いまさらながら(いろいろあって書くのが遅くなったんです)、2006年度マイベスト10映画を。私の場合、「好きな作品=出来がいい作品」とは限りません。出来がいいとは云えない、くだらない映画も大好きです。ちなみに映画に点数付けたり星評価したりするのはニガテなので、いつも「ああ、あの映画が面白かったな、私好みだったな」と思いながら、漠然と頭の中でフェイバリット順位を付けております。なお、「私好みの映画」については、↑の「プロフィール」をクリックすると、なんとなくお分かり頂けるかなと。

以下、「昨年公開された私が好きな映画10本」です♪

■2006年度マイベスト10映画

1.「ブロークバック・マウンテン」
2.「メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬」
3.「父親たちの星条旗/硫黄島からの手紙」
4.「ぼくを葬る」
5.「サンキュー・スモーキング」
6.「マイ・アーキテクト ルイス・カーンを探して」
7.「スキャナー・ダークリー」
8.「ナイロビの蜂」
9.「トランスアメリカ」
10.「イルマーレ」

…暗い。
なんで2006年は暗い作品を多く選んじゃったんだろう?
フツーにオススメできないのばっかり。

ちなみに5位の「サンキュー・スモーキング」には、あのキモガキ子役キャメロン・ブライトくんが出演。アタシってば、2006年のキャメロンくん出演映画をコンプリート観賞してしまった。……。

それぞれ感想を書けたらよかったんだけど…時間切れです。

あとはそうだなあ…「ラストデイズ」「ピンクパンサー」「ヒストリー・オブ・バイオレンス」「ハッスル&フロウ」「親密すぎるうちあけ話」「あるいは裏切りという名の犬」「カオス」「トリスタンとイゾルデ」「プラダを着た悪魔」「リトル・ミス・サンシャイン」あたり?…う〜ん、まだほかにもあったように感じるんだけどなあ…思い出せないです。

以上、「2006年度マイベスト10映画」でした♪
2006年度下半期映画ちょっとだけ感想&デキゴトロジー」です。これは私が昨年下半期に鑑賞した映画の中で、ちょっとだけ感想を書いておきたい、感想は別に書いたけどそれに補足をしておきたい、映画館でトンデモ事件に遭遇したので報告しておきたい…など、基本的に簡単な感想と、ヨタ話を記したものです。ただし、観た映画すべてを書くことは絶対ムリ!不可能!なので、一部だけとなっております。

なんで今ごろ昨年の下半期を振り返ってるんだ?…って云われそうですが、その…いろいろありまして…ブログに書くのが遅れに遅れちゃったんです。タイムリーでなくてすみましぇん。

■「カポーティ」
以前、スピルバーグがカポーティに会ったことを熱っぽく語っていた話が雑誌に載っていて、米国人はよくよくカポーティが好き(フィッツジェラルドも好きだよね)なんだ、映画にもちょくちょく出てくるし…と思っていたら、『冷血』執筆時のカポーティを描いた映画が公開された。本作でカポーティを演じたホフマンはオスカーをゲット。

う〜ん…インタビュー映像でしか知らないので、実際のカポーティがどんな人なのかわからないんだけども、この映画でのカポーティは「いまどきのセレブ」だった。背が低く、太っていて、ゲイ。アルコールにドラッグ。パーティでは囲まれ、皮肉とジョークが効いたトークとゴシップで笑いを誘う。あの時代だったら、たしかに南部(ルイジアナ出身)にはいられない、NYの社交界でしか生きられなかった人だろうな…。

印象的だったのは、本編中にカポーティが目の当たりにしたものや出来事などすべて、観客も一緒に体験したということ。惨殺された遺体が棺桶の中でどう処理をされているか、処刑執行シーンで犯人の身体が下へ落ちていく瞬間など、普通だったら最後まで映さなくてもいいだろう、それと対峙したカポーティの表情だけで充分だろうというところまで――全部、ハッキリと。同じ体験を通して、自分とカポーティの間にどれだけ感じ方や思考に差があるか、そんなことをはかっている自分に気付いた。実はあの独特と云われた人も普通の感性を持っていて、自分とさほど差がないんじゃないか。カポーティが映画通りの人であったかはわからないけれど、ついそんなことを思いながら観賞してしまった。作用力(←日本語ヘン。あとで直そう…)を感じた1本。

■「イカとクジラ」
ケビン・クラインとフィービー・ケイツの息子オーウェンくんが出ている(!)という理由だけで観に行った。オーウェンくん、演技は可もなく不可もなくなんだけど…ルックスが(あのふたりの子供なのに)微妙。でも子役はバケるからなあ。

■「王の男」
なんだか懐かしい愛憎劇だった。JUNEっぽいっつーか。「王の男」って邦題もイイね。でもなんで私のハートを貫くほどじゃなかったんだろう?と考えていたら、オッシーに「そりゃー、(受と思われる)コンギル役のイ・ジュンギが、秋林さんの好みから大きくハズれてるからですよ(←どうしてわかるの?)。もしコンギルが玉木宏だったら、秋林さん、確実に2〜3回は観に行って、DVDも発売当日に買ってますね」と回答されてしまった。玉木くんがコンギル?―――(想像中)―――鼻血ブー!!

■「トリスタンとイゾルデ」
中世暗黒時代のケルト伝説、悲恋の古典を映画化。「禁じられた愛の物語」、ベタベタのラブストーリーとして、私のハートを貫いたのはこっちのほうだった。いいわ〜♪

あの人の花嫁として私は海を渡る、愛しい人が待つあの国へ。でも夫になるのはあの人ではなく王だった――。イゾルデが密かに愛するトリスタンはマーク王の腹心、王とイゾルデの初夜に悶えるトリスタン…うう…もうせつないっ!…ちょっと影のあるトリスタン役は、オーリが演じるとヘタレになる(←ホメてます)ので、ジェイムズ・フランコでピッタリ。アタシでもホレるトリスタンぶり。いいわ〜♪…少年時代のトリスタンを演じたトーマス・サンスターくん(ヒュー・グラントのいとこ)もカワイイ♪

ビックリしたのはマーク王役のルーファス・シーウェル。時代モノによく出ている俳優さんなんだけど、いつもわかりやす〜い悪玉役なので、マーク王はイヤなヤツだろうと思ってたら、これが素敵な王様で(彼が演じてきた中ではもっともいい役だと思う)。私がトリスタンでも忠誠を誓うし、イゾルデだったら心中フクザツだ。

音楽良し、映像良し、キャスト良し、ストーリー良し。製作に回ったリドリー・スコットが、最初の予定通り監督していたら、もうちょっと映像がスタイリッシュになったかもしれないけど、これはこれでいい出来だと思う。廉価版DVDが出たら買おうっと♪

■「007/カジノ・ロワイヤル」
新ボンドのダニエル・クレイグが身体を張ってた冒頭のチェイスシーンを観ていて、ふと思ったんだけど…ここ最近のアクション映画における悪組織の下っ端って――「M:i:3」や、最近観た「ダイハード4.0」でもそうだったように――なんだかヤマカシ化してない?…流行なの?…俳優もスタントマンもタイヘンだ〜。

ダニエル・クレイグは、キャスティングされたとき、ボロクソ云われていて可哀相だった。それがフタを開けてみれば絶賛の嵐。ボンドガールじゃなくボンドの水着姿が話題になったなんて、前代未聞だった。ただあの芸風だと、クレイグボンドのシリーズは少ないような気がする…ま、いっか、当分は楽しませてくれるでしょうし。

なかなか007のテーマが流れないとか、ひとりの女性を愛するボンドとか…なんとなく「女王陛下の007」を思い出してしまった本作で、何が一番印象的だったかというと――やっぱあの拷問シーン。最初、何が始まるかわかんなくて「?????なんでイスが?」だったのに、いざ始まるや「!!!!!!!!!」。痛いどころじゃないってば…。美容院で美容師さんと検証をしてしまったくらい、衝撃を受けてしまった。その昔、大学の講義で「欧州の拷問器具」なる外書講読資料を見たとき、「欧州人の考えることはヤバイ」と思ったけど…こりゃマジでヤバイ、と実感。

■「リトル・ミス・サンシャイン」
2006年は当たりハズレが大きいジャンルのロードムービーが多かった。その中でも、これはいい映画だったなあ。確かな演技力を持つ俳優が多かったし、安心して観ることができた。特にグランパ最高!…それにしても向こうの映画は、死体を持ってウロウロというシチュエーションが好きだね。わははは!

以上、「2006年下半期映画ちょっとだけ感想&デキゴトロジー」でした。終わった〜!

すみません、続く…。
2006年度下半期映画ちょっとだけ感想&デキゴトロジー」です。これは私が昨年下半期に鑑賞した映画の中で、ちょっとだけ感想を書いておきたい、感想は別に書いたけどそれに補足をしておきたい、映画館でトンデモ事件に遭遇したので報告しておきたい…など、基本的に簡単な感想と、ヨタ話を記したものです。ただし、観た映画すべてを書くことは絶対ムリ!不可能!なので、一部だけとなっております。

なんで今ごろ昨年の下半期を振り返ってるんだ?…って云われそうですが、その…いろいろありまして…ブログに書くのが遅れに遅れちゃったんです。タイムリーでなくてすみましぇん。

■「ブラック・ダリア」
巨匠ブライアン・デ・パルマの新作。ジェームズ・エルロイ原作で実話をベースにした猟奇殺人事件モノ。ブジ公開。前作「ファム・ファタル」がアレだったもんだから、デ・パルマにもう大手配給作品の監督依頼がこないんじゃないかとマジ心配してただけに、いや〜よかったよかった♪

え、出来?…そんなことより、冒頭のブラック・ダリアことエリザベス・ショートの死体が見つかるシーンだってば!

最初はまったく別の人物を捉えていたカメラが、クレーンでぐうううううう〜〜んとビルを飛び越え(!)、そのフォーカスはさらに道の向こう(!)の草むらにある死体に。でも状況すべては見せない。カメラは路地を通って(!)また元の位置(!)へ。そして刑事たちを映し出す……うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!スゴイ!さすが!

――以上!

■「トゥモロー・ワールド」
P・Dジェイムズ『人類の子供たち』を映画化、子供が生まれなくなって滅亡の危機にある人類を描いた近未来SFサスペンス。海の向こうでは高評価だけど、私には最後まで忍耐を強いられた1本で、とにかくしんどかった。ハッキリ云っちゃうと…ごめんなさい、つまらなかった…いや違うな、好みじゃなかった。

たぶんその…近未来の「子供が生まれなくなる」という危機感より、今現在ニュースでよく見られる「赤ちゃんポスト」「子供を育てられない親」だとか、「戦闘に駆り出される子供」「ストリートチルドレン」だとか…そういった問題のほうが――少子化だって騒がれているけど――私にはより身近に感じられたのだと思う。つい現実と比較して考えちゃったのは、「トゥモロー・ワールド」に近未来な雰囲気が感じられず、たとえば、街並み・住居・森・車・バイク…などがずいぶんと現代的だったからで(設定が2027年なので、突飛にしなかったんだと思う)、逆にそんな描写だったからこそ、少子化問題含め、将来起こりうるかも?と興味深く観た人もいるだろうな。そういう意味では、近未来SF作品として画期的な描写を選択した1本と云えるかもしれない。

どうして子供が生まれなくなったか、そんな状況でなぜキーが妊娠したかなどの細かい設定や、概念的で抽象的とも云えるラストなど、あえてすべてを描いていないところは私好みだった。とゆーか、この映画にそれらをキッチリ描き込む必要性はないんじゃないかな?

話題になって、各撮影賞をゲットした「クライマックスの戦闘シーンでの長回し」に関しては、スゴイと思う、でも私はやっぱデ・パルマ御大のぶっ飛び長回しのほうが好みであって…えっと…その…。え?比較するな?…う〜ん、ごめんちゃい!

■「プラダを着た悪魔」
メリル・ストリープがファッション誌鬼編集長を演じたコメディ。映画にさほど興味のない人でも、なぜメリルが現在最高の女優であるか、これでわかると思う(この映画がいままでの出演作の中で一番わかりやすい)。彼女ひとりだけセリフを喋ってない。ほかの俳優/女優たちは役を演じているのに、彼女ひとりだけ、実在の人物のよう。あるいは、ひとりだけ脚本を渡されていない、アドリブのみ許されている女優とでも云うか。自然な演技というレベルじゃない。たとえばTVミニドラマシリーズ「エンジェルス・オブ・アメリカ」で、求められて舞台演技(TVドラマなのに!)をしていたときも、口から出てくる言葉がセリフとして聞こえてこなかった(アルパチやエマ・トンプソンはセリフを喋っていたのに!)。バケモノ女優だね…。

映画はとても面白かった。ただ私がアンディだったら、もうちょっとミランダのそばで勉強したと思う。どんなに異常で私生活と両立できなくても。将来自分のためになるとわかるから。そう思う人が残っていく…いや、そう思う人しか残っていけない業界なんだろうな…。

■「手紙」
本来なら観賞リストには入らないこと確実な作品なのに、観に行ったのは――ムショの中の玉鉄が観たかったから。腐っとるっ!喝!>秋林

そんな私の感想は…そうだな、俳優陣、各エピソード、ストーリー、演出――そのどれもがTVドラマのようで映画を観た気がしなかった。なんで映画にしたの?TVドラマとして放送してもよかったんじゃ?

■「氷の微笑2」
……大ショック。
観逃したあああああっ!!

あんなに早々打ち切られるなんて思ってなかった…。

「6」(たぶん最後)に続く。
2006年度下半期映画ちょっとだけ感想&デキゴトロジー」です。これは私が昨年下半期に鑑賞した映画の中で、ちょっとだけ感想を書いておきたい、感想は別に書いたけどそれに補足をしておきたい、映画館でトンデモ事件に遭遇したので報告しておきたい…など、基本的に簡単な感想と、ヨタ話を記したものです。ただし、観た映画すべてを書くことは絶対ムリ!不可能!なので、一部だけとなっております。

なんで今ごろ昨年の下半期を振り返ってるんだ?…って云われそうですが、その…いろいろありまして…ブログに書くのが遅れに遅れちゃったんです。タイムリーでなくてすみましぇん。

■「もしも昨日が選べたら」
1年も待たずにサンドラー映画公開!バンザーイ!…こんなに早く公開されるということは、もしかして面白いとか?…と期待しながら観に行ったら、たしかにサンドラー映画の中では上出来で面白い、人生の早送り・巻き戻しができるリモコンをゲットした主人公が、騒動を巻き起こして因果応報な目に遭う「ドラえもん(風)映画」だった。うひょー。今回の相手役は、サンドラー映画歴代相手役の中でもピカイチ美人のケイト・ベッキンセイル。あんな美人さんが、よく下ネタ満載サンドラー映画に出てくれたなあと、ちょっと感動(うわ〜ん、ありがとう!>ケイト)。でもこのふたりでケミストリーは生まれるの?と心配したら、これがすんごく良くてビックリ。怪しげな発明家役にクリストファー・ウォーケン。ハマリ役すぎて大笑い。

あ〜…あんな万能リモコンがあったら、私もちょっと使っちゃうだろうなあ…。

■「ビッグ・リバー」
国籍の違う男女が米国を車で旅するロードムービー。オダジョが出ているので観に行った。そしたら…。私はもう何本もこの手の「アテのない自分探しロードムービー」を観てきたから、でかい文字で書かせてもらうけど――

ジャームッシュにヴァン・サントもどきは、もうたくさんだーっ!!

そして長すぎ。退屈。
1時間半くらいの映画なのに3時間あるかと思った。

万能リモコンがあったら確実に早送りの1本。

■「レディ・イン・ザ・ウォーター」
とにかく観ないと話に参加できない(=ネタバレなしでは語れない)シャマラン映画なので、観に行ったんだけど――いや〜、コーブ・アパートの住人が純粋な人ばっかでよかったね!>水の妖精さん

………。
シャマランって、俳優となっていいほどのインド美形だと思うし、実際にその自覚があるから自分の映画に出るんだろうけど、シャマラン自身がシャマラン映画に出てくると、一気にガクっとなるんだよなあ…。しかも今回の役はけっこう重要な役で「将来世界を変える作品を書く運命の作家」。妖精さんがそれを話してシャマランが真剣な顔して聞いているシーンを観たとき、「はあ?」。そーゆー役を自分で演じる??…シャマランの事務所には、彼が書いた脚本が箔押タイトルに革張り製本されて並んでるそうだし…そんな人に何を云ってもダメ、ヘタすりゃ犬を嗾けられるかもよ?…という作品…か。トホホ。

■「ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT」
前2作は日本車がいろいろ出ていたよな〜と思っていたら、キャラ一新、まったく関係のないストーリーで舞台が日本、というPART3が作られた…けど、やっぱり日本じゃなくトンチキジパングだった。ひやっほうっ♪…日本語のできないフツーのカウボーイ(メリケン人という意味です)高校生が、いきなり日本の公立高校に転校って…チャレンジ精神と根性は買う、でもそりゃありえないってばっ!ぎゃはは♪

ドリフトキング、高校生、バトル…ということで、本作は「頭文字D THE MOVIE」の「ワイルド・スピード」シリーズ版という感じ。映画「イニD」を観たとき、見所である「ドリフト!華麗なる下り峠攻め!」より、主人公・拓海が着ていた南葛10番Tシャツのほうに目が奪われた時点で、私は映画「イニD」をとやかく云う資格を剥奪されたと思うんだけど、あの映画は、たしかにしげの秀一の原作をリスペクトした出来だった。がしかし、残念ながら、しげのマンガ名物の三角パンチラがなく、「ダメじゃん!再現しなきゃ!」と残念に思っていた。そしたらなんと!この「ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT」の冒頭で、そのパンチラが見られるとはっ!ひやっほうっ♪…監督のジャスティン・リン、よくわかってるね!…って、なんで私が「ワイルド・スピード」に、そんな感想を持たねばならないのよ…ぶつぶつぶつ。

■「エコール」
日本公開時の惹句(タグライン)は、「大人に孵化する前の、純粋無垢(イノセント)な少女たちの世界へ、ようこそ」。

美しい森の中の、6〜12歳の女の子ばかりを集めた寄宿学校。生徒のほかは、ふたりの女性教師、年老いた召使だけ。ハリウッドでは絶対に作られないだろう、究極のロリータ作品だった。ストーリーは惹句そのまんまの内容で、美しい森の中の学校で勉強する少女たちの姿を淡々と描いているだけなんだけども、鑑賞中の緊張感と云ったら、もうすごかった。観終わってあんなに疲れたのは、久しぶり。なぜって、鑑賞中ずっと、この可愛い子たちが襲われないだろうか、なんぞ無体な目に遭わないだろうか…心配で心配でたまらず、ヒヤヒヤの連続だったから。

ところがそれより大問題で、私を大きく傷つけたのが、劇中に出てきた「美人の基準」。校長先生(だったかな?)が生徒の代表を選ぶ際、生徒の首の長さを測り出して――大ショック!そう…そうなんだよね、首が長いほうがエレガントで綺麗なの。自分のコンプレックスをスクリーンでモロ見せられちゃった。残酷。それで選ばれなかった子はショックだよね…。

というような(?)映画なので、水城せとなのマンガが好きな女性にオススメ。男性が観るなら――「少年の現実、閉塞感から生まれる痛み」を描いたケン・ローチの大傑作「ケス」をオススメします。

「5」に続く。

続きます。
2006年度下半期映画ちょっとだけ感想&デキゴトロジー」です。これは私が昨年下半期に鑑賞した映画の中で、ちょっとだけ感想を書いておきたい、感想は別に書いたけどそれに補足をしておきたい、映画館でトンデモ事件に遭遇したので報告しておきたい…など、基本的に簡単な感想と、ヨタ話を記したものです。ただし、観た映画すべてを書くことは絶対ムリ!不可能!なので、一部だけとなっております。

なんで今ごろ昨年の下半期を振り返ってるんだ?…って云われそうですが、その…いろいろありまして…ブログに書くのが遅れに遅れちゃったんです。タイムリーでなくてすみましぇん。

■「スーパーマン リターンズ」
上映時間に間に合いそうになかったので、映画館までタクシーを使うことに。

運転手さん:「映画!いいねえ!なにを観るの?」
私:「『スーパーマン リターンズ』です」
運転手さん:「今度の新しいスーパーマンは、公衆電話BOXで着替えないんだって?」
私:「え?そうなんですか?」(←知らなかった)
運転手さん:「そうだよ〜♪僕も観に行きたいんだよね、スーパーマン!…仕事しながら、ついあのテーマソングを歌っちゃうんだよ〜♪ちゃ〜ら〜ちゃら〜ちゃら〜…♪」

……運転手さん。
その…いま歌ってる曲って、「スター・ウォーズのテーマ」なんですけど。
………。気持ちはわかる。

■「X-MEN ファイナル ディシジョン」
興行成績・評価ではともに上から数えたほうが早い、成功したアメコミ映画と云っていい「X-MEN」シリーズの3作目。出演者が老けたのは仕方がないけど、監督(および脚本)のブライアン・シンガーが抜けただけで、こんなに変わっちゃうの?…繊細に「ミュータントへの偏見、哀しみ、人間との共存」を描き、アクションは小気味良く流れ、中だるみしながらもシリアスな場面にギャグを挿入…と、「2」まではシンガー節炸裂だったのに、ブレット・ラトナー監督による「3」は、「1」「2」がなくても完全成立しそうな、と〜っても大味な娯楽作になっていた…。ガーン。

ローグがウルヴァリンに「拳から爪を出すとき痛い?」と訊いて、ウルが「ああ、痛い」と答えるシーンが「1」にあって(ベストシーンである)、シンガー版「X-MEN」を見事端的に表現していた。なのに「3」ときたら、そんな人間味のあるシーンすらなく、ミュータントが大暴れしただけ(簡単に死んじゃうわ、力なくすわ…トホホ)、伏線回収し忘れの「ああ諸行無常」ストーリーで終わってしまった…。しかもあんな終わり方しておきながら、続編の含みを持たせるなんざ、サイテーだ!!バカヤロー!!

そしてサイクロップスが哀れで哀れで哀れで…扱いだけでなく、出演シーンの短さまで際立っていて、とにかくかわいそうだった。主要ミュータントだったのにー!…演じてたのが、これがまたフラレ役/当て馬役の多いジェイムズ・マースデンでね、「X-MEN 3」では登場が少なかったけど、ブライアン・シンガー監督・脚本「スーパーマン リターンズ」では出番多めだったのよ、でも役どころがやっぱりロイスの当て馬役でね(…シンガーくん?)――

誰か彼をしあわせにしてやってくれーーーー!!

★突然ですが「ジェイムズ・マースデン情報」!♪ドンドン!パフパフ〜♪
この前「めざましTV」を見ていたら、来春公開予定のディズニー実写映画「魔法にかけられて」のトレイラーが流れ、王子様役がどう見てもジェイムズ・マースデンだったのでチェックしてみたら、やっぱり彼でした。今度こそヒロインをゲットしてもらいたい!…けど…も…トレイラー観る限り、これがまたトンチキな王子様で…かな〜り不安。(今度こそ)フラレなければいいんだけどな…頑張ってくれ!ジェイムズ(as エドワード王子)!

↓「魔法にかけられて」トレイラーはこちら(公式サイト)
http://disney.go.com/disneypictures/enchanted/
(自動的に流れますので、会社からチェックの方は要注意)

あと、特殊ミュータント役で、またもやキモガキ キャメロン・ブライトくんを発見。……。

■「ザ・センチネル 陰謀の星条旗」
米国大統領を守るシークレットサービスが、陰謀に巻き込まれる話。大統領を守るはずの男が、なんとファースト・レディに手を出し不倫中(!)、しかも演じるのがマイケル・ダグラスとゆー、そんな役演じて説得力あるのは、彼かジョージ・クルーニーくらいでしょ!…とキャスティングだけで納得、その時点で(私の中では)終了した作品。だってさほど面白くもなかったし…。

ところでマイケル・ダグラスといえば、以前、ロブ・ライナー監督の「アメリカン・プレジデント」というロマンス映画(ホントに恋愛モノなんですってば!)で恋する大統領を演じていたんだけど、これが意外に似合ってて面白く、しかもうっかり「マーティン・シーン×マイケル・ダグラス」だとまで思ってしまった。……。ウソじゃないってば!私の目には、そう映ったんだってば!!

■「記憶の棘」
再婚を考えた美しい未亡人アナの前に、亡き夫の生まれ変わりだと主張する少年が現れる。最初は少年のいたずらだと思っていたが、少年は夫しか知りえない秘密を知っていた。再婚を前にアナの心は乱される…というストーリー。少年が本当に生まれ変わりなのか、ハッキリ知りたい観客は多いだろうな。でもこの映画は、謎が明らかになっていくという謎解きをメインにしていない、とてもシンプルな愛の物語に(私は)思えた。

愛する人を突然失ったひとりの女性が、時間が経ち、次の愛を考えられるようになっても、「あの人を愛した」という記憶を消すことができず、葛藤する。もちろん、愛した事実と思い出を消す必要はないのだけど、アナという女性は思い込みが激しく一途に人を愛する――ある意味、とても不器用な人なので、再婚を前に揺さぶられる自分が許せず、そして抑えることができない。見た目はとても洗練されているだけに、そのギャップも大きい。じゃあ彼女が愛した夫は、同じように彼女を愛していたのか…というと、これがまたつらい話が待ち受けていて――私はただただせつなかった。

主演のニコール・キッドマンは、もともとオーバーアクト気味なところがあるので、こういう思い込みの激しい「恋に落ちたら命がけ、真剣に真っ逆さま」という役が似合うね。そして、静かに暮らしている洗練された上流階級の描写に唸った。実はこんな感じなんじゃないかな?<NYの上流階級

夫の生まれ変わりと主張する少年役に、あのキモガキ キャメロン・ブライトくん。いや〜、アナの気持ちが分かるとゆーか、夢に見そうなキモ具合だった(←ホメてます。絶賛に近い)。お風呂のシーンではマジ怖かった…うえ〜ん!

好みはキッチリわかれるだろうけど、私は好きな作品。でもオススメはしない。

「4」に続く。
2006年度下半期映画ちょっとだけ感想&デキゴトロジー」です。これは私が昨年下半期に鑑賞した映画の中で、ちょっとだけ感想を書いておきたい、感想は別に書いたけどそれに補足をしておきたい、映画館でトンデモ事件に遭遇したので報告しておきたい…など、基本的に簡単な感想と、ヨタ話を記したものです。ただし、観た映画すべてを書くことは絶対ムリ!不可能!なので、一部だけとなっております。

なんで今ごろ昨年の下半期を振り返ってるんだ?…って云われそうですが、その…いろいろありまして…ブログに書くのが遅れに遅れちゃったんです。タイムリーでなくてすみましぇん。

■「狩人と犬、最後の旅」
ロッキー山脈で自給自足の生活を送る実在の老トラッパー(罠猟師)ノーマン・ウィンター主演の、半ドキュメンタリーかつアドベンチャー映画。最初に出てきたノーマンの愛犬ナヌーク(そーいえば「ロストボーイ」でコリー・ハイムが飼ってた犬も同じハスキーで、名前も同じナヌークだったなあ)が大変に賢く、山では颯爽とした活躍を見せるのに、下界に下りた途端、無能になってしまうというのがせつなかった。飼い主のノーマンもそういうタイプなんだろうな…。動物愛護団体やベジタリアンはいろいろ云うだろうけど、「自然は人間の手で調節しなければ(=だから山に猟師は必要であり、自分たちは狩りをするのである)」というトラッパーたちの言葉に、人間としての驕りは感じられない。自然とともに生きてきた人の真摯な言葉は、それもまた真実であると私は思う。

■「マッチポイント」
「は?ウディ・アレン監督作なのに、舞台が(NYではなく)英国ロンドンだあ?」と少々驚いて観に行ったら、「BBC Films」のロゴがでーん!とスクリーンに現れ、納得。ナルホド、スポンサー事情ね、そっかそっか>ウディ

ワーキングクラス出身の元テニスプレイヤーの男が、アッパークラスに憧れて資産家に取り入り、成り上がろうとするが、そう簡単にはいかなくて…という、ストーリーおよび結末もなんとなくパトリシア・ハイスミスの小説『リプリー』(映画「太陽がいっぱい」じゃなく、原作のほう。ラストが決定的に違う)を思い出すような内容だった。ただその…「運」を巡って、ブラックな展開を見せるコメディかつサスペンスなのはいいんだけど、私が期待した「英国風のちょっと壊れた皮肉なユーモア」を感じさせる登場人物やセリフというものが全然なかった。アッパークラスのおしゃべりも上っ面でなんだかなあ…。監督・脚本が米国人であるウディなので仕方ないとはいえ、演じてるのが英国系俳優ばっかりだったから、なおさら「外国人が英国を舞台に映画を撮ってみました」雰囲気炸裂、さらにオペラまで鳴り響いちゃって、うわ〜、これ観た英国人はみなさん「………。」だったんじゃ?…まあ、英国市場だけを狙って製作されたわけじゃないだろうし、そもそも極東女子がそんな見方をすること自体がおかしいか。ごめんちゃい!>ウディ

スカジョは特に上手い女優とは思わないけど、前半の魔性の女より後半のウザイ女っぷりが実に見事。「黙れよ、お前!」と観客に思わせたあたり、ナイスキャスティング。あんなハスキーボイスとフシギな色気を持っている若い女優さんって、ほかにいないよね。でも年齢を重ねたらどうなるんだろう…。

■「キンキーブーツ」
この映画の主人公チャーリーのほうが、よっぽど英国男って感じがする。でもその…予想以上に「フツーにハートフルなちょっといい映画」だったので、思いっきり毒牙を抜かれた。実話をベースにしているから遠慮もあるのかな?…ま、私も定期的にこうやって毒牙を抜かれたほうがいいんだろうな、どうせまた生えてくるんだろうから。……。英国が舞台で実話ベースにしたハートフルコメディに、数年前公開された「カレンダー・ガールズ」(好きだ♪)ってのもあったけど…って、あ!あの映画と脚本家が同じなんだ!…ふ〜ん、そっか…。

■「ユナイテッド93」
9.11、実際に現場で働いていた空港の管制官やクルー、一部の軍関係者が自らの役でそのまま出演、ただ、事件のあったユナイテッド93便の乗員・乗客役に当事者がひとりもいないだけ、93便の中で繰り広げられただろうドラマを、製作側が念入りに行ったという取材に基づきながら、最初から最後まで傍観者視点、淡々淡々淡々淡々の積み重ねで貫き描いて強烈な印象を残す、ある意味とってもエンタテイメントな墜落映画。墜落映画ってなんじゃそりゃ?と云われそうだけど、だって、93便が飛び立ってから落ちるまでの話だし、観終わった観客も気分的に墜落しちゃってそうな映画だから。やっぱジェットコースター映画って云ったほうがいい?監督が「ブラディ・サンデー」のポール・グリーングラス(英国人)で、そういえば、あの映画も俳優陣にスターがいなくて、実話をベースに悲劇の一部始終を、傍観者淡々視点の手ブレ映像で描いていたよなあと思い出し、製作発表を聞いたときから期待していた1本だった。グリーングラスだったら、乗客を英雄扱いした米国視点の「テロって最低!」というだけの映画なんざ作らない…ってか、作るわけないよねえ?…ちなみにこれ、製作はあのワーキング・タイトル・フィルムズ(WT社)。

傍観者淡々視点(フェア)なため、テロリストは非情かつ悪意に満ちた描かれ方はされていなくて、「実行犯として任命されてしまった人物」扱い。ヘタすれば「実行犯に選ばれてかわいそうに」と同情してしまうほど。乗客たちも英雄としてじゃなく、泣く人、電話する人、ヤケクソパワーで抵抗した人…として描かれていた。そしてオタオタするだけの管制塔と軍関係者(しかも演じるのは同じ人物…よく出演したよなあ)。マニュアルなんて役に立たなかった、無力だった、ざまざまな人がいたのに誰もテロは止められなかった。観客のほとんどはあの事件のときも傍観者だったはずで、またしてもこの映画の前で傍観者となってしまう。「テロって最低」と思う前に、「なんでなんだろう、なんでテロは起きるんだろう?」と、「なんでこんな目に遭うの?」と思っていただろう乗客と一緒に落ちながら、重く考えさせられた1本。どよーん。

「3」に続きます。
2006年度下半期映画ちょっとだけ感想&デキゴトロジー」です。これは私が昨年下半期に鑑賞した映画の中で、ちょっとだけ感想を書いておきたい、感想は別に書いたけどそれに補足をしておきたい、映画館でトンデモ事件に遭遇したので報告しておきたい…など、基本的に簡単な感想と、ヨタ話を記したものです。ただし、観た映画すべてを書くことは絶対ムリ!不可能!なので、一部だけとなっております。

なんで今ごろ昨年の下半期を振り返ってるんだ?…って云われそうですが、その…いろいろありまして…ブログに書くのが遅れに遅れちゃったんです。タイムリーでなくてすみましぇん。

■「ウルトラヴァイオレット」
監督が「リベリオン」のカート・ウィマーということもあって、ご存知の方もおられるように、私め、この映画を3年間も追っていたので、悪評気にせず「ミラのミラーメールブロック」付き前売券を購入してまで、気合入れて観に行ったとゆーのに――なんでああなるの?!…完全に崩壊しているストーリー、プレステ3やWiiの時代にセガサターン版「Dの食卓」か?と思うほどのショボいCG…トホホ。とくにCG効果によるミラの肌の質感が最悪で、肌を映せない理由でもなんぞあるのかとマジ心配になった。あーうー。期待していたガンガタに至っては、北村龍平による演出(つまり最初と最後のカッコだけ)かと思った。ミラのゲロ吐きなんざ観たくなかったよう!…そしてあのキモガキ子役キャメロン・ブライトくんがねえ…ミラ演じるヴァイオレットの心を動かすほど可愛いとは思えず…ってか、思う人いるの?

■「ローズ・イン・タイドランド」
あの(!)テリー・ギリアム監督の新作が、「ブラザーズ・グリム」そして本作と――二年連続で観られるなんてなあ。映画館の席に座ってしばし感動。そしてやはりこの人の映画…とゆーか、イマジネーションは、大画面…とゆーか、でっかいスクリーンで観ないとダメだなと実感。ところでみなさま。テリー・ギリアムの映画が公開されたら、映画館まで観に行って下さいまし。じゃないと、監督の新作が観れなくなってしまう…。誰かテリー・ギリアムにオファーを!!

■「ハッスル&フロウ」
2006年ベスト10に入れるかどうか最後の最後まで悩んだほど、私のハートをつかんだ作品。サンダンス映画祭で観客賞を獲ったこと、そして映画「クラッシュ」(クローネンバーグ作品じゃなくオスカー獲ったほうね)で、一番よかったな〜と思ったテレンス・ハワードが主演だったため、観に行った。ストリートでポン引き生活をしている若くない男(30代半ば)が、夢と現実の狭間でもがき、昔諦めた夢であるプロのラッパーを目指し、最後のチャンスに挑むが、さまざな問題が次から次へと彼に降りかかっていく――という話。ヒップホップに興味のない私でも胸が熱くなった。「ロッキー」や「8mile」のような正攻法のサクセスストーリーじゃない。だからこそ身近に感じる。「真夜中のピアニスト」のように、夢に再チャレンジすることで最終的に「抜け出し」、自分の居場所を見つけた人間が描かれているんだと思う。思いがけないラスト、ノラの言葉に涙。

■「時をかける少女」
いい映画だと思う…けど、私はオープニングから30分で途中退場を考えたくらい、主人公の真琴が好きになれなかった。この映画をホメてる人って男の人が多いでしょ?違う?…脚本は女性だけども、真琴はいかにも男性が考えた「明るく元気な女の子」という感じ。自己中心的な性格は別に問題じゃなくて(若いんだから仕方ないよね)、あの年頃の女の子が、友情という点から、同性より異性の友達を一番に選ぶかな?…女の子同士で話したり、相談したり、一緒に帰ったりしない?…そういうリアルさがすこーんと抜け落ちていた。別にリアルさが求められているわけじゃないし、恋と友情の狭間に揺れ、駆け引きができない(「あーすればよかった」「なんで云わなかったんだろう」という後悔とか。み〜んな経験あると思う)真琴にまったく共感しなかったわけじゃないし、甘酸っぱい恋のストーリーは素敵だと思うけど、やっぱり男性的な視点でヒロインが描かれた印象が強くて、私は引いちゃった。男の人ってロマンチストだね。

「2」に続く。
計画通りにコトは運ばないものです。考えてみれば、私、夏休みの課題を毎年サボって未提出を重ねまくり、夏休み明けの一週間毎日19時近くまで学校に残って課題を仕上げてた、とゆー人でした。そんなヤツが自分で計画練ったところで、上手くいくわけがない!…ってもんです。

ちょっとだけ映画感想&デキゴトロジーは…8月いっぱいで仕上がるよう、頑張ってみることにします。

…火浦功のこと、とやかく云えないっスね。
←こんなの出てたんだ、知らなかった!…ちゃんと挿絵はゆうきまさみだ〜。もとはコバルト文庫(集英社)だったのに、完全版(だよね?)は朝日ソノラマから出てるんだ〜。そっか〜。Amazonの書評が、み〜んなやさぐれ評になっているのが笑えるけど、その気持ちよくわかるんだよなあ。だって私も、10代から続編をず〜っと待って待って待って待って…待ちくたびれて、いつの間にか待つことを忘れるに至ってしまったクチだから。それにしても、あの頃のコバルト文庫はよかったよな〜(遠い目)。

日本一のすちゃらかSF作家こと、火浦功をご存知でしょうか?

(おもに)80年代に活躍され、ポジション的にはたぶんSF系ライトノベル界のハシリ(いちおう現在もご活躍中)、誰にもマネできない洒落たセンスのある文体に、バカキュート(たまにシリアス)な作品を世におくり出してきた作家です。ところが、とにかく遅筆な人。しかも未完の帝王、頓挫したシリーズは数知れず。それでもファンはみんな彼が好きとゆー、まさに日本SF界の江口寿史のような存在です。

私も中学生ぐらいだったか、アニー(兄)から薦められ、コバルト文庫から出ていた「スターライト☆だんでぃ」を読み、火浦ファンになりました。ええ、ず〜っと新作が出るのを待っていましたよ。

がしかし。
出ない出ない出ない出ない出ない!
ち〜っとも出ない!!

…待ちくたびれてしまいました。

↓火浦功を愛してやまないファンサイト「We Love 火浦功!!」
http://www.hiura.org/
(気持ち、よくわかる…遠い目)
(上記サイトより引用)
■火浦用語:ウィンブルドン
毎年6月中旬から7月の最初にかけてやってくるスランプ、近年ひどくなる一方である。

………。

もうずいぶん昔、学生の頃、「SF研究会」に所属している友人を尋ねて、部室に行ったことがあります。たまたまおられた部長さんに、「アナタはSF小説を読むの?そんな風には見えないけど(←大きなお世話!ふん!)」と訊かれ、「ハイ」と答えたところ、「どんな作家が好きなの?」とさらに訊かれ、「え〜っと、外国人作家ならフィリップ・K・ディック、日本人作家なら火浦功かな?」とマジメに答えたら絶句されました。……。火浦功が好きで悪かったなっ!放っておいてよ!

…と云っても、絶句している部長さんを見て、「しまった!神林長平とでも云っとけばよかったか?」と、つい思ってしまったことは事実。がしかし、私は神林作品を読んだことがなく(いまだにない。たぶんこれからもなさそう)ヘタにつっこまれたら困るし、また火浦功が好きなことにウソいつわりはなかったので、いまでもあの回答に後悔はありません。

そーいえば、待って待って待って待ちくたびれ、待つことを忘れるに至って久しくなったある日、本屋さんのBL小説コーナーで「火浦功」の文字を見かけ、大衝撃を受けました。「なんで!?なんでなんでなんで!?火浦功がああ!?」とクラクラしながら、本を手に取ってみると――作家名は「火崎勇」。…待ちくたびれると目もおかしくなる、ということを実感したのでした。

…以上、私だって三島や森茉莉ばっか読んでいたわけじゃないよー!という話でした。

さて。「スターライト☆ぱ〜ふぇくと!」をポチるかな。

ISBN:4257010924 新書 火浦功/ゆうきまさみ 朝日ソノラマ 2006/12/16 ¥1,300
時は、宇宙開拓時代―地球連邦宇宙開発公団開拓者擁護局の調査員である鳴海甲介(自称・ボギー)は、十日以上残っていた休暇を取り消され、急遽、僻地の植民惑星へ派遣されることになった。理由は、入植者から「畑のジャガイモが、全部枯れた」という苦情があったからだ。渋々、現地に向かう甲介だったが、なぜか彼の宇宙船に女子高生の密航者が!?火浦功の人気シリーズが、単行本未収録の短編と書き下ろし新作を加え、奇跡の復活。

……。
………いいの?eh?
え〜っと、ん〜…天照大神さんという人からの依頼だとかで、今日だけ、秋林の代わりにブログを書くことになった、え〜っと…その…山ノ上涼風です……どうも。
………。
…なにを書けばいいんだ?
僕に面白い話なんて書けないよ…知ってるだろう?eh?

そうだなあ…まず状況を説明しようかな。う〜んっとねえ…え〜っと…いまちょうど友だちが集まっていて、みんなキッチンでなにか作ってるんだよ。僕はパスタ茹でるくらいしかできないし、ワインがあれば…いや、そのつまり、食べる専門であんまり役に立たないからさ、できるまでここでブログを書けと云われたんだ。

で、書けと脅した云ったのがその中のひとり、ジャパニーズとは思えないほどうるさいキュートな秋林ってヤツなんだけど…そうそう、この前、ヤツにビックリさせられたんだよ。ん〜そうだな、そのときの話をしようか。

2ヶ月ほど前だったかな、秋林とほか何人かと一緒に「ピンチクリフ グランプリ」という人形アニメ映画を観に行ったんだ。吹替じゃなくて字幕だったんだけど、字幕が全部出てこなくてチラチラ見える程度でさ、サッパリ内容がわかんないんだよ。ノルウェイ映画だからノルウェイ語で、みんなお手上げ。「ドイツ語に似てるから、なんとかなるかも」って秋林は云ったんだけど、やっぱりぜんぜんダメ。まるでイウォーク族の映画を観ている気分さ。

それで10分くらい経ったころに、「やっぱりおかしいんじゃないか?」って、秋林がプログラムを確認し出したんだ。そしたらさー、観客は僕らしかいなかったからよかったんだけど、突然「サイズがスタンダードじゃない!だからか!!」って秋林が叫んで、外に飛び出して行ったんだ。僕の足を2回も踏んづけてさ。謝りもしない。信じられるかい?eh?

しばらくしたら電気がついて、映写が止まって…赤い顔した秋林が帰って来た。映画館にクレームつけてきたんだろうけど…なにもそんなにエキサイトしなくたっていいのにねえ…eh?

そしたら今度は映画館の人が僕らの席までやって来て、「映写ミスです。最初から上映し直します」と云って、無料招待券をくれたんだ。秋林が云うには、この映画館では映写ミスとかしょっちゅうあるらしくって、突然真っ暗になったり、フィルムにひどい傷がついていたり、映写機にゴミがついてたり、避難訓練に付き合わされたりと、散々な目に遭ってるだってさ。そのたびにクレームつけてるだとかで、「ごめんで済んだら警察要らんわ!」って叫んだこともあるんだって――


これだから映画ギークは…………バシッ!!


アウチ!!
???????????????

オーマイゴーッシュ!!
しまった、いつの間にか後ろに秋林がいる!

どうしてこうジャパニーズってヤツはハリセン持つのが好きなんだ…eh?

…僕には理解できないよ。

…………。
わかった。ちゃんと書くってば。

「映画館でひどい映写ミスに遭遇したら、ちゃんとクレームをつけるように」

…これでいいかい?
ほら、みんな呼んでるから…早く行きなよ。

……行った。

さて。実は――今日これから、ノートンに乗ってここカナダからアメリカへ行くんだ。ノースカロライナのチャールストンを経由してさ。まあ旅行なんだけど…最終目的はフロリダのゲインズヴィルに住む友だちに、ガスからあずかった脚本(ホン)「My Own Private Idaho」を届けに行くことだ。秋林には云ってない。なんの目的でどこへ行って誰に会うかなんて、云えるわけないよ…云ったら、絶対「私も行く!連れてけ!!」って騒ぐに決まってる。勘弁してくれ、それは堪えられない。だから…こっそり行くつもりさ。

みんなに食事を作ってもらってるけど…いまが出発のチャンスかもしれないな。

…………。
行こうかな…う〜ん、そうだ、行くことにする。
ブログなんてさあ、こんなもんでいいよね…eh?

…じゃ、あとはよろしく。



ブオォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!
(バイクの音)
---------------------------------------------------------
監修:R氏(山ノ上涼風ギーク友の会会長)
※ 不適切な箇所は秋林により一部訂正

DVD KINGRECORDS.CO.,LTD(K)(D) 2007/09/26 ¥3,990
←私が入り浸ってる「遊べる本屋」「サブカルの殿堂」こと、ヴィレッジヴァンガード(以下、V/V)には、これがちゃんと置いてあります。ちなみに三島由紀夫の『仮面の告白』も。V/Vでは、既刊のSF小説や海外小説などをよく購入します(思わぬ発見をするから)。マンガは、フツーの書店やマニア系書店にはあんまり置いてないものをよく見かけます。『オルフェウスの窓』や『SWAN』全巻はもちろん、細川智恵子『伯爵令嬢』全巻(しかも平積み!マジでたまげた!)あるかと思ったら、『のだめ』や多田由美の本がすべて揃っていたりします。ちなみにBLは、小野塚カホリあたりくらい。V/Vらしい選択だけど、私には守備範囲外の作家なんだよなあ…。

ルーツバトンです。

「いつ腐女子/腐兄の道に迷い込み、世界を知り、そのまま住人となってしまったのか?」から、過去・現在・未来、偏っているだろう(…)嗜好まで、設問はありますが制限・強制はございません、ご自由に語って下さい。

(秋林は長く語ってますが、これはあまりに暑くて、どこにも出かける気になれず、家にこもって本を読んだり、PCの前にいたりするからです。基本的にこんなに長く語る必要はありません、お好みで。暑いよう…うえ〜ん…)

■いつ頃、なぜこの道に?
故郷を目指して川を溯上る鮭になったつもりで、記憶を辿ってみると――う〜ん…中学2年生の夏休みかな?

読書感想文の課題図書一覧を見て、「厚さが薄い・本代が安い」という実に私らしい理由から、仏の女性作家コレット『青い麦』(注1)を選択したものの、これが何度読んでも登場人物の気持ちがさ〜っぱりわからなかった。登校日に職員室へと赴き、国語の先生に「わかりましぇん…」と泣きついたところ、その先生(女性)の机の上に、森茉莉『恋人たちの森』(注2)と、三島由紀夫『仮面の告白』(注3)が置いてあった(なんでだー!?)。「じゃあ先生、これ借りていい?」「う〜ん…いいけど、『青い麦』より理解できないかもしれないわよ?」という会話ののち、借りて読んでみたら――

なんでか(それなりに)理解できた。

…というわけで、私をこの道に導いたのは、JUNEでもBLでもなく、コッチ系純文学であり、そして「Y先生・森茉莉・三島由紀夫」の御三人だった。今思うに、Y先生は絶対コッチ系の人だったはず。そういう意味では、先生というより先輩だったのかも。尚、当時中2の私でも、『恋人たちの森』『仮面の告白』で感想文を書くのはかなりヤバイと感じ、お気に入りの作家である志賀直哉をチョイス、結局『城の崎にて』で感想文を提出。う〜ん、ひと夏の思い出。

【訂正】
間違ってました。『禁色』読んだのは中3、Y先生から借りたのは同じ三島由紀夫の『仮面の告白』でした。うわ〜すっかり忘れてた。あんなにショック受けたのに!…どっちにしろ、中学生が読むには早すぎる内容か…トホホ。あ、森茉莉は鴎外の娘さんです。

(注1)『青い麦』 シドニー・ガブリエル・コレット/堀口大学訳
舞台は南仏。15歳のフィルとヴァンカ、美貌の中年女性ダルレー夫人の三角関係な話。求めているヴァンカを突っぱねたフィルは、ある日、ダルレー夫人に食われてしまう。フィルとダルレー夫人、ひと夏のアバンチュール(しかも連夜)。最終的にフィルは捨てられ、ヴァンカのもとに戻ってくるが――とゆー、こんな話を中学2年生に読ませていいのか!?…な、甘酸っぱい青春恋愛小説。これって、いまも課題図書なの?

(注2)
(Amazonより引用)
『恋人たちの森』 森茉莉 改版版 (1975/04)
愛される少年。愛する男。男同士を嫉妬しながら少年を母のように抱く少女。そして、恋人を美少年の魅力から取り戻そうとする黄昏の女の破滅的な情炎。頽廃と純真の綾なす官能の世界を、言葉の贅を尽して描く表題作。愛する少年を奪われる前に殺し、自らも息絶えた男の鮮烈な最期。禁じられた恋の光輝と悲傷を雪の武蔵野に綴る『枯葉の寝床』など、鬼才のロマン全4編を収録。
(注3)
(三島由紀夫文学館HPより引用)
http://www.mishimayukio.jp/sakuhin36_1.html
『仮面の告白』 三島由紀夫 1949年(昭和24)7月5日 初版
「私」の性的な自叙伝。誕生から成人した現在までの「仮面」を被った「告白」である。「私」は女性に興味がなく、逞しい男に魅力を感じてきた。汚穢屋、兵隊、地下鉄の切符切り、落第してきた同級生らにである。戦争が激化する中で、園子に恋をするが性的な関心はもてない。戦後、他家に嫁いだ園子と密かな逢い引きをするが、そのときでも「私」の目は逞しい若者に引き付けられる。世界から疎外された悲しみを描いた作品。

三島由紀夫文学館サイトにある「私の好きな三島作品」で、『仮面の告白』を挙げている作家/評論家が全員男、だっつーのがまた…。

↓「私の好きな三島作品」(三島由紀夫文学館)
http://www.mishimayukio.jp/favorite.html
(辻仁成は相変わらず辻仁成だなあ)

ちなみに私は『苧莵と瑪耶』『宴のあと』『金閣寺』…かなあ?…でもそんなに三島は好きではなくて、私はどっちかというと、石坂洋次郎や、時代が前になるけど志賀直哉(小説の神様!)が好き。

■…で、その後、どうなりました?
とくに何も変わらず、そのまま高校に進学。そしたらクラスにコッチ系の子がいて、授業中、雑誌JUNEから切り取った『間の楔』が回ってきた(回すな〜〜っ!)。ドンガラピッシャーン!青天の霹靂。

JUNEは切り抜きで読んでいたので、全体像はよくわからなかったけれど、怪しげな雑誌らしいのに、吉田秋生や竹宮恵子が載っていてビックリした。マンガの投稿では、西炯子、杉本亜未、羅川真里茂が載っていて、数年後、他のマンガ誌に彼女たちのフツーの作品が掲載されているのを見て、しこたまビックリした。いま思うと、当時のJUNEはスゴかったなあ。

そのほか、「ボールは友だち」サッカーマンガや、「ろざんしょーりゅーはー!」な格闘(?)マンガの人気が高かった。前者は知ってたけど、後者は興味がなくてわからなかった。だって車田正美といえば、小学生の頃に読んだ「リングにかけろ!」(ギャラクティカ・ファントム!)と、「風魔の小次郎」のイメージだったもん。アニメは小学生の頃に「マクロス」で興味が終了したため、コッチ系の友だちにはついていけなかった。小説では「魔王伝」とか好きだったな〜。なので、高河ゆんを知ったのもこの頃。

「ボールは友だち」サッカーマンガは――クラスのコッチ系の子が、私に尾崎南(彼烈火…どなたか覚えてます?)を紹介、「こんなことしていいのか〜〜〜!?」。ドンガラピッシャーン!青天の霹靂(その2)。なので、「尾崎南、新連載!」の告知を集英社「週刊少女マーガレット」の誌上で見たときは、我が目を疑い、眼科へ行こうかとマジ思った。

↓そのときの話はこちら
http://diarynote.jp/d/25683/20070324.html
(柴田文明さんを知ったのもその頃か)

さらにショックだったのは、かなり昔に発行されたという触れ込みで回ってきた、ある手書き小説本。読んでみたら、「人工眼と変身能力を持つ合成人間が主人公、刑事とともに富豪の死の謎を解く」という話でたいへん面白かった…が、変身するためのDNA搾取(…)で、そーゆーことをする生々しい描写にビックリ。数ヶ月くらいのち、本屋さんに行ったら、原作者も絵の人も同じ「麻城ゆう&道原かつみ」、まったく同じ『帝王の庭』というタイトルで、なんと新書館からマンガが出ていた。ビックリして読んでみると、内容はあの小説とまったく同じ、ただ「変身するためのDNA搾取(…)でそーゆーことをする生々しい描写」が、すこーんと抜け落ちていた…。私ってばなんて本を読んだのよ!?…ドンガラピッシャーン!青天の霹靂(その3)。

そして、さらに回ってきた「CREDO」「SILVER CREDO」。黒川あずさ、波津彬子、坂井久仁江、こいでえみこ、立野真琴、竹田やよい、おおや和美というメンツが(いま思えば)スゴかったなと。立野真琴に至っては、「ミッキー&一也」シリーズより面白いやんか!と思った自分に、ドンガラピッシャーン!青天の霹靂(その4)。

コッチ系ではそんな高校生活を送ってたけど、どっちかといえば、映画や音楽のほうに時間を取ってたと思う…たぶん。

以降は、つかず離れず。
いつの間にか、BLというジャンルでコッチ系が市民権を得ていた。

■現在は?
あんまり変わらないかな〜?
ブログではコソコソしていますが、基本的にクローズドな雰囲気(腐女子間においてというイミでね)にはしたくないです。感想を書く際は、BLを知らない人にも読んで頂けるような表現をできるだけしようと努めています…って、そんな人は私のブログに寄り付かないか。

■ほかに云いたいことは?
1.面白い本があったら、教えて下さい。

2.なにげにホクリークはスゴイ作家の出身地です。
今市子、波津彬子、新田祐克…あと、立野真琴。

3.叫ばせて下さい。
ヴィレッジ・ヴァンガードな腐女子がいてもいーじゃんっ!

■バトンを回して下さい
まず、りょうさんに。どんぐり系の方には順に回りそうですが、ご自由に持って行って下さいまし。

個人的にメチャ興味があるのは、夜霧のネオンサインさんと翠さんと、私にカムアウトメールを下さったFさん。ご都合ある方ばかりですし、内容も内容ですし、ブログの主義もあると思いますので、とりあえずお名前だけ♪

…以上でーす。

ISBN:4101174016 文庫 森 茉莉 新潮社 1975/04 ¥580
■『公使閣下の秘密外交』
ISBN:481305045X コミック 新田祐克 大洋図書 2006/12/27 ¥680
「未来の義弟にひとつ秘密を持ってもらおう」
優れた能力と容姿故に、若くして在タイ公使として活躍する吉永孝司。外務省の実力者を父に持つ名家出身の白石智宏。
将来の義兄弟として出逢ったふたり・・・白石が新人外交官としてタイにやってきたことから男としての矜持と能力を賭けた戦いが始まる!!

新田祐克は、現在のBL界において「この人しか描けない」オンリーワンな存在、誰もマネできない作画と構成力、ストーリーテリングを持つマンガ家である。「新田祐克に似てるマンガ」なんぞ、私はこの10年読んだことがない。ありますか?>腐女子のみなさま

「新田マンガ」と云えば。ラブに翻弄されても、決して仕事へのプライドを忘れない男たち。紙面からギラギラ感垂れ流しの「そもさ〜〜ん!せっぱ〜〜!」なガチンコ勝負。常識と節度がぶっ飛んだストーリー展開にビックリエロ。アンビリーバボーなくせ、妙に説得力のあるセリフの数々…など、上手く云えなくてもどかしいのだが、とにかくたいへん特徴のある…って、えええ〜〜いっ!読めばわかるんじゃあああ!…という魅力(魔力?)を持つマンガである。そして電車の中では決して読めない。

そんな新田センセが大洋図書で始めた外交官シリーズが本作。昨年終了したホストシリーズ、現在好評連載中の『春を抱いていた』に次ぐ、代表作となるのではないだろうかと思っているのだが――これがまた相変わらず濃い、のである。

!以下、マジでネタバレ注意報!

部下:新人外交官×上司:エリート公使(こうし…大使に次ぐ席次の外交使節。B’zの稲葉浩志のことではない)。お得意の年下攻で、受は新田マンガ定番の「魔性の女王様(貞節ナシ)」、攻もこれまた定番だろう「いつの間にやら受に食われた元門外漢(ノンケとも云う)」。安易な陵辱というものは存在しない。だって新田マンガだから。

本作で重要ポイントなのは、攻(白石)の父親は事務次官、出世を求めて受(吉永)は白石の姉と婚約中――つまり将来は義兄弟というふたりの関係である。レディース以上のトンデモ不倫である。そしてさらに、タイ公使の身でありながら吉永は夜な夜な現地で男あさり…って、そんな外交官いていいのかっ!?変装してたって、そんなんバレるっつーの!…でもバレそうでバレない。だって新田マンガだから(免罪符)。

それにしても新田センセは手抜きをしない(とゆーか、知らないのかもしれない)マンガ家だ。作画だけじゃない、設定でも、である。ビックリトンデモ新田ワールドの舞台はあくまでも現実なのである。たとえば、マンガなんだからC国だのT国だのとボカしてもいいのに、ふたりの赴任地はタイ、仏大使や中国大使と折衝するシーンが堂々出てくる。議題は仏なら米国との貿易競争、中国なら靖国問題――実際と同じであり、しかもタイムリーである(シリーズスタートは2003年)。これホントにBLなのか!?と驚くと同時に、BLなだけに「この作品はフィクションであり、実際の事件・団体とは一切関係がありません」と断り書きがあっても、「C国になんぞ云われないだろうか…」と心配になってしまう私である。

上司と部下、義兄と義弟、不倫と禁忌、ラブの前に立ちはだかる問題にそれぞれの思惑、そしてプライドに使命。受にはなにやら過去があると示唆された1巻、今後の吉永と白石の駆け引きが楽しみである。白石!姉貴に負けるなよ!

評価:★★★☆(とりあえず様子見で面白い)
新田祐克なので特別扱いなのかもしれないが、さすが大洋図書、これもまた本の装丁とデザインが素晴らしい。

↓『公使閣下の秘密外交』装丁の話
http://diarynote.jp/d/25683/20070105.html
(フツーのコミックスと違って、ページを深く広げることができます)

ところで、本作を読み、10年ほど前に心交社から出た『踊るリッツの夜』(ショコラノベルズ)というBL小説を思い出した方はおられるだろうか?

現在は作家活動されていない(と思われる)長谷川忍さんが書かれた小説で、当時長谷川さんと組むことが多かった新田センセが、絵師を担当されていた。内容は「インドシナに副領事として赴任した妻帯者である外交官・雅広(受)と、現地に旅行でやって来た学生・明海(攻)との不倫の恋」。ふたりの関係は日本に戻ってきてからも続いたが、バレて別れ、数年のちに外交官となった明海が雅広の前に現れる――というようなストーリーだった。新田センセの絵師ぶりが素晴らしかったことを覚えている(本はいま手元にナイ)。

設定は多少違うものの、アジアが舞台、外交官による不倫の恋(しかも年下攻)な話を、10年経ってまた新田センセが描かれるなんてなあ…と、ちょっと遠い目になってしまった。

NO STAR … 論外/問題外作
★ … お好きな人はどうぞ。
★★ … つまんない。
★★★ … 退屈はしないしけっこう面白い。
★★★★ … 面白い。佳作/秀作。
★★★★★ … 天晴れ。傑作。
■『極上の恋人1〜2』
ISBN:4775509748 コミック 水名瀬雅良 オークラ出版 2007/06/12 ¥650
須田良海は、超ワガママで生意気な16歳の新人モデル。マネージャーの匡弘は、いつもその言動に手を焼いている。良海に強引に迫られて何度か体の関係は持ったものの、「良海レベルでは問題外」とまったく相手にしない匡弘。そのことで熱くなる良海に、トップモデルのアキトくらいになれば考えてやるとたきつけると、良海はアキトを超えてトップになってみせると宣言する。そして、これまでとは違う真剣な態度で、モデルの仕事にのめり込んでいくが――!?

オークラ出版といえば「肉体派!」、私にとって別惑星の出版社でしかなかったのに、絵の美しさではトップクラスの水名瀬雅良の単行本がこっから出てるんだから、あなどれん。内容は生意気高校生モデル×年上マネージャー(ただし男の影あり)、主人公(攻)がトップを目指していくモデル業界もの。う〜ん…絵が綺麗なのにストーリーとエロ、ともにインパクトがないなあ。とくにストーリーは、過去に少女マンガで何度も読んできた内容だ(ホモな設定は除く)。これ以上、感想の書きようがない。

水名瀬センセの作品は、挿絵業でしか見たことがなかったのだけど、マンガになると意外に絵が動かないのね。キメ顔とラインも同じ。綺麗なんだけど。やっぱり挿絵の人なのかな。そう思うと、各種業界モノで唯一無二な面白いものを毎回見せてくれる新田祐克(のあの個性と画力)は、そうとうスゴイってことか。つい「新田さんなら、これをどう描くかな?」と思ってしまった。う〜む。ちなみに1〜2巻同時発売だったので続巻ナシ思われた本作、なんと続きものだった。う〜ん、3巻買ってまで続きを読みたいとは思えない…ごめんちゃい。

評価:★★☆
つまらないことはないけど、オススメできる面白さを持つとまではいえない。絵はすごくキレイで、1枚絵で勝負できる人。やっぱ挿絵のほうがいいかも…というあたり、BL界のおおや和美か。あ、おおやさんってBL系とも云えるな。しまった。

NO STAR … 論外/問題外作
★ … お好きな人はどうぞ。
★★ … つまんない。
★★★ … 退屈はしないしけっこう面白い。
★★★★ … 面白い。佳作/秀作。
★★★★★ … 天晴れ。傑作。
■『秘書の嗜み』
ISBN:4862632076 鳩村衣杏 リブレ出版 2007/07 ¥893
有能でクールな『氷の秘書』・誉は、何かと構ってくる美丈夫・及川が苦手。ある日、泥酔した誉が目を覚ますと及川の温もりが! なんと誉に迫られたと言われ?? 更に誉は、なりゆきで及川の秘密―実は次期社長候補―を知る。戸惑う誉に及川は灼けるような愛を告げ、傲慢に同居まで決めてしまい…誉の心とカラダは及川の悦愛に翻弄されて!?強引年下攻と、秘蜜の淫潤愛!

奈良千春画伯のリブレデビュー本である。

あのリブレが画伯に目をつけないわけがない、いつかお目見えするだろうとは思っていたが、画伯といえば、「キラキラ黒紫系な表紙めくって、カラー口絵と裏表紙を見て、下を向いて終わる」レーベルでのお仕事が多かっただけに、「ホップでエッチ、セレブとイケメン」その華やかさでは業界No.1レーベルであるBBN、しかも絵付け先作家は「働く男、特殊リーマン専科」シャレードで定評のある鳩村衣杏とくれば、これは鬼畜でもヤクザでもマフィアでもないはず、うわ〜ん!画伯がフツーのリーマンものなんてぇえええ〜!…と、秋林、アニメイト(ヴィレッジヴァンガードに置いてくれ!)にてひとり感慨もひとしお、本作を手に取り、いつもの「画伯チェック」を(念のため)しようとしたら――

シュリンクかかっていて開けられなーいっ!!

………。
事前チェックができないのは心もとなかったが、書き手が鳩村衣杏なので無体なことはないだろう(たぶん)…という直感のもと、そのままレジへと直行、お買い上げ893円也。以下、感想。

!たいしたネタバレはありませんが、念のためネタバレ注意!

「社内一ナンパ男×カタブツ秘書」ちょっとしたツンデレ系、且つ、押しかけ男房攻(?)なリーマンもの。一見すちゃらかナンパ男でも仕事がデキる攻、カタブツな受、というパターンはBLにおいてありがちだが、「夜は社長の淫愛に翻弄されること」などとゆー、やたらインビに持って行きたがっているオビ惹句、そして、エロ系絵師(だと思われてる)奈良画伯に騙されてはいけなーい!本作はコメディタッチながらも、真っ当なリーマンものであーる!

主人公・誉(ちなみにメガネくん)の、滅私奉公で時代錯誤的な秘書ぶりが実に楽しい。なにもそこまで…と思うのだが、実生活でOLやってる私に云わせれば、会社に尽くしきってるマジメなリーマンというのはけっこういて、「定年になったら、この人はどうなるんだろう?」とつい心配になってしまう人がいたりする。誉もそのタイプ(極端だけど)なんだが、本作で注目すべきは、及川がラブアタックだけの攻ではなく、そんな誉の軌道修正をしているという点だ。プライドを傷つけないよう、まわりを見ながら、さりげなく誉を諭していく。もちろん個性を潰さずに。木を見ず森を見るタイプだな。う〜む、ウチのオフィスにも及川が欲しい。

そして、誉の部下である女性陣の好感度も高い。彼女たちが云っていることが私にはよくわかる。うん、そうなんだよね――「厳しい意見をぶつけてくれるのは、同等に扱ってくれてる証拠、期待されてるから」――面白いリーマンBL小説は、OLがイキイキと描かれているように思える。それはさらにOL系腐女子の共感を呼ぶ。その傾向がマンガより小説のほうに顕著なのは、作家業だけでなく、会社員やってる/やってた人が多いからなのかもしれない。鳩村センセがそうであるかはわかりません。念のため。

誉と及川の話に戻るが、ふたりの関係がラブに発展する経過は自然であり、誉が及川を認めていくエピソードの数々も、ナルホド説得力があり、面白い。そしてだれもいない駅待合のシーン。読んでいて、しっとりとした気分にさせられた(画伯の挿絵がまたいい雰囲気で…くうう!!バンバンバンバンバンっ!←机を叩く音)。上手いね。ただエロシーンになると、及川が甘すぎて私にはちょっと鬱陶しいのだが…誉みたいなカタブツタイプには、あれくらい甘いほうがいいのかもしれない。鬱陶しくても、私の好きな年下攻であることには変わりない。文句は(私にしては珍しく)云わないでおくか。

さすが鳩村衣杏、安心して読めるリーマンものな1本。

評価:★★★(なかなか面白い)
「えー!?けっこうホメてたのに三ツ星??」と云われそう。なんつーかその…上質だけど決め手に欠くとゆーか、なにか足りない。ガツンとくるパンチラインがない。「まとまってるね〜」で終わっている。まとまる以前なBLが多い中、よくできているんだけども。う〜む。しっかし…惹句にある「秘蜜の淫潤愛!」ってナニ!?>リブレ編集部…「淫潤」の意味も読み方もわかんなくて、辞書見ちゃったじゃない!…でもやっぱりわかんなかった。ガツンときたのが本編じゃなく惹句だった、っつーのもなあ…。

昨年半ばくらいから、奈良画伯のタッチが変わった。スレンダー時代(『窓』『エス1巻』)→般若時代(『エス4巻』『赤い呪縛』)を経て、繊細描線&トーン時代(『交渉人は黙らない』ほか)に突入とゆーか。絵の上手い人は、タッチを意識的に変え(大御所では井上雄彦センセ、コッチ系では茶屋町勝呂さんとか)、さらに上手くなっていく。今後も要チェックや!

ところで。本作にシュリンクがかかっていたのは、中に作家の手書き文字印刷物(ペーパー?)が入っていて、抜け落ち/抜き取り防止のためだと思われる。書店でポップを見ることはたまにあるけど、本に入っているのはリブレのBBN以外、あまり見かけないなあ。中身を確認できないのは困るけど、ペーパーは好き。「ふ〜ん、こーゆー字を書く人なのか〜」と身近に感じるから。できれば絵師の字も見たいんだけど…ダメ?

NO STAR … 論外/問題外作
★ … お好きな人はどうぞ。
★★ … つまんない。
★★★ … 退屈はしないしけっこう面白い。
★★★★ … 面白い。佳作/秀作。
★★★★★ … 天晴れ。傑作。
■『DEADSHOT』
ISBN:4199004408 英田サキ 徳間書店 2007/06/23 ¥560
ディックを復讐の連鎖から解放したい――。
宿敵コルブスの逮捕を誓い、捜査を続けるFBI捜査官のユウト。次のテロ現場はどこか、背後に潜むアメリカ政府の巨大な影とは……? ついに決定的証拠を掴んだユウトは、コルブスと対峙する!! ところがそこに現れたディックがコルブスの銃弾に倒れ……!? 執念と憎悪と恋情――刑務所から始まった三人のドラマが決着を迎える、衝撃のラストステージ!!

刑務所の囚人からFBI特別捜査官&CIAエージェント、という激しいジョブチェンジな展開を見せる本編を、絵師・高階佑による表紙カバー絵で見事表現している、個人的にいまだ攻の名前に抵抗が残るディック&ユウト「デッドなんちゃら」シリーズにして、ビックリジャングル大作戦!な第3巻(最終巻)である。

↓1〜2巻の感想はこちら
http://diarynote.jp/d/25683/20070621.html
(マジメに書いたつもりなんだけど…)

!マジでネタバレ注意報!

やー、参った、参った。コルブス追って、舞台はタックス着用セレブで煌びやかなパーティから、ナパーム弾炸裂のコロンビアジャングルへ!…ディック&ユウトのラブの行方、政治家の企みと麻薬問題、米軍にCIAにFBI、そしてドハデなドンパチ――英田兄貴が広げた風呂敷のあまりのデカさに、腐女子もビックリ!な展開を見せる最終巻である。

南米情勢と米国の関係(正直云えば、ツッコミたいところはあるのだが)、臨場感のある戦闘シーンなど、ソッチ系オタク向きにならないようあくまでも対象はBL読者、わかりやすい絶妙な書き込み具合ゆえに、トンチキかつトンデモな印象にならず、コルブスの最期は強引で唐突ではあったが、いちおう風呂敷(≒ストーリー)は畳まれた。しかも甘〜く終わっている(ディックに白のサマーサーターを着せるなんざ反則だー!腐女子を喜ばせるのが上手いなあ)。さすが英田兄貴と感心した。ただ、「私だったらラストシーンはあの場所、ワンコが出てきて、そしてあのセリフで終わらせるな〜、読み手にはナイショ、ふたりだけのヒミツ〜♪」などと思いながら読んでいたら、本当にそんなラストだったのには驚いた。時差テレパシーか。

しっかしなあ…BLだから甘く終わるのはわかるのだけども、あれほどの重傷を負ったディックに対し、ユウトはなぜ再会の際に「身体の具合はどうだ、大丈夫か」と尋ねなかったのか。そんなの再会してみりゃわかるじゃん、と云われても私には理解できない。ラブと仕事は比べられないと思うのだが、ユウトのラブ最重視なところは、どうしてもついていけない。FBI捜査官として中途半端に終わった上、刑事となる予定もどうなんだかという状況に対し、大して考えを持っていない、成長がみられないというのも引っかかる。そんな引っかかり感じる私は、腐女子の最末席組だろう。うん…これはそう思う私が悪い。「ごめんちゃい」だな。

絵師の高階佑は、最終巻の内容にはちょっとタッチが繊細かな?と思うけど、相変わらずカラーが綺麗。ただジェシカの絵があったらよかったなあ。綺麗な女性に描いてくれただろうに…と、これまた腐女子最末席からひとりごち。ジェシカと云えば、彼女は絶対にディックがゲイだと見抜いているね。女は敏感だから。

ラブまっしぐら!ハーレクインでハデめのストーリーが好きなお若い人にオススメのシリーズ。

そういえば兄貴――ユウトの父の死因は事故死?病死?どっちなの?

評価:★★★☆(なかなか面白い。英田兄貴が一生懸命書いていると伝わってきたのでプラス半星)
教授の口八丁ぶりに感動(手八丁にはとっくの昔に感動した)。新しい恋を見つけたようだし…あ〜よかった、よかった♪

ところで。私が引っかかってるもうひとつの理由は、攻が「優秀な元軍人・クール・ゲイ・金髪・碧眼・高身長・超ハンサム」、受が「日系米国人・信じられないくらい純粋・モラトリアム持ち・黒髪・黒眼・美形」、舞台が米国という設定、そして著者のリサーチ力が感じられる文章という点。どうしてもその…柏枝真郷『硝子の街にて』シリーズを思い出してしまう(タイムリーなことに夜霧さんが感想を書いておられたー!)。キャラの性格やストーリーなんかはまったく違うのに――と思ってたら、本作でこんな表現が出てきた。
ハリウッド女優も裸足で逃げ出しそうなすごい美女……(P103)
…………。
私ね、「映画スターも裸足で逃げ出しそうなハンサム」さんが好きだったの(注)――ううん、いまでも好きなのよ。「〜裸足で逃げ出しそうな〜」というのは、私がいっとき某所で大騒ぎした、絶対に忘れられないフレーズ。いままでこの表現をした作家は(私が知る限り)ひとりだけ。英田兄貴、『硝子の街にて』シリーズを読んでいたでしょ?…なんとなくそうじゃないかな〜と思っただけ。別に責めてないし、責めるような話でもないし。

NO STAR … 論外/問題外作
★ … お好きな人はどうぞ。
★★ … つまんない。
★★★ … 退屈はしないしけっこう面白い。
★★★★ … 面白い。佳作/秀作。
★★★★★ … 天晴れ。傑作。

(注)「ハリウッドスター」ではなく「映画スター」でした。『虹』『友』で確認。ぐは!
1〜2ヶ月ほど前――キラキラ表紙の罰ゲーム攻略真っ最中の頃だったか、たまたま入った本屋さんの「今月の注目図書コーナー」に、←の本を含めたBL系小説本が「手にとってみんさーいっ!」とばかり、ドカドカっと置いてありました。何とはなしに近寄って物色してみると、さすが高階佑とゆーか、中でもっとも目立ったのが←。私もキラキラのアレがアレだっただけに、いつも以上に目が眩んでしまい、まともなチェックをしないまま、本を手に取りレジへと直行。おかげで「タイトルは『上海恋戯』、著者は水月真兎、出版社はリーフ」と知ったのは、帰宅後でした。

リーフ。
そう…今春倒産した、あのリーフ、ですよ。

…うわ!
私ってばリーフの死に水取っちゃったの!?
いや違うな、もう死んじゃってるから、遺骨を拾ったというべきか。………。

つまり、あの本屋さんの「今月の注目図書コーナー」に置いてあった本は、すべてリーフ出版物だったわけで――わざわざ「リーフ墓標コーナー」を作ってまで、本屋さんも在庫処理をしたかったのか…。

■『上海恋戯』
ISBN:4434078550 水月真兎 リーフ 2006/12 ¥893
大正11年―平民出身の海軍士官・真純は、突然の異動により危険人物と名高い高月宮明人の部下となった。皇族でもある高月宮の不埒な言動に最初は呆れる真純だが、その裏に隠された彼の優しさと孤独に触れ、次第に惹かれ始めていく。そんな中、金塊と引き換えに身の安全を求めていたロシア将校が失踪し、二人は急遽上海に向かうことに…。しかしそこには想像を超える陰謀と罠が待ち受けていて。

というわけで、秋林初めて読むリーフ系が遺骨本作となったのですが、ちょいと調べてみると、水月真兎はリーフの看板作家だったんですね。そっかあ、そうだったんだ〜…名前だけは聞いたことあったけど、まず私のフィールドには入ってこない作家&出版社だったので、高階佑による表紙に出会わなければ、手に取ることはなかっただろうなあ。これこそ一期一会(偽りナシで遺骨最後だ)であーる!…と気合を入れて読んだのですが。

……ダメだった。
繰り広げられたストーリーは、アタシの範疇外トンチキワールドだった。

私のように「陸者」と書いて「おかもの」と読み、逆風で速度が落ちると、「裏帆を打たれた〜」などと云ってしまうギークバカにとって、「色白で繊細な風貌のたいへん優秀な海軍士官」という設定は(いくらそのほうが受らしくても)、「海の男が色白だあ!?んなワケねーだろ!」となってしまうの。頼む、ウソは上手くついてくれい!…というより、そんなツッコミするヤツは読む資格のない、「きゃあ♪軍服♪」「大正浪漫のステキな軍人さん♪」と喜べる人向きな本なのかも。

それにしたって、いったいなぜ、いつ、どうやって高月宮と真純が恋に落ちたのかが、サッパリわからない。受の真純が軍人のわりに純真すぎるあたり、定番といえば定番だけど、あからさまな萌えシチュエーションを並べて押し切っただけ、ふたりの恋の経過(=変化するありさま)がまったく感じられない。鞍馬流ってなんだー!?そして突然のエロ。心情はいずこ?…そして、そのまま舞台が日本から上海へと変わっていくゴーインさ。まるでシベリア超特急のよう。私の手には負えない…。

表現の仕方と言葉の選択も気になる。真純のお姉さんである静佳が大和撫子(清楚で凛とし、一歩引いて夫に尽くす日本女性)で、ただ美しいだけではない賢い人でもある、という設定ならば、「麗人」じゃなく「佳人」なんじゃ?…キャラの名前もちーと現代的過ぎないだろうか?…う〜ん。

評価:★★(つまんない…星があるのは絵師が高階佑だから)
リーフはトンデモ設定とストーリーなレーベルだったのか。いやはや参ったなあ…と、以上が本編の感想で――ここから声を…いや、文字を赤く大にして云いたいっ!

高階佑の描く女性の、なんと美しいことよ〜〜っ!!

そのあまりの美しさに――秋林、ぼけーっと挿絵を眺めること3分×4=12分。

高階さんがお描きになるキャラは、男性より女性のほうが素敵だ。男性だったら、ロングショットより顔アップのほうが綺麗だと思う。なんて美しいんだろう…アンビリーバボー!…感動で言葉が出ない。「佳人画集」とかなんとか、どこかの出版社、高階さんの美人画集を出してくれないだろーか?いやホント、マジで!もし遺骨本作を本屋で見かけたら、P19・P53・P203・P225は必見。

ところで、高階さん…リーフからちゃんと原稿を返却してもらった?…ちょっと心配だー。

NO STAR … 論外/問題外作
★ … お好きな人はどうぞ。
★★ … つまんない。
★★★ … 退屈はしないしけっこう面白い。
★★★★ … 面白い。佳作/秀作。
★★★★★ … 天晴れ。傑作。
←公開は昨年だったつーのに、DVDは今年の9/7。映画のDVDは、公開からリリースまでの期間が年々短くなっているのに、これはずいぶんと時間がかかりましたね。あ、密林オリジナル限定版300個(¥9,450税込 ¥7,088税込)は、オリジナルZIPPO&携帯灰皿付きなんだ〜。ニコチンパッチは付いてこないの?
…………………ふーん。

♪あ〜た〜し〜のブログは〜てんき〜よほう〜のご〜とく〜あやふやで〜♪

ネタはあるのに、なんで予定通りにブログの更新ができないのかとゆーと、「時間が作れない」「シゴト疲れで気分が乗らない」「ままりん(母)がPCを譲ってくれない」からです。

↓6月、こんな予定を立てたくせに!
http://diarynote.jp/d/25683/20070623.html
(6月だったのか…なんて時の流れの早いことよ!)

敗因の別理由として、B’zが突発ライブをした、キラキラ表紙のアレ攻略にたいへん時間がかかった、というのもあります。キラキラのアレは、ホントしんどかったよう!

…とゆーわけで、以下、信頼性のまったくない8月の(仮)予定。

1.「赤い呪縛」の感想
時間がかかりそう。宿題。

2.各種BL系本の感想
「本日の返り討ち」のほか、フツーのレビューやダイジェストなどを。夏休み前に。

3.各種バトン
天照さんから頂いたもの、そしてりょうさんにまわすもの、など。前者は映画感想を書き始める夏休み、その前に。後者もできれば同じ頃に回しちゃいたいよう…。

4.「2006年ちょっと映画だけ感想&デキゴトロジー」
8/11以降に。夏休み中に書いてやる!

5.「2006年映画ベスト」
3のあとに。夏休み中に書いてやる!

6.「2007年上半期ちょっと映画だけ感想&デキゴトロジー」
夏休み中に書き…たい…な…。

7.「2007年上半期映画ベスト」
夏休み中に書け…る…か…な…。

こんな(仮)予定です。どうなることやら。

だってさ…

♪あ〜た〜し〜のブログは〜てんき〜よほ…バシッ!!(以下、ハリセン音)

2007年8月3日 びーず語り
金沢公演のときのファンの話題といったら、「松戸どうだった??」。

「8/5(日)松戸公演、8/2にその当落が決定」だったからです。

友人いわく「秋林どうする?松戸チケットあるよ。行く?」。

…行く?
松戸のチケットあるの?
それ以前に松戸ってどこ?
愛媛??…それは松山です>秋林さん


千葉、だぁああ!?<松戸


行けるか〜〜〜〜!!


…ところで、ウチのままりん(母)ですけどね、なんでも前日にB’zのライブ会場を車で通りかかったそうで、こんなこと私に云ってきたんですよ。

「あのね〜、ツアートラック3台くらい(注1)見たんだけど、どれも大きくなくて(注2)、化粧もされてなくて無地っぽかったよ(注3)。白じゃなくて赤と青(注4)だったけど。あ、1台は神戸ナンバー(注5)だった」。

………。
B’zのファンではないままりん(母)なのに、通りかかっただけでそんなチェックする人になってしまったのは、やはり私のせいでしょうか。ちなみに私も、前日にままりんとは別で会場を通りかかった際、同じチェックをしました。……。

■注釈の解説
(注1)(注2):
つまり機材やセットが多くない、こじんまりとしたステージであるとわかる。

(注3):
ツアトラに化粧を施してあるミュージシャンはお金持ち。またその化粧具合でステイタスがわかる。B’zは毎回超豪華。なので、今回はいかにイレギュラーであり、突然決まったツアーなのかをツアトラが語っているようなものである。

(注4):
白無地や白地に黒文字タイトルだけというのではなく、全体が赤に青、さらに少々化粧されたツアトラであったことから、突然決まったツアーでも貧相なツアトラを使用しない、さすがB’zであるとわかる。

(注5):
いつもは関東方面のナンバーなので、急きょ関西で1台手配したのかもしれないということがわかる。
今日も行ってきます!

「今年はツアーをやりません」宣言をしておきながら、日本各地に出向いて、突撃ゲリラホールライブを絶賛好評開催中♪のB’zご一行様。公演告知&チケット発売が、「ライブ当日の3〜4日前でチケット送付が前日(!)」という、ギリギリチョップを一般会社員ファンに食らわしてくれています。

「大都市でのドームライブばかり、たまにはホールでやりたい。地方の人にも見てもらいたいし」というB’z側の計らいで、通常のツアーLIVE-GYMではなく、SHOWCASEという形式を取ったホールクラスのライブは、今まで何度もあったんですけど、こんなギリギリ発表&長め開催なのは初めてです。

東京や大阪では「TEL予約してローソンチケットで発券」だったのに対し、今回のホクリーク地方は「7/23(月)北國新聞&福井新聞に公演告知、24(火)〆の郵便振替入金、おひとり様1公演2枚まで、公演1〜2日前に当選者にチケット送付、落選者は返金」とゆー、当落が最後までギリギリの状態でした。

私めも、23日の朝に「新聞に出てる!」情報をリークされ、慌てて新聞をゲット、そのまま通勤電車に乗り、友達にメールしまくってました。翌日、会社を午前休し、郵便局で振替処理。4口申し込みました(友達や親戚に名前と住所を借りた)。

29日(日)は福井が、31日(月)は金沢の結果がくるとゆーことで、おかげで先週はドキドキの週末を過ごしましたよ…。

29日(日)。「チケット来た!」書き込みが続く中、窓から外をチラチラ見ては落ち着かない私でしたが、12時過ぎにとうとう佐川さんが秋林家に来ました!やった〜〜〜〜!!…玄関へ飛び出していくと、佐川さんは――

「おめでとうございますっ!少ないチケット、当選しましたね!」

………。
「お荷物のお届けです」というご挨拶はなく、第一声がこれ。
「おめでとうございます」と云って入ってくる宅配業者さんなんて、初めてっス。

とりあえず福井チケットは確保、あとは金沢の当落結果とどう云って会社を休むか。
それが(大)問題だっ!

どうしようか悩みながら会社へ行き、休み時間後、自分の仕事場へ戻ると上司から――「いま、お母様から電話があったよ。大至急、携帯のほうに電話が欲しいそうだ。緊急の用事らしい」と云われました。なにごとっ!?なにが起きたの!?と、慌ててオフィスを出て、ままりん(母)に電話してみれば――「金沢チケットが届いたよ〜♪席はね〜×列××番でね〜…それでね〜…(以下略)」。

………。
嬉しかったけど、なにもそんな電話を会社にしなくたって…>ままりん

その後、上司に「すみません…突然なのですが、あの…明日、お休み頂けないでしょうか?」と訊いてみると、上司は「1日でいいのか?」。内容はともあれ、ままりんの電話が功(…)を奏し、秋林、ブジ会社休み決定!

そういうわけで、8/2(木)金沢市観光会館にも行ってまいりました。

金沢にお住まいの方ならご存知なように、だいたいロック系のライブの会場は、厚年(石川厚生年金会館)、文化H(金沢文化ホール)、サンテン(石川産業展示館)で行われることが多く、B’zで観光会館というのは初めて。ちなみに秋林、5歳のときに行った西城秀樹コンサート以来!

そして、福井フェニックスプラザとは比較にならない音響の良さに感動。ギターの低音があれほどクリアに聞こえてくるとは。大満足!

なおセットリストは福井とまったく一緒、内容もMCで「金沢観光しましたよ」(B’zは昔から必ず金沢ではあっちこっちに出かけてます)以外、特記するようことはなく、そのままつつがなく終了したのですが――イナバさんが最初に着ていたシャツが…個人的に気になりました。誰が着るねん!というシャツを着てこそイナバ!とは云え、むむむむむ…。

↓だってコレと似ていたから
http://diarynote.jp/d/25683/20061002.html
(イナバのシャツは、たぶん模様は星、もっと胸元にありましたケド)

そしてライブ終了、会場を出て、まったり気分で食事し、そのままなんとなく片町をブラブラしていたら。

…………。

やっぱ金沢はいいね、うん♪

↓ツアトラの話
http://diarynote.jp/d/25683/20070803.html

↓福井公演の感想もどきはこちら
http://diarynote.jp/d/25683/20070731.html
行ってきます〜!

そーいえば、13年前の今日は渚園だったのよね。

そして今日一緒に行くメンツ全員、あのときと同じっつーのもまた…。

行ってきました。

気持ちはわかる、よーくわかるのよ、でもね――
イナバさん…「HOT FASHION」の歌詞を復習しとこうよ。

というわけで、98年の米原公演以来、久しぶりのホールライブに参加してきました(ZEPPはライブハウスであってホールではなーい!)。福井フェニックスプラザでのB’zライブは過去2回(91年と95年)あり、トーゼン私も参加してますので、よく知ってる会場のひとつといえます。なので、ロック系ライブには適してないデッドポイント地獄なホールだと知っていて、ある程度の覚悟はしていたんですけどね…トホホ、今回もやっぱり最悪な音響状態で泣きました。あーうー。

ライブ自体はたいへん良かったです。ホールライブらしい、死ぬかと思うような怒涛のセットリスト。40過ぎのおっさんたち、ダイジョブか?と心配してしまうほど。私め、ここのところずっと「ドームライブでダルダルまったり気分」だったこともあり、B’zのライブでこれだけシンドイ思いをしたのは、約10年ぶりでした。体力続かず、アンコール前にして体の動きがストップ。がーん。B’zがこんな怒涛のライブを当たり前にしていた頃、三日連ちゃんで行った昔の自分が信じられません。♪いまは〜もう〜うごかない〜このかーらーだー♪

普段のライブより体が動かなくなった…というか、体力を根こそぎ持っていかれた理由はもうひとつあります。福井フェニックスプラザの空調がまったく効かず、ホール内は熱気で地獄の暑さだったのです。

ここは代々木か!? (注)

(注)代々木第一体育館のこと。夏にここでライブをすると死ぬほど暑い思いをする。古参B’zファンにとって「地獄の代々木」。もみくちゃにされるライブハウスとは違う暑さ。

暑くて暑くて死にそうなのは、ステージ上のみなさんも一緒とは云え――

最前列!
ステージ上のイナバにタオルを投げつけるな!
バカモノ!!

いつの間にこんなマナーの悪いヤツが増えたの!?
まったく!もう!

そしてライブが終了、まったり気分で退場しようとドア真横を通りかかったとき、コワモテで有名なKマネージャーが、じ〜っとステージを見ながら立っているのを発見。さすがホールクラスでのライブ、こんな間近でKさんを見るなんてなあ、やっぱマジコワモテだよなあと思いつつ、「お疲れ様でした…」とペコリ挨拶をしたNちゃんと私だったのでした。

やっぱホールライブはいいね、うん♪

< 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 >

 

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

日記内を検索