■09.「Don’t Leave Me」
[B’z LIVE-GYM 2003 "BIG MACHINE"] (2003/12/27 東京ドーム)

CD:テレビ朝日系ドラマ「新空港物語」主題歌(1994/02/09)
2nd:「Mannequin Village」

★曲について
B’zブルーズ回帰な長髪・暗黒時代を代表するバラード。個人的にはとても好きな1曲なのだが、この曲を鼻歌で歌っていたら、いつの間にか、うっかりエアロスミスの「Crin’」になっていた――ということがしばしばあったり…ごにょごよ。…いや、でもこっちのほうがいい曲だと思うんだけど…。私は、松ちゃん&イナバ氏ともに長髪時代が好きなので、米国で撮影されたこの曲の監獄PVも、必然的に好き。ただ、あれは何度見ても、極寒の中で撮影されたとは思えない…。

カラオケで歌ったり、CDでイナバ氏とデュエット(…)したことのある方は、その際、身にしみるほどの実感をされたと思うのだが、この曲は超難しい。男性の場合、玉砕の可能性さえあるほど。B’zの曲は、ご存知のように歌もギターもメチャ難しく、とくに歌はキーがやたらと高いので、フツーの男性にはつらい。イナバ氏の音域は「G2からB5まで」(注1)といわれていて、男性ロックボーカリストの中では、キーが広くてかなり高いほう。それを踏まえても、この曲は音域がとても広い上に、リズムとコード進行は典型的なブルーズ、それでシャウトまであるという難しさ。秋林、この曲をライブで何度も聴いているが、パーペキに歌いこなすイナバ氏となると…実はあまりお目にかかっていない。

B’zのどのバラードより、歌っていて気持ちいいだろうし、キマると超カッコいいけれど、それはイナバ氏だからであって、一般人の場合、別の意味でも玉砕の可能性があるので、カラオケ時には要注意である。

★ライブ&映像背景
B’z15周年の年。うわ!「BIG MACHINE」ツアーかあ…どうしよう?全然覚えてナイ!脳裏にナイ!…2000年からの「第二次B’z倦怠期」&自分好みの曲をあまりやらなくなった+アルバムがさほど好きでないが、どうやら2003年も続いていた模様。2004年の松ちゃんバンドTMGツアーは信じられないくらいにハマり、「どーしよー!?この数年のB’zのライブより、楽しいったらありゃしない!」だったのに…。2003年は15周年の年、あの渚園公演だってあったのになあ(でもちゃんと行った)、めちゃ冷めていた当時の自分がもっとも印象的である。

…というわけで、「こりゃいかん、DVDを見て思い出さなきゃ!」とDVDを見てみたら――縦長のタラリア(大型スクリーンのこと)が2つステージ上にあり、ぞれぞれ松本・イナバと、同時に別の映像が映し出されていた。そうだ、このタラリアだよタラリア!…あ〜これがこのツアーで一番よく覚えているものかも。

すべて昔がいいとは思わないけれど、この頃からライブがちょっとまったり…とゆーか、狂って爆発!だとか、ムダにも思えた派手なアクションだとか、ギター抱えて走りまくりだとかがなくなり、落ち着いてきた印象が出てきた。屋内のデカい会場が多くなったから、余計にそう感じてしまったのかも。これも時代(と年齢)のせいか。

冒頭にブルーズハープを披露しているイナバ氏。この曲のイメージから、「9thツアーくらいからハープやってるの?」と思われているが、実はライブでのハープ演奏は意外と古く、91年(!)の「Plesure’91」ツアーで披露済み。楽器演奏ではもっとも上手いと思う(これかマラカスでしょ、やっぱ)。

松ちゃんのカウボーイハット(ウエスタンハット)は定番。本当によく似合う。日本でもっともカウボーイハットが似合うのは松本孝弘!である。

難しい「Don’t Leave Me」だが、DVDに収録されただけあって、出来は良いし、「右手でマイクスタンドの上部、左手で下部を持ち、やや下向きからナナメを向き、そしてのけぞってシャウトする」という、イナバ氏というロックボーカリストを象徴する姿がよくわかるあたりも、この映像のポイントが高いところである。

セットリスト見ていたら…うわ!このあと「MOTEL」、さらに「ヒミツなふたり」まであったのかー!

本編12公演。チケット代:7000円?7500円かな?(指定席)。うわ!半券残ってない!?(ホント倦怠期だった…)部屋のどっかにあると思うんだけど、行方不明。たぶん2公演しか行っていない。このときは「出来が金太郎飴になってきたし、2回行ければいっか」だったと思われる。米国公演+夏には渚園だったので、冬に開催されたドームツアー。よくよく考えてみれば、米国でツアーやって、15周年のでっかい野外ライブを2dayやって、さらにその冬、アルバムツアーをしたわけだから…止まること/留まることを知らない、「曲を作る・ライブをする」ことで生きている人たち(注2)だと思う。頭が下がる。

★注釈
(注1)譜面見てたらそうだろうなと。ちなみに「Low-GからHiHi-Bまで出る」という意。

(注2)「休む」と云っても、なにかしら活動しているし、ファンも帰ってくると信じているとゆーか、不安にもならない。「彼らなら当然でしょ?ほかになにがあるとゆーの?」というスタンスだと思う。「道の行き方や手順が違ってもゴールは同じ」だとわかっているから。

★参考文献
『BE WITH!』52〜60号あたり(B’z Party会報誌)
■08.「GOLD」
[B’z LIVE-GYM 2001 "ELEVEN"] (2001/7/15 西武ドーム)

CD:世界水泳福岡2001 大会公式テーマソング(2001/08/08)
2nd:「ultra soul 〜Splash Style〜」
3rd:「まっかなシルク」

★曲について
スポーツ系タイアップが続いた時代の、「RING」とともにあんまり印象が残っていないバラードシングル曲。ここ数年のライブでは、セットリストにもほとんど挙がってこない曲(注1)のような印象がある。「あれ?どのアルバムに入っていたっけ?『ELEVEN』ツアーで演奏したことは覚えているから、やっぱ『ELEVEN』?」と勘違いしてしまうくらい、個人的に「ツアーで披露したことは覚えてる、でも曲自体についてはあまり覚えてない」シングルのひとつ。

ただし、「B’zのツアーは、メンバーだけでなく、こんな数多くの人たち(裏方さん)によって支えられているのです」という、「ELEVEN」ツアークルーや事務所スタッフのみなさんをフィーチャリングしたPVは印象深く、ホロリとさせられた。89年からひとつひとつツアーを重ね、「次はこうしたら、もっと良くなるんじゃないか?」と進化し続け、規模もレベルも(ついでにチケット代も)年を追うごとに大きく/高くなってきただけに、こういう裏で支えてきたクルーを見ると、なんだか胸にくるものがある。PV映像では、昔からいる人を何人か発見することができ、「うわ〜!○○さん!フケたなあ懐かしいなあ…」と、プチ(勝手に)同窓会状態になってしまう。

★ライブ&映像背景
ライブハウスなどでのSHOWCASEや突発ライブ、アリーナにドーム、と会場の規模がいろいろあったせいで、セットリストがコロコロ変わり、「あの曲が聴きたかったのに、ホールやアリーナクラスでやって、ドームでやらないなんて〜…ライブハウスやホールやアリーナクラスのチケットなんざ、なかなか取れないっちゅーの!」と、つい大きくグチってしまった、いちおうアルバム(「ELEVEN」)ツアー。この年は、ほかにアジア公演があったので、B’z的には「いろんな曲をツアーで披露した」年といえるかもしれない。

デビュー以来、ずっと髪の長さは肩辺りまでのマレットという髪型で貫いていた松ちゃんが、ここまでバッサリ短く切ったのはこのツアーのとき(だけ)。イナバ氏のほうは、衣装の袖がとんどん短くなっていき(とゆーか、なくなっていき)、体はさらにマッチョ化を極め、かなり痩せているのに筋肉つきまくりな逆三体型、「松ちゃんの髪は新鮮だけど…イナバさんは、もうちょっと筋肉落としたほうがキャラ的にいいような…」と、当時客席でそんなことを思ってしまったのだが、こうやってDVDを見ると、たしかに筋肉つけすぎで(03の「おでかけしましょ」と見比べて下さい。腕の太さは1.5倍になってます)、いま(2008年)くらいが、やっぱりちょうどいいと思う。

私自身が、2000年から続く「第二次B’z倦怠期」&自分好みの曲をあまりやらなくなった+アルバムがさほど好きでない(注2)せいで、これまたあんまり覚えていないツアーなのだが、オープニングの1曲目が「愛のprisoner」だったことに、意表を突かれた(「Seventh Heaven」だと思ってたから)。DVDで見るとわかるように、ステージ上には「ELEVEN」と書かれたトラックが2台釣り下がっていて、ラストに、このトラックの荷台が開いて大量の缶がステージに流れ落ちてくるという演出があり、そのすごい量に「うわ〜…PVに出てくるクルーには、あれを拾って片付けてる人もいるんだよね…片付けやすくなってるだろうけど、それでも大変だろうなあ…」と、口を開けながらぼけーっとステージを見ていた覚えがある。

ツアーが始まってからリリースされたため、「GOLD」は最初からセットリストに乗っかっていた曲ではなく、それまで演奏されていたのは「JUICE」、ぎゃぎゃ〜んと狂乱の中で本編が終了、アンコールへと繋がっていた。たしか会場がドームクラスに入ってから、この「GOLD」へと変わったはず。しっとり聴かせてアンコールへ…という、とても大人で落ち着いた雰囲気になったことを覚えている。

個人的に、「GOLD」よりアルバム収録曲である「Raging River」(注3)のほうが、イナバ氏のライブ本領発揮&映えまくりな曲だと思う。でも「Raging River」は、アルバムツアー的にはいいけど、やや単調で曲自体がマイナー。「GOLD」は、同じくイナバ氏の良さが出る曲なうえに、壮大でわかりやすく、そして(いちおう)シングル曲。なので「GOLD」のほうが、今回のDVD収録に選ばれたのかもしれない。

本編46公演。チケット代:据え置き6800円(指定席)。この頃、強烈にB’z倦怠期だった私は、たった2公演(アリーナ2回)のみの参加、ホール&ドーム公演は未参加で終了。訂正。もう1枚、大阪ドーム公演(注4)の半券が出てきた(しかもアタシ名義のチケットじゃん!)。3公演参加なので、手元には半券が3枚残っている…が、うち1枚がなんと「アリーナ10列目」。うわ!こんないい席だったんだ!神戸だったかあ…そーいえば、開演10秒前まで席で針仕事をしていたような…。ちなみにこのツアーから、オフィシャルファンクラブの優先チケットが、カラー印刷のものに変わった。なお、このツアーの岐阜公演で以って、全国47都道府県制覇

倦怠期だったくせに、「通勤にいいかも」と、ツアーグッズのイナバジャージを購入。8000円もしたのに、チャチな生地&作りで大ショック!「もうジャージなんて買わない!」と心に誓った…くせに、ツアー途中から売り出された「イナバショートパンツ」を、うっかり購入。ジャージは「M」を選んだらかなり大きかったので、「S」を選択したら…今度は小さかった。………。

★注釈
(注1)Pleasureシリーズではないアルバムツアーの場合、バラードは、アルバム収録曲の中から演奏されることが多い。

(注2)最近CDケースを開けたら、中身がどこかにいってしまって行方不明になっていた。それくらい、聴かない。ロックテイストが濃いのはまったくオッケーなんだけど、なぜかアルバム1枚まるごと好きじゃないんだよね…。なんでだろう?

(注3)別名「ウォシュレットの歌」。♪Wash away〜♪の部分が♪ウォシュレ〜ッ♪と聞こえるからだと思われる。

(注4)思い出してきた。「しっとり聴かせてアンコールへ」とか書きながら、実はJRの時間が気になって、アンコールを見ないまま帰ったんだった…。そんなことしたのはこのときだけ。今じゃ考えられない!そんなことできない!ホント、倦怠期だったんだなあ…。

★参考文献
『BE WITH!』49〜51号あたり(B’z Party会報誌)
■07.「LOVE PHANTOM」
[B’z LIVE-GYM Pleasure 2000 "juice"] (2000/8/9 千葉マリンスタジアム)

CD:テレビ朝日系ドラマ「X-FILE」主題歌(1995/10/11)
2nd:「FUSHIDARA 100%」

★曲について
歌詞はとても深いのに、東洋っぽさのあるノリノリの曲調なゆえか、コアなファン/一般ファンともに満足度の高い人気曲。B’zの曲の中でも、比較的一般認知度が高い。なにげにB’zのシングル売上第2位。「X-FILE」日本版の主題歌だったか〜と、遠い目になりながら時の流れを痛感してしまった。当時は「FUSHIDARA 100%」のほうが好きだったのだが、いまはこの「LOVE PHANTOM」の詞にひどく共感する。

ところが、ファンの間で人気が高いはずのこの曲――実は屋内ライブでまったく映えないという欠点があり、ホールやアリーナ公演で演奏されると、全体から浮いてしまって、なんともノリにくい。認知度と人気があるわりに、セットリスト入りが少ない曲である。

それはなぜか?

美しいストリングスが入るイントロと間奏は壮大でやたら長く、イケイケノリノリの曲調でも基本が松本メロディなゆえ、リリカルな哀愁をどこまでも引き摺り、さらに「BUZZ!!」ツアーで見せた、ファントムに扮したイナバ氏によるダイビング(ただし、あのすんごい高いところから実際に飛び降りたのはスタントマン)というドハデなパフォーマンスのせいで、「LOVE PHANTOM」=「一大スペクタクル曲」というイメージがついてしまったから。歌詞はいつもの「君がいないとダメな僕」なのに、ストリングスが入る曲は壮大。そんな特性を考えると、B’zお得意のアレンジ/バージョン変更は、大きくできないだろう。ちょっと融通のきかない曲(注1)である。

★ライブ&映像背景
アルバム「ELEVEN」が出たのは2000年の暮れだったので、夏のライブは必然的に「Pleasure」シリーズに。アリーナ&ドーム、そしてスタジアムと、3クラスの会場で公演。タイトルは「Juice」。このとき、私は第二次B’z倦怠期の真っ最中で(これが長く続いてしまった…)、あんまり積極的にライブ参加しなかったため、イマイチ覚えていないツアーになってしまった。ファンクラブチケット優先で第1〜4希望まで書いて全部ハズレ、「千葉マリンスタジアムに振り替えさせて頂きます」の連絡が来たときはマジ切れ5秒前、やる気が根こそぎ持っていかれてしまっても、仕方がない話である。

結局「千葉なんて行けるか〜〜〜!」(注2)ということで、初めてファンクラブ優先を辞退。行ったら行ったで、DVDの映像にあるような豪雨の中でのライブ参戦となったわけだが、今こうやってDVDを見ると、行っときゃよかった、あれはあれでいい思い出になったかも、と思う。

で、この半ば伝説と化している千葉マリン公演。とーぜん野外のスタジアムライブということで、私が参加したドーム公演より、はるかに「LOVE PHANTOM」向きな会場であり、豪雨だったことでさらにスペクタクル度アップ(注3)、DVD収録もこれまた納得の1曲となった。やっぱり「LOVE PHANTOM」は野外に尽きる!

「SHOWCASE」3公演、本編・18公演の計21公演。チケット代:ビミョーな上がり具合な6800円(指定席)。手元に半券が3枚残っているので、3公演行ったものと思われる…が、この中の1枚に「6300円」という、これまたビミョーな500円割引の半券があった。「なんじゃこりゃ???」としばし考えたのち――思い出した!思い出した!…大阪ドーム公演での席はバックステージ(注4)だったんだ!「TIME」ツアーのように、センターステージじゃないのに、360度開放されたんだった!

さらに思い出してきた…「今夜月が見える丘に」が演奏されたとき、最後にスクリーンがバックステージ上にバサっと降ろされ、流れ星が落ちるきれいな映像が見えるという心憎い演出があったのだが、バックステージ客席からは、その降ろされたスクリーンしか見えない…とゆーか演出どころかステージ自体がまったく見えなくなり、大きな悲鳴が発生。Nちゃんと「これが500円の差ね…」とガッカリした覚えが…。後日、正面席で見て「こーゆー映像だったのか〜」と確認できたけど、ファンの間では「伝説の千葉マリン豪雨公演のあったツアー」でも、私にとっては「500円に泣いたツアー」。これも思い出の1ページに……してやるわよ!ふーんだ!

★注釈
(注1)間奏で流れる「そして私は潰される」などの声は、ZARDの故・坂井泉水さんによるもの。この曲を聴くと、私はいつも坂井さんを思い出す。宇徳さん。間違ってましたー。ご指摘、ありがとうございました。記憶がごっちゃになってたみたいです。うう、すみません…。

(注2)千葉が嫌いなのではなく、単に行きにくいから。ホクリーク人は、JR新幹線沿線外に弱い。なので、昨年の松戸公演も「行けるか〜〜〜!!」。

(注3)ファンクラブ会報のQ&Aコーナー。「おふたりは『晴れ男』ですか?それとも『雨男』?」という質問に、ふたりの回答はともに「晴れ男」。

ウソつけ〜〜〜〜〜〜っ!

しょっちゅー雨降ってるっつーの!
…今年9月のスタジアムライブは、カッパ持参だっ!押忍!

(注4)DVDを見ればわかるように、B’zのドーム公演は3階席まで一杯になる。これがフツーのバンドや外タレだったら、1階席で終わってる。そんなドームで、センターステージでもないのに360度開放してチケットソールドアウトにさせるのは、B’zくらい(あとサザンか)。野外公演でたとえ雨が降っても、みんな構わず来るし、帰らない。B’zも、安全を考慮しながら公演するし、決して手抜きはしない。一般人にはわかりにくいだろうけど、B’zって、そんなライブをする人たちなんです。

★参考文献
『Be+wiz』vol.06〜45あたり(B’z Party会報誌)
06.「Calling」
[B’z LIVE-GYM ’98 "SURVIVE"](1998/6/2 大阪城ホール)

CD:テレビ朝日系月曜ドラマ・イン「ガラスの仮面」テーマソング(1997/07/09)
2nd:Gimme your love(Live at Tokyo Dome)

★曲について
イナバ氏による粘着力のある詞と歌のためか、あまりTVドラマ主題歌向きでないと評されるB’zだが、いくつかのドラマタイアップ曲の中でも、「『ガラスの仮面』自体が濃いからなあ。なかなか合ってるんじゃないの?」といわれている曲。96年「FIREBALL」ツアー時にお披露目されたバージョンとは、若干アレンジが変わったものがリリースされた。これもやっぱり脳裏にPVが浮かぶ曲であり、スタジオにざーざー大量の雨を降らせての撮影は大変だった模様。火責め(「FIREBALL)→水責め(「Calling」)ときて、この後「ギリギリChop」で風責め。B’zは、ライブだけでなくPVでも体を張ることが多い。よくやるなあ、すごいなあ…と、ライブや新作PVを見るたびに、頭が下がる思いになる。

なお、シングルCDに収録されている2nd BEAT(カップリング曲のこと)「Gimme your love(Live at Tokyo Dome)」は、96年「FIREBALL」ツアーでのもの。B’z初のライブ音源CDとなったのだが、あの踊り子・イナバニーちゃんの場末*****ダンスが拝めた曲ということで、「どうせなら映像を収録して欲しかった」と、リリース時に思ったファンは少なくなかっただろう。

★ライブ&映像背景
1998年、B’z10周年。ベスト盤が出ても、ツアーは「Pleasure」シリーズとはせず、新アルバム「SURVIVE」で勝負したツアー。サポートメンバーが一新され、キーボードの増田さんまでもが外れたことに驚き、その新メンバーがみな私よりちょい上の20代(当時)(注1)だったことに、さらに驚かされた。97年のソロ活動のあと、「新しいことをしたい、試したい」B’z、再始動(注2)――ということなのか、サポートメンバー一新のほか、本編ツアーの前に突発ライブ「SHOWCASE」「Preview」なるものが、レギュラーで行われるようになり(正確に云うと「Spirit LOOSE」から「SHOWCASE」はあったが) 、ファンの間で「ツアー告知があったら『SHOWCASE』チェック」が当然となってしまった。ちなみに秋林、5公演あった「Preview」の中、滋賀県立文化産業交流会館での公演に参加。フシギな感覚を味わった(注3)。

とりあえず初ツアー時からB’zのライブに行っている私だが、歴代ツアーの中でもこのツアーが飛び抜けて好き。セットリスト・演出・衣装、すべて最高。アルバム収録曲すべてを演奏したのは、ここ10年くらいではこのツアーくらい。なんて素晴らしい!アルバムツアーという観点からしても、文句のつけようがない。オープニング、ふたりが向かい合っての奈落せり上がりから1曲目「DEEP KISS」、お約束の「B’zのLIVE-GYMにようこそ!」(注4)、「Liar!Liar!」の瞬間移動、「DO ME」のバボット、セット崩壊…など見所いっぱい、全編DVDに収録して欲しいくらいである。

そして、ツアー最大の見所&盛り上がりだったのは――松ちゃんのソロコーナー。

作詞/作曲/ボーカル・松本孝弘「いてもうたるで」(CD未収録)

♪あいわずぼ〜ん〜いんお〜さか〜♪という歌い出しで始まる、大阪生まれの埼玉育ち(注5)である松ちゃんのギタリスト半生を歌った曲。「ギター背負って街を出て、自信満々だったけど、楽譜読めなくて仕事帰されて〜」「そう楽に売れたんじゃないぜ〜」「おれは正しいんだ〜いてもうたるで〜!」というような、そんな歌詞(注6)

…とまあ、語りたいことは山ほどあるのをぐっとこらえ、DVD収録「Calling」について。これはアンコール最後、オーラスで演奏された曲。イナバ氏のマイクを通さないシャウトで始まるが、これはアリーナの後ろでもよく聴こえた。B’zのライブでは、バラード系の曲が始まると、基本的に客は静かになる。その中で響く声はたいへん素晴らしいもので、これまたDVD収録も納得の1曲。ちなみにイナバ氏の赤「RESPECT」Tシャツは、ツアーグッズとして売り出されたもの(バックプリントは昇り竜)。

「Preview」5公演、本編・44公演の、計49公演。チケット代:とりあえず据え置きの6000円(指定席)。秋林お気に入りのツアーだったし、城Hで2度目の最前列も取れたので、いい思い出が残っている。B’zの全アルバムの中で「SURVIVE」は、バラエティに富んでいる上に、たいへんテクニカルなアルバムといえるので、初めて聴いたとき、「うわ!これはいつもにも増して難しい曲ばっかだな…ライブ、ダイジョブ?(とくに歌)」と心配したが、それは杞憂に終わった。手元に半券が6枚残っているので、6公演行ったものと思われる。「いつだって今が最高ョ」だと思っていても、やっぱ10年前は良かったな〜…。

今回のDVD収録の中では、この「Calling」の船酔いカメラワークが、一番面白いと思う。

★注釈
(注1)イナバ氏いわく「プリクラ世代」。ちなみに、いつも裸でドラム叩く黒瀬くんは、コワモテでワイルドな容貌なのに、たいへん可愛らしい字を書く人。そのギャップに驚いたファンは多い。

(注2)でも「LOOSE」のときにリセット済だったりする…のは横に置いて、サポメン一新のほか、CDにエクストラがついたり、B’z自らCDシングルコマーシャルフィルムに登場、ファニーな演技を見せてくれたりもした。

(注3)だって!米原だったんだよ!?大津でなく米原!「アナタの街にB’zが行きます」――それで米原。めっちゃローカル!…とにかく米原なので、「やった〜しらさぎで帰れる〜♪」と喜んだのだが、実際に乗り込んでみると、満席で立たなければならず、ビニールバックを買うことを拒否したため、手にはハダカのツアーパンフという状況に追い込まれ…。

(注4)ここで、イナバ氏がギターをギュンギュンに弾きまくったのだが――「これはおかしい!こんなに上手くない!絶対におーかーしーい!」(超失礼だが事実である)と思ってじーっと見ていたら、上手(かみて)からだったか背後からだったか、ギターを軽々と弾きながら真打・松ちゃん登場。つまりイナバ氏はアテ振り、実際に弾いていたのは松ちゃんでした、というオチ。会場内は大爆笑だった。

(注5)大阪府豊中市出身、埼玉県所沢市育ち(だよね?)。松ちゃんのご母堂はバリバリの関西弁ユーザー。

(注6)いまだにCDに収録されていない歌ゆえ、歌詞は当時の記憶のみ。イナバ氏は、歌声は聞き取りやすいけど、ふだんの喋りやMCは聞き取りにくい(ちょっと早口で低いから)。松ちゃんは逆で、ラジオなどの声は聞き取りやすいが、歌は聞き取りにくい(低いから)。

★記憶以外の参考資料など
『Be+wiz』vol.06〜41くらい(B’z Party会報誌)
「B’z ミッドナイトスペシャル 1989」(FM埼玉)
■05.「BAD COMMUNICATION」
[B’z LIVE-GYM Pleasure’97 "FIREBALL"] (1997/3/23 東京ドーム)

CD:富士通FMタウンCFソング(1989/10/21)

★曲について
B’zがブレイクするきっかけとなった89年リリースのミニアルバム「BAD COMMUNICATION」タイトル曲で、有線から火がつき、当時はディスコやクラブ、街中いろんなところでよくかかっていた。明石ブレイク(B’zの初期サウンドを支えたマニュピュレーター兼ベーシスト・明石昌夫さん独特のブレイキング)が光る、打ち込みサウンドの名曲。歌詞も音も軽薄極まりない内容だが、よくよく聴いてみると、ハードなギターに、「どうしようもないんだよね」というちょっとヘタレな歌詞が乗っているので、やっぱりB’zである。いろんなバージョンがあるが、もともと曲自体がたいへん長いこともあって、初期に近いバージョンがライブのセットリストに入っていた頃は、♪Crazy in my mind ときどき感じてる〜♪ではなく、♪去年の女のBad news〜♪としょっちゅーショートカットされていたので、93年の渚園で(ほぼ)カットなしで演奏されたときは、「久しぶりにオリジナルに近いバージョンだなあ」と思った。

DVDに収録されているバージョンは、アルバム「LOOSE」収録のアレンジなので短め、よって♪Crazy in my mind ときどき感じてる〜♪から始まっている。今回「ウルプレ」に収録されている新バージョンは、初期オリジナルに近く、より洗練されていて、「いまのB’zが昔のバッコミをやったらこーなるのね」という印象。ヘタにいじってないし、イナバ氏も軽く歌っているので、古参ファンとしてはものものものものすごーく嬉しいアレンジ&ボーカル。最初シャカシャカ&途中ギュンギュン鳴っているちょっと軽めのギター音は…MG-Mだよね?

ちなみに、この曲のPVは「白のバックにB’zふたりが歌い演奏する」というシンプルなもの(♪去年の女のBad news〜♪から始まる)。今の松ちゃんなら絶対にやらないギターまわし(ストラップを使ってギターをぐるんと回転させるハデな技)、アップの連続も余裕の化粧が濃い若いイナバ氏が見られるので、現在お宝映像のひとつとなっている。

なお、私はこの曲を聴くと「踊らなければ!踊らなければ!踊らなければ!踊らなければ!」という思いに、いまだ駆られてしまう。89年、BAD CLUB-GYM(とゆー、イベントに近いライブがあったのです)で行った、当時できたばかりの名古屋ボトムラインとクラブチッタ川崎で、死ぬほど踊らされたあの頃が懐かしい。

★ライブ&映像背景
97年。初のドームツアー。この年はアルバムが出なかったので、「survive」が秋に出たので…必然的にPleasureシリーズとなった。当時の私は、95年から続く第一次B’z倦怠期の真っ最中だったのだが、「初のドームでの音はどうかな?」と気になり、なんだかんだ云いつつ、結局遠征参加した。

基本的にドームは音が悪くて当たり前なのだが、どんなに悪くなると分かっていても、B’zはドームに対応した音をちゃんと作ってるなあと感じたのは、同じ頃に行ったエアロスミスの東京ドーム公演より、音も演奏も断然上だったから。ドラムのデニーとベースの昌夫ちゃんコンビが素晴らしく、すごいなあと感心した。DVDを見るとわかるように、ステージ横にはタラリア(大型スクリーンのこと)が、「いかにもドーム公演でーす」という感じでふたつあり、当時「レンタル料いくらだろう?」と思ってしまった。

未発表曲だった「Calling」がしっとり歌われたあと、この激しいバッコミが演奏された。「FIREBALL」でのベストテイクはこれだなと当時も思ったので、DVD収録に異論ナシ、納得の1曲。マラカス・イナバは定番で、このときはまだ客席に投げ込んでいたが、最近のライブでこういった投げ込みは、松ちゃんのピック投げ同様、ほとんどされていない(ネットで売るヤツいるからねー)。

楠田枝里子(漢字自信ナシ)のようとゆーか、イナバ氏の縮れパーマは賛否両論(注1)。なお、オレンジガウンの昇り竜は、現在イナバ氏の背中のタトゥーのモチーフとなっていて、B’z定番ツアーグッズのTシャツにも採用された。

DVDの映像を見ていると、最初のほう♪WOWOWOWOWOW〜♪のところで客席がチラリと映るが、このときのアリーナ前列のお客さんは、みな手を横に振っている。これは昔の「バッコミ」を知っている人の振り。♪Hey Hey♪で2回手を振り、♪NO NO♪で軽く人差し指を2回振り、♪夜が明けるまで〜♪でバイバイするように手を横に流し、♪Oh I Dont’t know♪で手を上げ、♪WOWOWOW〜♪で曲に合わせながら手を横に大きく振り、「BAD COMMUNICATION!」と叫ぶ。♪そう逃げてる〜いつかそれを♪や♪失うのが怖くて〜♪で、「ドン!」と打たれるドラムに合わせ、拳を振る(注2)。そして間奏でヘッドバッキング。今これをする人がほとんどいない。たまにライブでそんな人を見かけると、同級生に会ったような気分になる。

たった5箇所のたった9公演。チケット代:6000円(指定席)。しばらく5500円が続いたので、とうとう6000円になっちゃったなあ…と、「チケット優先のお知らせ」を受け取ったとき、思わずため息が洩れた。半券2枚残ってるが、たぶん行ったのはこの2本だけ。でもけっこう印象に残っているかな。そして明石さん最後のサポートとなるツアーだったので、ちょっと淋しかった。

★注釈
(注1)気になるのはスタイルより量。10年前の会報で「10年後の自分に対して一言」というQに対し、「君、ハゲてるね」と回答していたイナバ氏。さらにヘアメイクのマスダさんに髪の量について尋ね、「量は別に…でもハリがなくなった」みたいなことを云われ、ショックを受けていた。この頃から「ヤバイかも」と思い始めていたのかもしれない。さらに「ハゲでデブはイヤだから、ハゲたら体を鍛える!」と宣言。この後、どんどんマッチョになっていくイナバ氏を見るたびに、「もしかして…」と不安でフクザツな思いに駆られてしまう私である(現在継続中)。10年経った現在――「で、ハゲてるんですか?」>イナバ氏

ちなみに、松ちゃんいわく「松本家はハゲの家系ではない」。

(注2)意味がわからない方は、DVDを見て下さい。この「ドン!」に合わせてイナバ氏は、頭を振ったり、手を挙げたり、足を蹴り上げたりしています。

★記憶以外の参考資料
『Be+wiz』vol.06〜38くらい(B’z Party会報誌)
■04.「love me, I love you」
[B’z LIVE-GYM ’96 "Spirit LOOSE"] (1996/5/22 国立代々木競技場 第一体育館)

CD:テレビ朝日系ドラマ「柊叉三郎」主題歌
2nd:東京(1995/07/07)
アルバム「LOOSE」(1995/11/22)収録

★曲について
ショーケン主演ドラマのテーマソング(主題歌としては「ALONE」「Don’t Leave Me」以来)。「いろいろあって仕方がないよね、でも僕のことも愛してくれないかな?ねえ、お願いだからさ〜」という、いつもの女にへりくだった定番「ダメ男ソング」。ライブでもよく演奏されている。この曲はなんといってもPVの出来が素晴らしく、♪ちゃららららららららら〜ん♪とイントロを聴くと、ロケ地である札幌の街を思い出すファンは多いだろう。イナバ氏はスカジャンからスーツまでいろいろ衣装を着こなし、公園でお弁当食べているOLをナンパしているが、基本はカジュアルソングなためか、いい脱力感が出ている。松ちゃんは女性ダンサーに囲まれ、ホンモノのお酒を飲んで上機嫌…のくせに、それをサングラスで隠しているという感じ。適度に力が抜けた、楽しい曲である。

★ライブ&映像背景
1996年。このツアーあたりから、「B’zご一行様」→大きなシステムを組んだ「プロジェクトB’z」へと移行、音楽性はそのままに、プロフェッショナルで不安定要素が少ない(=ミスの少ない)ライブへと変わり、安心して観ることができるようになった。ベタなコントなどはせず、「なにか楽しませよう」という試みがよく出ていて、たとえば米国でハリウッド式に撮影したオープニングムービーなど、演出もたいへんスマートになったような印象を受けた。

書いているうちに、だんだんいろんなことを思い出してきたのだが――このツアー最大の見所だったのは、タガをお外しになったイナバ様(またはイナバニー)こと、イナバ氏ご本人。

私は松ちゃんの目の前の最前列席だったので、開演直後はとーぜん松ちゃんばかりを見ていた。そしたらば、アリーナ前列でイナバ氏を指差しする人が多く、さらにいつも以上にみなキャアキャア云っていたので、「なに?なんなの?」とイナバ氏をナナメ見すると――黒のハイレグビキニパンツに網タイツ(注1)な衣装で歌っておられた(DVDでご確認下さい)。蝶の羽根のアイマスクにムチを持たせたら、まさに「イナバ様」。

「ハイレグビキニにシースルーかよ!?」とビックリしてるうちに1曲目終了、2曲目3曲目となって、ついに目の前にイナバ様がやってこられ、クルリと1回転――そして驚愕。「ビキニじゃねえ!?タンガだよ!ひええええええ!!」

さらに「GIMME YOUR LOVE」で、トップスのシャツを下げながら、後ろ向きでクネクネと踊り出すイナバ様(「Real Thing Shakes」のPVでその踊る姿を見ることができます)。まるで踊り子イナバニーちゃん状態(注2)。「市川さああんっ!イナバニーちゃんにお立ち台とポール!五郎ちゃああんっ!赤ピンもっと当てて!」とつい叫んでしまいそうになるほど、その瞬間はまさに場末の……だった。さらに今度は「FUSHIDARA100%」で、たいへんやらしい腕立て伏せ(という表現にさせて下さい)をなさるイナバ様。「今回のライブは、中学生以下は見たらアカン!入場禁止!」と、終演後にNちゃんとR15指定をするほど、イナバニーちゃんのダンス&腕立て伏せ(という表現にさせて下さい)は強烈だった。

なお、イナバ氏が真っ赤なギブソンのフライングV(注3)を楽しそうに演奏する曲などもあり、ファンには忘れられないツアーとなったのだが、ツアー後半では、イナバニーちゃんの踊りを見ようと、双眼鏡&オペラグラスを取り出す人が続出、ドームクラス会場でのライブではないのに、あれほど双眼鏡&オペラグラスでイナバ氏を見る人がいっせいに出現したのは、あのツアーのときだけだったような…。

B’zのふたりのルックスが最高だった96年、ほぼアリーナツアーで44本。チケット代:渚園〜BUZZ!!から据え置きの5500円(指定席)。2枚半券が残っているけど、もっと行っているはずなので、そのほか参加した公演の半券は、なくしたものと思われる。

★注釈
(注1)遠くから見ると網タイツみたいだが、実際は黒のTバックパンツ+黒レースで超タイトなシースルーロングパンツ(ブーツカット)。新田祐克のマンガに出てきそうな、本当にすんごいTバックだった。ファンクラブ会報誌に、「終演後、脱いだTバックを手で広げて見せてくれる稲葉さん」という写真が載ったが、モノクロ写真だったので形がよくわからなかった…。ライブで最初見たとき、「なんかレッチリみたいだなー」と思ったら、イナバ氏いわく「レッチリのギタリストが、ああいうの穿いていてカッコイイなと思って」。やっぱりね…。

(注2)以前、「あまりに客席が近くて、みんな下ばかり見るから、はずかしくて2日目に穿かなかった」というイナバ氏発言は徳島あたりと書いたが、実際に確認したところ、それは松山だった。アリーナばかりのツアーだったのに、松山は「愛媛県県民文化会館」。たしかに近い…とゆーか、ホールなので近すぎる…。それでイナバニーちゃんのダンス。松山1日目の人、ラッキー♪でしたね。

(注3)ギブソン社製のハデなV型をしたギターのこと。「そのあまりにも時代を先取りした斬新なスタイリングに市場が追いつくまでには長い歳月を要しました」と、ギブソン公式サイトに説明あり(日本語)。

↓このギター(ギブソン日本語公式サイト)
ttp://www.gibson.com/jp%2Djp/Divisions/Gibson%20USA/Guitars/Flying%20V/V%2DFactor/

「フライングV」と聞くと、私は「レニー・クラビッツ!」と思うのだが、ここで「ジミ・ヘン」と答える人は一般的な音楽好き、「ランディ・ローズ」と答える人はマニアックなメタラー、「稲葉浩志」と答える人はB’zギーク。このツアー以降、フライングVを持つイナバ氏が時折り見られるようになるが、その演奏はアコギでのソロよりよっぽど安心感アリ。2004年のソロ「en」ツアーでは、クラシックホワイトにベージュっぽい色をペイントしたフライングVが登場。

ちなみにフライングVは意外と重い。秋林、ホンモノのフライングV(70万円)を持っている人に借りて、レニー・クラビッツのマネを忘年会でしたことがあるのだが(ヅラとヒゲとサングラスで扮装したぞー!)、お酒飲んでかなりフラフラしていたので、何度もイスや壁やアンプにぶつけそうになり、オーナーをビビらせてしまったというイタい過去がある。先日、そのときの写真を友人Fが持ってきて、同席したオッシーに「これはイタい写真ですねー」と云われてしまった。フライングVじゃなく、身分相応なZO-3にでもしておけばよかったか(←たぶん、そういう問題ではない)。

↓ZO-3ってこんなギター(フェルナンデス公式サイト)
http://www.fernandes.co.jp/products/zo.html
(形が象さんだから、たぶん「ZO-3」。実売価格はベーシックで3万円前後)

★記憶以外の参考資料
『Be+wiz』vol.06〜32(B’z Party会報誌)
■03.「おでかけしましょ」
[B’z LIVE-GYM ’94 "THE 9TH BLUES -Part1-"] (1994/7/1 横浜アリーナ)

CD:アルバム「The 7th Blues」収録(1994/03/02)

★曲について
バンド色が強く、打ち込みベースが一切ない生ベースオンリー、B’z暗黒時代を代表するアルバム「The 7th Blues」2枚組収録の、「どうにもならん」というメタファーまみれな1曲。当時の音楽シーンを世界的に見ると、グランジブームが去ってオアシスが台頭してきた時代といえるのだが、もともとグランジ/オルタナとは縁がなかったB’zは、ここで一気にブルーズ回帰(≒エアロ路線)。ふたりの髪はどんどん伸びていき、ツアーの最後まで「ネルシャツ+長髪」だった(注1)。「おでかけしましょ」は、「9th」以降のツアーでは滅多に演奏されない曲。それゆえ、昨年突発開催された地方突撃ゲリラツアー「IN YOUR TOWN」で演奏されたとき、「わははははは!そーきたかー!」とNちゃんと大喜びしてしまった。ファンの間で人気な曲とはいえないが、TV音楽プログラムで披露されたことがある(Mステだったか?)。

★ライブ&映像背景
1994年。Part1(55本)と2(32本)に分け、ホール+アリーナクラスの会場で、約1年にわたるロングランツアーとなった「The 9th Blues」(注2)。地獄のツアーとなり、後半はお疲れモード全開、合間に出演したMステでは、そのあからさまなボロボロぶりに、下平アナ(だったっけ?)から「お疲れですね…」と云われてしまったほど、傍目からもわかる過酷さを極めたツアーで、ベストコンディションを保つ難しさを、ご本人たちはもちろん、ファンも思い知らされることになった。

ただし、音と演奏の素晴らしさは格別、このツアーから「B’zライブ=バンドライブ」を印象付け、さすがこのメンバーで3年間やってきただけあると、オープニングの1曲目が流れた時点で深く感心してしまった。

DVDに収録されている横アリ公演は、Part1のラスト2daysのうちの1本。映像を見ると若いとゆーか、とくにイナバ氏の動きは野生児そのもの。ただし、ここまでイナバ氏のアクションがムダに激しかったのは、このツアーくらいまで。コントコーナーはなくなったものの、トム・ウェイツ出演映画(注3)の影響をモロ受けしたイナバ氏の「ぼやきコーナー」があり、この横アリ公演ではさらに、西城秀樹の「激しい恋」をワンコーラスほど披露(注4)、秋林をビックリさせた…が、ゲラゲラ笑いながらの歌唱だったため、かなり聞き取りにくいものだった。中盤、エアロスミス「Livin’ On The Edge」に影響されたと思われるシャウト&ギターリフに、「うひょー!今度はエアロか」と、つい思ってしまった。

アルバムも発売していないのにツアーが始まり、私が最初に参加した名古屋センチュリーホール公演日が、アルバム発売日と重なった。Part2ラストの月寒グリーンドーム公演に行く予定だったが、捻挫して松葉杖をつくハメになり、行けなかったちょっと悲しい思い出がある。計87本。チケット代:5150円(指定席)。5枚半券が残っているので、たぶん5本行ったと思われる。ファンクラブ優先チケットは、93年の渚園から作られるようになったが、会員ナンバーと名前が記載されるようになったのは、この「9th」からである。

★注釈
(注1)髪は最終的にスゴイ長さになって、三つ編みができるほどだった。DVDを見ると、松ちゃんのダブルクロスネックレスが印象的に映っているが、これは93年くらいからずっと付けていたもの(たぶん)。合わせてイナバ氏も、同じ時期にインディアン風な銀の羽根をつけていて、現在それは右上腕にあるタトゥ(「Respect」)のモチーフになっている(たぶん)。

(注2)アルバムは「The 7th Blues」だが、ツアータイトルは「The 9th Blues」。なんで7で9なの?…7枚目のアルバムでLIVE-GYMは9回目になるから、というのがその理由。なお、「ブルース」ではなく「ブルーズ」。「スムース」や「ニュース」と同じで、「Blues」の発音は「ブルーズ」と濁るのが正しい。

(注3)「チキンハート・ブルース」だったかなー…。

(注4)「傷だらけのローラ」は、「RUN」ツアーで披露済(「ロ〜ラ〜!」だけ。しかもアミーゴ・コマシ・エンジェルJr.謎のアメリカインディアン・イネーバとしてなので、かなりアヤしかった)。なんとなくおわかりいただけるかと思うが、イナバ氏はヒデキのマネが上手い。

★記憶以外の参考資料
『Be+wiz』vol.06〜23(B’z Party会報誌)
■02.「もう一度キスしたかった」
[B’z LIVE-GYM LIVE-GYM ’93 "RUN"] (1993/6/17 国立代々木競技場 第一体育館)

CD:アルバム「IN THE LIFE」収録(1991/11/27)

★曲について
一般的によく知られている「いつかのメリークリスマス」のように、綺麗なメロディに甘くせつないながらも歌詞はどこか普遍的な内容で、ちょっと抑え目に淡々と歌い上げる曲なせいか、アルバム収録曲だが、昔からひそかに人気のあった曲(もしかしたら9月発売の「B’z The Best “Ultra Treasure”」に収録されるかもしれない)で、TVの音楽プログラム(Mステだったか?)でも披露したことがある。ただし「IN THE LIFE」製作時、イナバ氏の声は悲惨なコンディションだったせいか、他のアルバムに比べ「IN THE LIFE」、今聴いてもダミ声な歌い上げになっているなと思う。

★ライブ&映像背景
「IN THE LIFE」収録曲だが、映像はその次のアルバム「RUN」ツアー、代々木公演。1993年。「もう一度キスしたかった」がセットリストに組み込まれたのは、ツアー後半のアリーナクラスから。日替わりで「ALONE」、ホールクラス時の頃は「恋じゃなくなる日」だった。なので、ホールクラスのみの参加の人や、「ALONE」の日だった人には、嬉しい内容かもしれない。複数公演のある会場やキャパの違う会場でセットリストを変えることを始めたのは、このツアーあたりからだった…ような気がする。なお、アルバム「RUN」収録の「月光」「赤い陽炎」のバラード2曲は、ツアーの最初から日替わり演奏。

収録されている映像を観ると、衣装は「IN THE LIFE」ツアーに戻ったかのようだが、これは途中で着替えたからであって、基本は「TIME」ツアーと同じスタイル、1曲目から短パン(イナバ氏にいたっては、「誰がこんなん着るん?イナバしかおらへんで!」な豹柄)だった。「このときまだこんなジャケット着てたんだ〜」と、DVDを見ながらつい遠い目になったが、イナバ氏着用ジーンズのダメージ具合に、時代を感じてしまった。松ちゃんの真っ赤な衣装は、個人的によく覚えている。この格好のままコントコーナーに突入し、なんと後半のアリーナツアーでは、「哀愁でいと」を演奏しながらメインボーカルで歌う松本孝弘氏という、いまでは信じられない姿が拝めた。「RUN」ツアーは、実にミラクルなコーナーを持つツアーだった。

そして私がもっともヒヤヒヤしたのは、「EASY COME, EASY GO!」での、イナバ氏によるギターソロ(ベン・E・キング「Stand by me」かと思うようなアレンジになっていて、メンバー横一列、アンプラグド風に演奏していた)。綱渡りを見守る気分とはこのこと、一番の盛り上がりで音をハズしたときは、「頼むよ…イナバ…」と泣きそうになった(注1)

そのほか、松ちゃんのメインギターがヤマハMG-Mよりギブソンレスポールに変わったという、記念すべきツアーでもある(注2)。全49公演、チケット代:TIMEから据え置きの4500円(指定席)。バカだった私はなんと11本も行ってしまった。どうやってチケットを調達したのかあまり覚えていないが、すべて正規ルートで購入したことだけは、胸張って云える。

★注釈
(注1)リハーサル中、必死にギター練習をしているイナバ氏に――

明石さん:「稲葉はねー左手だけはできているんだよね」
松ちゃん:「右がついていってナイ」
明石さん:「右と左があってナイ」
松ちゃん:「それはギターでいうところの『出来てナイ』(笑)」

…とダメ出し。実力は、松ちゃんいわく「(当時のチーフマネージャー)鶴ちゃんと、どんぐりだね」。

出来ずに四苦八苦しているフレーズをなんなくこなす松本さんに、「上手いねー!」というイナバ氏。「当たり前だろ!これで何年飯食ってるんだよ」と、さらに返されていた。

(注2)ただし、DVDで使用しているのはヤマハMG-M系(松本モデル)。オイルコーティング以外の塗装がまったくされていない&シェイプが変わった特殊なタイプで、ツアー後半から登場。なので、ギター好きの松本マニアにはニヤリの映像だと思う。DVDで久しぶりに見て、ひどく懐かしい気分になった。

↓このギター(B’z公式サイト)
http://bz-vermillion.com/tak/gtr/yamaha/28s.html

★記憶以外の参考資料
『Be+wiz』vol.06〜20(B’z Party会報誌)、『GB』、『BEST HIT』、『JUNON』、他
…というわけで、18日にリリースされた「B’z The Best “ULTRA Pleasure”」に付いてくるDVDのライブ映像について、その背景および曲のためにならないプチ解説をしたいと思います(それぞれのツアーやB’zデキゴトロジーに関しては、9月にまとめて書く予定)。ただし大昔のことゆえ、間違って覚えている可能性かなり大、自分の記憶だけではたいへん心もとないので、押入れからホコリ被っていたオフィシャル&アンオフィシャル資料、記事掲載誌などを引っ張り出し、それらで裏取りをしながら書いていきます。なんか書いてるうちに、バカやった当時のイタタタ過ぎる自分のこともいろいろ思い出しそうですネ…。

なお、検索などで当ブログに来られた私と同じ経歴を持っているB’zファンの方、「間違ってます」「私もそうだった!」「実はそれ…」など、ご指摘/ご意見/ご感想/今なら(時効で)語れる話がございましたら、ぜひお声を掛けてください…って、当ブログは海外スパムのせいで外部コメント不可状態(dairyユーザーのみオッケー)なんですよね…。くすん。

■01.「"愛しい人よ"Good Night...」
[B’z LIVE-GYM Pleasure’92 "TIME"] (1992/8/20 横浜アリーナ)

CD:「代表取締役刑事」エンディング曲
2nd GUITAR KIDS RHAPSODY CAMDEN LOCK STYLE(1990/10/24)
アルバム「RISKY」収録(1990/11/07)

ガーン!シングルリリースは90年だとゆーのに、その18年後の今やっとこの曲の正式タイトルを知ったよ…うわああ〜!ごめーん!>松ちゃん&イナバ

× 「愛しい人よGood Night...」 → ○ 「"愛しい人よ"Good Night...」

★曲について
B’zにとって(たぶん)初の、シンプルなメジャーコード進行によるエピックなバラード。この曲が出るまでB’zのバラードといえば、マイナー進行の哀愁引き摺るメロディに、ちょっと不倫っぽい内容の歌詞が乗ったものが多かった。いまのB’zならば、どんなバラードでも作れるだろうけど、あの頃の「シンプルなエピック」が、20年経て「へりくだりシンプル」で「よりテクニカルなエピック」とレベルアップしてしまったので、メロディ・歌詞ともに、この曲以上の直球勝負なバラードはもう出てこないかもしれない(いまは単純なことができないから)。歌詞は、稲葉が書いたとは思えないほど隠喩がなく、クサくてダサい言葉が続く。曲は、いつものようなフックの連続はなく、ギタープレイもシンプルの極致。これはこれでいい、20年近く経った今でもそう思う。ただし、実際にライブで聴くとなると、今のB’zより92年頃の若いB’zのほうがいい。今だとちょっとキツイかな。

ご友人の結婚式で歌うことなったイナバ氏、たしかこの曲を歌ったんじゃなかったけ?…結婚式の余興で持ち歌をカラオケで。これは恥ずかしいかも。

★ライブ&映像背景
1992年、初のアリーナツアーとなったTIMEツアー後半の横アリ公演。アルバムツアーではなく、2回目となるPleasureツアー(アルバムにとらわれないお祭りツアー)で、この日の横アリ公演は、たしか業界関係者招待の日、いろんな人が観に来ていたような覚えが。この「TIME」ツアーは、バンド色の強い今のB’zのライブスタイルに近く、スターフィッシュを使ったハデなステージングなど、彼らにとってはターニングポイントとなったツアーでもある。ちなみに「ZERO」のPVは、この横アリ公演で撮ったもの。ライブ写真や映像を見たとき、ファンは衣装でどのツアーかを判断するのだが、松ちゃんの牛柄ベストはここで登場。イナバ氏はサイケなロングスパッツで登場、そして短パンに。「この人、実はサイケで誰も着ないようなヘンな柄が似合うのかも?」などと思っていたら、後半、思いっきりアクセル・ローズを意識した衣装で登場、49ersシャツ、ゴーグル、短パン、ナイキシューズ…「あーイナバは、サイケ柄が似合って、時代の影響を受けやすい人なんだ」と確信するに至った。衣装の面でも、ターニングポイントとなったツアーといえるだろう。なお、この頃コントコーナーはまだ存在していた(注1)。センターステージでもないのにスタンドは360度ギッシリ埋められ、私も城Hで1回、バックステージから観た。全12公演。バカだった私は、その半分の6回参加。チケット代:4500円(指定席)

このときの「愛しい人よ…」のアレンジは、まずオルガンのみの演奏でワンコーラス、静寂の中、しっとりと歌い上げるイナバ氏。ボーカルを殺さない松ちゃんのギターソロも素晴らしい。セットリストの中でもっとも映えた曲でベストテイク、今回DVDに収録された理由がよくわかる1曲。当時、ステージ上のイナバ氏を見ていた私は、ただ振り回すだけでない、マイクスタンドの使い方がずいぶんと上手くなったなあ、と感心した覚えがある(注2)。

★注釈
(注1)TIMEツアーでは、「B’zのふたりはこんな素敵な関係なんですよー♪」な寸劇風コントがあり、新幹線編・LA編とあったのだが、どれも見所は「はしゃぐイナバをたしなめるオトナの松ちゃん」。キメセリフも「フッ…」「B’zのリーダーと云えば親も同然」などあったが――

松本氏:「ゴメンですんだら税務署はいらないんだよ」

当時は無邪気に笑うだけだったが、まさかその約10年後、脱*疑惑で捜査され(とりあえず故意ではないと判断を受ける)、追徴課税を受けることになるとは…。10年経って笑えない話となってしまった、ちょっとイタタ!なコントである。

(注2)それまでのイナバ氏は、マイクスタンドを激しく振り回しすぎたために、マイクがすっぽ抜けて遠くへ飛んでいってしまうだの、マイク自体を忘れてステージに上がってしまうだの、今では考えられないミスをいろいろとやらかしていて、当時の私はいつもヒヤヒヤしながらイナバ氏を見ていた。数年前、TVの音楽プログラムで「自分の中で、最初にマイクスタンドの位置は決まっていて、まずそこにないとダメなんです」と回答したときは、ご本人にはたいへん申し訳ないのだが、聞きながら思わずほくそ笑んでしまった。

★記憶以外の参考資料
『Be+wiz』vol.06〜15(B’z Party会報誌)、『GB』(ソニーマガジンズ)、他
20周年記念:「曝涼秘宝展」…の前に
ちょっと調べものをしようと昔の資料を出してみたら、お宝からしょーもない/くだらないものまで出てくる出てくる、あるわあるわ――なんと20年分!

…B’z関連のブツ(写真はその一部)なんですけどね。

部屋がすごい状態、収拾つかなくなってしまいました。考えてみれば、なにかゲットしても「ポイッ!」と押入れに放置、本に挟んだまま、棚の上に置きっ放し、卒論と卒業証書と一緒の箱に入れっ放し…などしてきただけ、目録・分類法に則ってファイリングをするだとか、丁寧にキャプションつけて時代順に並べるだとか――そういう愛情のある整理整頓なんざ、一切してこなかったんですよ、この20年の間。

さすがにそのままではヤバイ。

保存状態をこれ以上悪くするわけにはいかないし、思い入れもそれなりにあるし…なので、今月から少しずつ、これらB’zコレクションを虫干し整理していこうと思っています。

なんかいろいろあるけど、お宝より、しょーもない/くだらないもののほうが断然多いあたり、コレクターの性格がよく出てますね♪てへ♪

でもコレクション曝涼展の前に、DVD解説をしておきたいなー。
ケーキ作りをしていると、いろんなところでオススメされるのが、江別製粉さんの「薄力粉 ドルチェ」。

北海道産小麦粉100%、「蛋白質:8.3%、灰分:0.38%」という薄力粉で、舐めるとちょっと甘いかな?小麦粉の香りが強く感じられます。初めてこれを使ってパウンドケーキを作ったとき、その出来上がりに驚きました。すごく膨らんで、口解けがやさしい、ほわむちっとしたケーキになったからです(たぶん、シフォンケーキでも同じでしょう)。明らかな出来の差に粉の実力を感じ、テクニックだけでは補いきれない、材料に質を求める意味を知るきっかけとなった商品です。

それまでは日清製粉の「バイオレット」を使っていたけれど、「ドルチェ」を知ったらもう戻れない、ほかは使えない。製菓用として最上クラスに入ると思います。

私がよく利用している「こだわり食材 572310.com」さんが最安値で、「チャック付袋入りで、1.0kgが298円、2.5kgが596円」(6/21現在)です。スーパーに売っているフツーの薄力粉よりはお高めになりますが、ケーキ作りが趣味の方には、一度お使いになることをオススメ致します♪
ここ数ヶ月、金曜日の夜11時からパウンドケーキを作っています。焼き上がると、時計の針はだいたい夜中の1時頃を指していて、その瞬間、秋林家はケーキの甘い匂いでいっぱいになります。

なぜそんな夜に?…秋林家がオール電化住宅で、深夜割引契約により夜11時以降の電気代が安くなるから、そして、週末の自宅キッチンひとりきり、静寂の中、集中してなにかを作るという行為がたまらなく好きだから――素の自分に戻る/取り戻すような気持ちになるからなのだと思います。

以前、大森いく子さんのレシピ本『型(パウンド)はひとつ!大好きな焼き菓子』を絶賛した私ですが、いまは島本薫さんの『パリ発!朝食から夜食まで パウンドケーキ大好き』が、絶賛マイブーム中。バターベースではなく、卵ベースのパウンドケーキレシピに惚れてしまいました。

バターベースの基本レシピは、バターを室温に戻すことからスタート、バターに砂糖を混ぜて白くもったりするまでひたすら泡立て、分離しないよう卵を少しずつ混ぜ合わせていき、最後に粉を入れて焼く、というもの。卵ベースの場合は、卵と砂糖を混ぜて人肌程度(でもちょっと熱め)に温め、ふわっとするまで泡立てたものに、溶かしバターを混ぜて最後に粉を混ぜ合わせるというレシピで、添加物であるベイキングパウダーを一切使わず(入れない)、卵と粉の力によって生地を膨らませます。

前者はバターを室温に戻すことにまず時間がかかってしまい、「ケーキを作ろう!」と思ったが吉日、とはいきません。作っていて感じたのですが、どうやら私は、やわらかくしたバターと砂糖と卵を、泡だて器で延々と混ぜ合わせていく手順が好きではないようです(疲れるから)。

卵ベースは、卵の泡立て方ひとつで出来が左右されます。ふわっとさせた卵に溶かしバターを入れる瞬間はいつも緊張、ここで失敗すると出来が大きく左右されるからです。また、ふわっとさせた卵に溶かしバターと粉を入れ混ぜていく――その混ぜ合わせがたまらなく好きで、丁寧に混ぜて艶っぽい生地ができると嬉しくてたまりません。

バターべースより繊細でやわらかいパウンドケーキができる――作ったその日から食べられるのも魅力(バターベースより日持ちしません)。時間が経てば、バターベースとは違うホロホロ感が出ます。少々パサつくんじゃ?という方は、バターと粉の混ぜ方が足りないのかもしれません。ただし、繊細でやわらかい味より濃厚な味を求められる方には、バターベースレシピをオススメしておきます。

卵ベースのパウンドケーキのとりこになり、そしていつの間にか著者である島本薫さんのファンになり、レシピ本すべてを購入するまでになりました。基本的にレシピ本は、料理の作り方が載っている本です。島本さんの本は、それにプラスして島本さんによる感受性豊かな文章が載っていて、ほかの料理研究家の本とは違う魅力があります。素敵なんですよね。

金曜日の夜は、私にとって大切な時間になりました。
しばらくこの趣味は続きそうです。
←購入しました。楽天ポイント使いました。
…そういう時代なの♪

東京にお住まいの人はいいな〜。渋谷ジャックだのB’zサプリだの、いろいろ見れたりもらえたりするんだもん。地方在住者はツライ。ちっ。

で、その「ウルプレ」を購入されたみなさんは、たぶん「CDよりまずDVDチェック」されていると思うのですが。

え〜っと、私め、特典DVDについて以前こんなことを語りました。

↓20周年記念
http://diarynote.jp/d/25683/20080428.html

>04. love me, I love you
[B’z LIVE-GYM ’96 "Spirit LOOSE"] (1996/5/22 国立代々木競技場 第一体育館)
「あとはそうだなあ、せっかくSpirit LOOSEツアーから収録するんだから、あの伝説の衣装『黒のTバック&シースルーロングパンツ』で歌った『REAL THING SHAKES』にして欲しかった」

そしたらば。

04の「love me, I love you」になり、♪ちゃららららららららら〜ん♪とあの独特なイントロが流れ、映像が始まったら…あれ?あれれれれれれ?イナバ氏、あのヘンな赤いシャツ着てるじゃん?…ってことは…ってことはボトムはアレ!?…ってか、アレしかないじゃんっ!?たしか徳島かどっかの会場では、ステージと客席が他会場より近かったために、みんなイナバ氏のボトムを凝視、恥ずかしくなったイナバ氏は二日目着なかったというアレですよ!

…すいません、「love me, I love you」でも伝説の衣装「黒のTバック&シースルーロングパンツ」でした!ぐは!!

よくあの衣装の映像使ったよ〜!…たしかに「Spirit LOOSE」っちゃーやっぱ「話題はアレ」とはいえ、こうやってカメラワークのある映像で見ると、つくづく「よく着たよね、あの衣装」と思います。♪あのころ〜君は〜若かった〜♪(32くらい?)…当時、運よく最前列でライブ見たんですけど、あの格好で出てきたとき、目のやり場に超困りました。アンコール前になって、Nちゃんと「イナバどーした!?なにがあった!?とうとう外れた?いや外したのか?タガを?」と、語り合ったもんです。

ただ残念なのは、「love me, I love you」ではあまりバックを見せてのダンスがなかったので(だからDVDへの収録は「love me〜」にしたのかなー)、DVDでも後ろ姿はチラリとしか見えないこと。赤いヘンなガラシャツで半分以上隠れて見えない。実に惜しい長さです<赤いイナバらしいヘンなガラシャツ

すみません、また改めて感想は書くと思いますが、今日は「特典DVDだよ!DVD!『04. love me, I love you』チェック!」ということで、とりあえずここまで。

あー!眼福ー!寿命延びたぜっ!!
←で、リンクしているふるやさんと「イースタン・プロミス」を観に行って来ました。

ネタバレしてませーん!感想というほどでもない、ただのヴィゴ文(?)です

びっくりするほど面白かったです。まだ「インディ4」観ていないけれど、たぶん2008年上半期ベスト1…ってか、このまま2008年のベスト1になりそうな勢い、「ノーカントリー」「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」より断然こっち!派な私です。

基本として「ヴィゴありき」、主演であるヴィゴ・モーテンセンの存在感につきる1本です。監督のクローネンバーグは「スパイダー」あたりからちょっと変わってきていて、たとえばあの例のぐっちょんぐっちょん節などは、昔のようにヘンタイ的に続くのではなく、「やっぱクロちゃんね♪」と思うスパイス程度に効かせているとゆーか、ぐっちょんぐっちょん節に洗練さ(…)とエンタテインメント性が感じられるようになったとゆーか、ずいぶんと間口広め(でも個性は残っている)な作品を手がけるようになったもんだな〜と、改めて感心した次第です。…とかなんとか云ってクロちゃん、いつかまたぐっちょんぐっちょん映画を撮りそうですが。

そのぐっちょんぐっちょんは置いておいて。クロちゃん映画は、だいたいどの作品も冒頭(プロローグ)がスリリング、観る者の目を引き付けます。今回も「何が始まるんだ?」と思わせながら一気に切り込んきたのですが、話題のファイトシーン以外、あまり情報を仕入れなかったこと、冒頭に出てくる人物に生粋の英国人がいなかったせいか、私はこれがロンドンを舞台とした話だと気付かず、途中まで米国のどっかの都市だと勘違いしていました。あの汚ったねー川はどっかメリケン国の川で、テムズ川だと思わなかったんですよ。「いかにも英国的なもの」を意識的に排除したという印象すらあります。「いかにも英国的なもの」がかえって邪魔になる――それだけロシアンマフィアの世界を、狭く深くフィーチャリングしたかったからなのかもしれません。

「ヒストリー・オブ・バイオレンス」のときにも感じた、ミスリードの上手さ。ぐっちょんぐっちょんのスパイス化。長くも短くもないランタイム。ヴァンサン・カッセル演じるキリルなど個性的な脇キャラクター、ヴィゴ演じるニコライの謎めいた存在感。最後に訪れる静かなる感動。タトゥー(背中に入れるときが一番痛いんだそう)やアルマーニのスーツなど、凝ったディテール。「アンタッチャブル」以降、やっぱ「マフィアはアルマーニのスーツ」です。いや〜まさかこの私がクロちゃんを褒めまくるだなんて、そんな日がくるとは思ってなかったっスよー。

ハワード・ショアのスコア、ピーター・サシツキーの映像も良かったです。私は、色で例えると英国は緑じゃなくグレイというイメージを持っているせいか、英国を灰色に撮った作品がとても好きで(たとえば「ナイロビの蜂」や「トレスポ」あたりもそう)、この作品の灰色っぷりに嬉しくなってしまいました。

ロシア訛りがどーのこーのだとか、「ヴィゴはロシア系に見えないじゃん」とかなんとか云うヤツがいますけどね、別にいいじゃないですか。それをいうなら、「スターリングラード」(けっこう好き)で、ジュード・ロウが演じたロシア兵のほうがよっぽどムリありましたよ。気になって仕方がなかったのはナオミ・ワッツの若さのほうで、今年40歳だなんて思えません。これから秋林は「目指せ!ナオミ・ワッツ!(の若さ)」でいきたいと思います。

黒澤明と三船敏郎――最近では、たとえばスパイク・リーとデンゼル・ワシントン、アンソニー・ミンゲラとジュード・ロウ、「この監督はこの俳優を実に魅力的に撮る、ホレてるんじゃないの?」というカプコンビがありますが、「ディビッド・クローネンバーグにはヴィゴ・モーテンセン」ですね。ヴィゴを美しく魅力的に撮るのは、やっぱクロちゃん。またクロちゃん♪ヴィゴちゃん♪映画を希望します。お願いしますよー!

観賞後のふるやさんと私は、「ヴィゴ〜♪」とすっかり目がハートv状態、劇場を出てからも道を歩きつつ「『ヒストリー・オブ・バイオレンス』より絶対こっち!」「DVD欲しいー!(日活だから高いだろうけど)買うぞー!」「ヴィゴの後ろ姿にウットリしちゃう♪」「…見えてたんですけど」と、云い合っていたのでした。

あ、例のファイトシーン。
そりゃもー壮絶でした。痛!痛痛痛!なシーンが終わったあと、客席から「スゴイ…」という声(ちなみに女性)が聞こえてきました。いろんな意味でスゴかったです。

その後は市内観光、「ふるや&秋林の名古屋チン道中」となりました。キャハ♪

今週の現状報告

2008年6月11日
■いろいろ感想を書きたいのですが、バタバタしていて、なかなか手をつけられません…。あ〜う〜。

■ネットでお買い物して、これはよかったですよ〜というお話を秋林堂でしようかなと思っています。こちらのブログサイトって、密林の画像が出ないですし…。いつまでこの状態なのかな…。

■外部コメント不可になっているのは、海外スパムを止められないからです。こればっかりはもう…どうしようもなく…とほほ。なにかご連絡がございましたら、秋林堂までお願いします。
なっていますね…<小学館

元小学館系といえば、「小学館→講談社」という移籍された惣領冬実先生。

私は惣領先生が大好きだった…とゆーか、いまでも好きなのですが、「惣領冬実」というペンネームは、先生が小椋冬美先生のファンだからだと思っていました。昔の惣領先生のタッチはなんとなく小椋先生のタッチと似ていたし、さらに小椋先生が「りぼん」で連載されていた「さよならなんていえない」の主人公が総領麻美という名の女の子で、惣領先生の名作「ボーイフレンド」の加奈子さんと似ていたのです。

マネ、影響…というより、純粋に「ああ、惣領先生はペンネームにするほど小椋先生のファンだったのね」と思っていたんですよ。ところが「それは情報が間違っています」というお知らせが、惣領先生のサイトでアップされていました。惣領先生は小椋先生のアシスタントをされたことはないそうです。

↓惣領冬実@web
http://www006.upp.so-net.ne.jp/kotama/index2.html
(「週コミ」「別コミ」は、惣領先生がおられたときが一番良かったなー…)

ちなみに、惣領先生と似た絵柄もしくは作風のマンガなんて、私は一度も見たこと・読んだことはありません。ガッカン系の少女マンガ家は、「個性的で絵がバツグンに上手い人ばかり」というイメージでしたし。

そして、最近の移籍組といえば、まゆたん(新條まゆ先生)。ここのところのすったもんだの中では、「まゆたんの告白」が私の胸にもっとも響きます。

↓まゆたんブログ
http://blog.mayutan.com/
(わかりやすくて、頭に入ってくるしっかりとした文章です)

担当者が自分と合う・合わないというのは、フツーのOLやってる私でも仕事でよくぶち当たる話です。

まゆたんが昔在籍し、エロマンガばっかりというイメージを持たれている「週コミ」ですが、その看板作家といえば、渡瀬悠宇先生。「flowers」増刊「凛花」で連載中の「櫻狩り」を、私もずっと追っかけて読んでいたんですけど、最近出た単行本はゴージャス装丁な上、先生によるずいぶんと熱い内容のあとがきがついていました。やっぱり「合う・合わない」ってことかな…。
■『黒い竜は二度誓う』
ISBN-10: 4592850211 挿絵:中村明日美子 白泉社花丸文庫BLACK 2008/5/20
竜が伝説のものではなかった時代。小国アベリエの第三王子らシュリは、人質として隣の強国がズマール帝国で暮らしていたが、母妃譲りの美貌が災いし、老皇帝ザクトーレの慰み者にされていた。母国のために男娼同然の扱いに耐える日々をおくっていたラシュリは、ある夜、剣闘士のジェイドと出会う。自分の衣にいきなり口づけたジェイドを、ラシュリは従者として召し抱えるが、彼は過去の記憶を失っていた……!?忠誠は真実の愛へと変わるのか?そしてジェイドの真の姿は……?著者渾身のファンタジー、満を持して新レーベルに登場!

今年はチャレンジの年なのか、「新しいもの」に取り組んでいる印象の英田兄貴最新作。レーベルは、これといった個性のなかった白泉社「花丸」から枝分かれ、なんとなーくアダルトでダークな作品が集まりそうな予感の新レーベル「花丸BLACK」。文庫の身分なくせに、750円とはいい度胸である。

!以下、ネタバレ注意報!

ローマ帝国っぽい時代をベースとした、老皇帝の愛人・王子と謎のグラディエーターの物語。

仕方がないというか…ファンタジーうんぬんの前に、こういう貴族が出てくる西洋時代物はテンプレになりがち、この作品の前に『ローマ、残照の記』(立花一樹 日本文芸社「KAREN文庫」)を読んでしまったこともあって、正直「またか…」と個人的に乗れなかった。

英田兄貴の特徴/特長である「ストーリーテリングの小気味よさ」は健在、いつものようにスラスラと読めるのだが、先が読めてしまう展開がとにかくつらいし、物足りない。BLは先が読めても、予定調和を楽しむことができるジャンル。でもそこまでに至らなかった。ファンタジーの味付けがされていることによって、正統派の時代物とは別のポジションをキープしているが、『黒い竜は二度誓う』というタイトルだけで、もうどんな話か分かってしまう。「黒い竜って××××のことよね」。ファンタジー仕立ての「ラシュリとジェイド カリオストロの城」なストーリーである。

人気作家なのだが、「垢抜けない、下衆張ったセリフと必死なキャラ」(←ホメてます。マジでいい意味です)が身上とゆーか、ツッコミどころの多い英田兄貴、今回はかなり楽しんで書かれたようで、老皇帝や貴族の大げさな云い回しには笑った。上手い。ただしその特徴/特長ゆえに、ファンタジーの透明感とピュアさに欠け、ストーリーが流れていくだけ、絵師・中村明日美子の洗練された独特なタッチと相反してしまった印象があり、ふたりによる相乗効果も作用もなかったような気がする。

「透明感とピュアさに欠ける」と書いたが、ファンタジーは常にそうでなければいけないわけではない。いろいろ挑戦している英田兄貴、今度はもっとダークでクールなものはどうだろうか?…最近の兄貴はちょっと軽い。挑戦するなら、いい意味でファンの期待を裏切るものを書いて欲しい。この前、私は海外作家による「アーバンファンタジー」なる『夜に彷徨うもの』(ロブ・サーマン C・NovelsFantasia)を読んだのだが、ファンタジーなら、兄貴はどちらかといえばその路線のほうが合っているように思える。注文が多くて申し訳ない、でもこんなことを作家にリクエストするのは、英田兄貴くらいしかいない。私の中で兄貴はいまもスペシャルな作家だから。頑張って欲しい。

評価:★★★(う〜ん…)
しっかし、ラストは映画「キャットピープル」風に終わるのかと思ったら、さすが兄貴、なにがなんでも結ばれるふたりを書いてきた。美しくぼや〜んと終わるのではなく、キッチリとラブを「分からせて」終わりたかったとゆーか、まるで「だってBLだし、しっかり愛を確認したいじゃない?」という感じ。マジで感心した。ただ申し訳ないのだが、あの手この手と必死なラシュリには笑ってしまった。よほどジェイドとは相性がよかったと見える。あ、しまった!下衆なのは私か。ごめんちゃい!>英田兄貴

ZERO STARS … 論外/問題外作
★ … お好きな人はどうぞ。
★★ … つまらない。
★★★ … 退屈しない。なかなか面白い。
★★★★ … とても面白い。佳作/秀作。エクセレント。
★★★★★ … 天晴れ。傑作。ブリリアント。
入梅な水無月の(仮)予定
←帰ってきた「秋林画伯@マウス派の巨匠」の作品。今回はマウスではなく、ただの鉛筆ドロウ@会社(つまり勤務中に…あ〜う〜)。バター状態の南風さんに捧ぐ!え〜い!捧げちゃうの!

というわけで、予定の話です。

思いがけず「女人禁制」が入ってきたので、5月の予定が思いっきり流れて、後半から狂ってしまいました。6月はそのまんま5月分をスライドさせようと思っています。あとはなんか別のこと…そーだなー、食べ物の話とか書きたいですね。映画は…インディとクロちゃん♪ヴィゴちゃん♪かな?

■「皐月の新人」は「別冊コーラス」とさせて下さい。すみません…。
5/31(土) B’z LIVE-GYM 2008 ACTION at 福井サンドーム
←これは、20周年記念イベントのひとつ、「ファンが送った写真を飾ったツアトラ」です。私とNちゃんのツーショット写真(昨年の「B’z in Your Town」ライブ会場で撮ったもの)もあります…ってどこに?

…というわけで、今年2月の京都に続き、5/31(土)雨模様の「B’z LIVE-GYM 2008 ACTION」福井サンドーム公演に行ってまいりました。

以下、地下に移動。

情報収集のためによるアクセスが多いのがちょっとヤなので。
■ここから「別冊コーラス」の掲載作品を少しだけ読めます。
http://www.s-manga.net/ladys/
(左の「別冊コーラス」をクリックして下さい)


もんでん先生の美しいカラー、警察手帳、マルセルの羽根の傷痕など、感想で描いたことがいろいろ確認できたりします。う〜む、重宝(ただし期間限定)!

■総括
というわけで、「別冊コーラス Spring」掲載作品の感想を5回に分けて9本、つらつらと書いてみました。

掲載作は大きく分けて4つのカテゴリに分かれたと思います。

★ BL未満の友情や職業男子を王道に描いたもの
「そして二度目の夏が来る」 もんでんあきこ
「愛と正義に関する一考察」 たまきちひろ
「Suitable」 宇野亜由美
「原色宝石図鑑 ―特別編―」 藤田律
「プリンス・オブ・フールズ」 桑田乃梨子
「キニナルキ」 ただりえこ


基本的に「マンガ力」のある作品が多く、フツーのマンガとして楽しめたカテゴリ。ただ正直云えば、めっちゃハンキー(意:たくましくセクシーな男性)を描くもんでん先生には、爽やか〜な高校野球ものより、スーツをビシッと着こなしたガチンコリーマンものを描いて欲しかったような…。だって!あのエロなもんでんさんですよ!?みなさん、大人の男を期待しませんでしたか!?(アタシはしたぞー!)

「コーラス」編集部さーん!
もし「女人禁制 PART2」があるならば、もんでん先生にはぜひハンキーなガチンコリーマンものを!

ところで、そのもんでん先生による「別冊コーラス」表紙。先生のブログによると、編集部より「男子更衣室で薄暗くて汗臭く!」という依頼があったそうです(やっぱ狙ってたってことじゃんよう!)。そして、「印刷だとどうしても色がくすんでしまう」とのことで、先生の公式サイト&ブログに画像がアップされていました。

↓もんでんあきこ公式サイト
http://akikomonden.com/
(ブラウザで見ると本当にキレイ。印刷はああも色をくすませるものなのか…)

たまきちひろ先生に関しては、ハナからBLっぽいものに合わない方だと思っていたので、純粋に友情モノとして読みました。数回に分けた連載のほうが絶対によい作品を、1本の読み切りとして描いてこられたので、かなり無理があり(とくにラスト)、ずいぶんと子どもっぽい性格の主人公だったのは、無理を補うために喜怒哀楽をハッキリさせたせいなのかな?という印象を受けました。「コーラス」には、もっと元気な人がいたほうがいいと思うので(「別マ」での故・多田かおる先生のポジションとゆーか)、できたら本誌で連載を読みたいです。

★ とりあえずBLっぽい要素を付け加えて友情を描いたもの
「ハイライフ」 北沢バンビ
「ヤバイ奴ら」 谷地恵美子
「乙女の祈り 男の花園」 松苗あけみ


「友情以上BL未満特集号」ということで、「いつもの自分のマンガにとりあえずBLっぽい要素を付け加えたんだろうな〜」という印象のカテゴリ。

谷地先生の作品に「すべて80年代で止まっているような作品」と辛口コメントをつけましたが、作品自体は駄作ではありません。ただその…たとえば裏表紙のカット。いまどきあんな服ありえないとゆーか、着てる人はいないでしょう。なので、思いっきり時代性を感じてしまいました。

★ かなりBLを意識して描かれたもの
「マルセルの羽根」 柏屋コッコ
「世界を眠らせ、」 石井まゆみ
「キミトボクロ」 常盤涼子


「コーラス」が「女人禁制」だなんて、どーせ友情で終わるくせに…と思う腐女子は多いと思います。もし友情だけだったら、こんなBLくさい作品は載らなかった/載せなかったはず。そんなことを思わせるカテゴリです。とくに石井まゆみ先生の作品は、リーマンBLの王道です。ただどの作品も、オチの付け方にかなり苦しいものがあり、果たしてそれは「コーラス」の限界なのか、それとも作家のストーリーテリング不足によるものなのか…判断が難しいところです。

★ 一般誌・BL誌どちらでも通用するBLを描いてきたもの
「へび苺の缶詰」 河内遙
@RECOMMEND@

飛び抜けて面白かったBL作品です。この作品にはある真実が隠されているのですが、伏線だの仕掛けだのという言葉でそれを表現すると、冒涜とまではいかないにしても、なんだか作品を陳腐なものにしてしまうようで、どうしても感想では使えませんでした。作家が「コーラス」掲載を充分に理解した上で描いてきたBLという印象で、「かなりBLを意識して描かれたもの」で挙げた、3作品のすべてのオチが大変苦しかったことを思えば、「こうやって描くこともできる/描けばいいんだよ」と云っているかのようでもあり、河内先生の非凡さを感じさせる1本となりました。こういうBLが増えてくれると、個人的にとても嬉しいですね。

■私的考察
今回「コーラス」が、別冊でこういう「なんとなーく腐女子狙い」な特集を組んできたことに、腐女子のみなさまの中でも、抵抗のある方、「BLじゃないよ」とバッサリ斬る方、隙間産業に過ぎないといわれる方…など、いろんな方がおられると思います。ちなみに私は「じゃあ、お試しでちょっと釣られてみようかな?…BLっぽいものをどんな風に読ませてくれるわけ?」と思ったクチ。「なにか新しいものを…」と餓えていたからというより、「コーラス」だったから興味があったわけで、たとえばもしこれが白泉社系の雑誌だったら、スルーしていたかもしれません。

私は10代の頃、マンガは「りぼん」「週マ」「別マ」「別コミ」(今の「ベツコミ」じゃないですよ)、そして一部少年誌を読んで過ごしました(白泉社系はよくわかりません)。池野恋「ときめきトゥナイト」、紡木たく「ホットロード」、吉田秋生「BANANA FISH」世代です。「コーラス」は、少女マンガの王道「りぼん」「週マ」「別マ」で描いていた作家が揃っていて、内容もレディコミのように「家庭と仕事の両立奮闘記」「育児もの」「すんごいエロマンガ」というよりは、「りぼん」や「別マ」を卒業した女性向きの少女マンガが載っている感じ、たとえば私は学生が主人公のマンガを、同世代的視点というより「あのとき自分はどうだっただろう?」という視点で読んでいます。…たぶん、そんな20〜30代の女性をターゲットにしているマンガ誌ではないでしょうか。

そんな王道「元少女向けのマンガ誌」で、男の子いっぱい特集号が出る――ソレっぽい作品を、もしかして集英社系の作家が描くの?

作家陣が似ているBL誌とは違い、一般マンガ誌では「この作家はここでしか読めない」ということが多いですから、BL誌で似たようなものを読むのなら、ちょっと違うものを一般誌で読んでみたい――代用食にしたいのではなく、単に私が雑食なだけなのだと思います。真性の腐女子というより、最末席組腐女子だから(なので私には負い目がある)抵抗が少ないということもあるでしょう。

もし私がマンガ家で、まったくBLに興味なくても、出版社から「BLっぽい特集をしたいので、アナタには〜な話を描いてもらいたいのですが」と云われたら、「依頼が来た!」とすんごい頑張って描くと思うんですよ。なので、「コーラス」の作家ならどう描くだろう?と気になったわけです。「ガッシュの人」によるサンデー編集批判を読むと、大手出版社の編集ってのはみんなあんな人かと思っちゃいます。そーなんですか?

そんなこんなの理由から、真剣に読み、真面目に感想を書いたんですけども。

せっかく「『別冊』コーラス」なんだから、もうちょっと冒険して、BLっぽいものを描いて欲しかったな…というのが、正直な感想です。いや違うな。「一般誌で勝負できるBL」を描いて欲しかったというべきか。そういう意味でいうなら、河内さんの作品は本当に素晴らしかったし、「BL未満の友情物語」作品はそれなりに楽しめたけど、「BL要素を追加しただけ」な作品にはガッカリさせられたし、「思いっきりBLを意識しているけどオチがつまらない」作品には限界を感じました。

「コーラス」編集部さん。もし同じような特集をまた組んで、腐女子を狙う気持ちがあるならば――「BL未満の友情物語」だけでなく、もうちょっと「一般マンガ誌的アプローチ」をしたBLな作品も載せて下さい。ちなみに、腐女子だけでなく女子は基本的にホモ好きだと思います、はい。

★参考:コーラスの発行部数
↓「コミック誌発行部数ランキング」
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/3969.html
(「コーラス」のライバルは「のだめ」の「KISS」ということかな…)


■「女人禁制感想の前口上など」
http://diarynote.jp/d/25683/20080515.html
(感想を1本ずつ書いていきますよ〜という話)

■女人禁制感想 1:「別冊コーラス Spring」
http://diarynote.jp/d/25683/20080516.html
(もんでんあきこ/たまきちひろ/宇野亜由美)

■女人禁制感想 2:「別冊コーラス Spring」
http://diarynote.jp/d/25683/20080517.html
(柏屋コッコ/石井まゆみ/藤田律/北沢バンビ)

■女人禁制感想 3:「別冊コーラス Spring」
http://diarynote.jp/d/25683/20080518.html
(桑田乃梨子/谷地恵美子/常盤涼子)

■女人禁制感想 4:「別冊コーラス Spring」
http://diarynote.jp/d/25683/20080522.html
(河内遙)

■女人禁制感想 5:「別冊コーラス Spring」
http://diarynote.jp/d/25683/20080525.html
(松苗あけみ/ただりえこ)

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