←MR.BIGと云えば、1991年にリリースされたこのアルバム。久しぶりに引っ張り出して聴いてるのですが――10年以上経っても、熱いアルバムだよニャ〜…うるるるるるるるる…。

先日行ったTMGのライブがあまりに素晴らしかったため、ストレートロックな高揚感で胸がいっぱいになり、現在もクラクラしている状態です。最近忘れかけてたロックの楽しさ(および情熱)ってのを、一気に取り戻しちゃった。もう容量いっぱいいっぱいで、大変っス!

ちなみにTMGが始動を発表したとき、最大の驚きだったのがボーカルのエリック。でも彼は(カワイイ顔に似合わず)ソウルフルでブルージー、そしてメロディアスに歌い上げる、ややkeyが高めのテクニカルなボーカリストなわけで――松ちゃんの特性を思えば、この人選はまさにドンピシャか。う〜む…当たり前とはいえ、やっぱ自分のことをよく知ってるよニャ〜(>松ちゃん)。

私はもともとフェイバリットにもあげるくらい彼の声が大好きだし、生ジャックをどうしても見たかったこともあって、とにかくTMGのライブが楽しみで仕方がありませんでした。そして実際観てみたら――いや〜…あんなに楽しそうに歌われる(&演奏される)と、こっちまで嬉しくなっちゃいましたねぇ。なので、楽しくて仕方がない貴重な90分でした。

B’zファンの間でMR.BIGはメジャーな存在。でもエリックが生で歌う姿を観たことのあるファンは、とっても少ないはず。

どう?…彼ってマジで素晴らしいシンガーだったでしょう?

■私が好きなシンガーたち(愛の不等式)
G・マイケル>F・マーキュリー≧E・マーティン=稲葉浩志>S・タイラー

左に行けば行くほど、声が美しくメロディアス、R&Bだろうとジャズだろうとロックだろうとクラシックだろうなんでも歌えちゃう人となり、右に行けば行くほど、クセが強くてシャウトが上手く、そしてブルーズ色が豊かな人になる――どっちにしても全員ソウルフルで、高音が出るってところが共通点ですね。う〜む…こうやって書いてみて、初めて自分の好みがわかったナリ。

ところで。TMGのライブ会場にてさまざまなグッズが販売されていたのですが、久しぶりにパンフレットを買うかどうかで真剣に悩みました。結局、雨が降っていたことが決め手となって、会場での購入を断念したものの――パンフのお値段が4000円ってのはちとお高いお買い物だよニャ…。

なんでお高いのかというと、一緒にTシャツが付いてくるからで、実はそのTシャツこそがクセモノ。まさに愛情が試される図柄というか、踏み絵ならぬ踏みTシャツというか――とにかくフツーの女子が着るには、たいへん勇気が必要とされるTシャツなのです。

↓こんな柄(B’z the Store)
http://www.bzthestore.com/bzthestore/bzthestore/goods/tmg04/dodge01/window02.html

……。
笑っちゃうほど、絵に描いたような(って、描いてあるか)ベタなハードロックTシャツですよねぇ。松っちゃんご本人が一度作ってみたかったのだろう、わかっててこんなベタな柄にしたんだろう、単品ではあまり売れないのもわかってるから抱き合わせ販売にしたのだろう(←my予測)、この踏みTシャツ――ライブでは(予想通り)ジャックが着てましたが、価格と柄、ダブルでキッツイこの商品――購入率とともに着用率も気になります。

私?…踏んじゃいそうですが――ってか、いっそ踏んでしまえればなんと楽なことか――おうちの中だけで着ようかニャ…。う〜む…。
←これ…劇場公開時にはそれほどヒットしたというイメージがナイのですが、レンタルビデオ屋さんではなにげに人気作じゃありません?…回転率お高そうだよニャ…。

自宅に帰ってきたら、ブルース・ウィリス主演作「ティアーズ・オブ・ザ・サン」のDVDがなんでか茶の間に置いてありまして、そういえばこれって劇場で見逃したよニャと早速手にとり、そのままお茶の間PCで観てたのですが……あり??このお話――私、最近観たぞ?

それがなんだったかどうしても思い出せず、TMGのお話を書きながらずっと考えてたのですが――今、ようやっと気付きました。

まんま「キング・アーサー」やんけ!!

そう思ったのは私だけでしょうか?(←最近、自分に自信ない人)

しかも監督は同じアントワン・フークア――って、なにも2作続けて「なんちゃって七人の侍」を撮らなくたって…。舞台や時代設定が変わっても、内容はそれほど変わってないし、相変わらずウソも下手。う〜む…今度はデンゼル・ワシントン主演作を撮るそうですが、また「私は孤高の〜」系だったりするのかニャ…。

あ、明日TMGのライブ感想の続きを書きまする〜。

では…おやすみなさいまし。
←TMGの1stアルバム「TMG 1」。TMGは(たぶん)パーマネントバンドではなく、松本孝弘のソロプロジェクトのひとつとして位置づけられております。よくまあ、これだけテクニカルで実直な音(&声)を出すメンツを集めたもんだよニャ〜…。

…とゆーわけで、8/4(水)TMG『Dodge The Bullet』TOUR(弾よけツアー)を観に、Zepp大阪まで行って参りました。10年以上会員登録している(会員番号が4ケタなのが唯一のmy自慢)B’zのファンクラブからは、「抽選」という名目でチケット購入ができず、今回は友人が用意してくれたチケットでなんとか観ることができたのですが――南港まで遠かった……日帰りしなきゃいけないのに雨まで降るしぃ……。

■前置き
TMG『Dodge The Bullet』TOURメンバー
Guitar:Tak Matsumoto
Vocal :Eric Martin(ex. MR. BIG)
Bass :Jack Blades(NIGHT RANGER . DAMN YANKEES)
Drums:Chris Frazier(STEVE VAI)
(ちなみにTMG自体は基本的に3人構成です)

ギターはご存知、B’zのボスこと松本孝弘(以下、松っちゃん)。メロディアスで和の哀愁引っ張るエフェクト、キレイ好きな性格がよく表れてる曲構成、テクニカルかつギターが歌ってるかのような音が特徴のギブソン・レスポール使い。スタイルや音など、布袋寅泰(漢字違ってたらゴメンちゃい)の対極に位置するギタリストかと。

ボーカルは元MR.BIGのエリック・マーティン。MR.BIGと云えば、「バカテクベースに光速ギター、なかなか腕の立つドラムスに、童顔だけど実力派のボーカル」という、ひっじょ〜にテクニカルでグッドルッキングなバンド。本国アメリカより日本で愛された人たちでした(私も好きだったよ〜〜!)。メンバーそれぞれB’zと縁があり(内容は割愛…語りだしたら止まらないから)、今回初めてエリックがコラボで登場してくれました。VAN HALENのボーカルになるというウワサがあったほど上手い人です。…何度聴いてもいい声だ〜!…でも、今年44歳ってのがビックリ。

ベースはジャック・ブレイズ。NIGHT RANGERとDAMN YANKEESで有名な、これまたテクニカルなベーシスト。私は残念ながらNIGHT RANGERを聴いたことがなく、DAMN YANKEESしか知らないのですが、もう大好きでアルバム全部持ってます(…ってか、2枚しか出てない)。デニムがよく似合う、心地よいアメリカンロックのお手本のような曲が多く、日本では「High Enough」が有名。90年代半ば、松っちゃんは彼らのことをよく褒めてました。なお、93年渚園にて、稲葉さんが彼らの曲「Where You Goin’ Now」を一生懸命アコギで練習していた姿が報告されております。

ドラムはクリス・フレイジャー。あのバカテクギタリスト、スティーブ・ヴァイのサポメンだっていうのだから、とにかくテクニカルなドラマーだと思われる…って、実は彼についてよく知らないのです(B’zのアルバムでドラム叩いてます)。ルックスがとってもプリティ♪なのは確か。

(以下、ネタバレありのため、ライブに行かれる予定の方はお気をつけ下さい)

大阪に着いたとたん、雨・雨・雨…。
昨年の渚園も台風が来てたよニャ…とグチりながら、ここ10年いつも一緒にライブに行ってる京都人・Nちゃんと合流、Zepp大阪へ。

会場:オールスタンディング。客層男女比:五分。
オープニングSEでクラシカルロック(ジミヘン、ツェッペリン、ディープパープル、ブラックサバス…など)が流れる中、19時ちょっと過ぎにスタート。

セットリストを覚えてないので、とりあえず演奏した曲についていくつか感想を。

♯Everything Passes Away
これは確実に1曲目。アメリカンロックなサウンド、アグレッシブなツインボーカルに松ちゃん独特の東洋フレーズが乗る、TMGの真髄を語る1曲。インパクトもあるので、1曲目としてふさわしいかと。それにしても、松っちゃん・ジャック・エリックが同じステージに立ってるなんて……あああ…生きててよかった!ロックの神様に感謝!

4人のコンディション上々。これだけのメンツなら音が良くて当たり前だとわかっていながらも、そのあまりのゼータクさについ酔ってしまう。またメンバーはとにかく楽しそうで、そんな彼らを見てるだけでこっちも楽しくなってしまった。

♯I Wish You Were Here
アッメリカ〜ンな1曲。ベタだとわかってても、なんと心地よいことよ!…そしてジャック先生、大はしゃぎ!♪はろ〜えぶりばで〜あうぃしゅわへ〜♪

♯TRAPPED
とってもポップでレスポール節炸裂。「My Alibi」に次ぐB’zくさい曲なので、B’zファン向き。エリックがB’zの曲を歌うとこうなりますよ〜というお手本な1曲。

♯I Know You by Heart
変拍子が特徴的な1曲。ライブでもエリックが手で拍子を取ってました。

♯Train, Train
いいねぇ…このオールドロックな雰囲気!GRooooVE!

♯Red, White And Bullet Blues
ギターのヘヴィさが伝わってくる1曲。

♯Two Of A Kind
唯一のバラードナンバー。松っちゃん、ストラトで演奏。枯れた音で思わずしっとり。

♯Wonderland
ま、偶然にもイナバさんのシングルと同タイトルですが、こっちは明るいハードロック。ステージ上の4人が楽しそうで、エリックが体を揺らしながら歌ってたのが印象的。

♯The Greatest Show On Earth
シャミセンソング。でもちょっとライブ向きではナイかも…。

♯KINGS FOR A DAY
エリック節炸裂!松ちゃんがMR.BIGを弾くとこうなりますよ〜というお手本な曲。MR.BIGのファンに超オススメ。職人技なギターとベースがないと絶対に光らない。そのため、演奏に専念するブレイズ・松本両氏。

♯Rock in America
ジャックがメインボーカル。この曲知ってる!と思ったら、NIGHT RANGERの曲と…ってことは、私なんだかんだ云って、彼らのアルバムをどっかで聴いてるな…。

♯To Be With You
ステージ上にイスが設けられ「あ、アコースティックな曲を演奏するんだな…でもさすがにここで『あいかわらずなボクら』はムリっしょ!」と思ってたら、いっせーので始まったのがこの曲。超うれぴぃいいい〜!!やっぱエリックがいるんだったら、この曲を聴かないと!

♯OH JAPAN
聴いてると、松ちゃんが声をかけたのがなぜエリックとジャックなのかがよくわかる。ふたりともエモーショナル――高揚感、抜群なんだもん。

♯総括
正味90分の短さがまったく気にならない、バンド・観客ともに楽しくて仕方がないといった感のライブでした。B’zしか知らない人は、エリックの上手さ、ジャックおじさんのアグレッシブさ、クリスの実直でパワフルなドラミングにビックリしたと思う。

TMGは――完全に世界で通用します!

DVD発売、熱烈希望!
数年に1回はツアーやってくれ〜〜〜〜〜〜〜〜!
←私がまだ10代の頃…たぶんロブ・ロウ人気のせいで日本でも公開になったと思われる「ホテル・ニューハンプシャー」。大好きな映画なのですが、設定とストーリーの凄まじさ、そしてそれと反比例するかのような軽めの演出とラスト――映画を観た当時、それはそれは大衝撃を受けたものです。でも私のまわりで、この映画を評価してくれる人はと〜っても少ない…。ただウェス・アンダーソンは仲間だと思う…だって彼の監督(兼脚本)作「ザ・ロイヤル・テネンバウムス」って、絶対この映画を意識してるもん!

←リンクしている蛍風さんのブログで、レンタルビデオ屋さんの店員さんとして、「マニアの難解な質問」に気をつけなければいけない…というお話がありました。

こ…これは…耳が痛い…。

観たい映画があってもそのタイトルをど忘れしたとき――脳内メモリーバンクに預けた記憶があやふやなら、自宅のPCで検索してからお店へ行けばいいものを、「お店の陳列棚を見てれば思い出すだろう」or「店員さんに訊けばいっか♪」で済ましてしまい、そのまま思い立ったが吉日とばかりに、お店へGO!しちゃうんだよニャ……。

■過去の質問その1

私:「あの…ナスターシャ・キンスキーがクマの着ぐるみ着てる映画なんです。ロブ・ロウとジョディ・フォスターがきょうだいで…不幸に襲われるけど、映画自体ははそれほど重くないんです。タイトルをど忘れしちゃって……え〜っと……ホテル…ホテル…『ホテルなんとか』!」

店員さん:「『ホテルなんとか』ですか?」

「ホテルなんとか」なワケなく、「ロブ・ロウ」で検索して見事発見。

♯答え:「ホテル・ニューハンプシャー」

■過去の質問その2

私:「『プリティ・ベイビー』という映画を探してます。どこにあります?」

店員さん:「『プリティ・ベイビー』ですか?」

私:「そうです」

店員さん:レジ内PCにて「プリティ・ベイビー」で検索――15秒後「そういうタイトルの映画はありませんね」

私:「絶対ありますってば!!」

店員さん:さらに検索――15秒後「やっぱりそういうタイトルの映画はありませんね」

私:「ないワケないです!監督はルイ・マルで、ブルッキーが出てた映画だし!」

店員さん:「……ありました。一字違いでした」

私:「……」

ちょっとした違いだとしても、タイトルはしっかり覚えておくべし。

♯答え:「プリティ・ベビー

■過去の質問その3

私:「ジャッキー・チェンの映画を探してるんですが、タイトル思い出せなくて……ジャッキーが撮影中に大怪我を負った映画です。途中で髪形変わるんですけど」

店員さん:「……」

結局、わからず。ジャッキーの映画は大量にある上、内容をすべて覚えてる人は少ない。必ず検索してからお店に行こう。

♯答え:「サンダーアーム/龍兄虎弟」

まだほかにもあるけど、これだけでも私――完全にマニアな客だわね……。

一度も延滞したことナイのが自慢の私ですが、店員さんを質問で困らせているかもしんない…。なので、今度からはめんどくさがらずに調べてからお店に行くことにします。ただ、店内にお客が利用できる在庫&場所検索用PCが置いてあると、便利なんだけどニャ〜(←都会にはあるの?)。店員さんが忙しい時間帯だと、やっぱ声はかけづらいし。でもPCを置くと、おこちゃまが遊んでしまう危険性があるか。…う〜む…。
いやもう…すっかり「スパイダーマン2」にハマっちゃって、なんだかんだと3回くらい観に行ってるくせに、今度は日本語吹替版を観に行こうと企んでます。ぐは!

なんでこんなにハマっちゃったんだろう…って、そんなの面白かったからに決まってるのですが、やっぱ制作費2億ドルも使ってくれた青春映画ってところが、私的大ツボなんでしょう、たぶん(←青春もの大好きな人)。

で、いろいろと情報を収集したみたら――想像通り、映画に携わった脚本家は多かったようで、4人くらいリライトしてたみたいです。……でもなんでクレジットは1人だけだったんだろう?

次は、「秋林!絶対アンタは観なきゃダメ!」と云われた「マッハ!!!!!!!!」を観にいく予定ですが、その前に――友人からチケットが送られてきたので、TMGのライブに行かなければ。はたして日帰りできるのか…。

では、おやすみなさいまし♪

「ドッグヴィル」

2004年8月1日
←このシーンの映像がとにかく綺麗でした。いままで観たニコール主演作の中で、彼女が1番美しく映ってたのはこのシーンだと思ったくらい(04年上半期フェイバリット映像かも)。トリアー監督の提唱する「ドグマ」なんて、ぜんぜん興味ナイんだけどなあ…。

けっこう前に劇場で観たのですが、なんとなく感想を書きたくなったので、ラース・フォン・トリアー監督最新作を取り上げてみます。
(もし字数が制限できたら、ガス・ヴァン・サント監督作「エレファント」の感想も、一緒にUPしたいと思ってたのですが……ムリでした)

「ドッグヴィル」Dogville(2003・米)
IMDb→http://us.imdb.com/title/tt0276919/
日本公式サイト→http://www.gaga.ne.jp/dogville/index.shtml
監督:ラース・フォン・トリアー
脚本:ラース・フォン・トリアー
出演:ニコール・キッドマン、ポール・ベタニー、クロエ・セヴィニー、ローレン・バコール、他

ストーリー:
アメリカの片田舎にある村ドッグヴィル。ある日、街のほうから銃声が聞こえ、追跡から逃れるように美しい女性グレース(N・キッドマン)が村にやって来た。とっさに彼女をかくまう住人トム(P・ベタニー)。その翌日、グレースを村でかくまうかを巡って住民会議が開かれ、2週間で彼女が村人全員に気に入られれば、村に住めることとなった。そしてグレースは住人たちの家を回り、奉仕活動をし始めるが――。

なんつーかその…トリアー監督の作る映画ってのは、「キングダム」のような商業ベースに乗っかってるような作品は別にして、基本的に俺流「共感を拒む映画」なのであって、必ずしも共感が必要とされてないし、彼自身もそんなにそれを望んでないと思うんだよニャ…。

プロローグと9章エピソードから成り立ち、壁やドアがなく白チョークで書かれた区切りにセットを置き、戸外での撮影も一切ない――という、キッカイなプロットを持っている本作。淡々と流れていくストーリーの中で、なんとも云えない(…って、あとで云うけど)悪意を折り込んでいるくせに、犠牲者のように見えるニコールはとてつもなく美しい。う〜む…トリアー節炸裂と云うか、自意識があるくせに存在しないように見せかける悪意(もしくは普遍妥当性を持たせようとしている客観的悪意)、さらに倍増と云うか。←意味、わかります?

たとえば…グレースが***されても、セットに壁はないので、観客側にその残虐行為が丸見え――でも住人たちにとっては壁がある。それは=「ドッグヴィルと観客との間に存在する壁」でもあって、ある意味、とても嫌なものを目の前に突きつけられるわけだけど、その壁や嫌なものを受け入れられるか、あるいは客観的に観ることができるかが…この作品(とゆーか、トリアー監督作)に対しての評価の分かれ目になるんだろうニャ〜…。ちなみに私は彼の映画を客観的に観れるタイプなのですが、それでも体力がない、あるいは精神的に疲れてるときはよう観ません。…そう思うと、トリアー監督の映画に出演している俳優さんたちはスゴイよニャ〜…。撮影はいつも監督と大バトルを起こしながら展開していくそうですが、セットにいるだけで体力・精神力ともに磨り減りそうなんだもん。

米国が舞台となっていることや、「アメリカ三部作にする」といった監督のご発言から、アンチアメリカ作品と云われて、一部の米国系ジャーナリストや批評家から批判が出てましたが(「米国に行ったことのないアンタにわかるのか」とかなんとか)……そ〜お?…監督には悪いけど、別に舞台がアメリカでなくても成立しそうだよニャ…。

そしてよく云われるのが「野心的で鼻につく作品」。そ〜お?…私にはよっぽどトムトムや二コールのほうが野心的に思えるのになあ。…って、そんなこと思ってしまうのは、トリアー監督自身が私の中で「しょうがないな、彼だから」という免罪符的存在になってるせいなのかもしれないし、まだ「ドッグヴィル」は比較的観やすい作品だったからかもしれない。ただし、もちっと短くして欲しかったかな。

最後まで淡々と客観的に観ていたけれど、最後の最後、グレースが下した決断――たとえ残虐だったとしても、あれでは仕方ないだろう、一理ある、それほど暗く感じなかった――そう思ってしまった自分の内なる黒さに、愕然とさせられた1本。

あ〜あ…本当、イヤな奴!>トリアー監督
←現在公開中の「キング・アーサー」にて、最強の円卓の騎士ランスロットを演じている、英国ウェールズ出身のヨアン・グリフィズ(30)。極東日本では一部の人によく知られている…とゆーか、以前NHKでも放送されたTVドラマ「ホーンブロワー」で主役を演じ、その名前が知られるようになった人です。海洋冒険小説好きな人にはたまらない「ホーンブロワー」――その昔、原作を読んだけど途中で挫折したっけニャ…そんな私も、現在はすっかり「オーブリー&マチュリン」シリーズに夢中(こっちのほうが好み)。でも、TVドラマはなかなか面白いっスよ!DVDだって欲しいくらい…ただちとお高い…。

今月の当ブログ内「THE MOST ATTRACTIVE MAN」(ATTRACTIVE…誘引力のある)は、ヨアン・グリフィズさんに決定!

正直云うと、最後まで「スパイダーマン 2」のトビー・マグワイアにしようかと悩んだのですが、なんだかんだ云って、今月は彼のネタが多かったし、言霊は飛んだし、出演作「キング・アーサー」は公開されたし、「ホーンブロワー」DVD-BOXはリリースされたし――なかなか話題が揃っていた上、ちゃんとキャンペーン来日もしてくれたので、その功績(?)を称えまして、極東の田舎より表彰したいと思います。オメデトゴザイマース♪

ところで。私が彼について語るとき、なんで「ウェールズ出身」を強調するかというと――英国はイングランドだけでナイからです(←なんのこっちゃ!)。魔女の形をした英国島…その左側のひざあたりがウェールズになりまして、人種的にはケルト系で(暗色系な髪の人が多いですよね…アイルランドやスコットランドもこの系統)、アングロサクソンで使用言語がゲルマン系になる英語のイングランドとは違い、ケルト系のウェールズ語(現在は教育のおかげで両方話せる人が多い…みたい)が話されてた地方…というか、国です。

とまあ、ついウェールズに関して語ってしまうのは、その昔C.W.ニコル(日本在住のウェールズ人作家)の本をよく読み、また大学時代にお世話になったウェールズ人の恩師がいたからで、ウェールズの話や歌、文化、独特な言葉(とその綴り)など、しこたま聞かされた・聞いたからです。…そしてテストも受けた…。

で、話題のヨアン・グリフィズですが、日本語のカタカナで表記されたときには気付かなかったものの――

Ioan Gruffudd

と、アルファベット表記の名前を見たとき、一発で「あ、この人、ウェールズ人だ」と分かったのでした。プチ自慢♪(でも極東日本では役に立たない)。

ちなみに、ヨアンのように綴りからすぐウェールズ人だとわかる俳優に、Rhys Ifans(リス・エバンズ…「ノッティングヒル」で変人ルームメイトを演じた人)。もともとRhys Evansだったそうですが、ウェールズ風に「Ifans」に改名したのだとか。どう発音していいか自信のナイ人が多そうです。

でもウェールズ人俳優として最も有名なのは、キャサリン・ゼータ・ジョーンズ姐さんでしょうねぇ。彼女とヨアンとリス・エバンズはウェールズ語がペラペラで、ヨアンとリスにいたってはウェールズ語のドラマに出てたそうです(ソースはIMDb)。

そして知られてないところで、アンソニー・ホプキンスにティモシー・ダルトン。あまりウェールズ系と呼ばれたくないらしい(…なんで?)、次期バットマンことクリスチャン・ベール。ふむ…探せばけっこういたりする…けど、ウェールズ人であることが誇りだと発言をしているゼータ姐さんとヨアンが、やっぱ有名どころでしょう。

以上、プチ・ウェールズ講座、終わり!

ヨアンに話を戻してと。
え〜、昨日あたりだったか、FLIXムービーサイトでインタビューがUPされていました。

↓「キング・アーサー 独占インタビュー」(FLIXムービーサイト)
http://www.flix.co.jp/v2/article/A0000678/A0000678.shtml

ふむ。やっぱ「七人の侍」だったか…って、それよりもキルトの衣装がボツになったのが残念。
(以下、上記サイトでのフークア監督の発言を引用)
ワハハハハハ。そうなんだよ! キルトをはいたヨアンは本当にラブリーでね。彼って、すごく脚が細いんだ。キルトをヒラヒラさせる彼は女の子みたいだったよ!
み…見てみたかった……。ってか、↑のサイトでのヨアンって、うちの叔父さん(50)にソックリ。………。

そのヨアンいわく――
(以下、上記サイトでの彼の発言を引用)
イエス! 『キング・アーサー』ではヒーローを演じたけれど、“Fantastic Four”で僕が演じるのはスーパーヒーローなんだ。今度もキルトは、はかないけれど(笑)、ブルーのピチピチのボディスーツは着るよ。撮影がすごく楽しみなんだ。

とゆーわけで、ブルーのピチピチボディスーツ姿なヨアンの写真が公開されたら、このブログでもご紹介したいと思います♪

以上、7月の「最も魅力的な人」でした♪

追記:
本家HELLO!サイトの「Most Attractive Man」ですが、7月月間投票では、なんと1位がヨアンとなっております。クライブ・オーウェン、本国でもイマイチ(イマサン?)なのか…。

↓MONTHLY VOTE - Most Attractive Man(HELLO!)
http://www.hellomagazine.com/vote/mostattractiveman/month/index.html

↑の写真でのヨアン…まるで鹿賀丈史のよう。………。でも2位のブラピの写真も相当ヤバイような…。

※なお、6月の「Most Attractive Man」の結果ですが、ヒュー子ちゃんは2位でした。組織票で負けたんだから仕方ないよニャ…。

とりあえず復活

2004年7月30日
やっとPCを使えます♪

「スパイダーマン2」の感想を書き上げました。

しかし…「スパイダーマン3」の公開予定が2007年ってのがニャ〜…。
待ってられないナリ。

諸都合により…

2004年7月28日 日常
ここ数日、PCの前に5分ほどしか座れましぇん。
なので、なかなか更新できない…困ったなり…。

そんな中、ちびちび続きを書いてます。

「キング・アーサー」はもっかい観に行って、感想を追記しました。
「スパイダーマン2」ももっかい観に行って、感想をちびちび書いてます。

う〜む…続きをはやくUPしたいです…。
でも時間が…。
←スパイダーマンを演じるのは「カワイイ顔して肉体派」なトビー・マグワイア(29)。ジェイク・ギレンホールに交代するんじゃないかと一時騒がれましたが、ブジ主役に納まりました(よかったよかった♪)。今年に入って3回もキャンペーン来日してくれてるあたり、エライよニャ〜。そして、監督はサム・ライミ(44)。マニアックで濃〜〜い映画を撮るというイメージのある監督ですが、実はとってもお洒落さん。なんと撮影現場ではネクタイ&スーツ姿で演出することが多いのだとか。…意外ですよねぇ…。

…というわけで、「スパイダーマン2」の感想をば。

「スパイダーマン 2」Spider-Man 2(2004・米)
IMDb→http://us.imdb.com/title/tt0316654/
日本公式サイト→http://www.sonypictures.jp/movies/spiderman2/
監督:サム・ライミ
脚本:アルヴィン・サージェント
出演:トビー・マグワイア、キルスティン・ダンスト、ジェイムズ・フランコ、アルフレッド・モリーナ、他

ストーリー:
グリーン・ゴブリンとの対決から2年後。アルバイトをしながら大学生活を送るピーター(T・マグワイア)は、スパイダーマンとして日夜ニューヨークを守っていた。だが経済的につらく、勉強はおろそかになり、親友ハリー(J・フランコ)はスパイダーマンへの復讐に燃え、MJ(K・ダンスト)には新しい恋人が現れてしまう。スパイダーマンであるために、自己犠牲を強いられることに疑問を持ち始めるピーター。そんなある日、彼はハリーの会社で研究をしているDr.オクタビアス(A・モリーナ)の研究発表に出向く。そして――

…ああ。
正真正銘、サム・ライミの映画に仕上がってるよニャ〜…。
こんな大作で、ライミの味とゆーか…作風を感じられるなんて、本当に嬉しいよねぇ。

ただし、昔の濃さ爆裂な彼とは違う。今までも薄めな映画はあったけど――ってか、本作が薄めだと云いたいんじゃなくて――成長したのか、抑えているのか、上手くなったのか。マジで洗練という言葉が似合う。等身大のヒーロー像、共感のさせ方、脇役やチョイ役でさえ立ってるキャラクターたち、ストーリー運びとそのひっぱり方、伏線の張り方&回収の仕方、適度なギャグの挿入……それらさじ加減の上手さにしみじみ唸ることしきり。なので、個人的に「クール(COOL)」ではなく「洗練」と云いたいっス!

まず、オープニング――のっけからタイトルバックに感動。前作のあらすじ・ストーリーボードを観ているかのよう…ってか、観せてくれたんだから「観た」が正しいか。よく出来てて、「『1』をもっかい観なきゃ!」と思ったし、その丁寧な仕事ぶりに――作品に対する作り手の愛情を感じてしまった。ほんの数分のことだし、「あれくらいで?」と云う人もいるでしょうが……いいの!私がそう思っただけなんだから、もうほっといてちょーだい!

誰にも知られずボランティアでヒーローやってる主人公。大いなる力を人のために!と頑張っていても、悪口書かれたり誤解されたり。ピーター・パーカーの姿に戻ってみれば、私生活ボロボロ。……。ツライよねぇ…うんうん、よくわかる…ピーター、アンタだけじゃないっス。そんな状況じゃあ、誰だって悩むっス。

悩める等身大ヒーローを演じるトビーが実に素晴らしく――その視線の雄弁さに、心底惚れ惚れしちゃいましたよ。MJを見つめる瞳(♪めりじぇ〜ん おまま〜〜いん♪と、つのだ☆ひろの声が脳内に響いた日本人は多かろうて)、決意に満ちた瞳などなど――ひとつひとつを語る瞳に吸い込まれそうでしたもん。彼は能面演技をする俳優なので、受ける印象はどこかミステリアス。だからスパイダーマン/ピーター・パーカーにピッタリ♪…前作のスクリーンテストでラストシーンを演じたときに、製作側が「彼しかいない」と云いきったのも頷けるよニャ〜…。

MJ役のキルスティン・ダンストは、髪の色が赤茶じゃなくなったせいか、前作よりもかわいく見える。これ、最大のプラスポイントね♪

Dr.オクタビアス/ドク・オクを演じるアルフレッド・モリーナ……先日「トニー賞授賞式」にて、彼の「屋根の上のバイオリン弾き」のパフォーマンスを観たばっかりだったので(主演賞にノミネートされてました)、おお!なんとタイムリーな!と思いながら観てたのですが――いや〜…せつなかったですわ。彼のラストに物足りなさを感じる人がいるそうですが――そ〜お?…科学者出身だからといって、最後までマッドサンエンティストだとは限らないでしょ?…せつないストーリーにあった人物描写&背景と「大いなる力」の伏線――見事でしたよ。文句まったくナシ。

1作目のDVDを持ってなかったので、慌てて購入、そのまま2回目の鑑賞に行った私ですが――見比べてみると、アクションシーンやスパイダーマンを追っかける映像が格段にスケールアップ。前作よりお金かかってることもあるでしょうが、やっぱ「マトリックス」明けのビル・ポープを引っ張ってこれたことが大きかったのでは?…迫力はもちろん、前作のどこかしらヤボったい感じが、本作ではまったくなかったもん。

脚本はアルヴィン・サージェント…って、ずいぶんおじーちゃんな脚本家で(代表作「ペーパー・ムーン」「普通の人々」「ジュリア」「運命の女」…で、今年73歳!)、キルスティンも「かなりお年の脚本家だから、セリフにいまどき使わないような云い回しもあって…」なんて云ったよニャ〜と思ってたら、実はノンクレジットながら前作でも脚本参加していて、「1」のラストシーンは彼が書いたのだとか。ニャるほど。ピーターの決意で終わる前作のことを思えば、「2」での起用もよくわかる…けど、これだけの大作なので、リライト脚本家はかなりいそうだよニャ…。でも結果面白かったんだから、これまた文句まったくナシ。

悩める等身大ヒーローの葛藤ストーリーでありながら、ギャグあり、思わずのけぞるアクションあり、魅力的なキャラあり、ハートウォーミングな盛り上がりあり――見所たくさん、しかもそのすべてが絶妙に絡み合っている、原作ファンも鼻高々であろう、最高に魅力的な1本。完全に私好みで…もう大好きです!

ところで。恒例のブルース・キャンベル探し。今回は分かりやすかったですね♪…私としては「ルパン三世」を、監督はサム・ライミ、銭形警部をブルースでやって欲しいんだけどニャ〜…って、ダメっスか?

夏バテバテ

2004年7月25日 日常
←借りに行かなきゃ…ってこの映画、ヨアン・グリフィズが出てたのね…。う〜む…またもや言霊?

気持ち悪い…珍しく、体調がよくありません。
「スパイダーマン2」などの感想も書いておきたいのにニャ…。
でも考えてみれば、上半期のフェイバリット映画の話を書いてないか。

…おやすみなさいまし。

>蛍風さん
おおおおおおおおおおおおおおおおおお!
「102」でしたか!…今度、借りて観てみます!
作品が分かって、私もスッキリ♪
ありがとうございました!

…うちの近所のレンタルビデオ屋さんにも、蛍風さんのような店員さんがいるといいのにニャ〜…。絶対返答がありそうですもの。う〜む…蛍風さんをレンタルしたい。
←左からクライブ・オーウェン(アーサー)、キーラ・ナイトレイ(グウィネヴィア)、ヨアン・グリフィズ(ランスロット)。
クライブ・オーウェンが主役のアーサーなんですよ〜と云っても、このポスター見る限りじゃあ、キーラ・ナイトレイが主演みたいですよねぇ。「キーラ姫と僕ら」って感じ。

というわけで、なんとか「キング・アーサー」を観に行ってきました。暑かったよ〜…。

「キング・アーサー」King Arthur(2004・米)
IMDb→http://www.imdb.com/title/tt0349683/
日本公式サイト→http://www.movies.co.jp/kingarthur/index.html
監督:アントアン・フークア
脚本:デヴィッド・フランゾーニ
出演:クライブ・オーウェン、キーラ・ナイトレイ、ヨアン・グリフィズ、マッツ・ミケルセン、ジョエル・エドガートン、他

ストーリー:
西暦415年。ローマの司令官アーサー(C・オーウェン)は、ランスロット(I・グリフィズ)をはじめとする円卓の騎士らを率い、独立を求めるウォード(ブリテン人)や他民族サクソン人たちから、ブリテンのハドリアヌス壁を守ってきた。だがローマは撤退を決め、ゲルマヌス司教は、アーサーらに敵地である北部からローマ人一家を救うという最後の命を下す。そして北部の地に到着したアーサーたちは、ローマ人のほか、そこで囚われの身となっていたブリテン人のグウィネヴィア(K・ナイトレイ)を救うが――

「本来15世紀あたりの話と云われているアーサー王伝説ですが、本作では5世紀に設定してみました」というお断りから本編スタート。つまり、「オリジナルストーリーになるから、そこんとこヨロシク〜」と云いたいわけね――だったら、お手並み拝見といこうじゃないの!…と、それなりの心構えをし、多少設定が違おうとも映画として面白ければいいや〜なんて思いながら、スクリーンを見つめていたんですが。

途中まで――グウネヴィアが出てくるまでは「ほ〜、そうきたか〜」と200歩譲って観てたとゆーのに―――

コラァァァァァァァァァァァァ〜〜〜〜〜!!
ランスロットの見せ場がまったくない
やんけ!

どこが最強の騎士や!?俺は納得いかんぞ!…って、日本人の私ですらそう思ったんですから、アーサー王伝説好きの英国人のみなさんは、もっと納得いかなかったことでしょうねぇ。そしてクライマックスのあのアーサーの云い草は(たとえ正直でも)あんまりだわ。しかも地味とゆーか、常に仏頂面のクライブ・オーウェンでは魅力ないしねぇ…。

(以下、それなりにネタバレありです。お気をつけ下さい)

アーサー王伝説を知らない人には、なんであの最終バトルでグウィネヴィアがランスロットに駆け寄ったかわかんないでしょう――そりゃそーだ、だってろくな伏線を張ってなかったくせに、最後にムリヤリそれを回収しようとするんだもん。あれじゃわからんっちゅーに…ってか、伏線を湯浴み目撃と視線だけで済ますな!ばかもん!…「恋は視線から始まる」ったって、あれじゃムリだっつーの!

そしてあのクライマックスのゴーインさにはショック。クライマックスで誰かが死ぬというのは、たしかに文字通り最大の盛り上がりとなるわけですが、なんでが!?…「アーサー王伝説」で重要な彼を死なせれば盛り上がるとでも思った?…いきなり過ぎだし、安直だっつーの!

丁寧に作ってあるかと思ったのに、クライマックスからラストにかけての雑な展開に大ショック。いくらエンタテイメント映画だと云っても、風が吹いて桶屋が儲かっては困るのよぅ〜…。

アーサーは…やっぱオーウェンじゃツライな〜と。集客力もないと判明したし、地味だしそれほどセクシーとも云えず…こりゃボンド候補から脱落か。リーダーの風格だけでなく、人間味もあるアーサー王を描きたいという印象を受けたのに、彼の仏頂面、口から発せられるセリフとセリフまわし、全体的に醸す雰囲気などがそれを感じさない。とてもフラット。それ思うと、やっぱラッシーは、稀有な風格と演技力で素晴らしかったよニャ〜…。リドリー・スコットやピーター・ウィアーの云ってたことは、ズバリだったってことか。

円卓の騎士のみなさんは――正味2時間では描ききれないし、仕方がないという感じ。それでもランスロットはヒドかった…せめてもちっとカッコイイ見せ場を用意して欲しかった…とゆーか、カットして欲しくなかった

みんなビックリの野生児グウィネヴィア――その薄めな胸周りに対し、個人的にたいへん共感を覚えましたが――仏頂面で淡白なセリフまわしのクライブ・オーウェンが相手では、熱演してもラブシーンがまったく映えないし、年齢差を必要以上に感じさせてるし、ムリが生じて(色気もないし)、正直観ていてツラかった。どうせあんなムリなクライマックスとラストを迎えるなら、アーサーじゃなくてランスロットを選ぶ(もしくは完全に恋愛からランスロットをはずす)脚本にすりゃよかったのに。どっちにしろ、映画オリジナルなんでしょ?

しかし…「アナタがレイプされないように私が守ってあげる」と云うグウィネヴィアに、云われるランスロットかあ。……。中世とは、学術的に云うとだいたい5世紀〜15世紀(西ローマ帝国滅亡あたりからルネッサンスの前ぐらい)なんですが――カタパルト(「タイムライン」にも出てきた、中世を代表する木製の投石機。いちおう古代から存在してました)が出てきたり、映像がダークな色調だったりと、観ている側に中世をイメージさせるとはいえ――グウィネヴィアは現代人みたいだったり、なんだか全体を通して観るとバランス悪い。あと…妙に「七人の侍」を意識してません?(そう思ったのは私だけ?)

アーサー王伝説を知らないほうが楽しめたかもしれない…でもどうせウソをつくなら、上手にウソをついて欲しい――そんなことを感じさせた一作。たとえば、原作を踏みつつもオリジナルな展開だった「仮面の男」なんかは、キャラは立ってたし、ウソも上手についてたので、とても楽しく観れたのになあ……。
←2004年8月27日、パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパンよりリリース。4,179円也。

日本では今でも絶大な人気を誇るメグ・ライアンの最新作、「ファイティング・ガール」(原題:「Against the Ropes」)が、なんと劇場未公開のビデオスルー作品となってしまいました。…ちょっとビックリ(ただし、その理由はわからんでもない)。

たしかにこの作品は米国でも大コケしたのですが(オープニング週の興行成績が300万ドル…これはツライ)、多少斜陽気味とはいえ、日本ではメグ・ライアンって、まだまだ人気があると思ってたんですがねぇ…う〜む…「イン・ザ・カット」もコケたし、やっぱ「盛者必衰の理をあらはす」というところでしょうか。……ちと淋しい…。

映画の内容としましては、実在する女プロモーター、ジャッキー・カレンの人生を映画化したサクセスストーリーだそうで、メグはジャッキーを演じるにあたり、彼女の話し方や服の好みなどを徹底的にリサーチして役作りをしたそうです。珍しくボディコンシャスで真っ赤な服を着ているのは、たぶんそのためでしょう。

それにしても――映画の出来や演技うんぬん以前に、メグの顔が気になります。口元に小細工を施したのがモロバレ。なんかメグを見てる気がしない…う〜む…ヘンにいじっちゃったよニャ〜…。

DVD・ビデオのリリースは8月27日。とりあえずレンタルビデオ屋さんで借りて観ようと思っています。

それから、先日の地下日記にてちょろりと書いた来年のラジー賞についてですが。「キング・アーサー」のキーラ・ナイトレイが、ヘタすりゃ主演女優賞を獲ってしまうんじゃないかと思っていたところに――大本命作品が現れました!

米国で今週公開のハリ・ベリー主演「キャットウーマン」――すんごいボロボロな批評をくらっております!…褒められてるレビューがほとんどないという状態。そ…そんなに力の入った駄作なの?…うわ〜、こりゃ俄然観たくなってきた!(←私らしい)

「キャットウーマン」は、主演がニコール・キッドマン→アシュレイ・ジャッド→ハリ・ベリーと変遷があった上に、悪役がシャロン・ストーン、監督はよくわかんない映像系出身の人、ハリ・ベリーが着用するキャットスーツがダサすぎる――と、公開前からファンが心配したり、いちゃもんつけたり、すったもんだがあった作品です。とくにキャットスーツの不評さは凄まじく(バットマンファンは口うるさいことで有名だし…って、今まで映画化された作品のことを思うと、その気持ちがわからんでもない)、スタジオが撮り直しを検討したほどだったとか。……。これはなんとしてでも観なければ!

もしハリ・ベリーがラジー主演女優賞をゲットしたら、オスカーとラジーの両方を獲ることになりますが、そんな俳優さんは過去にいたのかニャ〜?

ちなみにラジー主演男優賞は――「リディック」のヴィン・ディーゼルあたりが獲るかもニャ…って、上半期が終わったばかりだから、まだわかんないか。
←「ブッシュ妄言録」の第二巻、現在発売中。

このブログでも以前語ったように、だびゅあ(米国現大統領ブッシュさんのあだ名。ジョージ・W・ブッシュの「W」を、彼の出身地テキサス訛りで「だびゅあ」と発音することから。この「だびゅあ」がいったい何であるかわからず、その昔私もさんざん探したよニャ〜…)さんの珍発言のことをブッシズムと云います。そのブッシズムを、TVやラジオ、インターネット、新聞記事などから丹念に拾い集め、紹介した本が↑の「ブッシュ妄言録」(現在、書店にて絶賛販売中)。ブッシュ大統領って、珍発言のホームラン王なんですよねぇ。……あっちで飛ばし、こっちで飛ばし…。

なお、その著者でいらっしゃる方のサイトでも読むことができまして、最新ブッシズムが日々更新されています。

ASEANでのパウエル長官による「YMCA」も、ちゃんとフォローされている――さすがだわ…。

この8月に日本で公開される「華氏911」を鑑賞するご予定の方は、↑のサイトで、「ブッシズム&だびゅあ大統領の人となり予習」をされてもよいかと思まする〜。

では、また♪

>まりゅうさん
とくにこのブログでは書いていませんでしたが、私にとって「アメリカン・スプレンダー」は(出来はどうであろうと)、絶対はずせない映画。なので、まりゅうさんもご覧になってそうだと思ったのです。ちなみに、当たると思ってました♪

Pillow Talk

2004年7月21日 映画ヨタ話
←ドリス・デイのDVD-BOX。実はこの中の1本がお気に入りなのですが、ユニバーサルはバラ売りをしてくれない…。ぐぐぐぐぐぐぐ…。

なんでいきなりドリス・デイかと云うと――

>蛍風さん
「恋は邪魔者」の画面分割してムフフ♪なシーン――私はロック・ハドソン&ドリス・デイの「夜を楽しく」(1959)を思い出しました。ハドソンとドリスがそれぞれ別にお風呂に入ってて…画面が分割して…足が上がって…画面ラインを割って…という感じだったような(うろ覚え)。これ以外にも、画面分割ムフフな映画はあると思うのですが、「恋は邪魔者」を観てたら、60年代テイスト&ドリスへのオマージュをビシバシ感じてしまい、つい「夜を楽しく」を思い出したのでした。

それから…え〜っと私、ドパルデューが大好きでして――彼(とジャン・レノ)を観るために、今年早々「ルビー&カンタン」というフレンチコメディを観に行ったのですが――いや〜、ため息が出るほどドパルデューは上手かったです。でっかい体で仔犬のような演技。素晴らしい!…そんな彼が相手だったせいか、ジャン・レノも演技しやすそうに見えましたねぇ。でもふたりが同い年だったとは知らなんだ…し〜ん…

↓ジェラール・ドパルデューってこんな俳優さん(IMDb)
http://www.imdb.com/name/nm0000367/
すんごいお写真なのですが――どの映画で演じた役なのか、もしご存知の方がおられましたら、教えて下さいませ。

でも私――「ミッション・クレオパトラ」では、見事返り討ちに遭いました…。

むむむむむう…時間切れにより今日はここまで。
ネタはあっても時間が作れず。

――おやすみなさいまし。
←最近はその報道も落ち着きましたが、逸話には事欠かないお騒がせJ.LOことジェニファ・ロペス。英国の某ホテルに滞在中、100mほどしか離れてない隣のホテルへと移る際、スタッフ30人とともに15分かけてリムジンに乗り込み、たいそうな移動をしたとか、ルイ・ヴィトンのイメージキャラクターだった頃、撮影で使用した高価な衣装やバッグを根こそぎ持って帰り、自分で持てなかった分は後からスタップに取りに行かせ、ルイ・ヴィトンを激怒させたとか――どこまで本当なのかはわかりませんが、将来リッパなオバちゃんになりそうですよねぇ。

今日は、そろそろ米国でも公開されるジェニファ・ロペス主演最新作のトレイラーよもやま話をば。

「Shall We Dance?」(2004・米)
IMDb→http://us.imdb.com/title/tt0358135/
公式サイト→http://www.miramax.com/shallwedance/index.html
トレイラー(Apple)→http://www.apple.com/trailers/miramax/shall_we_dance.html

え〜っと、タイトルもそのまんまの通り、1996年に日本でヒットし、どこまで権威があるのか(私には)わからない日本アカデミー賞を総ナメ、海外でも高い評価を受けた、周防正行監督作「Shall We ダンス?」のハリウッドリメイク版。主演はジェニファ・ロペス&リチャード・ギア、監督は「セレンディピティ」のピーター・チェルソム、ミラマックス配給で米国公開は10月15日。日本公開は未定。

ワーカホリックな弁護士ジョン(R・ギア)は、ある日ひとりの美しい女性ポーリーナ(J.LO)を見かけ、彼女を追っかけていったところが社交ダンスクラブで――と、多少の設定は違えど、かなりオリジナル版に近いストーリーとなっているようです。

で、トレイラーなんですが。J.LOがやたら麗しいものの、その目はやはり獲物を狙うようで――と、そんなことを思いながら見ていたら、いきなりスタンリー・トゥッチがまんま竹中直人な状態で登場。これには私も驚かされましたよ〜!…まさかここまで忠実にするとは。

↓やっぱりハゲなキャラのS・トゥッチって、こんな俳優さん(IMDb)
http://us.imdb.com/name/nm0001804/

主演に関しては――5〜6年前にスポーツ報知にてリメイクの記事を読んだときは、ギアじゃなくてトム・ハンクスが候補でした。…トムは断ったのね…うん、それ正解。R・ギアのほうがいいと私も思うもん。でもまさか相手役がJ.LOになるとは思ってなかったけど。

そういえば、ミラマックスがオリジナル版を米国で配給した際、ワインスティーンが「Mr.シザー」のあだ名通り、本編を思いっきりカットしたそうで、当時周防監督が嘆いていたよニャ〜…(これもソースはスポーツ報知)。

はてさて、リメイク版はどんなものやら――日本でも公開されたら、観に行こうと思います。

♯左利きフェチ友の会より報告
左利きリスト追加:竹中直人
彼の場合、目を閉じて声だけ聞いてるとウットリする…けど、それだと左利きとはわからないか。

>まりゅうさん
my予想は下記の通り。

「キング・アーサー」(先行)
「アメリカン・スプレンダー」
「ウォルター少年と、夏の休日」
※予備として、「シュレック2」(先行)あたり

ちなみに、現在公開中で私が観に行きたい3本は…「アメリカン・スプレンダー」「花咲ける騎士道」「ウォルター少年と、夏の休日」。

でも、私が住む田舎では上記のうち「ウォルター少年〜」だけが公開中。あと2本はどうなるやら…。あ、そういえば「スイミング・プール」の上映が決まったので、夏過ぎには観れそうです。
←マトリックス長者というか、現在すっかりお金持ちなキアヌ・リーブスさん(もうすぐ40)。人もうらやむようなリッチマンなくせに、今でもボロ服を着、ガムテープ補修されたシューズを履いて、LAをうろついているのだとか。高そうな服を着てる写真もよく見ますが、これがまったく着こなせてない。実にキアヌらしいお話ですけど、こんな風にヒゲ剃って、なんにも喋らないで笑っていれば、どこぞのお坊ちゃんに見えなくもないんですけどねぇ…って、もうすぐ40男にお坊っちゃんってのもないか。

「キング・アーサー」でも観に行こうかと思ったら、いきなり豪雨に遭遇。仕方なくCATVを観てたら、キアヌ主演映画が放送されておりました。劇場鑑賞済みではありますが、今日はその作品の感想をば。

■「陽だまりのグラウンド」Hard Ball(2001・米)
IMDb→http://us.imdb.com/title/tt0180734/
DVD→松竹 2002/08/24 ¥4,935
監督:ブライアン・ロビンス
脚本:ジョン・ゲイティンス
出演:キアヌ・リーブス、ダイアン・レイン、ジョン・ホークス、他

ストーリー:
ギャンブルで身を持ち崩し、ダフ屋暮らしのコナー(K・リーブス)は、友人との交換条件によって、ある少年野球チームのコーチをすることになる。チームの少年たちは、みなシカゴのスラム街に住む子供たち。彼らに対して、最初は冷たく頑な態度を取っていたコナーだったが、劣悪な環境にも負けず、野球を愛する彼らに感化され、いつしか変わっていく。そして――

う〜ん…。
キアヌ主演のメインストリーム映画(米国ではパラマウント配給)じゃなくて、TVムービーとして作られたならば、「ああ、いい話だな〜」としっくりきて終わったかもしれない。超王道感動ストーリーなので、なにもキアヌ主演という変化球を投げなくたって…って、やっぱスタジオ側としては興行面で期待できる「マトリックス」明けのキアヌ様々だったんでしょうけど。

正直云うとその…「リプレイスメント」(2000)と同じで、キアヌに対して、アメフトだの野球だのとメジャースポーツに関わってる米国大衆向けなイメージなんざ、どうやったって思い浮かばないんだもん。アイホプレイヤーや、さすらいのバイク野郎、バンド男を演じるならまだ説得力あるけど、野球は違和感アリアリ。

と云っても、みんなが指摘するほどキアヌの演技は悪かなくて、頑張ってやさぐれ男を演じてたと思う…けど、やっぱこの映画はキアヌより子供たちがメインかな。スレれてない子供たちがカワイイ♪…ちなみにダイアン・レイン演じるエリザベスは、キアヌasコナーとねんごろになるのかと思ったら、それもなく――原作付き実話ベースな作品だからか、本気で徹底的に感動ドラマとして仕上げてある。でもいくら実話だったとしても、私はGが*****ことにかなり抵抗を感じたっスね。それで感動に持っていく路線が、なんか野島伸司みたいで少し鼻についたかなと。そしてつくづく思ったのは、やっぱりキアヌは演説をカマすタイプじゃないってこと。カマされて流すタイプだと思うナリ。

たしかにいいお話ですよ、でもやっぱり1本通して観ると映画向きなストーリーとは思えず、実際、演出や画ともにTVムービーな雰囲気が出ててこじんまりしてたし…だったらここはひとつ王道らしく、デニス・クエイド主演のTVムービーとして撮ったほうがよかったのでは?

でもまあ、脚本がキアヌに回ってきた時点で、彼は感動してコナーを演じてみたいと思ったんだろうし、スタジオ側も2100万ドルの低予算映画で、キアヌを主演に持ってこれたんだから(ヤツの出演料は「マトリックス」以後さらに跳ね上がり、「リプレイスメント」で1250万ドル、「マトリックス」続編でそれぞれ1500万ドル+15%グロス…でも彼の場合、出演したい映画であれば相当お安いギャラで引き受けちゃう俳優としても有名)、お互い思惑は一致してたんでしょうけどねぇ…。子供たちも、「マトリックス」の人と共演できたのは嬉しかろうて。学校で「マトリックスの人と共演したんだぜ〜♪」と自慢しただろうに100万ペソ!

ところで、この映画を観に行ったときのこと。私の横に座ってた女の子ふたり連れが「キアヌ・リーブスの相手役の女優が老けていて、釣合いが取れてなかったよね〜」なんて話してたんですが――

ダイアン・レインはキアヌより年下だっつーの!
(彼女は子役でデビューしてるので、サバは読んでない…というか読めないなず)

小学生の頃、学校近くに貼られていた「リトル・ロマンス」の映画ポスターに胸キュンした私なんかは、この映画でキアヌとダイアンが同じフレームに入ってくるたびに、「キアヌがあのダイアンと共演してるよ〜」と、目を細めちゃったんですけどねぇ…。ああ、20年ひと昔か…と思わぬところで溜息をついてしまった作品。
←この映画は劇場未公開作品なので、DVDにて鑑賞しました。それにしてもビデオスルー作品らしい邦題だよニャ…。

昨年書いた映画感想に追記・訂正してみました。
(以前から書き直したいと思っていたので)

ラストには触れていませんが、適度にネタバレしているので、本作をご鑑賞予定の方はお気をつけ下さい。

「アマンダ・ピートの ピンクな気持ち ワタシは、Hなオンナのコ」Whipped(2000・米)
IMDb→http://us.imdb.com/title/tt0174336/
DVD→ハピネット・ピクチャーズ 2003/12/21 ¥3,990
監督:ピーター・M・コーエン
脚本:ピーター・M・コーエン
出演:アマンダ・ピート、ブライアン・ヴァン・ホルト、ジューダー・ドムケ、ジョナサン・エイブラハムズ、ゾリー・バーバー、他

ストーリー:
週に1度はダイナーに集まって、付き合った女性の話をし合うブラッド(B・ヴァン・ホルト)、ジーク(Z・バーバー)、ジョナサン(J・エイブラハムズ)、エリック(J・ドムケ)は、仲の良い男4人組。そんなある日、彼らの前にミア(A・ピート)という女性が現れた。ミアに心惹かれ、付き合いだすブラッド・ジーク・ジョナサンの3人。だが、全員がミアと付き合っていると分かると、その友情に影響が出始める。そして――

「アマンダ・ピートって、誰よ?」と思いながら観始めたんですが――あれ?私…最近、この顔を見たぞ?

なにに出てたっけ〜?としばし脳内検索の旅に出てたら、最近公開された「“アイデンティティー”」に出てた女優さんだとようやく気がつきました。さらに、先日紹介したジャック・ニコルソン&ダイアン・キートンの新作、「Something’s Gotta Give」のトレイラーにも出てたと気付き…ってことはなんですか?彼女の将来性を見込んで、この映画のDVD、およびレンタルビデオのリリースを決定したんですか??

「ひとりの魅力的な女性をめぐって、複数の男がすったもんだを繰り広げる、ちょっとえっちなストーリー」という、よくある設定とあらすじを持つ今作なのですが――いちおう見所は「4人の男がそれぞれカメラに向かい、男のホンネというものをしみじみと語る」といったあたり。

で、その独白系「男のホンネ」なんですが――意外や意外、女である私が「ああ!それ、よくわかるわ〜」と、納得してしまいましたよ。

■「用を足したあと、便座を下ろさないと女は怒るんだ」

そう!ちゃんと下ろすよーに!!
(ちなみに、ヒュー子ちゃんも年上の奥さまにそう怒られてるらしい)

■「ひとりでヤルとき、手を痺れさせてからヤル。そのほうが人にしてもらってるような感じがするからだ」

ゲイの友人Fは左手でヤルのだとか。理由は上と同じ…って、私が納得したところで、どーしよーもナイんですが。

■「『ナインハーフ』のミッキー・ロークは素晴らしかった。女に対して常に主導権を持っていた」

たしかに素晴らしかったっス!私も完全に騙されてたっス!
でも「主導権は男が持たねば」なんて考えてる男ほど、女に主導権を握られてると思うけど?

■「『セント・エルモス・ファイアー』(1985)でのアンドリュー・マッカーシーは損をしている。知的でクリエイティブな仕事をしてるとゲイだと思われがちだが、彼自身もそうだと思われてしまった。僕は、同じ仕事をしていても違うけどね」

A・マッカーシー演じるケビンは、たしかにあの映画でゲイだと勘違いされておりました。でも、実際にゲイなのは監督のジョエル・シューマカーなんですけど…。

などなど、つい唸りながら観てしまったナリ。それ以外となると…むむむむ…ちとツラい。結局、流し気味鑑賞になっちったい。なんつーかその…男性版「Sex and the City」といった感じを出しながらも、「Sex〜」と決定的に違うのは――どのキャラクターにも魅力がないということ。たとえば「アメパイ」シリーズもそうであるように、この手の映画は、まずキャラありきじゃないと面白くないんだよニャ…。

俳優陣にそれほど魅力があるとも思えないし、それなりに面白いエピソードはあっても、「…だから?」で終わってしまって続かない。そして、女の私ですらアマンダ・ピート演じるミアが魅力的に思えないってのはかなりツライよニャ…。「カワイイ顔して実はビッチ」だったとしても、その理由がとても弱いから、こっちとしてはミアに共感することもできない。じゃあ、男4人に同情・共感したかと云えば、「(この映画の)男ってバカね」と思うだけで終わっちまったい。

映画を観る上において、必ずしも同情や共感が必要であるとは思わないけど、こういうごく一般的な「友情と恋愛事情」を絡めた普遍的なストーリーってのは、やっぱ観る側に共感をさせ、キャラクターを魅力的に描かないと面白く観れないなと、しみじみ実感してしまった作品。女を魅力的に描けなかったのは、差し引きのできないでっかいマイナス点だと思うナリ。それでも男4人に対しては、「ああ、こんな男っているかもね」とそれなりに思えたので、ミアよりはリアル感があったか。

なお、男性がこの映画を観て「男のホンネを語ってる、友情ってこんな感じだ」と思えたかどうかは、女の私にはわかりましぇん。

ところで。男4人&ミアの年齢設定は、26〜27歳あたりだそうですが、そんな世代がピーター・ウィアー監督作「誓い」(「足は?」「鋼のバネ」「ヒョウのように」)や、「トッツィー」(「ジョージジョージジョージ!」)のセリフを引用したり、「セント・エルモス・ファイアー」、「ナインハーフ」の話なんてする?…30代以上じゃないとわかんないと思うけどな…。
←「シュレック2」のキャンペーンで、マイク・マイヤーズと一緒に来日していたキャメロン・ディアス。彼女の髪は、正真正銘ナチュラルブロンド、染めていないそうです。身長は約175cmで高いし、髪はブロンドだし、瞳はターコイズブルーだしで、てっきりルーツは(苗字はともかく)北欧系だろうと思ってたら――「ママはネイティブアメリカン・イタリア・ドイツ系、パパはキューバ人」なんだとか。キューバといっても白人系でしょうけど(パパは「メリーに首ったけ」にチョイ役でご出演してます)、まさかそれほどいろんな血が混じっているとは。でもまあ、その血の配分が絶妙だからこそ、あんなに可愛らしいお姿なんでしょうねぇ。うらやましひ…。

夏バテ中なので、以前書いた映画感想の再UPでまたもやお茶濁し…すみましぇん…。

「クリスティーナの好きなコト」The Sweetest Thing(2002・米)
IMDb→http://us.imdb.com/title/tt0253867/
DVD→ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2004/08/04 ¥2,090
監督:ロジャー・カンブル
脚本:ナンシー・M・ピメンタル
出演:キャメロン・ディアス、クリスティナ・アップルゲイト、セルマ・ブレア、トーマス・ジェーン、他

ストーリー:
決して本気にならないお手軽な恋ばかりをしてきたクリスティーナ(C・ディアス)は、友人のコートニー(C・アップルゲイト)とジェーン(S・ブレア)とともにクラブへと遊びに出かける。そこで出会ったピーター(T・ジェーン)に、思いがけず心惹かれてしまうクリスティーナ。その気持ちに気付いたコートニーは、クリスティーナのためにある作戦を企てるが――

なんつーかその…かなりお下品な下ネタを連発しても、キャメロン・ディアスってのは決してヨゴレない…とゆーか、ヨゴレさせてはいけない女優さんなのね〜…。

結局、ヨゴレ役を演じるのはC・アップルゲイトとS・ブレア。「***がノドに詰まって抜けない」とか「男性用小トイレで用足し」なんての、よくやったよニャ〜…。

しょーもない映画だと思うし、あれだけ下ネタ連発させといて、ラストが可愛らしいラブコメ風なオチってのも、唐突過ぎてちとバランス悪い。女の私から見て、「そう!そうなのよ!」と共感できるような女のホンネはとくになく――ただただ、女の子3人組(ディアス、アップルゲイト、ブレア)によるゴー・ウェント・ゴーンなハイテンションに振り回され、結果でっかい引きを感じてしまいましたよ。とくに公開時カットされたという「***ソング」なんて、あれだけあっけらか〜んとあっかる〜く歌われたりすると、観てるこっちはもうボーゼン。いくらキャメロンと同世代の私でも、あの曲はムリ!歌えませんって!(←あの…秋林さん…裏シドでのお歌は?)

そして男性陣に魅力がナイのもツライか。云ってることも「女性が書いた男のホンネ」の域だし、彼らがハイなクリスティーナたちに、なにかしらのガツン!と衝撃を与えるシーンがあるわけでもナイし、この映画を観てる女性に「男ってバカね〜」と思わせることもナイし、その逆もナイ(個人的にこれが一番ツラかったナリ)。

なので、駄作とコキおろす人が多いのもわかる。実際、どーしよーもなくしょーもない映画だと私も思うけど――この手の映画を「つまらん!」だの「最悪!」だのと、大真面目に駄作扱いするほうがダサイと思うんだけどニャ…。世の中には、もっとれっきとした駄作(←なんじゃそりゃ?)があると思うナリよ〜…。

こーゆー映画は、主演女優が魅力的じゃないと本当にツライ。その点において、この作品は完全にクリアしてます。だって、キャメロン・ディアスがとてもカワイイんだもん。でも、彼女にこの手の路線――つまり、コスプレと下ネタが必須であるコメディ――のイメージが固定しちゃうことが、ちーと気にかかります。…ま、それは私が心配しなくても、ご本人はすでにお気づきでしょうけど。

主演に下品さがない、お下品ラブ・コメディ…まったく面白くないとは云わないし、キライでもないけど――キャメロンがいなかったら、日本では公開されないまま、数年後にビデオスルーとなってただろう作品。
それは突然の出来事でした。

思い立ったが吉日とばかりに、うちのままりん(母)がPCを購入。
なんにも知らずに仕事から帰ってきたドラ娘は、お茶の間に入るなり硬直。買うなんてまったく聞いてなかったし…もうビックリしたよぅ!

…とゆーわけで、秋林家お茶の間PCが代替わりを致しました。

自分専用のPCを買うと云い続けて、早や3年――でもすっかりお茶の間PC環境に慣れてしまい、いつの間にやら満喫状態。こりゃとーぶん、マイPCはいらないニャ…。

ちなみに、新しいPCがやってきて私が初めてしたことは――「Master and Commander」US版DVDを観ること

もう…超しあわせ♪

では、また♪

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