。ところで、私は今回初めて水上ルイの作品を読んだのだが、エロシーンでクセがあるね、この人。
「……アアッ!……アアッ!……すごい……」
「……くうっ……っ」
エロシーンになると、「三点リーダ×2 あえぎ声 三点リーダ×2」。
(三点リーダ→「…」のこと)
つまり、カギカッコのセリフが「三点リーダ2つで始まって、セリフを挟み、三点リーダ2つで終わる」という法則。ご本人は気付いていないだろう。必ず改行されることもあって、これ、連発されるとものすごーく紙面から浮いて見える。ぱっとページ開くだけで、どこからエロが始まって終わるか、わかってしまう。「ああ、ヤってるヤってる」という感じ。…いいんだか、悪いんだか。
次!
ISBN:4862631908 単行本 リブレ出版 2007/06 ¥1,100
2007年6月19日『エロほんv』と同時発売!!キラキラ表紙が目印!業界騒然!! ボーイズノベルの最強作家陣ここに集まる!小説b-Boyで初登場以降、ありえないほどの人気エッチ企画が、新作書き下ろし6本を加えてアンソロジー化★ 空前絶後のエッチを見よ!
ラインナップ
英田サキ、あさぎり夕、あすま理彩、斑鳩サハラ、和泉 桂、榎田尤利、鬼塚ツヤコ、木原音瀬、南原 兼、水戸 泉、水上ルイ、山藍紫姫子、雪代鞠絵
前口上も終わったことだし、さて感想を書くか!と思ったら、このアンソロジー、13本も掲載されている!しまった…。全部書き上げるまでマジ1週間かかるよ、こりゃ!
【お知らせ】
感想をつらつらと13本並べるのはツライので、1本文につき3本にします。
ただし「これは面白いので感想をスペシャルに書きたい」作品の場合、1本だけのUPにします。
「BLにおける小説と挿絵と惹句は、一蓮托生な関係である」と思っているので、それらについても感想を述べます。
!マジで完全ネタバレ注意報!
■「痴漢電車」 作:鬼塚ツヤコ 扉絵:佐々成美
扉惹句:「満員電車の中、私の体に絡みつく忌まわしい手の正体は……」
オープニング1本目は痴漢電車モノである。年下攻。おおまかなストーリーは「満員電車の中で、若き美貌の国税局官僚が見知らぬ男から陵辱される。ところがその男の正体はなんと…」というもので、キャラが鬼塚ツヤコ得意の「嗜虐的な攻、そんな攻を拒めない自虐的な受」、よって彼女のファンはいつも通りに読めるだろう。
だが私にはつまらなかった。いやだってさ、「子供の頃(攻は小学生、受は中学生)に家庭の事情で別れても、ずーっと受が好きでした」という攻の設定からしてすでに無理があるのに(少女マンガっぽいが)、10数年後に再会し、いきなり受をここぞとばかりに電車で陵辱するか?…受も受だ。「ずっと気になってた」って、そんな10数年も経って再会したばっかりなのに?…もとから嗜虐的な攻というのは共感を得にくい。BLは男性向けより共感を必要とする。ラブにストーリーを求めるからだ。読み手に少しでもその共感を与えようと、ふたりの過去や背景を描いてはいるのだが、全部描こうとしている。そんなの短編では無理だろう。攻の一人称ならまだいいが、受視点の三人称だから余計に苦しい。せっかく短編なんだから、もっとスリリングにキメてくれ!
痴漢電車なんだから(?)無理な背景や過去は余計だ。いっそ受をもとからホモな設定の一人称にして、「好きな同僚(上司でも部下でもいい)と仕事先に向かう満員電車で、痴漢に遭いました。恥ずかしくてたまらないのに、嗚呼!カラダは云うことをきかない。そんな姿を好きな相手に見られるなんて!」ときて、ラストで「実はそいつが!」と、シンプルに持ってきたほうがいいと思うんだけどなあ。
評価:★★(つまらない)
秋林好み度:★★(ニガテ…というより興味ナシ)
同じ「密空間で陵辱、年下攻、ワケありの攻と受」という設定で、このあと素晴らしい出来のスリリングな短編が出てくるだけに、どうしても辛口になってしまう。絵師の佐々成美は上手い。でも、扉絵で完全ネタバレしているのはどうだろう?…誰が触っているかわからない、というところから始まっているので、攻の顔がわからないほうがよかったような…。辱めによって顔の赤い受、そんな受に容赦なく伸ばされる無数の手、誰だかわからない後姿の攻…とかね。惹句は可もなく不可もなく。
次!
■「バッドステータスv発情中」 作:南原兼 扉絵:ホームラン・拳
扉惹句:「かわいいお尻にしっぽをつけてあげる。」
私にとって初南原作品。なんとなく住む世界が違うような気がして、いままで読んだことがなかった。でもたしか、あの伝説のオビ惹句「そう…。そのまま飲みこんで。僕のエクスカリバー…」がついたのは、この人の本だよね?…という話はさておき。
パブリックスクールもの。絵師がホームラン・拳なので、パブリックスクールものでありがちな大人っぽい耽美系ではないはず、だいたい扉惹句からしてヤバイ、もしかしてこれは…と警戒していたが、1行目「お兄様の猫耳」が目に入った瞬間――まったく猫耳属性のない秋林に痛恨の一撃!HP300ダメージ、ステータスはバッドどころがAWFUL!ゲームオーバー!
抵抗もできず、撃沈となった1本。合掌。
評価:★(お好きな人はどうぞ)
秋林好み度:NO STAR(沈没中)
ちゃんと読了はした。猫耳つけててもやることはやるなあ、カワイイのにみんな下半身はたいそうなごリッパ屋だ、という印象。ティミーとかフランシスとか、いろいろソレっぽい名前が出てくるが、My提案として「ジュリアン」というのはどうだろう?……。評価は★としたが、これはヘタというのではなく、純粋に「お好きな人はどうぞ」というもの。南原兼は作風にあった文章を書いている。属性のある人にとっては、逆に上手い作家と云えるんじゃないだろうか。私にとっては「エクスカリバーの人」だが。
次!
■「媚薬」 作:水上ルイ 扉絵:池玲文
扉惹句:「陛下を犯し、欲望を注ぎ込みたい。何度そう思ったことか…!!」
西洋が舞台。馬丁(馬の世話係)×陛下(王様)な下克上モノ。池玲文による扉絵が素晴らしい。西洋コスプレはツボ(だってアタシ西洋史学専攻だったし)。しかも攻の馬丁がまるでアンドレだ!ブラボー!
西洋のコスプレ下克上モノにおける攻の定番は、昔から馬丁か庭師である。「チャタレイ夫人の恋人」のメラーズだって、庭師だ(あ、森番か)。フツーの使用人より馬丁や庭師のほうが、断然ハンキー(逞しくセクシーな男、という意)だからで、攻を陛下の馬丁とした水上ルイはよくわかっているね、うんうん。これでキャラの年齢設定がもうちょっと上の年下攻(本作の設定は攻馬丁が28歳、受陛下が17歳。個人的には攻が20代後半、王様30代前半がストライクだ)だったら、もっとツボだったのだが。あんまりコドモな受はちょっと…。でも13本もある以上、ピッタシカンカンは難しいだろう。ゼイタクは云ってられない。
受の一人称による展開は、人となりと状況が把握しやすいので、短編では効果的だ。臣下による腐敗政治の結果、国は崩壊、明日には敵国に奴隷として差し出される運命の王。その最後の夜、媚薬を盛って相手に思いを遂げたい――というストーリーはありがちではあるが、誰がどのように媚薬を使ったかにヒネリがあって、ナルホドそうきたかとちょっと感心した。
がしかし。ベストかと思われた受一人称がなあ…。ラブシーンというかエロシーンになった途端、一気に「陛下によるエロ実況中継」になってしまうのがツライ。しかもダラダラダラダラ。ヘタすりゃバカップルに見える。攻もベラベラと喋り過ぎ、もっと無口のほうがハーレクインっぽいと思うんだが…どうだろう?
評価:★★★(面白いほうに入る…かな)
秋林好み度:★★★(まあまあ、かな。設定は好きなんだけどね)
17歳の男の子が自分のソレを「蕾」と表現するだろうか?というギモンは残る。ところで、私は今回初めて水上ルイの作品を読んだのだが、エロシーンでクセがあるね、この人。
「……アアッ!……アアッ!……すごい……」
「……くうっ……っ」
エロシーンになると、「三点リーダ×2 あえぎ声 三点リーダ×2」。
(三点リーダ→「…」のこと)
つまり、カギカッコのセリフが「三点リーダ2つで始まって、セリフを挟み、三点リーダ2つで終わる」という法則。ご本人は気付いていないだろう。必ず改行されることもあって、これ、連発されるとものすごーく紙面から浮いて見える。ぱっとページ開くだけで、どこからエロが始まって終わるか、わかってしまう。「ああ、ヤってるヤってる」という感じ。…いいんだか、悪いんだか。
次!
本日の「感想の前口上など」
2007年6月24日 Rotten Sisters!ISBN:4862631908 単行本 リブレ出版 2007/06 ¥1,100
■前口上
業界を震撼させたビブロスの倒産から1年。BL部門がリブレ出版として復活、そのめでたき記念企画本が『エロとじv』である。普段の私であれば完全スルー、タイトルを聞いたら「なんじゃそりゃ!?」のひとことで済ませ、表紙のキラキラ具合にドン引きするだろうが、友人オッシーとの賭けに敗北、その罰ゲームとして「本の店頭購入&ガチンコ感想を書く」ことに。罰ゲームとはいえ、書くと決めた以上は妥協せず、真剣に読んで1本ずつ感想を書きたいと思う。ただし、要する体力と時間、そして文字数がいつもの倍になること必至なため、ちびちび更新になるかもしれない。どうかご容赦を。
尚、「私はこの作家の短編が面白かった!」という方がおられましたら、ぜひご一報を。映画でも小説でも、競作系短編集というものは感想の語り合いが一番楽しいので…って、単にひとりにしないで欲しいだけ…優しく暖かい目、プリーズ。
■作品評価について
★ … お好きな人はどうぞ
★★ … つまらない
★★★ … 面白い
★★★★ … エクセレント、たいへん面白い
★★★★★ … ブリリアント、素晴らしい!
■秋林好み度について
★ … カンベン
★★ … ニガテ
★★★ … まあまあ
★★★★ … なかなか好み
★★★★★ … たいへん好み
■前口上
業界を震撼させたビブロスの倒産から1年。BL部門がリブレ出版として復活、そのめでたき記念企画本が『エロとじv』である。普段の私であれば完全スルー、タイトルを聞いたら「なんじゃそりゃ!?」のひとことで済ませ、表紙のキラキラ具合にドン引きするだろうが、友人オッシーとの賭けに敗北、その罰ゲームとして「本の店頭購入&ガチンコ感想を書く」ことに。罰ゲームとはいえ、書くと決めた以上は妥協せず、真剣に読んで1本ずつ感想を書きたいと思う。ただし、要する体力と時間、そして文字数がいつもの倍になること必至なため、ちびちび更新になるかもしれない。どうかご容赦を。
尚、「私はこの作家の短編が面白かった!」という方がおられましたら、ぜひご一報を。映画でも小説でも、競作系短編集というものは感想の語り合いが一番楽しいので…って、単にひとりにしないで欲しいだけ…優しく暖かい目、プリーズ。
■作品評価について
★ … お好きな人はどうぞ
★★ … つまらない
★★★ … 面白い
★★★★ … エクセレント、たいへん面白い
★★★★★ … ブリリアント、素晴らしい!
■秋林好み度について
★ … カンベン
★★ … ニガテ
★★★ … まあまあ
★★★★ … なかなか好み
★★★★★ … たいへん好み
今度の予定
2007年6月23日←まだ3巻の画像が出ないですね。
え〜っと。
「デッドなんちゃら」シリーズ1〜2巻の感想を書き上げました。
書いてみたら長くなっちゃって、まったくダイジェストな感想になっていないことに気付き、タイトルを変更、さらに日付も改めることにしました。
「デッドなんちゃら」シリーズは、久しぶりに楽しくツッコミしながら読んだ作品でした。いや〜、ツッコミの楽しさに関しては、シドニーのバスローブ事件(『雪』)以来かも。楽しかったっス。
■今後の予定
1.「赤い呪縛」の感想
時間がかかりそう。
2.「2006年ちょっと映画だけ感想&デキゴトロジー」
「赤い呪縛」の前に書こうと思ってます。月曜日から取りかかる予定…でしたが、自信なくなってきた…。
3.「2006年映画ベスト」
2のあとに。7月上旬予定。
4.【リクエスト】木原音瀬作品の感想
「鈍色の華」(「エロとじv」)について書くことにしました。
5.バトン作成
語ってもらうためのバトンを考えてます。
6.「エロとじv」の感想
オッシーとの賭けに負けてしまい、罰ゲームでリブレ1周年記念本「エロとじv」の感想を書くことになりました。……。なにが恥ずかしかったってこの罰ゲーム、本を買いに行くことからスタートしたんです。ヴィレッジヴァンガードに「エロとじv」なんて置いてあるわけないじゃんっ!アニメイトに行ってきたさ!…くっそー!来月は勝ってやるっ!勝って、今度は私がオッシーに「松崎司・美輝妖・坂本ミキの本を、紀伊国屋書店で買って来い!」と云ってやるっ!買ってきても読まない可能性かなり大。…なかったら、店頭で注文してもらおうじゃないのっ!アニメイトには絶対行かせねーぞっ!
…というわけで、今からその罰ゲーム感想に取り掛かります。押忍…。
え〜っと。
「デッドなんちゃら」シリーズ1〜2巻の感想を書き上げました。
書いてみたら長くなっちゃって、まったくダイジェストな感想になっていないことに気付き、タイトルを変更、さらに日付も改めることにしました。
「デッドなんちゃら」シリーズは、久しぶりに楽しくツッコミしながら読んだ作品でした。いや〜、ツッコミの楽しさに関しては、シドニーのバスローブ事件(『雪』)以来かも。楽しかったっス。
■今後の予定
1.「赤い呪縛」の感想
時間がかかりそう。
2.「2006年ちょっと映画だけ感想&デキゴトロジー」
「赤い呪縛」の前に書こうと思ってます。月曜日から取りかかる予定…でしたが、自信なくなってきた…。
3.「2006年映画ベスト」
2のあとに。7月上旬予定。
4.【リクエスト】木原音瀬作品の感想
「鈍色の華」(「エロとじv」)について書くことにしました。
5.バトン作成
語ってもらうためのバトンを考えてます。
6.「エロとじv」の感想
オッシーとの賭けに負けてしまい、罰ゲームでリブレ1周年記念本「エロとじv」の感想を書くことになりました。……。なにが恥ずかしかったってこの罰ゲーム、本を買いに行くことからスタートしたんです。ヴィレッジヴァンガードに「エロとじv」なんて置いてあるわけないじゃんっ!アニメイトに行ってきたさ!…くっそー!来月は勝ってやるっ!勝って、今度は私がオッシーに「松崎司・美輝妖・坂本ミキの本を、紀伊国屋書店で買って来い!」と云ってやるっ!買ってきても読まない可能性かなり大。…なかったら、店頭で注文してもらおうじゃないのっ!アニメイトには絶対行かせねーぞっ!
…というわけで、今からその罰ゲーム感想に取り掛かります。押忍…。
■『DEADHEAT』
ISBN:4199004254 文庫 英田サキ(挿絵:高階佑) 徳間書店 2007/02 ¥560
本編で1巻の内容を説明してくれるから大丈夫だろうと思い、2巻から読み始めたツワモノな私であるが、マグショットな1巻から、いきなりスーツ姿でFBI特別捜査官とCIA契約エージェントになっているカバー絵のふたりである。次巻(最終巻)はどうなるんだろう?…と思ったら、いきなりミリタリーなふたりになってた。
!以下、マジでネタバレ注意報!
今回はFBIとCIAかあ、英田サキって「惹かれ合ってはいけない立場のふたり」というシチュエーションがとことん好きなのね…と思いつつ手に取った、個人的にいまだ攻の名前に抵抗が残るディック&ユウト「デッドなんちゃら」シリーズにして、当て馬の真打ち登場の第2巻である。
相変わらずストーリーはテンポよく流れていくのだが、FBI特別捜査官になっても、これまた相変わらず「その捜査能力はどうよ?」、恋は盲目状態なユウトには参る。当て馬兼協力者のロブ(以下、教授)だけで解決できそうだ。姫っぷりはカワイイのだが、頼むからもっとしっかりしてくれ!簡単に人を信用してベラベラ喋るな!アナタ、FBIでしょ!?…と云いたくなってしまう。ただし、ラストで決意を新たにコルブス逮捕を誓ってくれたので(理由はやっぱりディック絡みではあるが)、次巻での活躍を期待しよう。
さて。問題はディックである。
「金髪、碧眼、高身長の一見クールビューティ。でも実は好きな相手に甲斐甲斐しい、甘いタイプ」という、たいへんなギャップ持ちのBLウケが良い色男のはずなのに、このシリーズでよく目にする感想といえば、「ネトがステキ♪再登場が嬉しい♪」「ディックより教授のほうがいいんじゃない?」(秋林調べ 6/24現在)。今のところ、ユウトとカラダを合わせねば、読み手にディックの本音が具体的に伝わってこないので、当て馬が魅力的に思えるのは仕方がないと云えるだろう。ただ、海千山千な教授にあれだけ迫られてるくせ、多少フラつきながらも(腐女子はそれが嬉しい)、生殺し且つ袖にし続けるユウトを見ていると、よっぽどディックとは具合が良かったのね、ヤツは上手いんだ、そっかそっか…などと思ってしまう。………。とりあえずディックに関しても、次巻でのさらなる(そっち面以外の)魅力爆発&活躍を期待しよう。
ちなみに、1巻の感想で「攻のキメ台詞(パンチライン)が、私にはなかなかクリーンヒットしない。ジョージ・クルーニーが云ったら、ピッタリくるような台詞が欲しい」と嘆いたのだが、この2巻ではなんと別の場所に見事クリーンヒット!
「チーズピザを頼む。悪いがオリーブオイルを瓶ごとつけてくれ」
コトの真っ最中に電話をし、「オイルをくれ」とルームサービスを要求するディック!
そんなディックに対し、ユウトは――
「本番の前に腹ごしらえ?」
………。
英田センセとディック&ユウトには申し訳ないのだが、どうしてもこらえきれず、終電の中(乗客は私ひとり)で大爆笑してしまった。これはコントなのか!?
せっかく盛り上がっていたところに、オイルが届くまでインターミッションを強いられるのは興ざめだと思うのだが…どうだろう?…若ければアダルトな駆け引きなんて必要ない、俺たちにとってジョージ・クルーニーはオヤジだ、というところか。ただ個人的に、なにゆえチーズピザを選んだのか、ディックに訊きたい。オリーブオイルを丸ごと一瓶なら、チーズピザよりアンチョビピザのほうが自然である。ハナからピザが目的じゃないということを、読者とユウトに知らしめたかったのか。云われなくても、日ごろからオリーブオイルの別利用法ばかり読んでる腐女子は即理解できるだろう、でも当のユウトがあれじゃ…。
キャラクターたちにとっては、ニッチもサッチもいかないデッドヒートな状況を見せる2巻。でも読んでるコッチとしては、なんだか楽しい展開になってきたので、最終巻となる3巻『DEADSHOT』に期待したいと思う。
評価:★★★
好きか嫌いかは別として、BLでは王道なキャラ設定とエピソード展開で定番なのに読ませるなあ、という印象。あと出てきていないのは「媚薬」くらいか。子供っぽいユウトが気になる。キャラ文庫はターゲット年齢層低めだから、それに合わせているだけ?…警察機構を嬉々として書く英田サキの魅力が、それで半減しなければいいけど。
そして、もうひとり気になるキャラが教授。なんつーか、もう登場した時点でフラれるのが決定的だとわかるとゆーか、別所哲也かジェイムズ・マーズデン、という当て馬ぶりを好演しているだけに、主人公カップルより幸せになって欲しい、とつい思ってしまう私である。
NO STAR … 論外/問題外作
★ … お好きな人はどうぞ。
★★ … つまんない。
★★★ … 退屈はしないしけっこう面白い。
★★★★ … 面白い。佳作/秀作。
★★★★★ … 天晴れ。傑作。
ISBN:4199004254 文庫 英田サキ(挿絵:高階佑) 徳間書店 2007/02 ¥560
宿敵コルブスを追えば、いつかディックに会える──。
密かな希望を胸にFBI捜査官に転身したユウト。彼を縛るのは、愛を交しながら決別を選んだCIAのエージェント・ディックへの執着だけだった。
そんなある日、ユウトはついにコルブスに繋がる企業との接触に成功!! ところがそこで変装し別人になり済ましたディックと再会し!?
敵対する二人が燃え上がる刹那──デッドエンドLOVE第2弾!!
本編で1巻の内容を説明してくれるから大丈夫だろうと思い、2巻から読み始めたツワモノな私であるが、マグショットな1巻から、いきなりスーツ姿でFBI特別捜査官とCIA契約エージェントになっているカバー絵のふたりである。次巻(最終巻)はどうなるんだろう?…と思ったら、いきなりミリタリーなふたりになってた。
!以下、マジでネタバレ注意報!
今回はFBIとCIAかあ、英田サキって「惹かれ合ってはいけない立場のふたり」というシチュエーションがとことん好きなのね…と思いつつ手に取った、個人的にいまだ攻の名前に抵抗が残るディック&ユウト「デッドなんちゃら」シリーズにして、当て馬の真打ち登場の第2巻である。
相変わらずストーリーはテンポよく流れていくのだが、FBI特別捜査官になっても、これまた相変わらず「その捜査能力はどうよ?」、恋は盲目状態なユウトには参る。当て馬兼協力者のロブ(以下、教授)だけで解決できそうだ。姫っぷりはカワイイのだが、頼むからもっとしっかりしてくれ!簡単に人を信用してベラベラ喋るな!アナタ、FBIでしょ!?…と云いたくなってしまう。ただし、ラストで決意を新たにコルブス逮捕を誓ってくれたので(理由はやっぱりディック絡みではあるが)、次巻での活躍を期待しよう。
さて。問題はディックである。
「金髪、碧眼、高身長の一見クールビューティ。でも実は好きな相手に甲斐甲斐しい、甘いタイプ」という、たいへんなギャップ持ちのBLウケが良い色男のはずなのに、このシリーズでよく目にする感想といえば、「ネトがステキ♪再登場が嬉しい♪」「ディックより教授のほうがいいんじゃない?」(秋林調べ 6/24現在)。今のところ、ユウトとカラダを合わせねば、読み手にディックの本音が具体的に伝わってこないので、当て馬が魅力的に思えるのは仕方がないと云えるだろう。ただ、海千山千な教授にあれだけ迫られてるくせ、多少フラつきながらも(腐女子はそれが嬉しい)、生殺し且つ袖にし続けるユウトを見ていると、よっぽどディックとは具合が良かったのね、ヤツは上手いんだ、そっかそっか…などと思ってしまう。………。とりあえずディックに関しても、次巻でのさらなる(そっち面以外の)魅力爆発&活躍を期待しよう。
ちなみに、1巻の感想で「攻のキメ台詞(パンチライン)が、私にはなかなかクリーンヒットしない。ジョージ・クルーニーが云ったら、ピッタリくるような台詞が欲しい」と嘆いたのだが、この2巻ではなんと別の場所に見事クリーンヒット!
「チーズピザを頼む。悪いがオリーブオイルを瓶ごとつけてくれ」
コトの真っ最中に電話をし、「オイルをくれ」とルームサービスを要求するディック!
そんなディックに対し、ユウトは――
「本番の前に腹ごしらえ?」
………。
英田センセとディック&ユウトには申し訳ないのだが、どうしてもこらえきれず、終電の中(乗客は私ひとり)で大爆笑してしまった。これはコントなのか!?
せっかく盛り上がっていたところに、オイルが届くまでインターミッションを強いられるのは興ざめだと思うのだが…どうだろう?…若ければアダルトな駆け引きなんて必要ない、俺たちにとってジョージ・クルーニーはオヤジだ、というところか。ただ個人的に、なにゆえチーズピザを選んだのか、ディックに訊きたい。オリーブオイルを丸ごと一瓶なら、チーズピザよりアンチョビピザのほうが自然である。ハナからピザが目的じゃないということを、読者とユウトに知らしめたかったのか。云われなくても、日ごろからオリーブオイルの別利用法ばかり読んでる腐女子は即理解できるだろう、でも当のユウトがあれじゃ…。
キャラクターたちにとっては、ニッチもサッチもいかないデッドヒートな状況を見せる2巻。でも読んでるコッチとしては、なんだか楽しい展開になってきたので、最終巻となる3巻『DEADSHOT』に期待したいと思う。
評価:★★★
好きか嫌いかは別として、BLでは王道なキャラ設定とエピソード展開で定番なのに読ませるなあ、という印象。あと出てきていないのは「媚薬」くらいか。子供っぽいユウトが気になる。キャラ文庫はターゲット年齢層低めだから、それに合わせているだけ?…警察機構を嬉々として書く英田サキの魅力が、それで半減しなければいいけど。
そして、もうひとり気になるキャラが教授。なんつーか、もう登場した時点でフラれるのが決定的だとわかるとゆーか、別所哲也かジェイムズ・マーズデン、という当て馬ぶりを好演しているだけに、主人公カップルより幸せになって欲しい、とつい思ってしまう私である。
NO STAR … 論外/問題外作
★ … お好きな人はどうぞ。
★★ … つまんない。
★★★ … 退屈はしないしけっこう面白い。
★★★★ … 面白い。佳作/秀作。
★★★★★ … 天晴れ。傑作。